『猪さん家のメイドさん♪』


 猪八戒さんは、小学校の先生です。
 男とは思えぬ色気と激可愛い笑顔に、老若男女問わず落ちない者はいないという…何処ぞの魔性のゲイのような罪な方(笑)、今日も今日とて、その犯罪的な魅力でもって、片っ端から無意識に悩殺しまくるという日々を送っておりました。
 そんな八戒さんのお悩みは、無自覚で落としたストーカー…ではなくて、
「今日もできませんでした…」
 家事がなかなか片付かない、と言う事でした。
 八戒さんはひとり暮らしです。その為、お家のことは全部自分でしなければなりません。駄菓子菓子、無意識の悩殺光線の為に、八戒さんを独り占めしようと、皆さんあの手この手と画策して、結局帰宅はいつも21時過ぎ、しかもそんな邪な人々から逃れる為に心身共に疲れ切っている為、殆ど何もできないのでした。
 それでも、何とか片付けようと努力して…結果、窶れてしまい、ますますその妖しげな魅力に拍車を掛けるという、悪循環を繰り返していました。





 さて…今日も今日とて八戒さん、一日の仕事を終え、周りの邪な思惑を振り切って帰宅しますと、
「…どなたですか?」
「メイドだ」
「格好を見れば判ります」
「なら聞くなよ」
「いえ、僕が聞いたのはそう言う意味ではなくて、何処の誰ですかという意味なのですが」
「ああ、そう言う事か」
 見ず知らずの、やたらナイスバディなメイドさんは、偉そうに胸を反らして、
「お前の家のメイドだ」
「ですから…」
 堂々巡りな会話を予感して、今まで堪りまくった疲れもあり、目眩を覚える八戒さん。
 そんな彼を助けるかのように、家の奥から声が掛かりました。
「菩薩ぅ〜、お夕飯出来ましたよぉ〜」
「おう!今主人も帰ったぞ。風呂は沸いてるのか?」
「ばっちりですぅ〜」
「…ど、どなたですか?」
 全く見知らぬ男の声に、無駄と判っているのに、八戒さんは尋ねました。
 それに、やはり自称「メイド」さんは、ニヤリ、と笑って、
「メイドだ」
「ですから!」
「そうだな、さしずめあれは、メイド2号だな」
「は?」
「まぁいい。兎も角そう言うことだ。で、風呂が先か?飯が先か?」
「…ご飯にします」
 何だかもう、本当に疲れてしまったので、八戒さんはそう答えるしかありませんでした。
 八戒さんの返事を聞いて、自称「メイドさん」…面倒臭いからもう名前ばらします、観世音菩薩はまたまたにやり、と笑いました。
「飯だな」
 そう言って、いきなり八戒さんを姫抱きにします。
「って、自分で歩けます!」
 慌てたのは八戒さんです、いきなり女性(笑)に姫抱きされたのですから、当然でしょう。しかし、観世音は、そんな八戒さんの驚きをものともせず、まっすぐキッチンに向かいました。
 そうしてつれてこられた先には…
「おかえりなさぁ〜い」
「……………」
