CHAMPIONSHIP IN 2001 -RACE-
![]() | Round8 カナダGP 世界最速の兄弟、真っ向勝負!! |
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今季2度目の兄弟フロントロウ対決。天気予報では雨になる可能性も…と思われていたが、スタート直前を見る限り雨は降りそうにない。文字通り兄弟対決に水を差すような事がなければ良いが…前回の兄弟フロントロウ対決はスタート直後にラルフが後退してしまった為、直接対決とまではいかなかったので、今回の対決がどうなるか見ものだ。あともう一つ気になる点はトラブル。フェラーリにも言える事だが、ウィリアムズは今年完走回数が少ない。今回は是非ともフィニッシュして貰いたい。 スタート直前のウォームアップランのスタートでパニスが出遅れて、ちょっとヒヤッとしたがすぐに隊列に戻れ、全車問題なくグリッドに着いた。そして、スタート!!ここ数戦ハイテクデバイスのトラブルや、操作ミスによりグリッドから動けないドライバーが何人も出たが、今回は何事も無くスタートを切る事が出来た…と、思いきやビルヌーブが9番手からかなり後方まで下がってしまった。これはラウンチコントロールが効かず、急遽マニュアルスタートにしたからである。 そして、その頃先頭集団は、ミハエル(イン)とラルフ(アウト)が並んで1コーナーに進入。さすがにイン側を占めているミハエルが有利、ここはポジションをキープ。しかし、こういう曲りくねった1コーナーというのは、よく接触が起こるのでいつもハラハラするが、特に問題も無く全車通り抜けていった。もうほとんどコースがマシンで埋まっているのに大きな接触も無く通り過ぎるあたり、さすが一流ドライバーの集まりだなぁ、と思う。 そして数周後、何故かペースの上がらないクルサードをバリチェロがオーバーテイク!!そして、その勢いに乗って前を行くラルフに襲い掛かる。このコース最長の1.2kmのストレートへの立ち上がりでラルフの後ろに付こうとしたその時、なんとTCSが効かなくなりスピン!!これで中段まで後退してしまった。あそこでしっかり立ち上がれていたらラルフを抜いてフェラーリの1-2体制の可能性があっただけに残念だ。バリチェロはその後、スピンしたモントーヤを避けようとしたが、今度は壁にクラッシュしリタイヤ。マシンそのものは決まっていただけに惜しいレースだった。 その後、3位クルサードにかなりの差をつけ、完全にシューマッハ兄弟の一騎打ちという最高のシチュエーションになった。ラルフの履くMIタイヤは走り始めて数周後にタイムが落ちる傾向があり、初めはミハエルが数秒前を走っていたが、しばらくするとタイヤの性能も元に戻り完全に真後ろにくっついていた。これからは本当に緊張の連続だった。僕はラルフも好きだが、やはりミハエルのファンなので、抜かれそうになる度に自然と体に力が入っていた。さっきも書いたけど、このサーキットで一番長いストレートが一番のオーバーテイクポイントになるわけだが、今年のウィリアムズはとにかくストレートが伸びる。その為、ストレートの終り、ブレーキング直前で2人が並びそうになる場面が何度もあり、「どうか接触だけはしないでくれ」、と祈る気持ちだった。ただ、ここではストレートの中間点くらいで抜いていないと最後のブレーキングに間に合わないらしいので、さすがのウィリアムズもフェラーリ相手ではそうは簡単に追い越せないし、ラルフも無理に抜こうとはしなかった。そして、このような均衡状態がこの後、数十数に渡り繰り広げられたのだ!! そしてレースも終盤、序盤のセーフティカー先導もあり多少遅めのピットインをする頃になった。このレースの勝敗は先にピットに入った方が負けである事は途中で分かった。特にラルフの方が走りに余裕が見られた為、ミハエルが先に入ったら完全に負けることは明白だった。僕はラルフが早く入る事を望んでいたが、現実はそうではなかった。先にミハエルがピットイン…この時点でラルフの優勝は決まったも同然だった。ただ、トラブルが無ければの話しだが… そして、ミハエルがピットに入ってからのラルフの走りがすごかった。ファステスト・ラップを連発して最終的には1分17秒2までタイムを上げたのだ!!これはほとんど予選と変わらない程のタイムだ。しかも、ミハエルの後ろをある程度の余裕を持って走っていた為、燃料の消費量も少なく済み、ピットインをかなり遅らせる事が出来た。結局この後ピットに入るまでの数周でかなりの差をつけ、トップでコースに復帰!! ところが、ここで大きな白煙を吹きながらピットに入ってくるマシンが……マクラーレンのクルサードだ!!開幕から全戦入賞、そしてミハエルとチャンピオン争いをする等、調子の良かったクルサードがここで今季初のリタイア。レースも後半になってくるとトラブルが多くなってくる。得点圏内を走行中のフェルスタッペンも恐らくブレーキのトラブルが原因でリタイアしている。レース中盤では地元ドライバーのビルヌーブもリタイア。彼は金曜日からトラブル続きで散々な母国GPになってしまった。 その後の展開は、ミハエルも追いかけるがラルフのペースに敵わず2位キープに専念。懸念されていた雨も降らず、ウィリアムズにもトラブルはなかった。そして、チェッカー!!ラルフ今期2度目の優勝。完全に兄ミハエルを打ち負かしての勝利だった。 