〈5〉 ゴンの苦悩×ゲーム×キルアの陰謀


   P.M.3:00


ズシ  「キルアさん、おそいっすね…」
ゴン  「(二人っきりだと、どうしても意識しちゃうよ… ……オレ、ズシのこと好きなのかな…
      キルアのことも、やっぱりそういう風に好きだと思うんだけど、何か、違うんだよな…
      キルアの場合、側にいてほしいと思うんだけど、ズシの場合、守ってあげたくなるんだよね…
      けど、二人とも好きになるっていうのは、やっぱ問題あるよね…)」
ズシ  「ヒマっすね… ゴンさん、何かしませんか?」
ゴン  「………………………」
ズシ  「ゴンさん?」
ゴン  「えっ、ああ、そうだね… テ、テレビでも見ようか……(気紛れにもなるし…)」


  ピッ


??  「光子郎… オレ、前から、おまえのことが…」
??? 「た、太一さん… 僕も、太一さんのこと、ずっと前から…」
??  「光子郎!! オレ、もうガマンできねーよ…」
??? 「太一さん…」


ズシ  「あのヒトたち、男同士なのに、なんでキスなんてするんすか? ゴンさん?」
ゴン  「うわ〜っ! チャ、チャンネルをかえようよ!」


  ピッ


??  「光子郎さん… オレ、ずっと前から、光子朗さんのことが…!」
??? 「だ、大輔くん… そんな… 突然言われても… こ、困ります! それに、僕は…」
??  「分かっています。太一先輩が好きなんですよね… それでも、オレは…!」
??? 「大輔くん… 僕のことをそこまで…」


ゴン  「……(だ、大光? マイナーだなあ…)(←?)」
ズシ  「あのひと、さっきのヒトっすね… でも、こういうのって、二股っていうっすよね?」
ゴン  「(……二股をかける……!?) うわ〜っ! チャンネルかえなきゃ!」


  ピッ


?????「わて、光子郎はんのことが前から…」
???  「な、何言っているんですか、テントモン!? それに、キミはデータなんだし…」
?????「もう、我慢できまへん… 光子郎はーん!!」
???  「う、ああ〜!!」

  ピッ


????「オイラ、前から、光子郎のことが…」
??? 「ゴマモン!? いきなり、何言い出すんですか! 第一、キミは丈さんの…」
????「確かに、ゴマ光なんて、たった今、共通点があるっていうだけで、
     話の都合上こじつけたような、超超超超マイナーカップリングかもしれないけどさ…
     それでも、オイラ、光子郎のことが好きなんだ!」
??? 「最初に言っていることはよく分からなかったけど… そんなこと言われたって…」
????「口で伝えられないなら… オイラの体で、伝えてやる!」
??? 「え!? う、うわ〜〜〜!!」


  プチッ


ゴン  「(何で、こんな番組しかやっていないんだよ〜!!)」
ズシ  「最後の変な生き物… ゴンさんの声にそっくりだったっす…
     それに、あの言い寄られていた人も、自分の声に似ていたような気が…」
ゴン  「(……キルア… 頼むから、はやく帰ってきてよ…)」




クラピカ「センリツから聞いた中の様子だが… 何か、ゴンの様子が変だな…」
レオリオ「そうか?」
クラピカ「ああ… ズシを意識しているようにも思えるが…」
センリツ「き、気のせいじゃないかしら… (さすが、クラピカ… もう気づくなんて…)」
クラピカ「センリツ、確かさっき、心音まで聞くことができる、といったな…」
センリツ「え、ええ… でも、別にゴンくんの心音はいたって普通よ…」
クラピカ「………なるほど… 私の予想通りというわけか…
     ゴンをかばっているのか? 安心しろ。私は直接介入しない主義だ」
センリツ「!? ど、どうしてわかったの?」
クラピカ「キミはウソを見破るのは得意だが…、ウソをつくのは苦手なようだな…
     それに、私は相手の目をみれば、大体ウソか本当かぐらいは分かるよ」
センリツ「……そう、クラピカの言うとおりよ…」
レオリオ「マジかよ…」
クラピカ「またも意外な展開になってきたな… これはどうなるか分からないぞ…
     ゴンが攻めとはな…  なかなか想像しがたいものだな」
レオリオ「まさか、ゴンの奴がな…」
??? 「ゴンが何だって? オッサン?」


