bunkasai
〜echizen ver.〜
待ちに待った文化祭!
あたしのクラスはミスコンするんだ。
今点呼とってるところなんだけど…
「越前…越前!いないのか?」
テニス部一年エースの越前リョーマ君。
テニスはすっごく上手いのに、生活態度はよろしくない…、
「あ〜ちょっと、!
越前を探してきてくれ。」
「えっ?――あ、ハイっ」
なぜあたしが言われたかっていうと
一番ヒマそうにしてたから…。
だってミスコンっていっても事前準備で候補者をカメラ撮影して、掲示して当日の投票を待つだけ。
他のクラスのみんなは教室の装飾に回ってたけど人手が足りてるみたいだったから徘徊してたってわけで。
「リョーマ君、どこだろ〜。」
ただでさえごった返している学校。
こんなところでぶらついてる…わけないな。
「どーせ、またいつもの所かな」
あたしには心当たりがあった。
一番はじっこのクラス脇にある階段を上っていった。
ギィィ
「リョーマ君、いる?」
返答が無いけれど…
「(やっぱり、ここにいた)」
ドアのすぐ上、はしごを登るとそこは小さな日当たり良好なスペース。
つまりお昼ねのベストプレイスになる。
「リョーマ君。文化祭までサボる気?」
授業もサボってはここで寝るリョーマ君は
姿が見えないとしたらここにいるしかないのだ。
「ん…あぁか」
「1年生の文化祭ぐらい出たら?」
「別に・・やることないし」
「でも…」
「クラスの仕事もないし、
学校ウロウロしてたら部活の先輩に見つかって模擬店の仕事しなきゃなんないし。
せっかくいい天気なんだから寝ないと損」
「何それーどういう理屈・・・」
「も一緒にサボろ?」
いつの間にかリョーマ君に手を握られていて半ば引っ張られている。
「リョーマ君に言われると、ホントにその気になっちゃう…」
「そうこなくっちゃ」
そうして、騒ぎ声を下のほうに聞きながら、
私たちは仲良く文化祭をサボってしまいました。
「やっぱり気持ちい〜」
うとうと…
がばっ
西日に照らされて顔をゆがめた時、
やっと自分が寝入ってしまっていたことに気づいた。
「やっと、起きた?」
ニヤニヤしながらこっちをみるその人。
もしや、寝顔見られてた?!
「やだーずっと寝てたの、あたし!
――ってもう文化祭おわってるじゃん!」
「うん」
「じゃなくて!
また点呼とってるから、サボってたのがバレるよ。
ほら、リョーマ君、ダッシュ!!」
教室に帰ってから、先生に
「越前を見つけてこなかった時点で、お前らのサボりはわかってたぞ」
といわれ、見事出席簿にバツがかかれていた。
まぁリョーマ君と一日中一緒にいられたから良しとしよう。
「の寝顔、かわいかったよ」
end*
:::::::::::あとがき::::
文化祭王子ヴァージョン。
リョーマはまともに参加しないだろーなーと思い
サボらせてしまいました。
文化祭って思い出作る一番のイベントの一つだけれど
サボってしまった、だがリョーマと一日中いられたから
これが思い出となった、そんな感じ。