〈1〉 序章×ラジオ×総受け?
クラピカ 「お待たせしました! 今週もレオ×クラ×ジオの時間がやって来ました。
それでは早速、お手紙を紹介して参りましょう」
レオリオ 「ええっと、今週は、ハンターネーム『ズシ君ラブラブ』さんからのお葉書だ。
……? ちょっと頭おかしいんじゃないか、こいつ?」
クラピカ 「レオリオ、人を第一印象で決め付けるのはよくないな。
それに、一応リスナーさんなのだから、それ相応の対応をするべきだ」
レオリオ 「それもそうだな。このオレ様としたことが、紳士にあるまじき行為をしてしまったぜ…」
クラピカ 「紳士? …レオリオ、後で辞書を引くことを勧めよう…」
レオリオ 「ああっ、どういう意味だ、こらっ!」
クラピカ 「ははは、冗談だ。それよりレオリオ、続きを読んでくれ」
レオリオ 「へいへい。ええと、なになに、
『私はズシ君の大ファンです。誰からも愛されるズシ君の様子を中継してください』 …はぁ?」
クラピカ 「どうやらこの依頼人は、ズシと言う子の総受けっぷりを、我々によって放送してもらいたいらしいな…」
レオリオ 「総受け? ……何言っているんだ、クラピカ?」
クラピカ 「知らないのか、レオリオ… 今ちまたでは、総受けがブームなのだよ!」
レオリオ 「知るかよ、んなモン!」
クラピカ 「やれやれ、お前の無知ぶりには手を焼くな… まあいい。このVTRを見ろ」
レオリオ 「なんだよ、そのビデオは?」
クラピカ 「これはハンゾーから送られてきたものだ。彼の祖国のある忍者の様子を記録したものだ」
レオリオ 「ハンゾーの奴、ヒマ人だな」
クラピカ 「では、見てみよう」
少年忍者『N君』についてのレポート 〜膨れ上がった妄想〜
N君 「うわっ、先生、何するってばよ!」
K先生「はっはっは、これも修行のうちだぞ、ナルト」
N君 「本当か?」
K先生「もちろんだとも。それじゃ、ちゃっちゃと、服を脱いじゃいなさい」
ドカッ、バキッ!!
S君 「この変態ヤローが!! ナルトに何しやがる!」
I先生「カカシ先生、ナルトに変なこと教えないで下さい!」
N君 「サスケ! カカシ先生に何するってばよ!」
S君 「このドべが! あいつの下心ぐらいに気づけ!」
N君 「って、なんで抱きつくんだってばよ!!」
Sさん「そんな、サスケ君…」
I先生「ナルト… 大丈夫か? 他には何もされなかったか?」
N君 「イルカ先生ってば、オレのこと心配しすぎだってばよ。オレ、もう一人前の忍者なんだぜ」
K先生「そうです、イルカ先生。ナルトはもう子供ではないんですよ。
…そんなことより、私とお茶でもしませんか♪」
I先生「い、いえ、結構です…」
内なるSさん
「も、もういや…… もういや〜〜!! ホモばっか!!
もう、もうこんな里、抜け出してやる〜〜!! しゃ〜んなろ〜!!」
レオリオ「………………………」
クラピカ「どうだ、レオリオ。このような島国でも総受けは大ブームなのだよ。全く、素晴らしい光景だな」
レオリオ「おまえ、頭にウジわいてんじゃねえか? どこが素晴らしいんだよ!
