ご主人様の苦悩



 今日和、僕は猪八戒と言います。中学校の教師をやらせていただいています。
 今日は・・・ある男の人がやってきてからめちゃめちゃになってしまった、僕の私生活をご紹介します・・・。
 何でこんなモノ紹介するのかって・・・僕の生徒が語ってくれと言ったからなんです〜・・・。
 えぐ・・・えぐえぐえぐ・・・・。な、なんで僕ばっかりこんな目に・・・・(号泣)



 僕の朝は其れなりに早いです。朝の6:00には起床します。
 ・・・・あの人が来る前までは余裕で起きられましたが、今は毎朝・・・その・・・躰とか痛くて、なかなか起きられません。
 でも、あの人は無視して僕を起こします。しかも・・・起きないと、抱くって言って脅します!!
 ひっく・・・。



 朝御飯は、自称メイドのあの人が作ってくれます。
 けど・・・本当にあの人が作ってるんでしょうか?微妙に、毎日味が違うんですよね・・・。
 でも、これ以上想像すると怖いことになりそうなので、止めておきます。
 朝はだるくて、どうにも食事が喉を通りません。けど、きちんと食べないとあの人が・・・無理矢理・・・口移しとか・・・色々してくるので・・・・全部食べます・・・えっく・・・。



 ご飯を食べたら通勤です。此で、一応あの人からは解放されるのですが・・・・学校に行けば、問題児だらけの生徒達が・・・ひっく・・・。で、でも、僕だって教師です!頑張って生徒達を更生させて見せますッ!!





「あっ、八戒センセ〜〜〜〜〜っv」
「先生!お早う御座います。」
 学校に着くと、其処には僕のクラスの学級代表である二人が、沢山の書類を持ってこちらに向かってきます。僕のクラスで唯一まともな彼女たちは、いつも僕を慕ってくれます。
「八戒先生ッ!!おっはよーございまぁ〜〜〜すっ!!」
「お早う御座います。いつも元気ですねぇ。」
「八戒先生に会えるって思ったら、誰だって元気になりますよ〜っ!!」
 いつでもハイテンションで元気な彼女には、いつも救われます。お世辞だと解っていても、彼女の言葉は嬉しいです・・・。(女の子:何がお世辞?)
 僕がそんなことを考えていると、彼女の隣にいる彼が、ビクッと震えました。
 その反応を見て、彼女もビクッと震えます。
 え?え?な、何が起こったんでしょう?
「・・・誰だこらぁッ!!」
「ひっ!?」
 いきなり、彼女が顔を歪ませて手にしていた書類を僕が入ってきたドアに向かって投げつけました。
 そ、その書類、クラスの人達の提出物じゃ・・・
「ど、どうしたんですか?」
「・・・いいえ、何でも。なぁ?」
「うん。何でもありませんよ、先生。」
 二人はにっこり笑って玄関に近づき、そして勢い良く扉を閉めました。
 かしゃん、と音が鳴り、鍵が掛かります。・・・この学校は、セキュリティだけは万全です。
「先生に近づく虫がいただけです。害虫は駆除しましたのでっ!」
「流石に学校までは入って来れません。」
 ???
 僕は、沢山の疑問符を浮かべながらも、彼女たちに手を引かれ、職員室へと向かいました。
 本当に、何だったんでしょう・・・?



(隠れ会話)
「相棒よ」
「・・・。」
「そろそろやばいな。あの変態男最近俺らのクラスまで監視してるぞ。」
「そうだね。対策考えなきゃ。」
「学校にいる間は、八戒先生は俺達のモノだ!!あんな変態に邪魔させるか!」
「そうだね。メイド服の男には取られたくないよね。」
 こんな会話が、生徒達の間で交わされていることを、八戒は知らない。



