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フィネンス軍の残存艦隊がエンシャの森上空から撤退していく。もとアニムンサクシスのクルー達はほとんどが新戦艦「ミストラルージュ」に回収され、一旦皇都へと帰還することとなった。
「・・・お久しぶり・・・と言うべきかしらね・・・。」
自軍の撤退状況を確認しながら戦線を離脱しようとしたアイロスに、そのような声がかけられた。フォル・マーログの機内から、アイロスはその声に興味を持つ。
「久しぶりですね、人柱の少女よ・・・。」
五年前の戦い、リファはアイロスによって拘束され、アイロスのミスト「メジヴァ・マーログ」(当時)に魔力を供給する人柱として使役させられたことがあるのだ。
「姫君ばかりさらって・・・欲張りすぎなんじゃないかしら・・・?
それに・・・ダナリアに対しては随分熱心だったと聞くし・・・よほどあの都に何かあるみたいね・・・。」
「あなたにも・・・薄々感づいているのではないですか?ダナリアの宝のことを・・・。」
アイロスが富や宝石に興味を持つとは思えない。ならば、ダナリアの宝とは、王宮に数多くある宝石類のことではないだろう。かといって下々の輩が言うように、ダナリアの美しき三王女のことでもないかもしれない。アイロスに捕まっている間、彼がプライベートで女性をはべらしていた事はなかった。女性に興味がない・・・というか、既に心をグラキアという魔性の女に奪われているのかもしれない・・・。
ならば・・・戦いにのみ自分を見出すような男が欲しがるものとは・・・以前アリノスが言っていた、「ブラックロータス」は皇都の国宝だと・・・なら・・・。
「パワーナイン・・・ね・・・。」
「さぁ・・・どうでしょうかね・・・?」
各艦船の撤退が完了したらしく、フォル・マーログがゆっくりと上空へと昇っていく。その姿を見上げながら、リファは叫ぶ。
「リーベライを傷つけたことも、五年前のことも、いろいろお礼したいところなんだけど・・・今はそれどころじゃないから借りておくわ。後でちゃんと利子つけて返すから・・・安心しなさいっ!」
「そうか・・・ゲオルグが・・・。」
皇都に戻ったリファ達レイフィールドは、ミカエルに戦いの結果と、王都エディーネの奪回、そしてアニムンサクシス艦長、ゲオルグの死を伝えた。
ミカエルは大きく息をつき、少しの間沈黙したが、やがて考えるような瞳でリファを見つめ言葉を続けた。
「わかった。ゲオルグはファーレンの英雄として、二階級特進させよう。こんなことでレィリィが喜ぶとはおもえんがな・・・。
それからリファ・・・。」
「はい?」
「君を新鋭戦艦ミストラルージュの艦長に指名する・・・。」
「あたしが?」
「艦長の帽子を託されたのでしょう?後のことを頼むように?」
「なっ・・・これはただ預かっただけよ!こんな趣味の悪い帽子なんかかぶる気は全くないわ。」
「ならば艦長代理でも構わないさ。この戦艦を指揮して欲しい。」
「でも・・・。」
不安がないわけではなかった。ゲオルグはアニムンサクシスの中でもっとも年長の人間であり、ファーレン軍の軍人として幾度も戦線を駆け巡った実績があった。ほぼ民間の軍隊といってもいいレイフィールドに、戦略と戦術を持ち込み、数々の勝利に貢献したのだ。他のクルーからの信頼も厚かった。
しかし、自分は魔力があるとはいえ、見た目14〜5歳の少女である。そんな小娘にクルーはついてきてくれるだろうか?まだ、ミスト隊の隊長であるシュウスイや、五年前の戦いでウェザーライト号の艦長だったセシアの方が適任なのではないか・・・と。
そんな気持ちを察したのであろう。その場にセシアやシュウスイを含むレイフィールドの面々が集まった。
「私は賛成よ。」
セシアは言った。
「私はもともと責任ある役職なんて嫌いなの。自由に生きたいしね。」
確かにセシアは第一次、第二次ミスト大戦のどちらにも参加し、絶大な功績を上げた。しかし、執拗な皇都からの勲章や役職の依頼を悉く断り続けたのである。
「拙者も根っからのミスト乗りでござる。戦艦に座ってじっとしていることなど出来ないでござるよ。」
シュウスイもそう同意した。
「ここの奴等はみんなわがままで自分勝手なんだ。そんな奴等をまとめられるのは、リファみたいな気の強い娘じゃないと勤まらないさ。」
「もう、自分勝手の筆頭はバティック様じゃないですかぁ。」
バティックとティエラを抑えるためにも、リファは必要そうだ。
「ま、この世界の人間ではないものが、この世界の人事に口出しすることもないしな。」
「はい、ジオス様。」
「別に私は誰が艦長になってもかまわん・・・。」
それ以前に、リンチュウ、ジオス、シリル達には興味の範囲外のことであったらしい。
「じゃあ・・・決定だな・・・。」
ミカエルが独断で彼女を艦長に決めた。
「さっそく君たちレイフィールドに任務を与える。
一週間後、ダナリアで正式な停戦協定が調印される。君たちはファーレン軍旗艦として、その護衛をしてもらいたのだ。」
ファーレン軍とアイロス軍は昨晩、停戦を合意した。しかしそれはあくまで臨時ということで、本格的な交渉は後日ということになったのである。
確かにお互いの思惑が交差するこの状況で、一晩で合意はできないであろう。
そのため、きめ細かな停戦協定を一週間後、ダナリアの王宮にて話し合うことが決定したのである。