レオリオ「キ、キルア!! い、いつの間に!?」
クラピカ「お、おまえ、いつ我々に気がついたんだ?」
キルア 「別に、ついさっきさ… 部屋の前に気配があったからさ…
     ちょっと気になったから、絶で近づいてきたんだ。そうしたら、お前等だったっていう訳さ」
クラピカ「不覚… 中のことに気を取られすぎていた…」
キルア 「けど、誰かにつけられているってのは、結構前から感じていたぜ。
     ただ、害意とか殺意とか感じなかったから、別に気にしていなかったんだけどな。
     …それより、なんでクラピカ達がここにいるんだよ? 何しているんだ?」
クラピカ「それは… 言えない」
キルア 「へえ〜 言えないんだ… そっか… そうなんだ… ふ〜ん」
クラピカ「な、何が言いたいだ?」
キルア 「結局、さっきからつけ回っていたのは、お前らなんだろ?
     しかしさ〜、オッサンはともかく、クラピカまでストーカー行為をするとはね〜」
クラピカ「誇り高きクルタ族のこの私が、ストーカーだと!! 訂正しろ!!」
レオリオ「…その前に、なんでオレはともかくなんだ…!」
キルア 「あ〜あ、ゴンの奴に言っちゃおうかな〜 クラピカはストーカーだってさ〜
     んでもって、ヒソカと同じ変態だってさ〜 そんで他の奴にも、ばらしちゃおうかな〜」
クラピカ「ぬぬぬぬ… くそっ… 無念だが、しかたない…」
キルア 「そうそう、人間素直が一番だぜ」


 ……………………………………………


クラピカ「…ということだ」
キルア 「ったく、お前等ホントにヒマだな… ところで、センリツさんだっけ?
     ゴンの奴、本当にズシにほれたんだな?」
センリツ「心音を聞く限り、そうだと思うわ」
キルア 「なるほどな… それにしても、ゴンの奴がな… こりゃすげーおもしれーな」
レオリオ「おいおい、いいのか? そんなこと言って…」
キルア 「だってさ、二人とも手に入れちゃえば、問題ないジャン。ゴンが攻めってのも見てみたいし…
     それに、実はさ… 二人を手に入れた後、ゴンとズシの関係のことが心配だったんだ。
     ほらさ、やっぱ、こういうのって、他の奴にオレを取られたくないって思うのが心情だろ?
     仲が悪くなるのは必須かなって思っていたけど、先に仲良くなってくれて、逆に助かったよ。
     これだったら、三人プレイだってできる♪ ああ、最高かも…」
レオリオ「……最低だよ…」
クラピカ「だが果たして、そううまくいくかな? それに、あの師範代のことも忘れていないか?」
キルア 「楽勝、楽勝! ウイングさんがいない今こそ頂いちまうからな…」
クラピカ「だが、恋人の一大事に、黙って出かけるバカはおるまい…
     おそらく、何らかの手は打つと思うぞ…」
キルア 「おもしれーじゃん。けど、最後に笑うのはこのオレだからな」
レオリオ「……さっきから気になっていたんだが、お前が持っている紙袋はなんだ?」
キルア 「これか? …ヒミツ。それに、どうせ、盗聴するんだろ? あとのお楽しみっていうことで…
     それと、盗聴するのはいいけど、もし二人とするときになったら、盗み聞きするなよ!
     あいつらのいい声、絶対聞かせねーぜ! 聞いたら殺すからな!! じゃあな!」
レオリオ「行っちゃったぜ…」
クラピカ「しかし、何が入っていたんだろう?」




   P.M.3:20


キルア 「ただいま〜!」
ゴン  「お帰り! キルア! (よかった〜 やっと帰ってきた)」
ズシ  「お帰りなさいっす! けど遅かったっすね…」
キルア 「わりー、わりー。結局、チョコロボくんは買えたはいいけど、買いすぎちゃってさ…
     手で持って来れないから、運んでもらうように手配したり、他にも買うもんあったしな」
ゴン  「それって、今、キルアが持っている紙袋のこと? 何が入っているの?」
キルア 「やることないって言ってたろ… だから、ジョイステ2を買ってきたんだ」
ズシ  「ジョイステ2っすか!? 自分、一回やってみたかったっす!」
ゴン  「ねえ、何なの? その、ジョイステ2って?」
キルア 「お前、知らないのか? 今大宣伝しているゲーム機のことだよ」
ズシ  「知らないのは、今はまだ原作でいうと、コミック7巻辺りだからっす!」
キルア 「…はぁ? ズシ… 何言っているだ?」
ズシ  「……あれ、今、自分、何か言ったっすか?」
キルア 「……まあ、ともかく、これからゲームでもしないかって話だよ」
ゴン  「でも、オレ、ゲームなんてやったことないよ」
キルア 「大丈夫だって。やっているうちにすぐに慣れるって」
ズシ  「それで、ソフトの方は何を買ったんですか?」
キルア 「何って言ったっけ… 面白そうな格ゲーを買ってきたんだけど…
     まあ、ともかく、用意しようぜ」




