檄!電脳雑戯団

裏Qさん投稿作品
【EPISODE 28.5】「陵辱」


 外浦海岸、10:00PM……
「ハァ……ハァ……アウ……」
 夜の闇に包まれた砂浜を、ゴ・ベミウ・ギはヨロヨロと歩いていた。
 彼女は海蛇の性質を持つグロンギだ。しかしその力も、昼間クウガと戦い、敗れたために、大半が失われてしまった。
 この時刻まで海中で傷を癒し、ようやく動けるようになったものの、変身能力は未だ元に戻っていない。首から上は美しい女性の顔なのに、下部は右半分が人間で、左半分と腹の辺りが怪人体という有様なのだ。
 もっとも、それが単純にグロテスクかといえば、そうでもない。蛇と人が交じり合ったその姿には、スフィンクスやナーガと通じる"異形の美"といっていいような雰囲気もあった。
「ザン・ベン・ザダダ・バ
(残念だったな)
 突然、前方から同族の言葉で声をかけられて、彼女はハッと顔を上げた。
 見るといつ来たのか、グロンギの一人ゴ・ズーミ・レが、十メートルほど離れたところに立っている。
 どういうつもりか、彼は肩と腹から計四本の触手を生やす戦闘形態を取っていた。
「バビ・バジョグ・バ?
(何か用か?)
 ベミウの声はこのうえなく険悪だった。
 もともとズーミは不愉快な男であったし、何より今は彼女の中で嵐が荒れ狂っている。本当なら言葉を交わすのも嫌なのだ。
 だが、ズーミは気にする風もなく、言った。
「ラ・ドルド・グはもう去った。お前のゲゲルはもう終わりだ」
「バンザ・ド!?
(なんだと!?)
 ベミウは愕然となった。
「ゾグ・ギグボゾ・ザ! ラザ・ジャ・セムッ!
(どういう事だ! まだやれる!)
「あきらめろ。リントにルールを見抜かれた以上、続行は不可能だろう。それに終わりにしないと罰ゲゲルができないではないか」
「罰ゲゲル、ザ・ド?
(罰ゲーム……だと?)
「そう、俺が個人的に罰をくだしてやる」
 次の瞬間、ズーミが跳んだ。
 空中で身体を捻ってベミウの背後に着地すると、彼女をはがいじめにする。
「クッ……バビゾ・スム! パバゲ!
(くっ……何をする! 離せ!)
 もしベミウが本調子ならば、こうも簡単に背後を取られる事はなかったろう。
 しかし、現在の彼女は相手を振りほどく事もできなかった。
 含み笑いを洩らしながら、ズーミは触手を一本伸ばしてくる。
 ねっとりと粘液を分泌するそれが、ベミウの長い髪をかきあげ、首筋を通って、ビキニ状の装束の胸元に入り込んだ。
「ウゥッ……ジャッ……ジャレソ! ゴゾラッ……ギギッ!
(うぅっ……やっ……やめろ! おぞましい!)
 ベミウは嫌悪に震えた。
 しかし触手は構わず右の乳房に絡み付き、膨らみの根元をギュッと絞り上げる。さらに先端部で乳首を転がした。
「クゥゥ……ギギバッ……ゲンビ・ギソッ! ギボヂゾ・グデムッ……ゴドビ・バムゾッ……!
(くぅぅ……いい加減にしろっ! 命を捨てる事になるぞっ!)
