糸の切れない理由〜悠斗〜

 

「今日も来いよな」

帰り支度をしている僕にしか聞こえない声で、慶慈は言った。

「・・・・・・・・・・・・」

無言は了解のサイン。

決して逆らうことは許されない、だが許してもらおうという気持ちさえ既に薄れていた。

先に教室を出ていった慶慈を追うように僕も学校を後にした。

この関係はいつから続いてるんだろうか・・・・、記憶にないほど遠く昔、きっかけさえも忘れてしまうほど。

いったん家に帰り、荷物と置くとそのまま慶慈の家へと向かった。

家庭の事情でマンションに一人暮らしをしてる慶慈の部屋はこれから行われる行為をするのに最適な場所なのだ。

ピンッポ〜ン・・・・

呼び鈴を押すと直ぐさま出迎えられた。

「早かったな」

それだけ言うと慶慈は僕の手を引き寄せ、強引な口づけを落とす。

「ふっ・・・・・っ・・・・」

キスは嫌い。

僕の心が全て読みとられるようで。

慶慈を貶めた僕は好きになる資格がない。

止められない気持ちが身体の中を渦巻く。

「あっ・・・ここで、するの?」

服の中に潜り込んできた手にビクッと反応を返した僕は、既に前座の行為に入っていることに気が付いた。

「嫌なのか?」

「・・・・・・・・・嫌じゃ・・・ない」

それが貴方の望みなら。

次第に脱がされていく服が床に落ち、素肌に直の空気か触れ肌寒さを感じる。

何度抱かれても慣れることない感覚と慣れてしまった快楽。

今までも、これからも・・・・。

 

止める術を知らない僕らは、ただ墜ちていく。

先の見ない暗い道はどこまでも続いていく・・・・・・・・・・

 

END

>>あとがき<<

突然裏ページを作りたくなったけど、載せるものがなかったので思い立った話を書いてみました。
全然話が完結してなくて・・・・そのうち、彼の視点からの話を書きたいと思ってます。

 

 

 

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