1位ラルフ、2位ミハエル、3位ハッキネン、4位ライコネン、5位アレジ、6位デ・ラ・ロサの順でフィニッシュ。兄弟1-2フィニッシュは史上初!!まさに世界最速の兄弟である。そして、ハッキネンはなんと今季初の表彰台。あまりにも運がなかった今年のハッキネン。これからの奮起に期待したい。ライコネンは今期3度目の入賞。安定感、学習能力の高さを更にアピールした。5位アレジは前戦のモナコに続き、今季2度目の入賞。昨年の不信を拭い去るようなキレタ走りを見せてくれ、更にファンサービスですごいタイヤスモークをあげながらのスピンターンを披露!!まさにアレジここに健在を示した!!デ・ラ・ロサは復帰後初の入賞。ジャガーにとっても貴重な1ポイントを稼ぎ出した。 このレースはあまりにも印象的だったのでこんなに長くなってしまいました…全部読んでくれた人ありがとう!! |
![]() | Round9 ヨーロッパGP 兄弟対決の意外な結末 |
| 今年のヨーロッパGPは兄弟対決を歓迎するかのような晴れ渡った空。今回の兄弟対決に期待が膨らむ。 そして兄弟の激しい争いはスタート直後から始まる。出足の良いウィリアムズ勢を牽制してミハエルがラルフに思いっきり寄せていく。そのまま並びかけるが1コーナーはミハエルが制する。上位ではバリチェロ、フレンツェンらが順位を落とすが、特に大きな接触も無く1周目を回る。スタートして数周後、前戦のようにミハエルがラルフを突き放しにかかり、数秒のアドバンテージを得るが、10周を過ぎた頃、また息を噴き帰したかのようにラルフがペースをのばしてくる。モントーヤのペースも同時期に上がり始めている事から、やはりミシュランタイヤの特性なのだろう。しかし、もどかしい。始めに築いた差をあっという間に詰められてしまう。展開としては面白いけど、ファンとしてはもう少し余裕を持って観戦したいというのも本音。 今回もミハエルがラルフを従えるという形であったが、余裕は無い感じだ。前に出られたら恐らく追いつく事は出来ないだろう。とにかく抜かれない事を祈るだけだった。それにしても上位の3人以外の走りがふがいない。一回ピットストップらしい事は予想できるが、あまりにも差が開きすぎている。このままでは序盤好調だったクルサードの存在すら忘れられてしまうかもしれない… そして、一回目のピットストップ。ミハエルとラルフは同時にピットイン。これを見た時、やられるかもしれない…という懸念が生まれた。ミハエルとしてはどうしても前に出たい為、ある程度の燃料を積んでさっさとピットを出たい。しかし、ラルフはもともと後ろにいたし、慌てて前に出る必要も無いという事でミハエルの様子を伺う余裕があるからだ。結果、ラルフは多めの燃料を積み、二回目のピットを遅らせる作戦を取ってきた。そして、コースに復帰。しかし、この時ラルフは重大なミスを犯していたのである… このピットを出たとき、ミハエルとラルフの間にクルサードが割って入ってきた。さすがに不調のマクラーレンといえども、そうは簡単に抜かせてはくれない。この間に、ミハエルとラルフの差は少しずつ広がっていく。ふと気付くと、ラルフのすぐ後方にはモントーヤが。彼もプッシュし続け前を追っていたのだ。数周後、ラルフがクルサードを抜きミハエルを追い始める。しかし、なかなか差は縮まらない。と、そんな時、1台のウィリアムズのマシーンがピットへ…ラルフだ!!何と彼は10ペナルティを課せられてしまったのだ!!理由は先ほどピットを出た時に、ピット出口とコースとの合流点より前でコースインしてしまったのが原因。あとほんの数メートル我慢していれば何の問題もなかったはずだけになんとも悔やまれる… 結局、これで事実上ミハエルの独走状態。その後は特に何の波乱も無く二度目のピットインも済ませ、ミハエルが今季5勝目、通算49勝目を挙げた。2位はモントーヤ、3位クルサード、4位ラルフ、5位バリチェロ、6位ハッキネンと上位3チームのドライバーが占めた。 これから中盤から終盤へと差し掛かる訳だけど、このままいくとマクラーレンはウィリアムズに食われてしまう勢いである。しかし、昨年もこの辺りでシューマッハの3戦連続リタイアというのがあっただけに、フェラーリとしてもうかうかはしていられない。 今回の中段の見所はフレンツェン、アーバインのベテラン対決かな。前半戦は全然駄目だったジャガーだけど、モナコで空力などを大幅に変更してきてから調子が上がっているようで、フレンツェンが前に詰まっていたとはいえ、ジョーダンを攻め立てている姿には力が入るものがあった。そして、今年最年長となったアレジはファイナルラップで前を行くライコネンを抜く!!しかし、オーバースピードでコースオフ。完走扱いとはなるものの今季初めてマシンを降りた。だけど、アレジのこういった熱い走りを見ると、まだまだ現役で通用するドライバーだなって思うね。40を超えたとしても走りつづけて欲しいドライバーの一人です。 |
![]() | Round10 フランスGP 強い…強すぎるぞシューマッハ!! |