 9:00からは、授業が始まります。
 せ、生徒さん達はとても騒がしいのですが・・・今日こそは頑張りますッ!!
「お早う御座いますっ!!」
「「「「お早う御座います、先生ッ!!」」」」
 ・・・?えっ?な、なんで皆さん、こんなにきっちりしてるんですか??
 静かだし・・・ちゃんと授業道具出てるし・・・。
「気をつけ、礼ッ!!」
 日直さんの声に合わせて、皆さんが一斉に僕に向かって礼をしました。
 其れは、当たり前の光景なのですが、僕はかなりたじろいでしまいました。
 だ、だって、こんな事、一年ぶり位なんです。
 で、でも・・・嬉しいです・・・み、皆さん、僕の気持ち解ってくれたんですねっ!
「そ、其れじゃあ今日はファシズムの国々とドイツについて・・・・」
 そんな感じで、授業は始まりました。



「♪」
「八戒先生ッ!!ご機嫌ですねッ!!」
「あっ。ふふっ、今日は、皆さんが静かなんです♪だから、嬉しくて・・・。」
 給食時間になると、やっぱり隣に男の子を引き連れた彼女がやってきて、僕に向かってにこにこしています。で、でも・・・みんなに解るくらいにやにやしてますかね・・・?
 彼女は、普段は割と不機嫌そうにしてるのに、今日はやたら笑顔で、僕を見ています。
「だって、今日は特別な日なんですよ、先生。」
「へっ?なんの日なんですか?」
「其れは、後での楽しみです。なぁ、相棒。」
「そうですよ、先生。とにかく、今日は特別な日なんです。」
 ねー、と、二人は仲良く微笑み合って、席に着きます。
 ・・・特別な日?何かの祝日でしょうか?
 けど、その時チャイムが鳴って僕は考えるのを止めてしまいました。



「只今帰りました」
 9時頃、家に帰ると、やっぱりあの人が・・・居ました。
 何度も、夢じゃないかと思いましたが・・・現実なんですね(T-T)
 でも・・・あれ?
 いつもなら、いきなりキスしたり抱き付いたりしてくるあの人が、何だか不機嫌そうです。
「ど、どうしたんですか?」
 思わず問いかけると、あの人が無言で玄関先の段ボールを指さします。
 その目が、開けろ、と言っていたので、僕はびくびくしながらその段ボールを開けます。
 それは・・・
「え?」
 思わず、声が漏れます。
 其処には、いつも僕が学校に着ていくようなシャツと、其れと・・・僕のクラスの子からの、メッセージ。
『八戒先生へ。代表で、俺が書きます。先生、お誕生日おめでとう御座います。今日は、先生に負担掛けないために、クラスの奴らを俺達二人で黙らせました。このシャツは、みんなで買いました。先生、最近痩せたようなので、サイズが少し大きいかも知れません。でも、着てきてくれたら嬉しいです。』
 み、皆さん・・・(ジーン)
 図らずも、僕は感動してしまいました。涙まで出てきてます・・・。
 て、てっきり僕、皆さんに嫌われてるんだと・・・えぐえぐ・・・。
 けど、僕が感動に浸っているのにあの人はお構いなしで僕を抱え上げます。
「え、ちょっ!?」
 僕は慌てて藻掻きますけど、あの人はとても楽しそうに、僕の耳元で何か囁きます。
「・・・!」
 い、いえ、貴方からのプレゼントは遠慮したいんですけど!?
 ちょ、止め、そっち、寝室じゃないですかぁぁぁ!!!!





 ・・・せっかくの誕生日は、あの人の腕の中で迎え、そしてあの人腕の中で終わる羽目になりました・・・・(T-T)
 ぼ、僕に・・・・安息の日はやってくるのでしょうか・・・・?(多分来ない)



コメント

・・・?ど、どうしましょう・・・。
ほ、鬼灯姉様ぁ〜(泣きつき)姉様の爪の垢を下さい・・・。
い、一応メイドさんには誰でも当てはめられるように・・・・ぁう・・・・(T-T)
至らぬNo,2で申し訳ありません(土下座)




隊員No.002の琴音瑠架様から頂きましたv

メイドさん初のご主人様視点です!
皆に騙されている挙句、この不幸具合が堪りません!(≧▽≦)♭
メイドさんは誰でもOKとの事なのですが、個人的には何処ぞの最高僧or闘神様かと…
相変わらず、生徒さんがいい味出してますvv
頑張れ!八戒先生!


2002.03.10 鬼灯

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