満月夜
「「「「「「暇だ」」」」」」
食堂にて五人の野郎供プラス紅一点が同時に呟いた。
「一年は組はトラブル起こさないし」
「学園長の思いつきはないし」
「あれって対象から外れてさえいたら滅茶苦茶たのしーんだよねえ」
「就職先もほぼ決まっちゃったし」
「…試験もない」
はあ、と溜息をついて机に突っ伏す野郎共、善法寺伊作、立花仙蔵、潮江文次郎、
七松小平太、中在家長次とは反対に、紅一点はニコニコと笑っていた。
「〜、何でそんなに機嫌いいのさあ」
小平太が不服そうに口を尖らせて言った。
それを見てまたニッコリ笑いながらは言った。
「あたしってさあ、一応事務員でしょ?」
「そうだよ」と仙蔵。
「来客の受け付けって事務員なのね」
「うん」と伊作。
「そして時折事件解決のお礼なんかも貰える訳」
「それでどうしたんだよ!」文次郎が痺れを切らしていった。
「ってなわけで先日、上等のお酒をいただきました」
がばっ、と五人は飛び起きる。
「今宵は酒盛りなんぞ如何でしょう?」
「サイコー!!!」
隣の小平太がに飛びついた。
「肴はたしか仙蔵ともんじの部屋にあったよね?」
「、お前何故そのことを…」
「じゃあ、消灯後、仙蔵ともんじーの部屋に集合―!」
というわけで宴会が開かれる事になった。
「まずはかんぱーい!」
各自徳利を持ち、口に運ぶ。六人の円の真中には一升瓶と数点のつまみ。
「美味しい!よっしゃあ、今夜は飲み明かすぞぉっ!」
「明日は休みだし!」
「宴会サイコ―!!」
普段なら即刻説教されそうなさわぎっぷりで宴会は続いた。
日が変わる頃には酒は全て飲み干され、つまみも完全になくなった。
意外にきつい酒だったのか、あまり強くない小平太はすでに夢の中の人だった。
仙蔵もとろんとした目でほぼ眠っている状態に近い。
「おーい、小平太ー、起きろー」
「う〜ん…いへへ〜、おんまが飛んでるよー」
小平太を伊作がゆさゆさと揺らすが起きる気配はなかった。
「小平太は俺が持って帰る」
「連れて帰る」の間違いじゃないのかとも思ったが、長次が小平太を担ぎ上げるのを見て
やっぱり「持って帰る」で正しいか、とまだ起きている面々は思った。
「おーい、仙蔵〜…だーめだ、こっちも寝てる」
壁にもたれて眠る仙蔵を見てはは、と苦笑した伊作の肩に何かが凭れかかった。
だ。
「ああ?もか?仕方ねえな…伊作、そいつ頼むわ」
「ええっ!?」
「部屋まで運んでやれよ、その様子じゃろくに歩けねえだろ」
伊作がそうだな…、と返事をしようとしたとき、がばっとが跳ね起きた。
文次郎と伊作が驚いて固まっていると
「酔ってないよ〜、あははははー。もー超素面ってかんじー?あはは〜」
けたけたと笑い出して伊作に抱きつき、くそー、子供だと思うなーなどとのたうつ
を見て二人は溜息をついた。
「伊作…、送んねえと…駄目だろ、これは」
「…ああ、そうだな…」
と笑い上戸である事が判明した紅一点を遠い目で見た。
伊作はの腕を肩に乗せてゆっくり歩いた。
目線も定かでないの足取りは今にも転びそうで危なっかしい。
「…、大丈夫か?」
「あはははは〜、平気だよーん、いさっく〜ん心配しすぎると胃に穴開くぞ〜?」
「いや、そう簡単に穴開きはしないよ」
「おーっ、月が綺麗だぞーッ」
「…かなり酔ってるだろ」
「酔ってないぞー?ほらほらー、おっきい満月〜!」
そう言ってが指差す方向に目を向ける。
すると、確かに夜空には美しい満月が煌々と輝いていた。
「……ほんとだ…」
「でっしょー?しかも今日はお月様が二つもあるぞー!?」
「…酔いまくってるよ、お前」
そうこうしてるうちにの自室に辿り着いた。
「ほら、…、着いたぞ、ちゃんと布団で寝ろよ?」
「んう〜…」
部屋に一歩踏み込むとの香りの香が鼻を掠めた。
既にひかれていた布団に、また足を進めると、予想以上に酔っていたのか
自分の足に躓き、伊作はと共倒れをした。
「うっ…わ!」
「きゃっ!」
ドシン、と派手な音を立てて布団の上に倒れこんだ。
幸い舌が柔らかな布だったためどこかを強く打ったりはしなかった。
「ッテテ…、ごめん、だいじょう…」
伊作の動きが止まった。今の姿勢は、倒れこんだ伊作が、巻き添えにした
の体の上に馬乗りになった状態。
時は夜。場所は布団の上。いるのは男女が二人。
まずい。
男の本能が頭を擡げるのを伊作は感じた。
はやく退かなくては。取り返しのつかないことになる。
しかし頭では思っても体が動かない。
あってしまった目と目をどうしてもそらすことができなくなってしまった。
いつだったか文次郎が言っていた事を伊作は頭の隅で思い出していた。
『男はどんなに奇麗事言ってたってなあ、据え膳があればくっちまうんだよ』
そんなことはないだろ、と言ってたあの日の俺よ、もう一度今の俺に言ってください。
と、思う一方で、今自分の下にいるを逃がしたくないという欲望があることも否定できなかった。