| 今年のフランスGPは晴天に恵まれ、とてもいい状況でレースが出来る…と思っていたが、気温が高くマシンにとってもドライバーにとっても過酷なレースとなりそうだ。 フォーメイションラップではまたしてもハッキネンが立ち往生…これでもうハッキネンがチャンピオンになる可能性は皆無だろう…結局エンジンはかからず最後尾からのスタートすら出来なかった。 そしてスタート。トップで1コーナーに進入したのは初PPを獲得したラルフ。2番手はいいスタートを決めたクルサードとシューマッハが接触ギリギリで通過。なんとかシューマッハが2位をキープ。一瞬ヒヤッとする場面だった。その後ろではバリチェロが8番手から5番手までポジションアップ。 そして数周後、8位を走行していたビルヌーブにライコネンが果敢に攻める。ペースは完全にライコネンの方が上。6周目のストレート立ち上がりで完全に捕らえパス…かと思われたがビルヌーブが突然のストップ。マシントラブルだ…あまりにも早いリタイアにガッカリだ。 その頃トップ集団はラルフ、ミハエル、クルサードという布陣。ほぼ等間隔に並びレースを進めて行くがやはりラルフの方が若干速く、後方との差を徐々に広げていった。レース序盤の終わり頃にバリチェロがピットイン。この時間帯でピットに入りわずか7秒で出て行くとはちょっと臭う。それから数周後まずはラルフからピットへ。しかし、ここで作業に手間取り10秒以上かかってしまった。次の周にミハエルが続いて入り、早目にピットアウト。これでラルフの前に立ち突き放しにかかる。現時点でトップはクルサード。マクラーレンは燃料をたくさん積んで走る事が多いので、このまま後ろとの差を広げてからピットに入るかと思われたが、すぐにピットに入って来た。だが、ここで今度はクルサードがミスを…ピット制限スピード(80km/h)違反で後に10秒ペナルティを喰らう事に… その頃トップを走っていたのはモントーヤ。レース中盤になってもなかなかピットに入らないから1回ストップかと思われたが、2位シューマッハとの差がみるみる縮まっていく。丁度その頃ピットイン。これでシューマッハ、ラルフ、クルサードのトップ争い。しかし、今度はラルフのペースが上がらない。シューマッハとの差はどんどん広がり逆にクルサードとの差がなくなっていく。ところが、ここで先程のペナルティが…これでクルサードは無駄なタイムロスをする事に。これでラルフも少しは楽になるかと思われたが、今度はチームメイトのモントーヤにあおられる。しばらくこんな状況が続くがトップとの差は広がるばかり…そしてラルフが2度目のピットイン。クルサードの後ろでコースインした。その数周後にミハエルが余裕のピット作業を済ませモントーヤの後ろでピットアウト。モントーヤが2度目のピット作業を終えクルサードとラルフの間に割って入るが、その後にトラブルでリタイアする事に…これで彼は今季8度目のリタイア。なかなか完走出来ないでいる。 その後、やはり臭いと思っていたバリチェロが3度目のピットイン。3回作戦だったのだ。続いてクルサードもピットへ。これで難なく2位にラルフが返り咲いた。それからはトップは順当だったが、3位争いが熾烈になった。バリチェロとクルサードの対決だ。そしてこの争いの最大の山場がレースの終盤も終盤でやってきた。ストレートエンドのヘアピンで周回遅れにちょっと引っかかったバリチェロをイン側からうまくクルサードが交わしたのだ!!しかし、ヘアピン立ち上がりで両者どちらも譲らず並んで加速してゆく。昨年はシューマッハ、クルサードの対決でタイヤを接触させながらもクルサードがシューマッハをオーバーテイクした。あの再現かと思われる場面だったが、今回はバリチェロの加速の方が速い!!これで何とかバリチェロが3位を守った。 結局このままシューマッハがトップを守り今季6勝目、通算50勝目を挙げた。あと1回勝てばプロストの持つ最多勝利数51勝に並ぶ所まで来た。2位はラルフで今回は兄-弟の順で1-2フィニッシュを決めた。以下バリチェロ、クルサード、トゥルーリ、ハイドフェルトと続いた。 これでポイントでも78ptと他を寄せ付けない状況に…今年は早い段階でのチャンピオン獲得となってしまいそうだ。昨年のような事がなければの話しだが… その他の今回の見所はアーバイン!!彼しかいないだろう。モナコGPで大幅に改良した好調なマシンでホンダ勢を攻め立てる姿は本当に凄かった。コーナーで差をどんどん詰め、「こんな所で抜きにかかるのか?」って所で勝負をかけていく場面なんかは鳥肌が立つ程の気迫を感じた。結局最後はエンジンが壊れて完走出来なかったけど、今後の活躍に期待が高まる!! ちなみにハッキネンがチャンピオンになる最低条件は今後のレースを全勝+シューマッハが全戦リタイアした場合のみ可能性がある…このパターンはさすがにないだろうが… |
![]() | Round11 イギリスGP ハッキネン、完全復活!! |
| 今年のイギリスGPも雨が心配されていたが、予選、決勝共に空は晴れ渡っていた。ちなみに予選の107%ルールに引っかかったマルケスは出走できなかった。 そんな中、各車一斉にスタートを切ったわけだが、先日の予選で4番手と好位置につけたトゥルーリと3番手クルサードが1コーナーで接触。いつもいい位置を取るとこうなるトゥルーリはついてないと言うかなんと言うか…結局トゥルーリはその場でリタイヤ。チャンピオン争いをしなくてはならないクルサードも数周後にスピンしてリタイヤ。そしてトゥルーリと時を同じくして、同じホンダエンジンを積むBARのパニスも1コーナーでコースオフしてリタイヤした。ホンダ勢にとっては踏んだり蹴ったりのスタートだった。 