 余りの光景に、何も言えない八戒さん。
 目の前には、ドジョウ髭のメイドさんが、土鍋を持って笑っていました。
「あ、あの…」
「お疲れでしょう?今日は親子雑炊にしてみました。熱いので気を付けて下さいね」
「はぁ…」
「あ、私メイド2号の、次郎真と言います。どうぞ宜しく♪」
 メイド1号の観世音と違って、次郎真は素直に自己紹介をしてくれました。そうしてまともな対応をして貰うと、こちらも返したくなるのが、八戒さんです。
「あ、初めまして、猪八戒です」
「おらおら、くだらねぇ話は後だ後だ!飯にするぞ!」
 どうやら、観世音は、八戒さんと次郎真がお喋りするのが、面白くないようです。八戒さんを少し乱暴に椅子に下ろしますと、自分もその隣に腰を下ろしました。
 次郎真も、慌てて土鍋をテーブルの上に置いて、その向かいに腰を下ろします。
 普通メイドは主と一緒にご飯を食べないんじゃ…等という、素朴な突っ込みが八戒さんの胸中を過ぎりましたが、疲れもあって、大人しく一緒に夕飯を戴くことにしました。
「…美味しい」
 親子雑炊を一口口に含んだ直後、八戒さんは思わず声を上げてしまいました。それを聞いて、向かいに座る次郎真はぱっ、と笑顔になって、
「本当ですか?いやぁ、お口にあって何よりです」
「ま、てめぇはこれくらいしか能はねぇからな」
「あ、菩薩酷い」
 メイド二人(笑)の漫才のような会話を聞きながら、八戒さんは家の中を改めて見回します。
(片付いてます、ねぇ…)
 今朝家を出る時、放り出したままだった洗濯物や洗い物は綺麗に片付けられ、あまつさえ掃除までしてあります。ゴミも、所定の場所にちゃんと捨てられてあって…それが目の前のメイドさん達の仕業であるのは、八戒さんにもすぐ判りました。
「どうして、僕の家に来られたんですか?」
 食事を粗方終えると、改めて、八戒さんは二人に尋ねました。それに、メイド1号の観世音が、偉そうにふんぞり返りながら、
「ま、日頃の行いの良い奴へのご褒美だ」
「ご褒美、ですか?」
「ああ。お前は良い奴だからな、カミサマが特別に、困ったお前を助けるようにと、俺達を寄越したんだよ」
 今時子供も信じないような内容でしたが、全部が全部、嘘というわけでもないようです。何より、彼らは自分の代わりに、今日まで片付かなかった家事の全てを片付けてくれたのですから。
(どうやら、悪い人ではないようですね)
 食事もすみ、お風呂に入る段になって、八戒さんはこの状況に、すっかり順応していました。どうやら、今日まで片付かなかった用事が全て片付いていて、心が軽くなったようです。
(何処のどなたかは存じませんが、有り難う御座います)
 早めのベッドに潜り込みながら、八戒さんは、この状況に感謝さえし始めていました。
 その心が、『後悔』に変わるのはすぐでした(笑)。



