2001/12/13  体温を感じていたかった



夜の仕事の面接に行った。
でも私は何故か歩き慣れているすすきのなのに迷ってしまった。少しだけ遅刻した。 この時点でもうここは落ちるなと思った。例え夜の仕事でも遅刻は厳禁だ。 それなのに面接の時点で遅刻してんだからここはもう無理。又新しく探さないと。
高校を同情で卒業させて貰って、私が最初にした仕事が夜の仕事だった。
そこはキャバクラで、すすきののよくあるキャバクラだった。 ブラジャーも付けないで薄っぺらい胸の開いた超ミニのスーツを着て、基本姿勢の 客の足に片足を掛けるという姿勢で接客をする。ダウンタイムには客の上に跨る。 酔っぱらいに胸を揉まれ、足を撫でられ、そして私はべったりと甘える。そんな仕事。
普通の女の子なら絶対にしたくない仕事だろうなぁと思う。でもその時の私には心地よかった。
それが只の莫迦な男の性欲の一部でも、私にはそんなのどーでもよかったから。 誰かに触れて居たかった。体温を感じていたかった。甘えたかった。 それにそこに居る私は、私であって私じゃない。本名じゃなく源氏名の、違う女の子なのだ。
だから私は夜の仕事がしたいんだと思う。もちろん金がいいっていうのもあるけど。
私は人間が怖い。でも、人間をずっと欲してるんだ。




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