その後PPのシューマッハ、ハッキネンが順当にポジションをキープしていたが、3番手にはいつの間にやらモントーヤが8番手からジャンプアップ!!その後方5、6番手当たりに予選10位のラルフの姿も見える。さすがにウィリアムズのスタートダッシュはすごいものだと痛感した。 しかし、数周後ペースの上がらないシューマッハにハッキネンが襲い掛かる!!が、シューマッハ為す術もなく、というか自分から道を譲るような格好でハッキネンがトップに上がった。その後もシューマッハのペースは全く上がらず、ハッキネンとの差はどんどん広がり、逆に後方モントーヤとの差はどんどん縮まってくる。結局最終セクターのライン取りがうまく行かなかったシューマッハは最終コーナー立ち上がりも遅れ、モントーヤにあっさりパスされてしまった。その後は先程と同様に差は広がる一方だった。しかし、これだけペースの遅いシューマッハだが4番手に同じくペースの上がらないバリチェロが後方集団を形成し、栓の役割をしていたお陰でそれ以上順位を落とす心配はなかった。 その後、モントーヤがピットイン。丁度序盤が終わる頃に入ったので、2回ストップであろうと思われた。そしてピットを出たわけだが、出た位置が悪かった…バリチェロ、ラルフの後ろに入ってしまった為、なかなか抜けないのだ。本当は燃料が軽くタイヤも新しい分、もっと速いペースで走れるのにバリチェロのスローペースに付き合わされる羽目に…結局これでシューマッハとの差は広がる一方。 そしてレースも終盤に差し掛かる頃、1回ストップ作戦のマシンが続々とピットイン。ラルフはピットに入って出たはいいが、その後すぐにリタイヤ。ハッキネンとシューマッハは同一周回にピットに入ったがあまりにも差が開きすぎた為、特に意味なし。ハッキネンはそのままトップを守ったが、シューマッハはバリチェロ、モントーヤの後ろに入る事になる。その後、バリチェロの遅さに痺れを切らしてかモントーヤが先にピットイン。しかし、ここでクルーのミスもあり数秒のロスをしてしまう。これがある意味決め手となり、次の周にバリチェロが入っても順位は変わらずバリチェロが3位をキープ。 そのままレースは進み、ハッキネンが独走状態で今季初となる復活勝利を挙げた。久しぶりの優勝にハッキネンに笑顔がこぼれ、ある意味名物となった変なガッツポーズも披露。ハッキネンの優勝は実に15戦ぶりとなる。以下シューマッハ、バリチェロ、モントーヤ、ライコネン、ハイドフェルドの順であった。ここ数戦のポディウムでのシャンパンファイトはみんな笑顔を振り撒いて実に楽しそうである。今までは勝った者だけが喜び、2,3位の者(赤、銀組)は落胆の表情を浮かべている事さえあった。今後もこういうみんなで喜びを分ち合うようなシャンパンファイトを見せ続けて欲しい。 それにしても、あれだけ好位置を確保しておきながらポイントが獲得できなかったジョーダンには期待はずれだった。とは言え見応えのある走りを見せてくれたのもジョーダンのフレンツェンなのだ。前を行くザウバー勢を何度もパスしようとトライを繰り返し、左右に揺さぶる。いったん右に振って抑えられた瞬間、左に切り返しイン側を獲ろうとしたシーンには思わず「おぉ…」と驚嘆の声を上げてしまった。結局オーバースピードで綺麗に曲がりきれず完全に抜く事は出来なかったが、とてもエキサイティングなシーンだった。今度はトップ集団でこういうバトルを繰り広げて欲しい。 ここでこのGPの珍場面を一つ。ミナルディのアロンソのマシンが最終コーナーを立ち上がった時、彼の車から何かパーツが外れるのが見えた。それはマシンが走る為になくてはならない物。そう、ホイールが外れてしまったのだ!!このシーン、どこかで観た事があるとお気付きになったあなた!!あなたは99年のここイギリスGPを観ていたに違いありません。なぜなら全く同じ場所でハッキネンのホイールも外れてしまっていたのです。そしてそのままピットに向かうシーン(挙動)まで全く同じ。ついでにカラーリングも何となく似ている(黒っぽい)。まるでデジャヴュを見ているような気がしました(笑) |
![]() | Round12 ドイツGP まさに波瀾波瀾の決勝だ!! |
| さぁ、決勝の日がやってきた。天気は快晴とまではいかないものの雨が降る確率は10%。各チームとも晴れ用のセッティングで決勝に臨んだようだ。ウォームアップランにはミナルディの2台がいなかった。2台ともトラブルで時間内にグリッドに着けなかったようだ。その2台を除いて、各車問題なくグリッドを離れる。予選で驚異的な走りを見せたウィリアムズの2台にフェラーリ、マクラーレンがどう立ち向かうのか。シューマッハの最多勝記録は成されるのか。注目は高まる!! そして全車グリッドに着き、レッドシグナルが次々に灯る。そしてライトが消え全車一斉にスタート!!各車とも問題なくスタートを切る。が、なんとシューマッハのスピードが乗らない!!まったく加速せず後方の車に抜かれてゆく…とそこにプロストのブルチが丁度他車の後ろから横に出てきた時、目の前にはシューマッハが!!スタートからもの凄い勢いで加速している車が減速出来るわけもなく、シューマッハのリアから思いっきり突っ込んでしまった!!そしてブルチのマシンは宙を高々と舞い、一回転…そしてアロウズのベルナルディのマシンにぶつかりそのままの勢いでコースアウト…しかも、ベルナルディのマシンに宙からもげたタイヤが降ってきて、あわや頭に直撃という事に…これもまた壮絶なシーンであった…正直最悪な場面が頭をよぎるクラッシュであったが、怪我人もなくホッとした。 