 その夜…今までの疲れもあって、ベッドにはいると同時に眠ってしまった八戒さんは、深夜、ごそごそという物音と気配で、目を覚ましました。
「…ん?」
 誰かが、自分の部屋にいるようです。そうしてその誰かは、布団の中に潜り込み、何かしているようです。
 気付くと同時に、八戒さんは慌てて布団を捲り上げ、サイドボードの明かりに手を伸ばしました。
 突然の明かりに、八戒さんも目が眩みましたが、すぐにそれに照らし出された人物を睨みます。が、それは一瞬のうちに、驚愕へとすり替わりました。
「あ、貴方は…!」
「よっ」
 八戒さんのパジャマのズボンを引き下ろして陽気に声を掛けたのは、メイド1号の観世音菩薩です。
「な、何やっているんですかぁ!?」
 慌てて裾を掴んで、これ以上引き下ろされるのを阻止しながら、絶叫する八戒さん。駄菓子菓子、観世音はそんな八戒さんの抵抗などものともせず、ズボンを下着事引きずり下ろして、早速弱点に手を伸ばしました。
 直接触れられた快楽に、慌てて八戒さんは唇を噛み締めます。
 そんな八戒さんの様子を面白そうに見やりながら、観世音は直接的な快楽を与えながら、漸く答えました。
「何って、メイドの仕事だろう?」
「こ、これ、の、何処、が…!」
 上がりそうになる声を必死に堪えて言い返せば、観世音はますます楽しそうに笑います。
「夜のご奉仕は、メイドの仕事の一環だ」
 そう言って、八戒さんが言い返す前に、潜まったそこへ指を這わせました。
 いつの間にか、円滑油となるローションで濡れた観世音の指は、堅いつぼみを正確に捉え、ゆるゆると愛撫を加えます。その感触に、八戒さんは思わず悲鳴にも似た声を上げて、仰け反りました。
「お前、随分感度が良いんだな。奉仕のし甲斐があるぞ」
 八戒さんの過敏な反応に気をよくして、菩薩はますます、愛撫の手を早めます。そうして同時に、パジャマの上もはだけさせて、下半身の愛撫で立ち上がっている胸の突起に、舌を這わせました。
「あっ!や、めっ…!」
 いきなり弱い箇所を攻められて、身悶える八戒さん。甘い声でもって制止します。が、当然、それは煽るだけでしかありません。ますます激しい愛撫を加えられて…耐えきれずに、とうとう達ってしまいました。
「随分良かったみたいだな」
 八戒さんが吐き出したモノをぺろり、と舐めながら、揶揄かうように菩薩は言います。それに、八戒さんは言い返すことも出来ず、ただ、荒い呼吸を整えるだけで精一杯でした。
 菩薩も、返事を期待していないようでした。構わず、蕾をなぶっていた指を、ゆっくりと中へと納め始めます。慌てたのは八戒さんです。
「なっ!?や、やめ!」
「馬鹿言うな、ならさないと、辛いのはお前だぞ?」
 そう言って、一気に根本まで、人差し指を突き刺しました。その衝撃に、身を仰け反らせる八戒さん。元より、急激に追い上げられた身体では、抵抗らしい抵抗など出来るはずもありません。
 傷一つ付けず指を飲み込むのを見て観世音は調子に乗りました。一本だったのを二本、三本と増やして行きます。そうして、バラバラに動かして、八戒さんが一番感じる箇所を探りました。
「ああっ!」
 それはすぐ見つかりました。そこを擦れば、八戒さんの身体は、面白いほど反応するのです。先程放ったモノも再びそそり立ち、明らかに、感じています。
「成る程、ここが良いんだな?」
 そう言って、観世音はそこを集中的に攻めました。
「やだ!あ、ああ、だ、めっ!…ああっ!」
 声を堪えることもできなくなって、八戒さんは甘い悲鳴を、ひっきりなしに上げます。そんな八戒さんの声にうっとりとなりながら、観世音はスカートの下から、実に立派なモノを取り出しました。
 朦朧としていた八戒さんは…眼前に現れた見慣れた、でも見た事もない立派なそれに、再び絶叫しました。
「何でそれがついてるんですか!?」
 …驚くのも無理はありません。だって、八戒さんはずっと、観世音を女性だと思っていたのですから。
 それに、観世音はニヤリ、と笑って、
「後から付けたんじゃねぇぞ。自前だ」
「…ニューハーフですか?」
「両性具有だ。だからこっちも自前だ」
 そう言って、服の上から、豊満な胸を押し付けます。その柔らかな感触に、思わず頬を染めた八戒さんでしたが、
「ひっ!」
 同時に散々指でなぶられた箇所に、先程見せつけられた立派なモノが入り込む感触に、身を強張らせました。
「力むな、辛いぞ」
