DCで発売された「エターナルアルカディア」のGC移植作品。一部追加要素がある以外、グラフィック等はベタ移植。しかしながら、DCの時に殺人的とまで言われたり言われなかったりした戦闘のロード含めたかったるさはかなり解消されてる。
六つの月が浮かぶ世界、その世界の広大な空にぽつぽつと浮かぶ島々、その島々に人々は暮らす。
ある日青の空賊(いわゆる義賊)の少年ヴァイスは、仲間と共にバルア帝国の戦艦を襲撃する。そこで一人の少女に出会ったことから、ヴァイスは世界の命運を左右する戦いに身を投じることになる。
ということで、空が舞台、移動は空飛ぶ船。夢見るは世界の果て!な王道冒険浪漫なRPG。
グランディアUよりもこの作品のほうがグランディアの続編にふさわしいなんていわれたりもするだけあって、気流の向うの新たな世界、そこにある未知の大陸、そこに暮らす文化の異なる人々…そんなベタだけど冒険心をくすぐる設定が魅力。マップ移動が最初から船なので、世界の大きさも感じられるし。
で、ストーリーも、世界の果てを夢見る熱血漢を主人公に、世界の命運をかけて悪の帝国と戦う、とまたベタベタなものなんだけど、主人公は単純馬鹿ではなくて、退く所は退く、強大な敵には策を練る、船のリーダーたるしっかりしたキャラなあたりが個人的に好ポイント。
で、そんな王道ながら燃える設定を更に盛り上げるシステムも充実。収集要素はチャムというヒロインの武器パワーアップ、ムーンフィッシュ(GC版追加要素)というDQの小さなメダル的アイテムとしっかりあるし、戦闘が通常の戦闘の他に砲撃戦という、船同士の戦いがあるのがポイント高い。これのおかげで巨大な敵と戦う!ってシチュがあるわけだし。
更に、ストーリーが進むと、自分の船と本拠地を持つようになり、船にのせるクルー探しや、クルーを集めることで本拠地が豪華になったり、なんてこともあって、空賊のリーダー気分を満喫。
また、船乗りギルドというものがあって、そこでは賞金首の情報や、発見物という、世界の珍しいものの情報を取り扱っていて、賞金首を倒したり発見物を見つけたりして賞金を貰うことができるわけで、その発見物というのがまた冒険心をくすぐるし、賞金首にしっかりとバックストーリーがあるところなんかもニクい。
こんなホントに色んな要素があるこの作品だけど、基本的な部分もしっかりしてます。ます戦闘システムがまたなかなか面白くて、武器の(というより自分の)属性が毎ターン行動選択時に切り替えられ、術の習得にもかかわるのでこれを良く考えなきゃいけなかったり、ガッツポイントというパーティ共用の毎ターン一定量回復するMPみたいなシステムによって、そのターンだけでなく先のターンのことを考えて行動する戦術性があったり。グランディアほどではないものの、RPGの中ではかなり面白い部類に入る戦闘かと。
また、バランスも、主人公の特殊技の有用性なんかが高い所為もあって、なかなかいいバランス。賞金首はちょっと強すぎる気がしたけど。下手すればラスボスより強いし。
音楽もなかなかいい曲が多いし、グラフィックは、DCのベタ移植なので流石に見劣りはするものの、センスが良いので時々ハッとさせられる。
そんな、流石セガだと言う遊び心、技術の高さの一方で、やっぱりセガか、と思うこともまあちょっとはあるわけで、一番思ったのは、店の人、話し掛けたときに一々動きすぎ。動きが終わるまで次に進めないので、重たいんです。すごく。あと、一部の敵が即死系の術を多用してくるのも…。ザコ戦なら、このゲームは戦闘終了で戦闘不能自動回復なので大した問題では無いけど、ボスが多用しすぎ。やるボスには毎ターン術無効(敵味方とも)技を使ってて、ワンパターン化してしまうし。
とまあいったものの、やはりいいゲームなのでこのスタッフの次回作(これの続編は売上から見るに出ないだろうし…)に期待。
システム | S | ガッツポイント、砲撃戦が良い。他にも色々こってるし |
サウンド | A | 異文化、神秘的な場所など場面に合わせたBGMが冒険心をくすぐる |
グラフィック | C | ベタ移植だから。でもDCでみたら結構良い方 |
操作性 | B | 悪くないけど変なところで引っかかる |
シナリオ | B | まさしく王道。でもしっかり出来てる |
バランス | A | 結構いい部類に入るかと。ザコが少し弱いかな。 |
男気 | ― | 逃げると下がるのかよ!最低でしたよええ。 |