クラピカ「なるほど、ジョイステ2だったのか」
レオリオ「ということは、これから、ゲームを延々とやるんじゃないのか?」
センリツ「でも、結構、子供らしくていいんじゃないかしら」
クラピカ「…いや、キルアのことだ。何かあるな…」




キルア 「よし、準備完了」
ゴン  「オレ、結構ワクワクしてきた。早く、やろうよ」
キルア 「その前に、ただ遊ぶだけじゃつまんないから、ここで一つ勝負しないか?」
ズシ  「勝負っすか?」
キルア 「このゲームで、一番勝った奴のいうことを何でも聞くっていうのはどうだ?」
ゴン  「それって、キルアが有利じゃん…」
キルア 「ジョイステ2をやるのは、一応オレも初めてだぜ。
     それに、格ゲーは、初心者の方が意外に強いことだってあるんだぜ。
     ……それとも、負けるのが怖いのか? ゴンって意外と小心者なんだな〜」
ゴン  「そ、そんなことないよ!」
キルア 「なら、きまったな」




クラピカ「まあ、こんなことだろうと思ったよ」
センリツ「キルアくん、自信満々って心音をしているわ」
レオリオ「オレでもキルアの考えが読めるぜ…
     相手は、ゲームなんて、あまりやったことなさそーなゴンとズシだ。
     負けるつもりなんて、カケラもないだろうな」
クラピカ「そして、命令する内容も、手に取るように分かるな。
     まあ、我々はゆっくり、ことの成り行きでも観察していよう」




キルア 「よし、オレ、このキャラにしよっと」
ゴン  「じゃあ、オレ、この人にしよう」
キルア 「必殺技とか分からないからな… とりあえず、説明書の人物紹介を見てと…
     あっ、こいつだ… 
      ・妖狐クラピー…
         妖狐一族『狂太』族の青年。
         5年前、伝説の盗賊団『苦喪』に一族を皆殺しにされるという経歴をもつ。
         鎖を使った攻撃(プレイ)を得意とする。主な攻撃方法『シバる』、『サす』など。
         〈注〉植物の武器化はできません。
     …なんか、どっかで聞いたことある話だな……」
ゴン  「えっと、オレのは… あった!
      ・ボーボボギン…
         盗賊団『苦喪』の団員。団員ナンバーは11。アフロヘアー。
         『苦喪』の中でも、一番の怪力の持ち主で、己の肉体を武器とする。
         念を込めた拳での右ストレートが、最大の必殺技。
         〈注〉鼻毛真拳は使えません。
     …か、変わったキャラクターだなぁ…」
キルア 「まあいっか。えっと、コマンドは…
     よし、覚えたぞ。そんじゃやろうぜ」
ゴン  「キルア、絶対負けないからね!」


 ……………………………………………………


ゴン  「…負けちゃった…」
キルア 「ま、当然だな」
ズシ  「キルアさん、流石っす!」
キルア 「じゃ、次はズシとだな。オレ、キャラを変えよっかな
     ……よし、こいつにきめたっと」
ゴン  「キルアが選んだのは… あった! えっと…
      ・ゴン太…
         小さな島にすむ少年。ある事件をきっかけに、父親を探す旅に出る。
         あらゆる動物と心を通わせ、また、人の心を惹きつける才能を持つ。
         そして、戦闘能力は成長段階だが、その素質は計り知れない。
         ちなみに、衣服を守る防虫効果の念能力をもち、ほねっこ、ササミジャーキーが好物。
     ……なんか知らないけど、ムカツクなぁ…」
ズシ  「自分は… この人にするっす」
ゴン  「えっと、
      ・女帝ミト…
         一見すると、ただの独身女性(自称、20代)。
         しかし、その実体は、この『ハンターワールド』の影の帝王。
         このゲームの最終ボスであり、その実力は未知数。
         怪しげなステッキをふり、いい年こいて、セーラー服戦士に変身する。
         ただし、タキシードを着た仮面男は助けには来ません。
     ………ミ、ミトさん…?」
キルア 「ズシ、勝負だ!(といっても、オレの勝ち確実だけどな)」
ズシ  「オス!」