「ほう、俺を殺せるのか? やれるならやってみろ」
 馬鹿にしたように言い放ち、ズーミは残りの触手も伸ばしてきた。
 一本が海蛇独特の滑らかさを持つ腰に巻きつき、一本が口内にむりやり突っ込む。
 最後の一本は、腰巻の陰で太腿の付け根をなぞり始めた。
「ウグッ!?」
 ベミウの目が大きく見開かれる。その場所には、彼女の能力を象徴するタトゥーがあったのだ。
 グロンギにとって、タトゥーを冒涜される事は、非常な屈辱である。こんな形であればなおさらだ。
 にもかかわらず、ベミウはその行為をやめさせることができない。
 誇り高いがゆえに、ショックもまた大きかった。
「ムグッ……ウッ……オフゥ……ッ! フグッ……フグゥゥッ……!」
 そこへ追い討ちの言葉が飛んできた。
「今日はリントの言葉で嬲りながら、犯し抜いてやる。まるでひ弱なリントにやられている気がするだろう?」
「ウムッ……ンンンンッ……ッムゥゥ……」
 直後、唇を割っていた触手が、フェラチオを強要するように前後に動き始めた。
 抵抗を押さえ込んでいた両手も、ベミウの身体を触り出す。右手が文字通り蛇腹状の腹部を撫でさすり、左手が空いている方の乳房を装束の上から揉みしだいた。
「グブゥゥゥッ……ウッ……グホゥッ……ウウウッ……」
 苦しさと悔しさに、固く閉じられたベミウの瞳の端から、涙が一筋こぼれる。
 すかさずそれを、ズーミが舌で舐め取った。
「そういえば、お前は音楽が好きだったな。一つ、歌を聞かせてもらおう」
 彼はそう言って、口から触手を抜き取った。
「プアッ……ウッ……ジャレソ……アッ……ジャレソォッ! アッ……ァァッ!
(ぷあっ……うっ……やめろっ……あっ……やめろぉっ! あっ……ぁぁっ!)
「フフフ、良い声だ。こうなると楽器も欲しくなる」
 ズーミは触手を腿から割れ目へ伸ばしてきた。
 潤む淫肉を掻き分けて、乱暴に先端を奥へ潜り込ませる。
「……ィッ! ヒアァッ……アッ……ンアァァッ!」
 大きさを増したベミウのよがり声に混じって、グチュッと淫猥な響きが湧き起こった。
「フフン、俺の演奏も捨てたものじゃないだろう?」
 ニチャッ……グチョグチョッ……グチョチョッ……!
「アアァァァッ……ンアッ……ヒィィィッ! ザッ……ザレェッ……ガヅゥッ……ギ……ィ……ッ! ボンバッ……ボド……グゥゥ……ッ! アッオオォォッ!
(ああぁぁぁっ……んあっ……ひぃぃぃっ! だっ……だめぇっ……熱ぅいぃっ……っ! こんな……事がぁぁ……っ! あっおおぉぉっ!)」 
「だが、水音も声ももっと響かせたいな。調律してみるか?」
 胸にまとわりついていた触手が、自身の先端部を退けて、乳房全体を乱暴に揺すり出した。すると固めの布地と乳首が擦れあい、痛いぐらいの刺激が生まれる。
「ギジャザッ……ルベグッ……ルベグゥゥゥッ!
(いやだっ……胸がっ……胸がぁぁぁっ!)
「まだまだ」
 当然のように、ズーミは右手を下ろし、クリトリスを弄んだ。右に左に転がし、さらには……。
 カリッと爪で引っかいた。
「アァウッ! アヒッ……アヒッ……アァァァァァァァァァッ!」
 堪えきれず、一際高い悲鳴をあげたベミウの秘洞が、キュッときつく締まる。透明な愛液が、勢い良く砂地へ飛び散った。
「アウ……ア……アヒ……ィ」
「ククッ、潮まで噴いてしまったか。実はお前もこの罰ゲゲルに乗り気なんじゃないか」
「ハッ……アァ……」
 何も言い返せない。ベミウは肩を大きく上下させながら、うわ言を繰り返すしかなかった。
「ロ……ログギ……ジャザ……
(も……もういやだ……)
「嘘を吐くなよ。それにまだゲゲルは終わっていないぞ」
 ズーミの腰巻からは、剛直したペニスが鎌首を擡げていた。ペニスもまた触手同様粘液を滴らせているが、その太さは比べ物にならない。
 彼は抗う気力を失ったベミウの片足を触手で持ち上げると、事もあろうに立ったまま尻の穴へペニスを当ててきた。
「ジャレッ……ゾボ……ビ……ガデ……デッ
(やめっ……どこに……当てて……っ)
 返事はない。代わりに亀頭が、括約筋をむりやり押し広げた。
「アギッ!? アアアアアアッ!?」
 脱力していたベミウの背が大きく仰け反った。
「ガッ……パギッ……ギッ……パギギッ……ギデグッ……ムゥゥッ!
