双子の狼大冒険


 その日、八戒さん(敏感肌(爆笑)の22歳・独身・保父さん)は夕暮れの町で、小さな男の子の兄弟に声をかけられました。

「ねえ、お兄さん」
 くりくりとした大きな瞳で、金髪の少年が愛らしい笑顔を湛えて八戒さんを見上げてきます。その隣では、同じ顔をした銀髪の少年が、金髪の少年に隠れるように寄り添っています。
 八戒さんは、保父さんと言う職業でも解るように、子供が大好きです。
 迷い無く屈み込んで、幼い兄弟と目線をあわせて語りかけます。
「…どうしました?こんな時間に」
 もう、日も落ちかけていて、冬の町はとても寒いのです。
 このままでは小さな兄弟は風邪を引いてしまうかもしれません。
「僕達ね。おうちに帰れないの」
 うるうると目に涙を溜めた金髪の少年が八戒さんを見上げます。
「帰れないって、どうしたんですか?」
「あのね。お父さんも、お母さんも、僕達を置いていなくなったの。そうしたら、怖い人達がおうちに来て、僕達をおうちに入れてくれないの」
 それは、とても酷い状況です。
 恐らくは(以下、八戒さんの想像)…
 幼い兄弟の両親は、何らかの理由で多大な借金を抱え込み(多分友人の保証人になり逃げられた)、二人で何とかお金の画策にと家を空けた隙に、借金取りの人達が大挙して押し掛け、幼い子供達まで追い出してしまったのでしょう!
 なんて酷い!
 と、八戒さんの綺麗な翠緑の瞳がじんわりと潤みます。
 八戒さん自身、幼い頃両親に先立たれ、孤児院で幼少期を過ごした経緯上、困っている幼い子供達を放って置く事は出来ません。
「じゃあ、今夜は、僕の家に来ますか?男の一人暮らしで、大した事も出来ませんけど…」
「!本当に!?」
「…有難うございます」
 八戒さんの言葉に、金髪の少年はさらに目を輝かせ、それまで黙っていた銀髪の少年も、嬉しそうにはにかんでお礼を言いました。
 なんて可愛い兄弟でしょうと、八戒さんは感動していましたが、そんな八戒さんの視線が逸れた瞬間、目配せをしてニヤリと笑った兄弟の事まで知る由もありませんでした。





「お兄さん。僕ね、金閣って言うんだ」
 八戒さんの右手に手を引かれた金髪の少年が笑いかけます。
「僕は、銀閣と言います」
 八戒さんの左手をキュッと握って、銀髪の少年が照れたように微笑みます。
「そうですか。僕は猪八戒と言います」
 そんな二人を交互に見やって、八戒さんは極上の微笑を宿して、家路を急ぎます。





「じゃあ、今何か作って来ますから、ちょっと待ってて下さいね」
 にっこりと、これまた極上の笑みを宿して八戒さんがキッチンに姿を消します。
 残された二人の兄弟はすすっと寄り添って、二人にだけ聞こえるような声で話し始めました。
「…どう思う?銀閣」
「激マブだねvお兄ちゃん」
 ……銀閣君、人格が変わっている気がしますが、気のせいでしょう。
「だよなーvv」
「………する?」
 って、何を?と聞いてはいけません。と、言うかこれでいいのか小学生(10歳児/爆笑)。
「勿論!ママも『お世話になったらご奉仕』って言ってるしv」
「ママも、呼んだ方がいいのかなぁ?」
「だって、僕達だけじゃちゃんとご奉仕できないじゃん」
「だよね」
 ………ママ?
 と、この会話を聞いていたなら八戒さんは思った事でしょう。
 が、不幸かな(笑)、可哀想な兄弟の為に、八戒さんは栄養と愛情のたっぷり詰ったお食事を準備中で、そんな会話は露知らず。勿論、銀閣君が服のポケットから最新型の携帯電話を取り出して、どこかに電話をかけていた事など判る筈も無いのです。