…………………………………………


キルア 「…………………………!?」
ズシ  「やったっす! 勝ったっす!」
キルア 「な、なんだと!? このオレがパーフェクト負けだって!?
ゴン  「うわ〜 ズシ、スゴい! キルアが手も足も出ないなんて!」
キルア 「何でズシなんかがこんなに強いんだよ!」
ズシ  「実は、師範代が、格闘ゲーム好きなんすよ。
     しかも、ゲームの大会でも、結構優勝したことあるほどのつわものらしいっす。
     それで、自分にも教えてあげるって、ゲームの修行をしてもらったっすから…」
キルア 「なんで格闘技の専門家が、格ゲーを教えるんだよ! もっと、他に教えることあるだろうが!」
ズシ  「でも、念の修行になるって言ってたっす」
ゴン  「念の修行?」 
ズシ  「まず、コントローラーを持った状態で錬をするっす。
     その後、ゲームの中にいるようなイメージを持って、ゲームとの一体感を上げるっす。
     他にも、ゲームの性能自体を上げるように、集中してもいいっす。
     そういったことをすることで、ゲームの情報処理速度を速め、ゲームキャラを強化できるっす。
     ただし、ゲームキャラを念で強化するには、絶妙なコントロールとスタミナがいるっす」
キルア 「へぇ〜、念でね… って、それ反則じゃねーか!」
ゴン  「いいじゃん。オレ達だって、念が使えるんだし…
     それに、念でゲームなんて、結構おもしろいかも… ズシ、オレも出来るかな?」
ズシ  「はい、もちろんっす。ただ、これは念系統で大きな違いが出てくるそうです。
     機械操作ができる操作系がやっぱり一番得意だそうで、ゲーム機自体の物質性能の強化ができる強化系、
     そして、もちろん、ゲームに関する念能力を持った特質系も強いっす」
ゴン  「じゃあ、オレとズシは上手にできるってことだね」
キルア 「おい。じゃあ、変化系のオレはどうなんだよ?」
ズシ  「師範代が言っていたのは、強化、操作、特質が有利だっていうだけっすから、分からないっす…
     ただ、これもその人自体の念の強さと関係あると思うっすから、キルアさんなら大丈夫だと思うっす」
キルア 「なるほどな… だったら、今度こそ負けねーぞ」
ゴン  「オレも今度こそキルアに勝ってみせるよ」
ズシ  「それじゃあ、続けましょうっす!」




レオリオ「それにしても、念でゲーム強化とは…」
クラピカ「全く聞いたことない話だな… あきれたものだ…」
センリツ「そう? 私はおもしろいと思うけど…」
クラピカ「まあいい。それで、キルアは勝っているのか?」
センリツ「今、ゴンくんとやっていたけど、負けたようね」
クラピカ「やはり、念系統の差の影響が大きいようだな…」
センリツ「あっ。今度はズシくんとやるみたい…
     ………また負けたみたい。しかも、秒殺でパーフェクト負け。
     すごく悔しそうね。再勝負に挑んだみたい」
レオリオ「けっこう、負けん気強いからな、キルアの奴」
センリツ「あっ、負けたわ」
クラピカ「やれやれ、まだ続きそうだな…」




   P.M.4:30


キルア 「くそ〜〜 今度こそ勝つ! 勝負だ、ゴン!」
ゴン  「キルア… もういい加減あきらめようよ…」
キルア 「勝ち逃げか!? 卑怯だぞ、ゴン」
ゴン  「だってさ… あれから20戦やって、オレにもズシにも、一度も勝っていないじゃん。
     しかも、さっきから、キルアがコントローラー握りっぱなしだから、まだズシともやっていないし…」
キルア 「ちくしょう! なんで、オレがこいつらより弱いんだよ! オレの計画が…!」
ズシ  「キルアさん、やらないんすか? だったら、自分やってもいいっすか?」
ゴン  「ズシ! だったらオレと勝負だ!」
ズシ  「オス!」
キルア 「(オレの計画が… オレのゴンズシゲット作戦が… 
     くっそ〜、しかたない… ………やはり、王道のあの手を打つか…)」

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