朝から・・・ 何で冷や汗をかかなければならないんだ。 いつもより早く起きて、 すがすがしく、コーヒーにクロワッサン。 気分良く家を出たのに・・。 座席が空いていると思って 乗り込んですぐ、よく見もせずに座ったのが悪かった。 今思えば不自然じゃないか。 結構混んできていたのに、 立っている人も何人も居るのに シートが空いてるなんて! 山の手線で2駅目、通過中。 さっきからずっと、僕の左足に いやがらせのようにゴツゴツ当たってくるスニーカ。 もしや・・・わざとやっているんじゃないだろうな? あ、またもや汗が。 いかん、いかん、ひるんだら負けだ。 しかし、朝イチから どうしてこんな輩、と言っては悪いが 隣の奴みたいなのが居るんだ? ずっと寝ているようだが、 それにしては足が秒きざみに揺れて そのデカイ靴が、僕の靴に当たり、 悔しいが僕よりかなり長い足を 一人専用席かってくらいに広げて。 こっちはと言えば、 まるで女みたいに小さくなってる、てのが現状だ。 くっ、伊藤英・・何とかみたいだな、こいつ。 しかし どう見てもこの格好は ・・・胡散くさい。 眠っているので気にせずじっと横を向いて見ると 首にはシルバーかプラチナの太めのネックレス、 組んだ腕にも、それ系統のブレスに指輪、 怪しいくらい深く被ったメッシュ素材のようなツバ付き帽、 服だって仕事に行く感じではない。 ふーん、どうやら遊び帰りのようだ。 日曜出勤している勤勉な僕とはえらい違いだとは 思わないか?君。 プータロウかな。いや、絶対そうだ。 親のすねかじりか。ふぅ、困ったもんだね。 まぁ僕には関係ない。 2浪してそれなりの大学に入り、 この春無事 一流、とは言えないが 第一志望の会社に就職できた。 ようするにめちゃくちゃ苦労してる 我ながら。 こうゆうチャラチャラ遊んでそうな奴は嫌いだな。 ほら、周りの乗客だって訝しい目で見てる。 ・・・あれ? さっきまでは男の方が多かった気がしたが 今見上げると、この二人用座席の周辺は まるで取り囲まれるように女性ばっかりだ。 な、何なんだ。 うわ、こんな事で顔が熱くなるなんて不覚。 女性に慣れていないわけじゃないぞ。 いや、慣れてるとも言いがたいけど・・。 とにかくあと4駅の辛抱だ。 ・・・長いけど。 電車の速度がゆるむ。ここを出たらあと3駅。 ほんの10数分だ、それで開放される。 頑張れ、自分!! ドドっと音がしそうな勢いで人が流れ込んでくる。 しかし今日は1本早い電車に乗ったおかげで こんな席とは言え確保できたから、 もみくちゃにされることはない。 ちょっと幸せを噛みしめて上を見ていると、 座席の前の女性2人が怪訝そうな顔をしていた。 見ると、その女性たちよりスイカ一個分くらい 背の低い小柄な少女が間を割って現れた。 何だ、わざわざ反対のドアから こっちへ渡ってこなくても。 そう思ったのもつかの間、僕は絶句、まさに絶句してしまった。 天使?! 地上に天使って居たのか?? こ、こほん。 それは言い過ぎだったが、 本当に 今まで見たどの女よりも 美しく、白く、髪は黒く。。可愛い! 制服だ。高校生・・だろうな、見た感じからして。 しかし最近の子にしては珍しい 艶光りするくらいのストレートの黒髪だ。 あぁ、「清楚」とはこうゆう子のことをいうんだろうなあ 変だとは思いながらも ちらちらと 彼女の顔を確認する まず一回見るのに1秒ともたない 何故なら神々しいばかりの光が彼女を包んでいるからだ 様子を観察していると あることに気付いた む、むむ。。 黒髪の彼女は・・ 何でこいつ←(左隣の)ばっかり見てるんだ!? しかも極上のスマイルを作って まるで甘い物を食べた時みたいに幸せそうで。 もしや、彼女が人を割ってまで ここに陣取ったのは・・・←← のためか?!! そう思った時に 黒目がちでぱっちりした瞳が 僕の方を見つめた。 