水をください 水をください この手が濡れるぐらいでいいから
水をください 水をください コップ1杯の水でいいから

 

ゲームってのは実際楽しむものだってずっとおもってたんだけど。
きっとずいぶん怖くてしかたがなかったんだね。
ボスなんて呼ばれていい気になってさ、
ホントは臆病で弱々しいココロなんて奴等に見せる必要はなかったからすっかり油断してたんだ。

いっそ全部が夢ならいいのに。
オレひとりだけの悪い夢なら精一杯の強がりで隠しとおすぐらいすごく簡単なことなのに。
ホントは逃げ出したいだなんて死んだって言えっこない。

震える奴等にちいさく笑いかけたあと月明かりのスポットライトでオレは言うんだ。
「そんなに言うなら逃げてやろうか? どんな電波望遠鏡でも追いつけないとこまで連れてってやろうか?」

闇を裂く、救済者の声。

そう、すべては遥か可視範囲を外れたこの手など決して届かない場所にあったからこそ無邪気に笑えたんだ。
敵は近いほどスリルだなんてよほど信じたくない現実。
走るこの先に果てなどなければいいのに。
どこまでもどこまでもこのよるが続けばそれだけでいいのに。
閉じ込められたこの場所にはもうなにが起きることもなくて、
ただそれはひどくさびしい欲望に苛まれながらオレが現実呼吸を止めず眠ることのできる楽園。
雨も降らず、もちろん朝なんて来ない。
そこに暮らすオレはでもいつかやっぱりよるの色を映す無機質な天井に雨雲を描くんだろうか?
ひとりの現実を生ぬるいなんて言い換えて奴等の名を呼ぶんだろうか?

結局ひとりが耐えきれないんじゃないか。
間断なく襲い来る痛みにただひたすら怯えてるだけなんじゃないか。
波にのまれて光射す方向に手を伸ばすオレはひどく不恰好にもがいては海の底に涙を落とす。
ちいさなカラダにはあまさず深い浸透圧。

檻は閉じ込められる奴等のためにある。
オレのために用意されたこの檻は誰でもないオレ自身の咎。
見ないフリで虚勢を続けた構築の過程は今夜急速にその速度を上げたらしい。

おもいだすすべてはひとつずつがいちいちそれは痛いんだ。
おもいだせばひとりでここにいることなんてとてもできないオレなんだ。
知ってるんだろ? なら今すぐオレを呼べよ。
独裁者の理論なんて誰を呼ぶこともできないかなしい偶像でしかありえない。
それすらもわからない穴だらけののうみそ乗っけて平気な顔して歩いてるなんてお願いだから言うんじゃないよ。

しなやかな曲線美。およそ近づけぬ気高さ。
そんなものを誇ってショーウインドウで埃をかぶることになんの意味がある?
光の下で幾多のココロを揺さぶろうとも、よるにはきっとひとりきり。
ずっとずっとひとりきり。

南の端でオレを待つのは重ねた罪への糾弾。
震えるばかりの自身を裁くために走るオレに最初から選択肢など赦されてはいなかったんだ。

今更気づいたって遅いけれど、走るオレに悔恨はない。
囚われたオレに残るものなど最初からなにひとつ用意されてなんかないんだよ。
だから奴等に期待だってもうしない。奴等に縛られることももうない。

さぁ集えよ約束の地に。
今度はオレが奴等を飾る番。
一瞬の夢と見紛うほどに綺麗に笑ってお別れを言うよ。
今すぐここを世界でいちばん最高で最悪の場所にしよう。

潮の匂い。

交錯する五感は痛みさえ覚えるほど研ぎ澄まされてオレを刺す。
ほら、もうなにもかんじないじゃないか。全然平気だろ?
それならば次に彼が口にするその名が訣別の合図。

 

 

"water"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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