〈6〉お風呂×イチャイチャ×誘拐劇
P.M.4:50
ゴン 「あ〜あ、また負けちゃった… ズシは強いな…」
ズシ 「そんなことないっすよ。ゴンさんだって、初心者にしてはうますぎっすよ」
ゴン 「そうかな? ちょっと、うれしいな…
あっ、キルア… 次、やらない?」
キルア 「………ちょっとオレ、用事を思い出した。少し外に出かけるぜ」
ゴン 「え、何の用事なの?」
キルア 「たいしたことじゃない。じゃあな」
ズシ 「行っちゃったっす…」
ゴン 「(どうしよう… また、二人っきりになっちゃった…)」
ズシ 「ゴンさん、これからどうするっすか? ゲーム続けるっすか? それとも、他に何かするっすか?」
ゴン 「……どうしようかな……」
ズシ 「……あっ、そうっす。ゴンさんに、いつか教えてもらいたいことがあったっす…」
ゴン 「何?」
ズシ 「その、ゴンさん、島で育って、泳ぐのがが得意って言ってたっすから、泳ぎを教えてほしいっす…
……自分、実はカナヅチっす…」
ゴン 「へえ〜そうなんだ… いいよ、別に… でも、今からどこかに泳ぎにいくの?」
ズシ 「そうっすね… 今、5時っすから…」
ゴン 「自由に泳げる広いところって、近くにあったっけ?」
ズシ 「ないっすね… それに、あんまり人がいる所はいやっす… 恥ずかしいっすから…」
ゴン 「オレも、思いつかないな… 広いだけならこの前行った、ここの大浴場があるけど…」
ズシ 「大浴場?」
ゴン 「うん。200階にあがるといろいろサービスがつくんだ。
例えばいろんな設備が使えるんだ。プールもあったけど、200階選手しか使えないし…
けど、浴場は家族とか知り合いとかなら、使ってもいいらしいけどね…
今度、ズシも一緒に入ってみる? キルアやウイングさんと一緒にみんなで行こうよ」
ズシ 「……それっす! ゴンさん、今行きましょうっす!」
ゴン 「えっ、今?」
ズシ 「今の時間なら、きっと誰もいないっす。そこで、教えてほしいっす!」
ゴン 「ほ、本当に行くの?」
ズシ 「お願いしますッス!」
ゴン 「でも、キルアはどうしよう…」
ズシ 「何か、書いて置いておけば大丈夫っすよ」
ゴン 「(どうしよう… ズシ、あんなにうれしそうだから断りきれないし… 仕方ないか…)
分かったよ、行こうか…」
ズシ 「ありがとうございますっす!」
ゴン 「(うう… やな予感が…)」
同時刻
クラピカ「何なんだ、一体!? いきなり連れ出してきて…」
キルア 「ワリーな。けど、こっからは、あいつらにばれるわけにはいかないからな」
レオリオ「どういうことだ? 説明しろ」
キルア 「お前らに手伝ってもらいたいことがあるんだ」
クラピカ「悪いが、お前に手を貸すつもりはない」
キルア 「クラピカは、ストーカー…」
クラピカ「わ、わかった、手伝って欲しいっていうことを言ってみてくれ」
キルア 「やっぱ、持つべきは友達だよな〜」
クラピカ「(いつか殺す…!)」
キルア 「で、やってもらいたいことなんだけど、お前らにあいつらを誘拐してもらいたい」
レオリオ「誘拐!?」
クラピカ「言いたいことは分かった… つまり、こういうことだろ?
我々が誘拐したところを、お前が救い出す… 誘拐劇を演じろ、ということだな…」
キルア 「さすがクラピカ! そして、お姫様は、救い出した王子様、つまりオレに惚れるってシナリオさ」
レオリオ「なんて古典的な…」
クラピカ「だが、誘拐するにしても、ゴンは我々を知っているから、難しいぞ…
ゴン相手では、すぐに我々とばれてしまう…」
キルア 「いや、お前らはズシだけを誘拐してくれればいい。
ズシはお前達のことを知っていない。それに、ゴンよりもやりやすい相手だろ?
