弁護士が主人公、法廷が舞台のAVG。
探偵パートで通常のAVG同様に情報や証拠を集め、法廷パートではその情報や証拠をもとに、証人の証言に対しゆさぶりをかけ、証言の矛盾点を示す証拠をつきつけ、偽証を暴き、依頼者(被告)を無罪へ導くのが目的。
探偵パートは一般的なのAVG。ただ、比較的さくさく進むように作ってあり、テンポがいい。
やはり目玉は法廷パートで、有罪になりそうなところを、証言の矛盾を指摘して食い下がっていく感覚が楽しく、また、"逆転"裁判とあるだけあって、シナリオはいつもかなりの逆境からはじまり、話が進む間も幾度と無く苦境に立たされるが、依頼者(被告)を信じて無罪を目指すそのシナリオの巧さとあいまって、他のAVGでは感じることの出来ない達成感、喜びを感じることが出来る。この達成感はあるいは同社、カプコンのACTのそれに近いかもしれない。また、ラストはただ、ただ、清清しい。
また、キャラクタも、流石カプコン。脇役もきちんとつくってあるかんじで好感が持てる。
シナリオ以外も、BGMは、曲単品として聴くと特筆すべきほどでなはないが、使い方の妙もあって、"バックグラウンド"ミュージックとしては非常にレベルが高い(個人的に、どうも昔のゲームの雰囲気を感じて懐かしかった)。また、グラフィックも、驚くべきはその動きぶり。とにかく本当によく動き、AVGでありながら、テキストを読まないでもでも見ているだけでも楽しめる。
そしてそれら、アツいシナリオ、盛り上げるBGM、魅せるグラフィックの効果を失わないテンポの良さは製作者のこだわりが感じられ、特に法廷パートは全編クライマックスと言っても過言ではない。
難度は、ぬるいという人もいるかもしれないが、マス向けとしては丁度いい。
ボリュームはクリアまでの時間はやや短いし、ゲームの性質上何度も繰り返し楽しむものではないが、密度の濃い時間をすごせるので損をした感じはあまりない。
しかしこのゲーム、スタッフロールにでる名前が十人程度(つまりメインスタッフはもっと少ない)。カプコンもやはりまだまだ"良い"メーカーだとおもった。
とりあえず、自分は見事にこのアツさにやられ、ゲーム中何回も泣きました。ほんとに。
システム | A | 法廷パートがあたらしく、またシンプルでとっつきやすい。 |
サウンド | A | とにかく"BG"Mとしての出来はすばらしい。曲が無い状態ではあれほど泣かなかった。 |
グラフィック | A | 綺麗さでいえば、GBAとしては並よりやや上。ただ、ほんとうによく動く。 |
操作性 | B | シンプルなシステムにより、操作系も単純で使いやすい。 |
シナリオ | A | アツい!!キャラクタの描き方も巧い! |
演出 | S | シナリオ、グラフィック、サウンド…。全てが非常にうまくマッチしている。 |
巧舟 | ― | 企画・脚本・監督。その名前、覚えた。 |