しかし、これでシューマッハは2年連続で0周リタイヤ。ホッケンハイムでは本当に運がないようである…さすがにコース上がマシンの破片だらけとなってしまったため、セーフティカーが導入された。しかし、コース上は本当に一面マシンの破片だらけ。現在のF1マシンはカーボンファイバーで作られているのだが、大変強度があり安全性向上に役立ってはいるが、一度粉々になると刃物の様に鋭い物となるらしい。よって各マシンとも神経質なまでにコースを選んで走っていたが、さすがにこのままではレースにならないし、超高速サーキットだけに危険が大きすぎると見たのだろう。赤旗、完全再スタートという処置が成された!!ほとんどレースを諦めかけていたシューマッハが走ってピットへと戻り、コクピットに戻る。 そして、2度目のスタート。先程とは違いミナルディのマシンもグリッドに着いている。まず、いいスタートを切ったのはPPのモントーヤ、続いてラルフ、ハッキネン、シューマッハ、クルサード、バリチェロの順で1コーナーに入るが、シューマッハが完全にハッキネンのスリップに入りシケイン入り口でオーバーテイク!!その後ろのバリチェロもクルサードと並ぶがここでは抜けない。しかし、フェラーリはマクラーレンより明らかにストレートスピードが伸びており、バリチェロは果敢にクルサードを攻めたてる。サイド・バイ・サイドになっても両者ゆずらず、あわや接触かと思われるシーンもあったが、結局速さに優るバリチェロがクルサードを料理。そして数週後にはハッキネン、シューマッハをもパスしてしまう!!しかし、ウィリアムズ勢との差は歴然。シューマッハどころかラルフですらモントーヤの速さに着いて行く事が出来なかった。 その頃、中段ではホンダ勢同士の争いが展開されていた。トゥルーリにパニスが迫る!何度も攻め立て、ようやくスリップを使ってオーバーテイク。しかし次のストレートで今度はトゥルーリがパニスをオーバーテイク!!と思いきや、姿勢を乱しスピンを喫してしまう。そのすぐ後方にいたビルヌーブはうまく切り抜け、難なくポジションアップ。 その後レースは進み、中盤に差し掛かる頃、上位陣に異変が起こった。5位走行中のハッキネンが煙を吐いてスローダウン。結局どうにもならずリタイヤ。前戦で優勝し勢いに乗りたかったハッキネンだが、流れは変わってくれなかったようだ… その後も異変は起こり続ける。終盤に入る頃、トップを快調に飛ばしていたモントーヤがピットイン。しかし、給油マシンがしっかり作動せず、なんとラルフ用の給油をする羽目に!!ラルフはモントーヤよりも引っ張る作戦のようだったので、モントーヤの予定より燃料が少ない。その為1ストップだったのを2ストップにしなくてはならない可能性が出てきた。しかも、この時点で40秒近くロスしてしまい、優勝の可能性は薄れてしまった。 その後モントーヤを抜いて2位を走行していたシューマッハ(バリチェロは2ストップの為後方に下がった)がピットへ。通常通りの作業を終えコースに戻る。しかし、シケイン立ち上がりで急に失速!!そのままマシンを安全な場所に止めることすら出来ないでマシンを降りる事に…それだけ突然のトラブルだったのだろう。地元GPで初めに大クラッシュ。なんとか得たチャンスで走行するもトラブルでリタイヤ。このサーキットではPPを取った事がなく、優勝も一度のみ。やはり相性が良くないのだろうか… その頃、ピットで出遅れたモントーヤがなんとか差を詰めようと力走を続けていた。が、最終コーナーを立ち上がった時に突然エンジンがイッてしまった。またもやリタイヤとなってしまい、しかも優勝を取れるレースだっただけに非常に残念だった。 ところで現在シューマッハに次ぐドライバーズランキング2位のクルサードはというと、バリチェロのすぐ後ろ、3位を走行していた。シューマッハがいないこの時になんとか差を詰めておきたいクルサードがピットイン。ここも問題なくコースに復帰。しかし次に彼を写した映像は衝撃的であった。陽炎の向こうに止まるマシン…誰だか実況の方も判断できなかったマシンに乗っていたのは、なんとクルサードだった!!こちらもエンジンから白煙を上げてのリタイヤ。メルセデスの地元(本当は英国のイルモアが作ってる)で2台ともリタイヤ。クルサードにしてもなんとしてもポイントを取っておきたかったレースだけに悔しさも大きかっただろう。 これで3強の6台のマシンのうち4台がリタイヤ。必然的に表彰台に空きが一つ出来るわけだが、そこにいたのはBARホンダのビルヌーブだった。その事実が分かって間もなく2位走行中のバリチェロが2回目のピットイン。しかし、ここでもトラブル!!モントーヤと同じように給油がうまくいかず大幅にロスしてしまったのだ。これでビルヌーブが前に出るか?と期待したいところだったがすでに1分近い差があったので抜くには至らなかった。 レースはそのまま進み、結局ラルフが独走状態で地元ドイツGPを制し、今季3勝目を挙げた。2位はバリチェロ、3位は最後追い詰められながらもビルヌーブが今季2度目の表彰台。4位はなんと低迷を極めていたベネトンのフィジケラ、5位はこれまた同じくベネトンのバトン。2台揃ってのポイントは今季初である。そして6位には今季3度目の入賞となる最年長アレジ、というなんとも波瀾尽くめのドイツGP決勝だった。