清楚で上品なのに強気な感じもする視線は 上から送られるだけで体が震えそうだ なのに彼女は僕をなおも見つめ、     にこぉ      (ピカーッ キラキラーッ) って笑った。 心臓が止まりそうだった。 この僕に?!  すいません、神様嘘をついておりました 女性には全然免疫がありません 小さい頃から母の勧めでお稽古三昧、塾満載 女の子と遊ぶ暇なんて一切なく、 中学に入ったくらいから眼鏡をかけて 容姿にも自信がなく、自慢と言ったらテストの点数で 女子が寄ってくることすらなかった そんな僕に、微笑みかけてくるなんて what?? why!!? そうこうしている間に 次の駅が近付く。 隣の男がムニャムニャ言いながら 何か腹の辺りを掻き?だすと 彼女の視線は、奴に戻った。 ああ、やっぱりただの気まぐれか。 良くあること・・・では全然ないけど 。。。。。。。悲しいッ!! 電車が減速しながらホームへ入っていく すると彼女はため息をつき、リュックを 背負い直した。 もう降りてしまうんだね   アナウンスをぼっとしながら 聞いている。僕は何もできない。 そう思ったのに、奇跡は起こった。 ペコッ 軽やかに微笑みながら、僕の顔を 再び見つめ、しかも会釈までしてくれた。 。。。うッ!眩しい    (キラキラキラーッ) 斜め隣の席にのぞいてるおっさんの頭より 全然眩しい光が僕を覆った その挨拶の意味は? 君の名前は? 色々頭をよぎっている間に、 人の波は反対側のドアへ集中していき 彼女も振り返ってしまった。 ・・・また会えるだろうか? この電車に乗れば。 恍惚として夢のようなさっきの出来事に 一人顔を赤くしてしまった。 運命の出会い、ってある、かも知れない。うん。 ドアが閉まると、また機体はうなりながら 東へと走り出す。 あ〜、ここからは間違いなく苦痛だ。こいつ降りなかったし。 まさか最後まで一緒じゃないだろうな、と 思いつつ、横をチラっと見る。 ・・・っておい!!!? 何だよ”!僕はビビらされた。 腕組みして微動だにはしていなかったが、 その目がぱっちり(というほどじゃないが)開いていて 何か寝起きとは思えんくらい、清々なる顔つきをしていた     というか何だこの顔立ちは。 めちゃくちゃ男前、かも(かもだぞ!)知れない それから何だかにやけたような笑いをして目を細め、 出口を見つめながら「ふ〜ん」と言った。    さてはてめぇ狸寝入りだな!!くそぉ、何のために。 まさか、僕のエンジェルを薄目開けて見てたとか? 。。。。やらしい奴だ。やっぱり嫌いだ。最低な野郎だな。 急にそいつは横を向いた。 つまりは僕の方を初めて向いた。 それからにっこり、いや にや〜ッ(ベタベタベタッ←粘着音)とした 酔ってんのか、こいつ?Z! 僕が女だったらその容姿だけで騙されてしまいそうだが、 もちろん男なんだから謎の笑みが不快でしかなかった。 僕が怪訝な顔したのが気に入らなかったのか 前を向き直してほっぺたをふくらませ、 自分でパンチしてプチュー〜。とへこませたりして遊びだした。 大人げない。というか大人の雰囲気のかけらもない。 こうなったら僕も寝たふりしてやる。 降りるまでずっと!! 遠く未知から聞こえる 駅の名前に体が反応して、意識が戻ってくる。 !!!やばッ!! 嘘寝のつもりが寝てしまっていた。 隣から、カアーカアーーと寝息が・・ 今度は本当に寝ているらしかった。 帽子を完全に顔に被せて覆面みたいになって寝ている。 はぁ、何か今日は朝から大変だったな。 しかし良い教訓になった。  明日、また乗ってみようかな。この時間帯。 。。。もちろんこいつが居たら即回避だけど!! →サイド女子高生 16歳 3月14日 トップ

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