ぶんかさい
〜kikumaru ver.〜
青学文化祭がやってきた。
何ヶ月も前から準備してきて、すっごーく自信作だったから
小学校時代の友達呼んじゃったんだ!
ちゃららっちゃららっ
オレのケータイが鳴った。
表示を見ると…だにゃ!
「キクー!今青学前だよん♪」
「おー!ちゃんと来てくれたんだ」
「あったりまえよ。なんたって青学の文化祭だからね。
で、どこに行けばいい?」
「オレは3-6にいるから、待ってるにゃ!」
「OK」
数分後、がきた。
「もう青学ってマンモス校だから、まよっちゃうよ」
「もうすぐで始まるから、まー席について待っててよ」
「人形劇やるんだって?いいねー珍しくって。
楽しみにしてるよ」
「まかしといて!」
3−6は人形劇「赤頭巾ちゃん」を上演!
登場人物も少なくって、人形作るのは楽だったんだけど
声がむずかしい。
それを夏休み中、なんどもなんどもセリフを覚えようとして
部活中にもぼやいていたもんだったから
手塚に「菊丸…部活に集中しろ!」と怒られるほどだった。
けれどとうとう本番。気合入れていかなくっちゃね!
ビー
「おっいよいよ始まりね!」
これまた手製の幕が上がって、赤頭巾ちゃんが出てきた。
「キクは何の役だろう」
すると突然聞き覚えのある声。
『ここに隠れて赤頭巾を待っていよう!』
「キクは狼の役か…似合わない・・」
人形自体は腕しか動かない作りだけど、
声が様になってる。
「よっぽど練習したんだね(菊丸語出てきてないし)」
いよいよラストシーン。
『赤頭巾ちゃんを助けよう』
『狼に石を詰め込んでください』
狼のお腹が割れ(チャック)石が中に入っていく。
「すごく上手いなぁ」
と、そこで生じるハプニングはもはやお決まり。
狼のおなかは膨れ上がる。それと同時にだんだん腕のほうが裂けていく。
次には、もう石がはみ出て、キクの指も丸見え。
『にゃっ!オレまで丸見えだにゃ!』
クスクス…
「うわ…思いっきり素だ」
とにかく続行し、人形劇は終わった。
「おまたせ!どうだった〜?」
「スッゴク上手だったよ!人形とかも手が込んでて。
でも最後のあれはねぇ…」
「人形作った人に聞いたらさ、仮止めしてたままだったんだって。
あせったにゃ〜」
「まーお疲れさま!狼さん」
「それじゃぁ青学文化祭、案内するにゃ!れっつらゴーゴー!」
end*
:::::::::::::::あとがき:::::
文化祭菊丸ヴァージョン。
他校生が文化祭に来る時って、どんな感じかなーと思ったのですが、
菊丸の見ただけでおわってしまいましたナ…。
長くなりそうだったので(言い訳)
アクロバティックな菊丸が、人形なんて
小手先だけで「えいえい!」ってやってる姿が
おもしろそうだったのでつい…。