 賑やかな食事も終わり、可愛い二人の期待に満ち満ちた表情でのお誘いに負けて一緒にお風呂に入った八戒さん。
 そんな八戒さんの透けるように白い肌を、じっくりと観察している4つの目に八戒さんは気付きませんでした。
 そして、今はお布団の上です。
 八戒さんを挟んで小さな兄弟が左右を確保しています。
 まるで仲良し親子のようではありませんか!(気のせい)
「…そうなんですか?」
「うん!それでねっ……」
 先刻から楽しそうに八戒さんとお話しているのは金閣君です。
 銀閣君は、二人のお話に時々相槌を打つだけですが、さり気無く八戒さんに抱き付いて、幸せそうに笑っています。
 金閣君も銀閣君も、必要以上に八戒さんにベタベタしていますが、天然キャラの八戒さんは、ただもう『きっと、寂しかったんでしょうね…(涙)』の一言で済ませてしまっています。
 八戒さんは、この天使のような兄弟が、何を考えているかなんて全く。解ってないのです。
 尤も、解っていた所で結果はそんなには変わらないのですが…(酷)



「さ。もう遅いですから、電気を消して、寝ましょうね」
 にっこりと微笑む八戒さん。
 自分で最終宣告を降した事には気付いていません。
 その言葉を聞いた二人の瞳が今までとは違う輝きを宿した事も………



「………え?………ぁっ…ひゃっ!?」
 突然、奇声と共に、八戒さんの身体がビクッと跳ねます。
「…暴れないで下さいね。八戒さん」
 にぃっこりと、極上の笑みを宿した銀閣君が、八戒さんのパジャマの釦と釦の隙間から小さな手を差し入れて、滑らかな肌を撫で回します。
「って、なっ…ななな…何をっ…!!ゃんっ!」
「『ゃんっ』だって。カワイーv」
 八戒さんの頬にチュっと音を立てて、金閣君がキスします。
「かっ…可愛いって………っ!?」
「可愛いですよ。綺麗だし」
「そうそう。僕達お世話になったから、ちゃんとお返ししないとねv」
「あっ…駄目ですっ……やめっ」
 八戒さんは、小さいお子様と小動物には本気で酷い事ができません。ので、こう言う時に抵抗らしい抵抗が出来ないのです。
 一人を押さえてももう一人が遠慮なく八戒さんの身体に手を滑らせて、キスをします。
 敏感肌(笑)の八戒さんは、だんだん身体から力が抜けて行くのを感じました。
「…っ……ぁ…はぅっ……んんっ…や…だ…ぁ」
 子供特有の体温の高い掌が、滑らかな肌を這いまわります。
「…嫌なんですか?」
「嘘吐いちゃだめだよ。八戒」
「あっ…ぃやぁっ」
 流石に双子。
 見事な連携プレーでどんどん八戒さんの感じる場所を見つけて行きます。
 一方八戒さんは、二人合わせても自分より年下(どんな説明だ)のお子様達にすっかり翻弄されてしまっていました。
「ひゃっ!?そっ…そこっ!駄目で…やぁっ!!」
 いきなり下を剥かれて、流石に勘弁して欲しいと、八戒さんは身を捩りますが、勿論そんな事許してもらえる筈も無いのです。
「感じてくれてるんですね?嬉しいなぁ」
 クスクスと銀閣君が小さな笑みを零します。
 意外にも、銀閣君は隠れ鬼畜なようです。
 言葉で嬲って楽しむのが好きなようです。末恐ろしい人材に目をつけられてしまいましたね。八戒さん。
「ホント。八戒って、素直で可愛い」
 こっちも楽しそうに笑いながら、金閣君が剥き出しになった八戒さんの白い内腿をぺろりと舐めます。
「ヤめっ…だ…っ……っやだぁっっ」
 お子様達に高められて煽られて、八戒さんはついに泣き出してしまいました。
「…泣くほど…悦いですか?」
 クシャッと額にかかる前髪を掻き上げた銀閣君が、八戒さんの綺麗な瞳から零れる涙の跡に、舌を沿わせ、そのまま唇をそっと重ねます。
「んっ…んんっぅっ………っ…」
 しっかりと八戒さんの頬を小さな手で包み込んで、顔が逸れないようにして、悪戯に舌を割り込ませます。
 その、濃厚な接吻に、八戒さんは目を見開きます。
「〜〜〜っ……ふ……んぅ…っはぅっ!?」
 銀閣君の接吻に流され始めていた八戒さんの身体がビクッと跳ねます。
「このままじゃ、辛いでしょ?」
 無邪気な笑顔で金閣君が八戒さん(苦笑)に接吻ます。
「やんっ!駄目ぇっっ」
 何とか止めて欲しくて身を捩るのですが、散々高められた身体は、言う事を聞いてくれません。
「…大人しく、して下さいね?ちゃんとイかせてあげますから」
 言葉と同時に、銀閣君が胸の飾りをちょっときつめに噛み締めます。
「八戒は、何処も綺麗で可愛いから、ご奉仕するの楽しいよね」
 言いながら、八戒さん(苦笑)を弄る手と舌は止めません。
 弱過ぎるぐらいに弱い所への刺激を受けて、八戒さんはギュッとシーツを握り締めて唇を噛み締めて小さく震えています。
 ………それにしても(酷)…
 この幼い兄弟は、何処でこんな事を覚えたのでしょうか(って、バレバレ?)?
「ゃっ……っ…も……だ……〜〜っ」
「イっていいですよ」
「そうそう。恥ずかしがらなくてもいいからさ」
「っっ!!」
 鬼畜なお子様達に囁かれて、八戒さんは益々羞恥に肌を染ながら、押し寄せる感覚に逆らえないで、くったりとシーツにその身を預けて、小さく震えています。
「まだ寝ちゃ駄目ですよ。八戒さん」
 八戒さんの耳朶を甘噛みしながら、銀閣君が囁きます。
「………ぇ…?」
 荒い息を吐きながら、八戒さんが涙に濡れた瞳をそっと二人に向けます。
「ご奉仕は、これからが本番なんだv」
「え?」
 金閣君の言葉に、八戒さんは泣きたくなりました(と、言うか既に泣いてます)。
「でも、僕達まだ子供だから、ちゃんとご奉仕出来ないんです」
 既に充分過ぎる事をしているように思うのですが…如何な物でしょう?
「だから、ママを呼んであるからさv続きはママにしてもらってよ」
「……マ…マ………って…?」
「ママはママですv僕達に、ご奉仕の仕方を教えてくれたんです」
「大丈夫vママはご奉仕が好きだから、痛くないよ」
 八戒さんは二人の言葉に、意識が遠のきそうになりました。
 いえ。
 いっそ意識を無くした方が幸せだったかもしれません。