オレ、あの女の子に同情するぜ……」
クラピカ「全く困った奴だな… しかたがない。お前のために、もっと素晴らしい例を見せてやろう」
レオリオ「もういい!」
クラピカ「まあ、あせるな。このビデオは、同じくハンゾーから送られてきたものだ。
彼の国の『お台場』と言う場所で撮られた、貴重な映像で、
さっきのよりももっと素晴らしい総受けっぷりが記録されている。
これをみればお前の考えも変わるだろう」
レオリオ「もう変わったよ! お前に対する考えがな!」
クラピカ「それでは、VTRスタート!」
レオリオ「……無視かよ……」
お台場のある喫茶店にて 〜絶対にありえない構図〜
ブラコン兄貴「おい、太一! なに光子郎のとなりに座っているんだ!」
ゴーグル一号「なんでって、そりゃあ、やっぱりここがオレのポジジョンだからな♪」
ブラコン兄貴「誰がきめたそんなこと! そこどけ!」
姫 「ちょっと、太一さん、ヤマトさん! こんなところでケンカはやめてください!」
先輩 「まあ、光子郎。いつものことじゃないか。それより、隣座るよ?」
ゴーグル一号「おい、丈! どさくさまぎれて何やっているんだ!!」
ブラコン兄貴「一人抜け駆けしようったって、そうはいかないぜ!」
先輩 「ここは、年長者の僕に譲るべきだ。君達は、向こうに座ってくれ」
ゴーグル一号「なんだと!? このヤロー!!」
Aモン1 「あ〜あ、太一達、またケンカはじめたよ」
Gモン1 「ほんと、こりないよね、ヤマト達」
Gモン2 「でも、オイラ、そういう丈達、好きだよ」
Tモン 「何のんきなこと言いなはるんや。光子郎はん、困ってまっせ」
姫 「ちょっと、本当にやめてください!」
ブラコン弟 「光子郎さん。あんな馬鹿なお兄ちゃん達は放っておいて、ボクの隣にすわりませんか?」
ブラコン兄貴「タケル!! 何やっているんだ!」
ブラコン弟 「なあんだ。気づいちゃったのか。でも、見てごらんよ。
光子郎さん、すっかりお兄ちゃん達に嫌気をさしているよ。これで、ボクが1歩リードだね♪」
ゴーグル一号「おい、お前の弟だろ。ガツーンとなんか言ってやれよ」
ブラコン兄貴「お、おい! タケル!」
ブラコン弟 「何、お兄ちゃん(怒)」
ブラコン兄貴「い、いや、その、あのだな…」
Pモン 「タ、タケリュ、怖い…」
ゴーグル一号「なっさけねー兄貴だな」
姫 「あの……」
ゴーグル二号「こ、う、し、ろ、う、さ〜ん!」
姫 「うわっ、大輔君!? なんですか、突然抱きついて…」
ゴーグル二号「へへへ、オレ、光子郎さんの隣に座ってもいい?」
姫 「え? あの、別にかまいませんけど…」
ゴーグル二号「やったー!」
カイザー 「それじゃあ、僕はその反対側の隣に座ってもいいですか?」
虫 「そんな、賢ちゃんまで……」
ブラコン弟 「き、み、た、ち! 何をやっているのかな?(怒)」
ゴーグル一号「大輔! オレの光子郎になに抱きついているんだ!」
ブラコン兄貴「このヤロー! 離れやがれ!」
ゴーグル二号「だって、光子郎さんが隣にすわっていいって言ったんだもん」
ブラコン兄貴「んなの、関係あるか!!」
ゴーグル二号「くっそ〜、ん? なんだ、ブイモン?」
Vモン 「負けるな… 大輔!」
ゴーグル二号「ブイモ〜ン!!(涙)」
ブラコン弟 「ねえ、一乗寺くん?
