- // Blue Border / 幻想水滸伝 / ゴミ箱 // -

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ssの前段階。
単なる言葉の羅列に近いです。

4 December 2000    ツギハギだらけの

実は僕、人形なんです。

頭はゲンカクじいちゃんが
胴体はナナミが
手足はジョウイが
作ってくれました。

服はビクトールとフリックが
靴はシュウとリドリーが
手袋はレックナート様が
用意してくれました。

素敵な人形でしょ?
皆が絶賛してくれます。
僕も気に入ってたんだけど。

でも、マクドールさんがくれた鏡で
気づいちゃったんです。
つなぎ合わせる糸、
それだけが僕だったんです。

だから、これからはこう言おうと思います。
実は僕、ツギハギだらけの人形なんです。


2 December 2000    約束

――決して自ら死を選ばない事。
   己自身である事を捨てない事。

彼と交わした約束を、
突然思い出したのは何故だろう。

流れゆく血液と抜け落ちる体力。
周囲で飛び交う怒声が遠い。
端に槍の穂先や剣の切っ先が見えても、
視界の大半を占めるのは、雲ひとつ無い蒼穹。

……そこに。
陽炎のように浮かび上がった彼の姿。

精一杯の力を込めて、笑いかける。

――ああ、ごめん。
あんたはちゃんと約束を守っているというのに。
こんな裏切りは無いよね。
こんな所で、倒れる訳にはいかないのに。

せめて最後に。

「―――……っ」

あんたの名前を呼びたかったな。


1 October 2000    手紙。

父上。

最後に一つ、
質問しても宜しいでしょうか。

貴方にとって、私は何でしたか。
知略に優れた自慢の息子であったでしょうか。
それとも身体の弱い不肖の息子でありましたか。
私は貴方の視線に縛られ、
そして未来の選択を失くしました。

死地へ赴く貴方にお尋ねします。
貴方は私から全てを奪うのですね。
敵国に取り残される私の事を、
少しでもお考えになりましたか?
私は母国の言葉を話す機会を失います。
懐かしむ時間を失います。
語る相手を失います。

どうして私一人を置いて逝くのですか?
共に行く軍勢から、どうして私だけ除いたのですか?

お願いです、独りにしないで下さい。
貴方の期待に添うように生きてきた今までを、
どうか否定しないで下さい。

貴方が失念していたのはただ一つ。
異国の地で独り生き抜けるほど、
私は強くはないのです。



そして、“私”は傍にあった温かい手に身をゆだねる。


12 September 2000    星が見えない。

見上げた空は遠すぎて、君の示した星が見えない。
月は誰でも見えるから、月が見えても嬉しくない。

見たかったのは、ただ一つ。
君の示した星、ただそれだけなのに。

目を細めて見つけた星に溜め息をつく。

――どうして、同じ世界を見る事が出来ないんだろう。


22 August 2000    あの山を越えたら。

偶には足を滑らせてみるものだと、
そう思った。
普段ならば、舌打ちしてしまうところだったけれど、
今日は曇り空を見上げるだけで済ませた。

咄嗟に伸ばされた手ともども転がり落ちて、
身体中、節々が痛かったが、心が軽い。
掴まった手が温かい。
いつまでもこうしていられれば良いのに。
熱を奪う霧雨が、気にならなかった。

だけどそれもあと少し。
あの山を越えたら、それも終わり。
この手は離れていってしまう。
「あと少しだ」
彼の沈まない声に素直に応えられなかった。

この山道がいつまでも続けば良いのに。
ありえない事だったけれど、
願ってはいけない事だったけれど、
そればかりを考えながら
左足と右足を交互に動かしていた。


あの山を越えた時、
僕は彼に感謝するだろうか、
それとも、それとも……



30 July 2000    鉢植え

誰が置いたのか、部屋に鉢植えが置かれていた。
窓際の一番日当たりの良い位置を確保して、
それは青々と葉を伸ばす。

日課となった水やりは欠かした事が無く、
季節の変わり目に株分けもした。
手塩にかけて育てたと言っても良い。

「大きくなったね」
部屋を訪れる彼がそう誉めてくれるのが、
何よりもその鉢植えに優しくできる理由だった。

だから、この地を去る時は持て余した。
他人の手に預けるのは嫌だけれど、
そのまま放置して徐々に枯らしたくもなかった。

「この鉢植えも、そう思っているんじゃないかな」
最後に訪れた彼の言葉で、心は決まった。
出会った当初よりも大きくなった鉢植えを、
僕は窓から湖へ投げ捨てた。



自分で決めた筈なのに、どうしてだろう。
見えなくなったその姿を、気付くと僕は探している。


16 July 2000    down

空から落ちるような感覚だったが、
実際は夢から覚めただけだった。

これ以上眠る気にはなれなかったので、窓辺に立った。
対岸の町の光だけが暗い視界に灯り、
その小さな明かりに、心を慰められた。

窓辺に腰掛けると、
望んでしまうのは彼の来訪。
こういう夜は、彼に傍に居て欲しい。

声に出せない願いは、胸の奥に刻んだまま。
部屋の中央に現れる彼の姿を夢見ながら、
僕は朝を待つ。


夢の中で空から落ちた僕は、
その後、海へ沈んでゆく。


4 July 2000    背中合わせの二人

絡み合う事のない視線も
重みのない 静かな言葉も

寄り添うには遠く
無視するには近い この距離が
僕等には ちょうど良いから

ただ 傍に居るという事実だけで
他には言葉も 何もいらない

振り返らなくても 大丈夫
君を感じるだけで
僕は一人でも 立つ事ができる



血に濡れた 手のひらも
優しさを装う 冷めた目も
紛う事なく 自分を表すものだから
忌避する事も なかったけれど

いつまでも そのままでいて
君の瞳に 映さないで

泣けない僕に 背を向けて
綺麗な僕を 育んで

振り返らないで 夢を見て


坊とルック。どちらがどちらでも通用する……はず。
某サイトで、イラストに詩がつけたかったが断念、と書いてあったので
送ってみようかと書いたものだが、結局送らず終い。
さて、どこのサイトでしょう。当てた方には賞品を(要らんわ)



30 June 2000    無力

月の綺麗な夜は、必ず目が覚めるのです。
もしかしたら、君が月に攫われてしまうのではないかと、
心配して目が覚めるのです。

昼間の君はそう言うと笑うけれど、
それは君が月夜の君を知らないから。
いつか言っていたけれど、
月明かりは夜明けと共に日の光に消えるのです。


熱と痛みを持った夢から覚めると、
君はいつも月に向かっているのです。
知っていましたか?
背を向けた君は月に焦がれている様で、
たまらなく不安にさせるのです。

君が振り返るまで待ちましょう。
逆光になって君の顔は見えないだろうけれど、
振り返るその瞬間に賭けてみたいのです。

いつか言っていたけれど、
月明かりは夜明けと共に日の光に消えるのです。


25 June 2000    無題

身体を蝕まれて 心を蝕まれて
それは、三百年より深い苦痛。

二度と動かぬこの腕が
二度と晴れぬこの空が
どうしたら 君を慰められるだろう?

「泣きたい時は泣けよ」
伝えられないこの口を、俺は最後に罵った。


23 June 2000    名前の無い感情

能面のような瞳の奥で
泣きそうな顔をしていたから。
手を差し伸べたくなった。

この気持ちは何と言うんだっけ。
長い事使っていないから、忘れてしまった。

きっと伝えてしまえば、壊れてしまう。
だから言わないでおこう。
いつか忘れて砂になるまで。

でも、無くす事は出来ないから
代わりにこう言うんだ。
「利用されてあげるよ」って。


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