文化祭
〜isumi ver.〜



文化祭って、お祭なんだから、楽しまないとね。

という理由で、遠慮がちだった伊角君も引っ張ってきた。
高校一年の文化祭は経験者も少なく、何かと準備が忙しい。

多数決で決まった出し物は、
名づけて
「ピカ●ュウ見つけてダーツしよう」!!!

発案者によると、ピカ●ュウ(略してピカ)の着ぐるみを着て
校内を歩き回る。イベント参加者がその着ぐるみを見つけてスタンプをもらうと教室でダーツをして、点に応じて商品がもらえるというもの。
校内オリエンテーリングって感じかな。

そんでもって、そのピカ制作をするはめに。
人一人入るスペースを残しておくため、本体はバカでかくなる。
ダンボールとか新聞紙とか、綿とかで作っていくそうだ。

夏休みから制作に取り掛かった。

制作班班長の私は、とにかくクラス人数をかき集めて間に合わせようとしたかったから、
無論伊角君もつれてきたわけである。

そんなある日、隣でダンボールを切っていた伊角君が言い出した。
「こういうのも今年限りだから、がんばんないとな」

「え、どういうこと?」

「オレさ、今院生一組なんだ。
だから今年はプロ試験予選免除だったから夏休みこうしてでられたんだ」

碁のことはいろいろ聞いていたから知ってたけど、
「院生一組?スゴイじゃん、伊角君。
あっじゃぁプロ試験の対策とかいいの?」

「うん、でも今年はどうせ落ちるに決まってるし。
来年以降は本格的にやろうと思って。
今年は目いっぱいがんばろうかな、なんてさ」

「そうなんだ。
けどそれがピカ制作なんてねぇ」

「楽しいよ。当日が楽しみだな!」

そういってなんとも楽しげにダンボールを切っていく伊角君。
「私もがんばらなくっちゃね」




組み立てたダンボールに新聞紙などつめて
立体的に仕上げていく。
その上から布を張って、パーツをつければ、
ピカ完成!



と、ここまでが文化祭前日の作業だったわけで。

「今から臨時ホームルーム開きます!
明日の役割分担を決めます」

クラス会長はそういったが、すでに分担済みの紙を回すだけ。

「私は…あっ?
伊角君と…ピカで校内周り?!」

ダーツ受付とかならラクでよかったのに、
よりによってピカに入って追っかけられる役になるなんて。
制作したら終わり、あとは文化祭めぐりを楽しもうと思ってたのだが。

さん…まぁよろしく」

「うん。もうひとふんばりがんばりましょ」


さて当日。

「で、どっちが入るの?」

「それはもちろんさんが。」

入れるスペースは小さく、
やはりここは身長が低い私ということは当たり前。

ピカの横脇から出入り口になっているので
そこから乗り込む姿はまるで特撮のロボット操縦みたいな。

「けっこう中暗いよ」

「オレが案内するから安心して」

台車にピカを乗せ、それを伊角君が押して移動する。

「あーピカ●ュウだ〜」

小さな子供からいい年こいたおじさんまでみんなして私たちのことを追っかけてくる。

それもそれで楽しいかな。


けれど着ぐるみの中は単純な作りであるが暑い。

さん、12時になったから交代だよ」

「あっうん、ありがと」

出入り口から手を差し伸べられ、ちょっと恥ずかしかったけど伊角君の手につかまって、やっとピカから脱出。

「次は2時からか…」

「腹ごしらえでもしましょうか」

そういいながら、私は伊角君と3年生の模擬店、カレーライスを食べにいった。


「次もピカエスコートよろしくね」





end*




:::::::::::あとがき::::::

文化祭伊角ヴァージョン。
思いっきり実話。ありがとう2−I!ピカと伊角って笑える。

もとネタは映画作成だったのですが、←シリアス風味
やると長くなりそうなのでヤメ。
また次の機会。。。

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