それに、ズシを救い出せば、ズシはもちろんゴンの中のオレのかぶも上がる
結局、ゴンもズシもオレに惚れるのさ。完璧な計画だ… オレって天才?」
クラピカ「はあ… こんなことに付き合わされるとは… 頭痛がしてきた…」
P.M.5:20
ズシ 「ここが大浴場っすか…」
ゴン 「やっぱ誰もいないみたいだね」
ズシ 「ゴンさん! はやく入りましょう! 自分、もう裸っす!」
ゴン 「うわっ! あ、さ、先に入っててくれる? す、すぐに行くから…」
ズシ 「オッす! お先失礼するっす!」
ゴン 「(うわ〜 どんどんマズイ状況になってきちゃった…
それにズシさあ、前とか隠してよ… 確かに、オレもいつもはそんなことしないけど…
……もうオレ、吹っ切れちゃおうかな…… なんてそんなことできるわけないか… はあ…)」
P.M.5:40
キルア 「(計画もたて終わったし、後はゴン達を呼ぶだけだな…)
ただいま〜! ………あれ、ゴン達がいない… どこいったんだ… あいつら?
ん? この書き置きは……
……何〜〜!! 風呂だと!!
風呂→二人の裸が合理的に見られる場所→裸の触れ合いは当然起こる→
多少の肌の接触は許される→何があっても事故ですまされる(と思う)→
きっと、二人ともソレを望んでいる→よって、お風呂エッチが可能……
オ、オレも行くぞ〜〜!! 待ってろ〜、二人とも〜!!」
ゴン 「うっ、なんか寒気が…」
ズシ 「ゴンさん? 寒いっすか? だったら、自分温めるっす!」
ゴン 「うわっ! ちょっと、抱きつかないで!」
ズシ 「けど、こうすると温かいっすよ」
ゴン 「は、はなれて… お願い…!」
ズシ 「そうっすか… 分かったッス…」
ゴン 「(もう、ズシの行動って、天然なのか、狙っているのか分からないよ…)」
ズシ 「……ゴンさん… やっぱり、自分のこと嫌いっすか…?」
ゴン 「そんなことないよ! どうしてそんなこというの?」
ズシ 「だって、さっきから、自分のこと避けているっす…
だから、きっとゴンさん、自分のこと、嫌いになったんじゃ…」
ゴン 「誤解だよ! オレ、ズシのこと大好きだよ!(←告白)」
ズシ 「本当っすか? …自分もゴンさんのこと大好きっす!」
ゴン 「(うわっ! だからって、二度も抱きつかないでよ〜
しかも、好きに他意が込められていないから、さらにタチが悪いよ〜
でも、ズシの体って、結構柔らかいな… いい匂いするし… オレ…)」
ズシ 「あれ!? す、すごいっす! ゴンさんの××××って、近くでみると大きいっす!」
ゴン 「(ヤバッ!) あ、ち、違うんだ、ズシ…! コレはそうじゃなくて…」
ズシ 「そんなことないっすよ。ほら、自分のと比べて見ると、大きいっす。やっぱ、ゴンさん大人っす!」
ゴン 「うわ〜!(そんな、目の前で見せないでよ〜! オレ、なんか、もう頭が熱くなってきて… あれ?)」
ズシ 「あっ、ゴンさん! 大変っす! ゴンさんが逆上せたっす!!」
ゴン 「(もう、お風呂は、こりごりだい……)」
P.M.5:50
キルア 「着いたぞ、ゴン達はどこだ…」
ズシ 「あっ、キルアさん!」
キルア 「ズシ! もう出ていたのか…(チクショウ!!)
…ん? そこで寝ているのはゴンか? どうしたんだ?」
ズシ 「実は、ゴンさん、お風呂で逆上せて、倒れてしまったっす…」
キルア 「逆上せた? コイツが?」
ズシ 「そうっす」
キルア 「(はは〜ん、そういうことか… まあ、ゴンには、いきなり風呂ってのは、刺激が強すぎたんだろ…)」
ズシ 「ところで、キルアさんも、お風呂に入りに来たっすか?」
キルア 「まあ、そんなとこだけど… いまさら、入る気しねーな…
(二人とも、出ちまったし… まあ、こいつらのパンツ一丁姿が見れただけでも良しとするか…)」
…ゴン連れて、部屋に戻ろうぜ。さっさと、着替えろよ」
ズシ 「オス」
キルア 「…なあ、今気づいたんだけど、お前の左手首に巻いてあるソレ何だ?」
ズシ 「コレっすか? 師範代と別れるときに、巻いてくれた糸っす。お守りって言ってたっすけど…」
キルア 「(あの赤い糸… 以前、ゴンの指に巻いた、誓いの糸に似ているな…
多分、ウイングさんの念が込められているだろうけど…
コイツが、クラピカが言っていた、何らかの対策ってやつか…?)
