糸の切れない理由〜慶慈〜
「今日も来いよな」
帰り支度をしてる悠斗のすぐ傍て俺は言った。
「・・・・・・・・・・・・」
無言は了解のサイン。
逆らうことをしない悠斗は俺に従順なる隷。
言うことを伝えた俺はさっさと教室を後にした。
この不条理な関係。いつから始まったのか、いつまで続くのか俺は分からない。だが、いつか変えなければいけない日がくる。
誰もいない家に帰り着くと、私服へと着替えた。
干渉されない生活、それは羨ましい生活なのかもれない。だけど俺にとって一人でいる生活は苦痛にしかならない。
ピンッポ〜ン・・・・
呼び鈴が鳴る。
すぐに玄関へと向かい鍵を開けた。
「早かったな」
悠斗の顔を見た瞬間、安堵感と共に辛辣な気持ちが同時に寄せてきた。それを紛らわすつもりで強引なるキスを落とす。
俺に従順なる隷、だけど俺は悠斗が・・・・・・好きだ。
伝えたい、けどそれはこの関係の終止符をうつことを意味する。
最初から全てを話しても、いままで弄んできたことを許してくれる訳がない。手放すくらいならこのまま・・・。
葛藤する心とは裏腹に、行動は欲望に染められている。
背中に回していた腕をずらし、腰のたりから服の中へと手を入れ背中へと進入させていく。
「あっ・・・ここで、するの?」
俺の行動に悠斗は微かに身じろぎし、身体をビクつかせる。
「嫌なのか?」
「・・・・・・・・・嫌じゃ・・・ない」
「嫌ならやるてやる、この関係ごと」 喉まで出かかった言葉を寸前で留めた。
この身体は俺のモノなのに、心は決して自由に出来ない。
手の中にあるはすなのに、まるで空の彼方にあるよう。
俺はどうしたいい・・・。
この手にある幻を捕まえるためには・・・・。
止める術を知らない俺らは、ただ墜ちていく。
先の見ない暗い道はどこまでも続いていく・・・・・・・・・・
END
>>あとがき<< 彼こと慶慈視点の話です・・・・(汗) ホント、視点変えるってだけで結構大変なものです・・・。 今回、やっと名前をつけました。理由は受けの良い呼び名がなかったから(汗) また気が向いたら書くので・・・・・待っててくれると嬉しいずす・・・・ハイ(汗) |