完走したのも今季最低の10台のみというサバイバルレースでもあった。 これでドライバーズランキングはシューマッハ、クルサードの差は縮まらなかったが、ラルフ、バリチェロがクルサードに迫る勢いで追い上げてきた。残り5戦で37ポイント差。次のGPでシューマッハが優勝、あるいはクルサードに3点差をつけてフィニッシュするような事になると、この時点でクルサードのチャンピオン獲得はなくなる。しかし、次戦はマクラーレンが得意とするサーキット。シューマッハにチャンピオンを取って貰いたいが、今後のGPを賑わす為にもクルサードには奮起してもらいたい。 さて、今回注目に値したチームはベネトンだ。他のマシンがリタイアしたとはいえ、しっかり完走した結果が4位、5位のアベック入賞。素晴らしかった。フランスGPでエンジンの大幅パワーアップを計るも、定位置から脱出する事が出来なかったベネトンだが、今日の走りは良かったと思う。昨年のエンジンとは言えフェラーリを積むアレジにも引けを取らない走りをしていたし、終盤では何があったかは知らないがホンダエンジンを積むビルヌーブにもかなり迫ってのフィニッシュだった。これをきっかけにベネトン・ルノーの今後の活躍に期待したい。 |
![]() | Round13 ハンガリーGP 早くも21世紀初のチャンピオン決定!! |
| 予選に引き続き、ここハンガリーは快晴だ。真夏の決戦は一体どんな結果に終わるのか。嫌でも期待は高まる!! フォーメイションラップも終わりいよいよスタートの時だ。レッドシグナルが全て灯り、消えた瞬間にフェラーリの2台が好スタート!!路面状況の悪いイン側からのスタートとなった予選2位のクルサードが3位のバリチェロに抜かれスタート直後からフェラーリが1−2体制を形成。全車グリッドから綺麗に離れたがアーバインが大きくコースオフしリタイヤ。1周目からのリタイヤだけに残念だ。 さて、先頭集団だが、スタート直後にトゥルーリとラルフが小競り合いをしていたがラルフがポジションをキープし、1位シューマッハ、2位バリチェロ、3位クルサード、少し離れて4位ラルフ、5位トゥルーリ、6位ハッキネンというオーダー。上位3台とラルフのペースにも差はあるが、その後方トゥルーリとの差はどうしようもない程の差があった。まずは上位3台でグループを形成し、ラルフが単独走行、そしてトゥルーリの後ろは大渋滞といった感じであった。このサーキットの一番怖い所はここにあるのだ。抜き所が全くと言っていいほどにないので、そこに突っかかるとハッキネンのように速く走れるドライバーでも後ろで我慢するしかないのである。ゲスト解説の森脇さんによるとラップタイムに3秒の差があっても抜けないとの事だ。 結局こんな感じでレースは進み、序盤ペースを下げ気味だったシューマッハが徐々にペースを上げていき2位バリチェロ、3位クルサードとの差を広げていく。そしてシューマッハが1回目のピットストップを無難にこなし3位でコースへ復帰。次いでバリチェロがピットへ向かうが、その間にクルサードが果敢に攻めバリチェロとの差を広げ次の周にピットイン。バリチェロの作業が少し長めだったのと自身の頑張りによりピットを出る頃にはバリチェロを抜いて2位に浮上。その頃トップを走るシューマッハはなかなかペースが上がらない。どうもタイヤが良くないらしい。その間にも1周約1秒くらいずつクルサードが差を詰めてくる。が、なかなか10秒以内まで差を詰める事が出来ない。 その頃、後方でトゥルーリに引っかかっていた5位集団からザウバー勢のライコネン、ハイドフェルドが続々ピットイン。しかし、ハッキネンとモントーヤはまだ続けて走る。結局トゥルーリがピットへ向かい前が開けたハッキネンは速いラップを連続して走る。正直言ってここまでのペースで走れるのならば早めのピットインをするべきだったと思う。そうすれば少なくともトゥルーリよりは速く走れたわけだから前との差はここまで開かなかったはずだ。しかもハッキネンはピットインをかなり遅らせていた為、1ストップの作戦かと思いきや、変則2ストップ作戦を取った。結局2ストップにするのならやはりもっと早くに入れるべきだったのだ。 そして、1回目のピット作業を終えてからの序盤で差を詰めきるかと思われたクルサードだが、結局10秒の差までしか追い詰める事が出来ず、シューマッハは2回目のピットへと向かう。ここでの作業も落ち着いていて何の問題もなくコースへ復帰。その後にまたバリチェロがクルサードより早くに入り、クルサードは当然ながらスパートをかけピットへ向かう。しかし、ここでピット作業にミスが!!作業は完了しているのになかなか給油リグが抜けないのだ!!これで2秒ほどロスしたクルサードは今度は逆にピットでバリチェロに抜かれ、またもや3位へ後退。これでシューマッハにトラブルがない限り優勝の芽は無くなったと言っていい。なぜならバリチェロが壁となりクルサードのペースをコントロールする事が出来るからだ。 そして後方では新たなバトルが始まっていた。1回目のピット作業を終えてからファステストラップを更新しながら追い上げていたハッキネンが2回目の作業を終えて4位ラルフの後方6秒の所で復帰し、すぐに追いつきラルフを攻め立てていたのだ。コーナーの入り混じっているセクションでは明らかにラルフより速いのに抜けない。