(がっ……はいっ……入ってくるぅぅっ!)
 それは彼女にとって未知の痛みだった。凶器によってズタズタにされるような……溶ける毒の棒によって侵蝕されるような……。性質の違う二つの感覚が同時に襲ってくる。
 一方、ズーミは満足そうに息を弾ませていた。
「ウクッ……ゥ……前も、後ろも……お前の中は最高だな……」
「ブベ……ッ……ブッ……ギデェ……ッ! アァァッ……!
(抜け……っ……抜いてぇ……っ! あぁぁっ……!)
「フフン、ここまで来て俺がやめると思うか? 安心しろ。俺の体液でぬめりは充分だ」
 ズーミの両手が、ベミウの腰を掴み、ゆっさゆっさと揺すった。合わせてペニスのピストン運動が始まると、途端に"凶器"の方の感覚が強くなる。
「ザレッ……ザレェェェッ! ヒャグウッ……ボパッ……セデッ……ギラグゥゥゥッ! アァッ……アァッ……アアァッ!
(だめっ……だめぇぇぇっ! ひゃぐうっ……壊れてしまうぅぅぅっ! あぁっ……あぁっ……ああぁっ!)
「しおらしいな。まるでリントの娘のようだ。……もっと抵抗してみせたらどうだ?」
「ンアァァッ……ギッ……ギブゥゥゥゥッ! オアアァァァァッ!
(んあぁぁっ……しっ……死ぬぅぅぅぅ! おああぁぁぁぁっ!)
 この時、限界を迎えたベミウの身体に異変が起きた。右腕が人間体から怪人体になり、逆に左足が怪人体から人間体になったのだ。しかし、突き上げられると、それがまた変わる。
 ……身体のあちこちで、怪人体と人間体の境目が、絶え間なく切り替わり出していた。
 無論、秘所や菊座も例外ではない。それは締めつけや襞の吸い付きに影響し、一秒ごとにペニスを包む状態を変化させる。
「ック……ギギ……ゴゼ……いや、俺も……こんなのは初めてだぞ……っ」
 ズーミはますます興奮したようだった。律動を強め、そして告げる。
「……このまま出してやるよ。腹の奥にたっぷりとな」
「ジャッ……ジャァァァァッ! ログッ……ジュスギ……デェェェッ……!
(やっ……やぁぁぁぁっ! もうっ……許してぇぇぇっ!)
 彼女の悲鳴が尾を引いているそのうちに、ペニスが大きく跳ねた。
 一回、二回……。放たれた精液が流れ込んでくる。
「ジャァァァァァァァァァッ!
(やぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!)
 汚液に粘膜を打たれて、ベミウは絶叫した。手足が強張り、痙攣する。
「フア……アァ……ァゥ……」
「それっ」
 ズーミは彼女を、砂の上に放り出した。
「アッ……」
 触手の粘液で汚れた肌に無数の砂がじっとり貼り付く。
「もう俺達の中に、お前の帰る場所はない。これからはリントにまぎれてひっそりと生きていくんだな」
 見下ろすズーミの前で、今度こそベミウは能力を失い、全てが人間体に戻っていた。
 しかし、プライドをズタズタにされた彼女は、もはや獲物であるはずのリントよりも無力な存在になり果てていたのである……。


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