一人きりになった教室。
オレンジが黒板や机を染め上げた。

この14年間、ずぅっと俺と鳴海とでやってきた。
サッカーも悪戯も勉強もゲームも登下校も遊びに行くのも喧嘩も買物も
むかつく先生や恋とかについて話すのも初詣も夏祭りもCD聞いたりするのも
クリスマスもいいことも悪い事も楽しい事も辛い事もなにもかも皆一緒だった。
だけど鳴海と、俺。2人と1人になった。
2人だけのカンケイ。俺は入り込めない。
そんな関係になった。
2人だけの間でするから特別だって事もできた。
遊びに行くのには「デート」って名詞がつく。
ちょっと肩とかを抱いたりするのにも「恋人の特権」が発動する。
「親友」の肩書きだけでは踏み切れないキスとかセックスとかもきっとする。

はっきり言って、寂しい。
鳴海がと付き合うって言ったとき
すげーでっかい壁ができたような気がした。
乗り越えようとしても乗り越えられないほど高い
ぶち壊そうとしてもぶち壊せないほど硬い
回り込もうとしても果てしなく長い
穴掘っていこうとしても歯が立たないほど根強い
どうしようにもどうしようもできない
そんな壁ができた気がしたんだ。


けど俺は言った。
「おめでとさん」って。



別に、まだ引きずってるわけじゃねえからな。
何日かして気付いたんだよ。
あいつらの俺に対して付き合い方は何にも変わらないって事。
俺の位置付けはあいつらの「親友」という大事なもの。
ただ鳴海にとってのにとっての鳴海が「特別な人」という大事なものになったこと。
同じ「だいじなもの」。
お株が二人に比べて低いだけ。



俺は絶対不動のあいつらの「親友」だ。


多分あいつらは結婚する。
俺の読みって結構当たるんだ。
そのときにはキレーに着飾ったと似合わないカッコした鳴海に言ってやろう。





「おめでとさん」と。















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