そして最終コーナーを立ち上がってからの短いストレートで300km/hオーバーのラルフに突き放される、の繰り返しだった。それにしてもBMWエンジンのパワーを目の当たりにした感じだった。分かってはいたけど、あの短いストレートでハッキネンをぐんぐん放していくシーンは実に印象的だった。事実上1コーナーしか抜けないサーキットで放されてしまっては抜きようがないのだ。しかも、ハッキネンにはそれ以上の不幸が待っていた。なんと燃料が足りなかったのだ。せっかくラルフとのバトルを繰り広げていたのにチームのミスで3回目のピットへ向かわざるを得なくなってしまったのだ。解説の方も言っていたが、マクラーレンは2度のミスを犯した。トゥルーリが抜けない時点で早々にピットへ入れなかった事と、この燃料計算のミスだ。今年のハッキネンはトラブル続きで散々だったが、いいレースをしている時もこういったミスが降りかかる…今年は本当に運がなかったのだろう。 そしてレースは終盤トラブルをなるべく起こしにくくしようとペースを落とし気味に走行していたシューマッハが危なげなくトップチェッカーを受け、2年連続、自身4度目のワールドチャンピオンの栄冠を獲得した!!しかも、アラン・プロストの持つ51勝の最多勝記録に並ぶ勝利を得て、フェラーリの3年連続のコンストラクターズタイトルも獲得。そして、この素晴らしい瞬間をバリチェロの頑張りによりフェラーリの1−2フィニッシュで迎えられたのだ!!まさにフェラーリによるフェラーリの為のハンガリーGPだったのではないだろうか。 結果は優勝シューマッハ、2位バリチェロ、3位クルサード、4位ラルフ、5位ハッキネン、6位ハイドフェルドという結果だった。99年から観ているチャンピオン決定の瞬間だが、表彰台には必ずチャンピオンを獲得したドライバーと、そのライバルとして活躍してきたドライバーの姿がある。99年の鈴鹿ではハッキネンとアーバイン、2000年の鈴鹿ではシューマッハとハッキネン、そして今年はシューマッハとクルサード。負けたドライバーは当然悔しいだろうが、シーズンの主役がこういった決戦のGPの表彰台に揃って上がるというのもシーズンを物語っているような気がするのは僕だけだろうか? これであと4戦を残してドライバーズ、コンストラクターズのタイトルが決定してしまったわけだが、これからシューマッハがどこまで勝利数を伸ばすのかも気になるし、2位以下のランキングも熾烈なだけに見逃す事は出来ない。特に毎年序盤だけ調子がいいと言われてきたザウバーが今年はシーズンを通して上位に顔を出している。現在ホンダエンジンを積むBARやジョーダンよりも上位にいる。このままではホンダエンジンが1年落ちのフェラーリエンジンに劣る事になってしまう。来年へ拍車をかけるためにも、残りの4戦で周囲をアッと言わせるようなパフォーマンスを見せてもらいたい。 とにかく、今回はシューマッハ、そしてフェラーリの皆さん、本当におめでとう。フェラーリ、シューマッハのファンの僕としては本当に嬉しい。おそらく来年はマクラーレンも信頼性のある速いマシンを仕上げてくるだろうし、ウィリアムズは質のいいマシンとBMWの超高馬力エンジンを用意してくるだろうから、フェラーリ王朝の到来とは言い切れないが来年も両タイトルを独占する事を祈ってハンガリーGPを去るとしよう(行ってないけど…)。 |
![]() | Round14 ベルギーGP シューマッハ・史上最多勝樹立!! |
| 昨日の予選とは違って、決勝は何とかドライの状況でスタートできそうだ。レースの終盤で雨が降るとの見方が強いようだが、さてさてどうなる事やら… ここスパでは雨がらみの波乱が多いが、今回はスタートから波乱が起こった。前戦からプロストへ移籍し、昨日の予選で4番手を獲得したフレンツェンがスタート直前に両手を振り、早速再スタートとなってしまったのだ。せっかくの4番手グリッドを無駄にしてしまった。そして迎えた2度目のフォーメイションラップで信じられない事が起こった。なんと、今度はPPを獲得したモントーヤがスタート出来なかったのだ。その後、何とか隊列につく事は出来たが、最後尾スタートとなってしまった。2度目のPPでも運がなかったモントーヤ。本当に残念だ。 気を取り直してスタート。まずは8番手のフィジケラが抜群のスタートを決め、一気に4番手へポジションアップ。そしてトップ・ラルフ、次いでミハエルという順でオールージュを駆け上る。その先に続く長いストレートでウィリアムズが伸びるかと思われたが、なんとミハエルがラルフのスリップを使って軽々とオーバーテイク!!これには驚いた。どうもミシュランタイヤの特性からパフォーマンスが良くなかったらしい。その後のラルフはバリチェロにも攻め立てられ、辛い状況となる。 さて、好スタートを決めたフィジケラだが、なんとマクラーレンの2台に対して堂々と戦っていたのだ。ストレートでも何とか抑え、ポジションをキープ。しかし、さすがに常に抑える事は出来ず、ハッキネン、クルサードと次々に抜かれてしまった。その後方ではライコネンがビルヌーブをバス・ストップ・シケイン入り口でオーバーテイクするなど、白熱のバトルが繰り広げられていた。 しかし、ここで大アクシデント!!高速コーナーのブランシモンでアーバインとブルチが接触。アーバインはコースオフ、ブルチは高速300km/hのスピードでタイヤバリアに突っ込んでしまったのだ!!