一瞬かそれとも数分か。
散々に葛藤した挙句、勝利の旗を挙げたのは欲望だった。
固まったの頬に手を添え、口付けた。
突然の狼藉に驚き、はますます体を強張らせた。
しかし、直ぐに正気を取り戻し、頭を背ける。
だが伊作はそれを許さず、の顔を押え、再び口付け舌を割り込ませる。
はその手を外そうとするが、伊作の手は一寸たりとも動かなかった。
の目から生理的な涙が零れ落ち、伊作の手に流れた。
伊作は更に深く口付け、歯列をなぞり、の舌を絡めとり時折激しく、
時折焦らすように、の口内を味わった。
唇を離すと、は大きく息を吸い込む。しかしそれも充分にはさせず
もう一度、貪るように唇を合わせた。
の体は力が抜け、抵抗する気力も完全に奪われていた。
伊作は自分の夜着の胸元をうち広げ楽にし、の首筋へ喰らいつくようにかかった。
すると、伊作との間にの制止の手がかかる。
「何?」
「障子…、閉めたい…」
そういえば、入ってきたとき閉めずにそのままであった。
月光が部屋の中を薄明るく照らしている。
そのことに気付いても、今の上から退く気は伊作には毛頭なかった。
「月しか見てないさ」
伊作は行為の方へ身を移らせた。
身を竦めるの首筋、胸元、肩や腰に赤い痕をつけ、舌を這わせる。
「はっ、あ…んっ、ん…」
はそのうちに身をよじり嬌声を上げ始めた。
まだ女になりきっていない乳房を揉みしだき、先端を摘み上げる。
硬くなり自己主張をするそこにも軽く口付けた。
ぴくんと可愛らしく反応するに伊作はますます欲情を覚えた。
胸元を弄ぶのを続けながら腰に沿って手を這わせ、の秘所へ触れた。
既に暖かく湿ったそこを弄ると、すぐに蜜が零れ出した。
長く骨ばった指を一本、試しに挿入してみる。
が吐息のような喘ぎを漏らす。
それに慣れだすと二本、三本と本数を増やし、何度も出し入れを繰り返す。
「やっ、そんな…こと、はあんっ、あ、んぅ…」
秘所から、指を動かすたびに濡れた音が出るようになってきた。
そろそろ、かな。
伊作は蜜に濡れたの秘所から指を引き抜き、物欲しげにひくつくそこへ、自分自身を宛がった。
びくりとが体を強張らせ、次に来る瞬間に備え、ぎゅっと耐えるように目も瞑った。
その純粋な可愛さに、伊作は笑みをこぼした。
そっと、唇を重ねてやると、少し力が抜けた。
その瞬間を見逃さずに半分ほどをの中へと押し入れる。そして少し引き抜いた後、一気に最奥を貫いた。
「ァ…!」
急な衝撃にの腰がずった。
の中の熱を自身に覚えこませた後、二、三度律動を繰り返す。
すると、く、とが苦悶の声をあげた。
「…、痛くないか?」
汗で肌にはりついた髪を梳いてやりながら、伊作は問うた。
「ん…、大丈夫……だから、もっと…」
その甘えるような声に、伊作は自分が今までにないほど高ぶるのを感じた。
の体を足ごと抱え込み、激しく腰を動かし始める。
パンパンと肉と肉がぶつかり合う音と結合部からもれる濡れた音が部屋に響き渡った。
「あっ、あぁんっ!伊作っ、駄目!伊作ぅ!」
は押し寄せる快楽に耐える術もなくひたすらに自分の上で腰を動かす男の名を呼んだ。
手を伊作の背に回し、彷徨わせ、爪を立て、ただ与えられる悦びに翻弄されていた。
「っく、は…ぁ、…ッ!!」
「あっ、あぁっ、もっ、だめぇっ、ああああっ!!」
快感の絶頂に押し上げられ、は鮮やかに背を反らせた。
の激しい締め付けに伊作も絶頂を感じ、から自身を引き抜き、の腹の上に白濁液を散らせた。
欲望を満たしきった開放感にみまわれ、を抱え込んでいた腕の力を抜いた。
その脚も引力の法則にしたがってだらりと布団へと投げ出された。
お互いの荒い息遣いが規則的な呼吸に変わるまで待ち、伊作はに優しく口付けた。
唇が離れると、が潤んだ目で伊作を見上げた。
今更になって、半ば無理矢理にしてしまった事の罪悪感が生まれ、どうしようもなく
を力いっぱい抱きしめた。
「伊作……」
がまだ現実に戻りきっていない様子で声を出した。
「……伊作?」
余韻に眼を潤ませて、自分を見つめるに、伊作は眩暈を覚えた。
そしてたまらない愛おしさを感じ、を強く抱きしめた。
「っちょ、伊作……?」
「好きだ…」
の肩に頭をうずめ、耳元で囁いた。
理解するのに暫くかかり、それからは頬を赤く染めた。
おずおずとが伊作の首に腕を回した。
「そういうことは…する前に言ってよ…」
「…ごめん」
「あたしも、好きだからいいけど」
照れくさそうに言ったの言葉に驚き、しかし数秒の後には嬉しくて嬉しくて
たまらず、もう一度、一層強くを抱き締め直した。
「…」
「何?」
「もう一回しよ」
「…助兵衛」
翌日、自室に伊作がいなかったことが発見され、
数日からかわれっぱなしだったとかそうでなかったとか。
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