「ふぅん…可愛い人だねv」
 突然。寝室の扉の方から声がして、八戒さんが目を向けると、メイド服を身に纏った、顔の半分に大きな痣のある男の人が立って、お布団の上の三人をにこやかに見下ろしています。
「「あ!ママ!!」」
 金閣君と銀閣君は、声を揃えて叫びました。
「可愛いでしょ?ママの好みだと思ったんだv」
 へへっと、得意げに金閣君が笑います。
「うん。可愛いねぇ」
 ニコニコとママさんも笑います。
「僕達、頑張ってご奉仕したんです」
「うん。見てたよv」
 ………って、見てたんか!?(突っ込み)
「八戒君…だよね?」
 てこてことお布団に近付いて来たママさんは、八戒さんの頬を両手で挟み込んで、覗き込み、しっかりと目を合わせます。
「僕の可愛い息子達がお世話になったみたいだから、ご奉仕で、お返しさせてもらうよv」
「むっ…息子って…ママって!?あなた、男じゃっ…!?」
「男がママじゃ悪い?捨てられて泣いてたこの子達を僕がちゃんとここまで育ててあげたんだv偉いでしょ?」
 言いながら、ママさんの手が、八戒さんの身体を厭らしく撫で上げます。
「あっ!?やぁっ………んっ」
「八戒君は、本当に、可愛いなぁ…」
「ゃっ…あんっ」
 金閣君と銀閣君も大概巧かったのですが、流石にママさんはそれよりずっと巧くて、八戒さんは、声を抑えられません。
「やっぱりママは、上手だねv銀閣」
「勉強になるよねvお兄ちゃん」
 可愛い兄弟は真剣な目で、ママさんのご奉仕を観察します。
「本当に、八戒は可愛いなぁ…」
「僕。このお家で働きたいな」
 全身を桜色に染めて、腰が砕けそうな色っぽい声で啼く八戒さんの姿を見ると、本当に幸せな気分になります。
 後5年もすれば、二人も立派にご奉仕できるでしょうが、それまではママさんのする事を良く見て、お勉強です。
 メイドさんへの道は日々お勉強。
「八戒君…息子達がお世話になったお礼に、僕達親子で、この家で働くよv」
「ぅんっ…ぁあっ…はぁ…んっ」
「いいよね?」
 意識が朦朧としている八戒さんは、強く揺すぶられて全身が大きく震えます。
 それは、傍から見れば頷いているように見えるのです。
「有難うvじゃあ、お礼にもっと色々ご奉仕してあげるv」
 ママさんは、視線で息子達を促します。
 先刻からママさんを羨ましそうに見ていた二人は、満面の笑みを浮かべて、八戒さんに駆け寄り、楽しそうにご奉仕を再開しました。