なあ、ズシ… ウイングさん、他には何も言っていなかったのか?」
ズシ 「特には… ただ、ゴンさんにも、お風呂の中で同じ事聞かれたっす… コレなんだか知っているっすか?」
キルア 「いや、分からないけど… (まあ、そのうち分かるだろう)
ところで、お前ら何でいきなり風呂なんて行こうとしたんだ?」
ズシ 「……そ、その、実は、泳ぎの練習っす… 自分、泳ぐのが苦手で…」
キルア 「はあ? 風呂で?」
ズシ 「オス… 泳ぎのうまい、ゴンさんに教えてもらおうと思って…」
キルア 「ふ〜ん… で、泳げるようになったのか?」
ズシ 「オス! でも、少しだけっす。けど、やっぱゴンさん、教え方がうまいっす!」
キルア 「で、その先生はまだ、おねんねしている訳か…
(ちょうどいいな… クラピカ達を待たせちゃ悪いし… さっさと計画に移るか…)
なあ、ズシ… 部屋のカギを渡しておくから、先戻っていてくれ。
ゴンはオレが連れて行くからさ」
ズシ 「そうっすか? …分かったっす、お先に戻らせてもらうっす」
キルア 「ほらっ、カギな」
ズシ 「オス。それでは、お先に失礼するっす」
キルア 「ワリーな、ズシ… だましちまって… けど、後はクラピカ達がうまくやってくれるだろう…
さてと… ただ今ゴンは、無防備にパンツ一枚で寝ている…
こりゃあ、もう決まっているよな… くくく……」
ゴン 「……う〜ん ……ん?」
キルア 「いっただっきま〜っす!!!!!」
ゴン 「……!? う、うわ〜〜!!!」
P.M.5:55
ズシ 「(ゴンさんたちの部屋… どこだったっけ… 迷ったっす…)」
??? 「…………………………」
ズシ 「………………!? (変っす…! か、体が… 動かない…!! こ、声も… い、息も… あ…)」
ドサッ
??? 「くくく…」
P.M.6:05
キルア 「痛て〜 くそっ! ちょっと冗談かましただけなのに、普通本気で殴るかよ!?」
ゴン 「どこが冗談なんだ! それに殴られたのは、キルアが悪いからだ!」
キルア 「まだ怒っているのかよ… もう気が済んだだろう?」
ゴン 「…………………………」
キルア 「ゴン… そろそろ機嫌直せよ… オレが悪かったからさ…」
ゴン 「…………アレって……もしかして……」
キルア 「どうしたんだよ、ゴン」
ゴン 「キルア、あそこに落ちているのって…」
キルア 「アレか? ………おい、アレって誓いの糸じゃないか!?」
ゴン 「拾いに行こう!」
キルア 「………間違いない! 変な文字が書いてあるし…」
ゴン 「これって、ズシが付けていたヤツじゃないかな?」
キルア 「多分そうだろうな…」
ゴン 「何でこんな所に…… も、もしかして、ズシの身に何かあったんじゃあ!?」
キルア 「そうかもしれない… (クラピカ達、上手くやったんだな… とりあえす、合流しないとな…)
ゴン、二手に別れてズシを探そうぜ! お前は部屋の方を見てきてくれ。
もしかしたら、何事もなく、部屋に戻ったかもしれないからな」
ゴン 「うん、分かった! それじゃ、また後で!」
キルア 「……クラピカ達はどこだ…?」
クラピカ「おいっ! キルア!」
キルア 「クラピカ! 上手くやってくれたようだな… サンキュー!」
クラピカ「…何のことだ? それより、ズシはどこにいるんだ? これでは我々も動きようがない」
キルア 「え!? クラピカ達がズシをさらったんじゃないのか?」
クラピカ「いや… 我々はまだ何もしていないが…」
キルア 「ってことは… まさか、本当にズシが誘拐されちまったかもしれないってことか……!?」