気安く光子郎さんの隣に座るなんて、新入りのくせに、いい度胸しているじゃないか(怒)」
カイザー 「そんなつもりは…」
ブラコン弟 「君はデジモンカイザーでもやって、光子郎さんを困らせる悪役でいたほうが似合っているよ」
カイザー 「(ぶちっ) ………この、この虫けらが〜〜!!」
ゴーグル二号「うわっ、賢がキれた〜!」
姫 「あの、ちょっと…」
誠実(?)少年「…皆さん! やめてください! 光子郎さんが困っているじゃないですか! 恥ずかしくないんですか!」
姫 「伊織君…」
誠実(?)少年「まったく、そろいにそろって馬鹿騒ぎをするなんて… 僕は恥ずかしいです!」
姫 「…ありがとう、伊織君…」
誠実(?)少年「いや、当然のことをしたまでです」
Aモン2 「今日の伊織、かっこいいだぎゃ〜」
姫 「ところで、その、トイレに行ってもいいですか? さっきから少し我慢していたので…」
誠実(?)少年「どうぞ」
姫 「それじゃ、失礼します」
Tモン 「待ってくんなはれ〜! 光子郎はん〜! わても行きまっせ〜!」
ゴーグル二号「おい、伊織… 光子郎さんの前でいい格好しやがって…」
誠実(?)少年「何ですか、大輔さん! 僕はあなたと違って下心があるわけではないのです。
僕の光子郎さんに、これ以上ちょっかいを出さないでください」
ゴーグル二号「僕の……だと!?」
誠実(?)少年「……あっ、しまった…」
ブラコン弟 「なるほどね…… こうなったら仕方ない。最終手段をとらせてもらうよ…
パタモン、進化だ!!」
Pモン 「えっ、タケリュ!?」
ゴーグル二号「あ、このヤロー! おい、ブイモン、アーマー進化だ!」
Vモン 「だ、大輔〜!」
元カイザー 「こうなったら、僕も… ワームモン!」
誠実(?)少年「アルマジモン、進化です!」
Gモン2 「丈! おいらは丈の味方だよ♪ さあ、おいら達も進化だ!」
先輩 「ゴマモン… 君ってやつは…(涙)」
ゴーグル二号「みんな、悪いな… この勝負、オレの勝ちだな! アグモン、究極体にワープ進化だ!」
Aモン1 「うん、分かった太一!」
ブラコン兄 「そうはさせないぞ、太一! いけ、メタルガルルモン!」
姫 「すみません、お待たせしまし…って、みんな、何やっているんですか!?」
W・Gモン 「ガイアフォース!」
M・Gモン 「コキュートスブレス!」
姫 「う、うわ〜〜〜〜!」
ド〜ン! ザーザザザザ……
レオリオ「……………………」
クラピカ「全く、素晴らしいな! このようにバイオレンスあふれる様は… まさに最高だ」
レオリオ「……………………」
クラピカ「ちなみにこれを撮ったハンゾーは、巻き添えを食らって、全治2ヶ月のダメージを負ったそうだ。
…おや? どうしたんだ?」
レオリオ「……………………」
クラピカ「なんだ、まだ総受けの素晴らしさが分からないのか? なら、他にも見せてやろう。
ゴルフ少年観察日記、囲碁少年の一日、などいろいろあるぞ。好きなものを選べ!」
レオリオ「もういい! もう結構だ!」
クラピカ「そうか、やっと理解してくれたか…」
レオリオ「もうどうにでもなれ…」
クラピカ「では、本題に戻るとしよう。このズシという子だが、居場所をつきとめた。これから、天空闘技場に向かう」
レオリオ「素早いな。……それで、具体的に何をすればいいんだ?」
クラピカ「なに、簡単なことだ。この子の1日の様子を観察するだけだ」
レオリオ「おい! ストーカー行為はごめんだぞ」
クラピカ「何を言う、レオリオ。これはリスナーさんのご要望だ。我々にはそれを報道する義務があるのだ!」
レオリオ「さっきから聞いていると、お前の趣味に付き合わされているだけのようだが…」
クラピカ「レオリオ、まだ減らず口を叩くのか!?」
レオリオ「お、おい、クラピカ。め、眼が赤いぞ… ムキになるなよ…」
クラピカ「エンペラータイム(絶対時間)!!」
しばらくお待ち下さい
レオリオ「……………………」
クラピカ「何だ? まだ何か不満があるのか…!?」
レオリオ「い、いや、ありません…」
クラピカ「全く無駄な時間を使ってしまった。今回は助っ人を呼んでいるのだ。待たせてしまっては悪いというのに…」
レオリオ「助っ人?」
クラピカ「ああ、私の仕事仲間だ。今回のレポートは危険が伴う。
あのズシという子は念の使い手で、しかも金魚の糞のごとく付きまとう心源流の師範代もいるのだ。
ズシ本人ならともかく、その師範代とやらには尾行がばれる恐れがある。
だから、その心配のないような念能力をもった者を助っ人として呼んでおいたのだ。
一足先に、天空闘技場に向かっている。」
レオリオ「ほー。それでどんな能力なんだ」
クラピカ「簡単にいえば、地獄耳を持っているのだ。むろん、それだけが能力ではないがな」
レオリオ「そいつは頼もしいな」
クラピカ「それでは、我々も天空闘技場に向かおう」
レオリオ「(それにしても嫌な予感がするぜ……)」