 こうして、濃厚な夜は明け方近くまで続いたのです。







「……只今…です」
「「「お帰りなさいvご主人様v」」」
 そっと玄関を開けると、大小三人のメイドさんが、にこやかにお出迎えです。
「ねぇ、ご主人様」
 銀閣君が八戒さんの服裾を掴んで、見上げてきます。
「何ですか?」
 何となく…嫌な予感が走ります。
「あの、赤毛の男はだあれ?」
「え!?」
 赤毛の男といえば、久方振りにばったりと会った高校時代の友人で…
「駄目だよ。油断しちゃ」
 キュ。と、金閣君が八戒さんの足に抱きつきます。
「油断って?彼は、友人で………」
 うごうごと身を捩る八戒さんの顎を、ママさんが捕らえます。
「解ってないなぁ…八戒君は…」
 ママさんの、空いている方の手が、八戒さんの首筋をなぞり上げます。
「ひゃんっ」
「こぉんなに可愛い八戒君を、彼がどんな目で見てるか、知ってる?」
 ママさん。笑っているのに目が笑っていません。
「今夜はお仕置きですね」
 極上の微笑で、銀閣君が告げます。
「勿論v」
「当然だねv」
 メイドさん親子は、とても仲良しさん。
 特にご主人様を可愛がる事と、ご主人様に付きかけた虫を排除する事に関しては、シンクロナイズドスイミングの選手団も真っ青の団結力とチームワークを見せてくれます。
「ああっ…やだぁっ!」
「やだじゃないですよvこんな事にして…」
「あんっ…駄目ぇ」
「大人しくしないと、痛い事するよ?」
「ゃっ…はぁんっ…あぅっ」
「八戒君。『ごめんなさい』は?」
「あっぁっ…ごっ…ごめっ……な…さ…」
 今夜も可愛いご主人様に巡り会えた幸せを噛み締めて、ご主人様にたっぷりご奉仕する三人。





 数日後、赤毛の男(苦笑)が闇討ちに遭って伸されてたと言うのは別のお話ですv


  ★言い逃れ★

じっ…児童ポルノッ!?(吐血)Σ(―□―;)
だがしかし、二人合わせて20歳なのでOKと言う事で…(んな訳あるか)
折角メイドさん部屋作ったんだからと言う事で、いつもより少しエッチ臭くしてみましたv
まだまだ18禁レベルじゃないですが…
個人的には寝室行きで…(吐血)
後数年もしたら、この兄弟も立派なメイドさんになるでしょうv
タイトルになってる唄は激可愛いんですがねぇ(^^;)
♪森の奥深くに住んでいる 僕達双子の狼だよ
ママには内緒で大冒険 危険な時には魔法の言葉♪
って、知ってます?
書きながらずっと歌ってました(笑)
ラストの赤毛の男さんは、「僕達を狙っている狩人」なんだけど、ここでは「ご主人様を狙っている(愛の/爆笑)狩人」と、言う事でv

それではv
隊員の皆さん、楽しんでいただければ幸いですv

2002.02.11 鬼灯

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