 そんな八戒さんに、宥めるように弱い箇所への愛撫を加える観世音。その甘さにとろけてしまって…とうとう、菩薩を受け入れてしまいました。
 当然、指なんかとは比べ物にならないくらい太くて、指が届かないような場所まで入り込まれて…八戒さんは辛そうに、浅い呼吸を繰り返します。
 八戒さんが落ち着くのを見計らってから、観世音は、動き出しました。
「ひぃいっ!」
 八戒さんにしてみれば、それは突然の事で…悲鳴を上げて仰け反りました。
 菩薩は、集中的に、先程八戒さんが一番感じたその箇所を、擦り続けました。それに、最初痛いだけだった八戒さんも、段々気持ちよくなってきてしまって…あられもない声を上げ続けました。
 その声に煽られるように、菩薩も動きを早めて…八戒さんが2度目の絶頂を迎えようとした、その時、
「ぼぉ〜さぁ〜つぅ〜」
「…なんだ?」
 良いところを邪魔されて、途端に不機嫌になる観世音。そうして八戒さんも、我に返ってしまいました。己の痴態を次郎真が見ているのに気付いて、真っ赤になります。
「あ、じ、次郎真さん…!」
「狡いですぅ〜、一人だけ良い思いをしてぇ〜」
 一人恥ずかしがって、慌てている八戒さんを後目に、次郎真は拗ねた口調で観世音に訴えました。
 それに、観世音は動きを再開しながら、
「狡いも何も、お前が昼の世話、俺が夜の世話をするって、決めただろうが」
「ひゃっ、ぁ、ん…」
「でも、やっぱり狡いですよぉ。あたしだって、八戒さんにあんな事やこんな事、したいですよぉ」
「ちっ、しょうがねぇなだぁ」
 舌打ちすると同時に、観世音はいきなり、八戒さんの中から抜け出しました。
 抜かれたことで、楽になるはずだったのですが、すっかり快楽に染められた身体には、中途半端に投げ出されることの方が拷問でした。高めるだけ高められて放り出されて、八戒さんはどうすることも出来ず、ただ身体を震わせるだけ。
「あっ、ぼ、さつ、さ…」
「味見させてやる」
「本当ですか?」
 途端に表情を輝かせて、次郎真はいそいそと、ベッドに歩み寄りました。そうして、先程菩薩を受け入れていた箇所に、既に立派にそそり立っていた己のモノを、一気に突き刺しました。
「ぃあっ!じ、ろしん、さっ!」
 突然の事で、八戒さんは悲鳴にも似た声を上げました。その声と、己を包み込む内部のきつさと柔らかさに、次郎真は至福の表情を浮かべます。
「ああ、良いなぁ…八戒さん…凄く気持ちいいですぅ…」
 そう言って、遠慮なくピストン運動を始めます。
 揺さぶられるその感触に、八戒さんはもう、声を上げることしかできません。
 そんな八戒さんの前に回って、観世音は前髪を掴んで顔を上げさせました。
「声が聞けなくなるのは残念だが、俺も中途半端だからな。こっちで達かせてくれ」
 言うなり、半開きの口に、己のモノを無理矢理銜えさせました。
 八戒さんは、必死でそれを押し戻そうとするのですが、それは観世音を高めるだけにしかなりませんでした。
 前と後ろを同時に犯されて、時折敏感な箇所に触れられて…意識が朦朧となる中、漸く、八戒さんに二度目の絶頂が訪れました。そうして、観世音と次郎真もまた、少し遅れて達きました。
 これで解放させる…朦朧となりながらも、八戒さんはそう思ったのですが、
「まだまだ、夜はこれからだ」
 凶悪な笑みと宣言に、心の中で絶叫が上がりました。







 翌日。
「おら!ガキども!俺は八戒先生の代理の観世音だ!宜しくしやがれ」
 偉そうにふんぞり返って教壇に立つ、観世音の姿がありました。
 そうして、猪家では…
「八戒さぁ〜ん、お昼の準備が出来ましたよぉ」
 いそいそと、ベッドに突っ伏す八戒さんを看護する、次郎真の姿が。
 彼は、観世音に、出掛けに「夜までに体力回復させられたら、また味見させてやる」と言われているので、ある意味必死です(笑)。
 そうして、二人の主、八戒さんは、ベッドに突っ伏しながら誓っておりました。
(絶対、出て行って貰います…!)
 果たして、その願いは叶えられたかどうかは…無理ですね(大笑)。

END


勝様より頂きました。
この裏めいた作品が元で、私は鬼畜メイド支援隊を結成せざるを得なくなったのです。
って、言うか姐さん…
貰う度にアダルト率が増してないか?
今でこれなら、次は…(ドキドキ)
この菩薩&次郎神コンビ私も好きですよvv
楽しい作品を有難うですv
それではv

2002.02.10 鬼灯

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