これでマシンはバリアの下へ埋もれてしまい、救出に時間がかかった。事態はかなり深刻で、周囲に重い空気が漂う。コース上ではしばらくセーフティカーが導入されていたが、救出に時間がかかると見て赤旗中断。再スタートという処置が取られた。その後、ブルチは病院へと送られたようだが、チーム関係者、救出に協力していたアーバインの談話から、ブルチの意識はあり、手を動かす事も出来たとの事。はっきりとした事は分からないが、命は助かったようでホッとした。 序盤から波乱続きのベルギーGPだが、まだこれでは終わらない。赤旗掲示された時点でのポジションがそのままスタートグリッドになるわけだが、3度目のフォーメイションラップで、今度は2番手のラルフがスタートできないのだ。これによりウィリアムズ勢はフロントローを独占したにも関わらず、トラブルでそれをふいにしてしまった形になる。そして、正規のスタートが切られ、またしてもフィジケラが好スタート。今度は一気に2番手までジャンプアップ!!トップのシューマッハはそのまま独走態勢に入り、注目は2番手争いに注がれた。 フィジケラはバリチェロも完璧に押さえ込み、序盤を乗り越えた。そして、各チームが続々とピットへ向かいフィジケラもコースへ戻るが、そこでも2番手をキープ。マクラーレン勢をも完璧に抑えた。ハッキネンに至ってはフィジケラのペースにもついていけていないようだった。その頃、後方ではウィリアムズが追い上げを開始していたが、モントーヤはあえなくエンジンブロー。ラルフは着々とポジションをアップしていった。 そして2度目のピットインを迎える頃、フィジケラはまだ2番手を走行。クルサードよりも先に入ったが、次の周のクルサードのピットアウト直後も際どく抑え2番手を死守。そのすぐ後のストレートエンドの攻防も気になったがそこでも抑えた。しかし、レース終盤に入り、周回遅れの影響から1コーナー立ち上がりが遅れたフィジケラがオールージュまでの加速が鈍り、とうとうストレートエンドでクルサードにパスされてしまった。その後は徐々に離されていき、3位キープに努めたようだ。 その後方では5位トゥルーリが残り数周でエンジンブロー。この時期のポイントは重要なだけに非常に悔しがっていた。これによりフロントウィングの脱落のため余計なピットインを強いられたバリチェロが5番手に。そしてトゥルーリのチームメイトとなったアレジが6位へポジションアップ。しかし、アレジのすぐ後ろにはラルフが機を伺っている。ストレートではウィリアムズに分があると思っていたが、ホンダのエンジンが粘りを見せ何とか踏ん張る。コーナーの続くマウンテンセクションでは後ろにつかれ、バス・ストップでも際どいバトルになるがこれを制す。こんなバトルが最終ラップまで続けられ、普段ならファイナル・ラップになった時点でトップへ画面が切り替わるところが、最後の最後までこの二人のバトルを移していた。それだけ見応えのある両者のバトルだった。 結局レースはシューマッハの完全独走により幕を閉じ、今季8勝目、通算52勝目となる史上最多勝利を樹立した!!以下、クルサード、フィジケラ、ハッキネン、バリチェロ、最後の最後まで前を譲らなかったアレジの順でフィニッシュした。フィジケラは今季初表彰台、3度目の入賞を果たした。アレジも移籍後初のポイント獲得。 今回のレースはがっかりする事が多かった。期待していたモントーヤ、フレンツェンがそれぞれスタートできず、赤旗後のスタートではラルフがグリッドに立ち往生。しかし、レース全体の流れを見ると非常に楽しめたレースであった。トップこそシューマッハの独走に終わってしまったが、フィジケラがフェラーリ、マクラーレンを押さえ込む走りなんかは見事だった。今季は後方グリッドに落ち込み、ドライバーにとっては非常に辛いシーズンだったと思うが、後半に入って第12戦のドイツGPでもダブル入賞を果たすなど、徐々に戦闘力をつけてきている。今回の予選は雨がらみで本当の実力ではないと踏んでいたが、それは間違っていたようだ。レース全体を通して安定したペースで走っていたし、上位チームとのかけ離れたストレートスピードの差もない。これは次戦のイタリアGPでも活躍が期待できる。とにかくフィジケラにはおめでとうと言いたい。 そして6位に入ったアレジとラルフのバトル。これも本当に見応えがあった。ブレーキング直前で並ばれかけるが、アレジの巧みなコントロールでラルフを押さえ込む様は見事だった。それにBMWエンジンのパワーにも引けを取らないホンダパワーの復活。これは非常に明るい材料だと思う。特にこれから超高速サーキットのモンツァ、一部オーバルコースを使用したレイアウトの高速サーキット・インディアナポリス、そして最終戦となるストレートから高速コーナー130Rに突入する鈴鹿と、エンジンパワーが非常に重要となるサーキットが目白押しだ。去年もモンツァでビルヌーブが予選4番手、ゾンタがレース中に果敢な攻めを見せるなどの活躍があったし、今年もここスパで見事な走りが出来た。そういう意味でも次のGPに期待は高まる。 最後にブルチが助かって本当によかった。TVの映像ではマシンはグチャグチャになっていたし、ブルチの動く映像がまったく見られなかったから、最悪な事ばかりが頭をよぎった。あとは後遺症などの症状があらわれない事だけを祈る。次のGPに出走できるか分からないが、また元気な姿をサーキットに見せて欲しい。 |