もちろん、その間にも水面下での細かな話し合いが行なわれているのであろうが、ミカエル、アイロスという両軍の最高責任者が会するのは、一週間後というわけだ。
その場では舞踏会も開催され、各国の紳士、淑女が招待されるのである。
しかし、昨今まで戦争をしていた両軍である。この停戦をよく思わない輩が何か騒動を起こすかもしれない。いや、それ以前にまだ両軍ともお互いを信頼し合ってはいないのだ。ある程度の護衛は必要となる。
だが、あくまで舞踏会は舞踏会だ。その席に軍人達が連なるのはあまりいい景色ではない。
よって両者によって約束された事柄とは・・・ダナリアには両軍の戦艦を一隻だけ駐留することができる、というものだった。
アイロス軍はこの一隻を第二艦隊旗艦「WIZ−DOM」に決定している。対するファーレン軍は、戦艦一隻で一艦隊の戦力に匹敵するとも言われる英雄部隊、レイフィールドの戦艦「ミストラルージュ」を派遣することに決めたのである。
「舞踏会・・・か。」
ブレイクはミカエルの説明を聞き、リンに想いを馳せる。彼女は決闘場で舞踏会用のドレスを着ていた。ならば・・・彼女(とベオウルフ)がダナリアの舞踏会に来る確率は高いのではないのだろうか。
「次こそ・・・。」
ドレス、という所でふとブレイクは、アリノスの顔を思い浮かべる。以前も舞台用の衣装を着てはしゃいでいた彼女が、今回の舞踏会に喜んで参加しないわけはないだろう。でも・・・。
「そういえばアリノスさんの姿が見えないが・・・それに、ウインターさんも・・・。」
「突然の停戦・・・。これはアイロスの意思なのか?それとも・・・姉さんの意思なのか・・・?」
ウインターは王宮のテラスでじっと空を見つめていた。昼の空にも、薄く、白い月が彼には見える。
−私は何もしていない・・・。全てはアイロスに任せているわ・・・。−
風に紛れて、女性の声が聞こえてくる・・・。ウインターにしか聞こえない、囁くような声・・・。
−それなのに、人間たちの戦いに貴方がしゃしゃり出て手助けをする・・・卑怯ではありません・・・?−
「アイロスを焚きつけ、世界を混沌に陥れた貴女が何を言う!姉さん・・・魂だけとなってもまだこの世界に干渉するつもりなのか・・・?」
−よく言うわ。私を精神体だけの存在にしたのはあなたでしょう!?
・・・あなたにも・・・私と同じ苦しみを与えてあげるわ・・・。−
晴天の霹靂・・・。カッと稲妻が光り、ウインターを貫いた。バタリと倒れ、少しの間ピクリとも動かなくなるが、やがて何ともなかったかのように彼はムクリと起き上がる。
「こんな攻撃が自分に効かない事など・・・姉さんならわかっているはずでしょう!」
−ええ・・・あなたに物理的な攻撃が何の意味もないことなど、何千年も前から知っているわ。
・・・だから・・・あなた自身を消滅させてあげる・・・。−
その頃、レイフィールドの人間たちと別れたミカエルは、彼のもとを訪ねていた元ダナリア第一王女、ミリーエント・ガリアと対面していた。ミリーエント王女は連れ去られた妹たちと、奪われたダナリア王都奪回の援助を要請すべく、ファーレンまでやってきたのであった。
「なめられたものです。アイロスはあなたの故郷で親睦パーティをやりたいらしい。しかもその席に、アーリス王女とトリー王女まで参席させると言ってきた・・・。」
ミカエルは相手の出方を計りかね、苦笑いを浮かべる。
「それが相手の・・・友好の表れであればよいのですが・・・。」
「ミリーエント嬢、次の交渉で必ずダナリアと妹君達の解放を約束させます。
そのためにも今度の舞踏会・・・絶対に成功させなければいけません。」
「はい、その為の協力なら、惜しみませんわ。」
ヒューズがミカエルに呼ばれ、王宮のベランダまでやってきたのは、調度二人がそのような話をしていた最中であった。
「待っていたよ。ミューズ・メタル。初めまして・・・だな。噂どおり、美しい容姿をしている・・・。」
「はぁ・・・ありがとうございます・・・。あの、お話は下で聞きましたけど・・・パーティですか?」
ミューズ・・・と呼ばれたことに多少違和感を覚えながらも、彼は自分がここに呼ばれた理由を考えあぐねていた。
「ああ。今度、ダナリアでお互いの親睦のために舞踏会が開かれる。その中で、アイロス・シュナイダーがセラ・エンジェルMK‐IIのミストランナーに会ってみたいと言って来た。」
「アイロス・・・。」
ヒューズは複雑な表情を浮かべた。
「親睦の為のダンスパーティだ。手荒なことはされない。」
「ダンスなんて無理ですよ。」
「これはレイフィールドのミストランナーとして、命令している。」
少し冷たいミカエルの言い方に、ヒューズはちょっと声のトーンを落す。
「だって・・・服だってないし・・・。」
「そういう心配は無用だ。その為にミリーエント嬢をつける。ミリーエント嬢、頼みます。」
ミカエルの言葉に、傍にうつむいて控えていたミリーエントが瞳を上げる。
「はい。ヒューズさん、こちらへ。」
「・・・はい。」
美人のお姉さんの言葉には、素直に従うヒューズだった・・・。
「凄い衣装ですね・・・。」
王宮の衣装室。そこにはリンネのものだろうか?数多くのドレスが飾られていた。
「ミューズ嬢のためですって。」
・・・ということは、ミカエルがヒューズのためだけに発注したのだろう・・・。
「ミューズ・・・ですか。」
「任務の為よ。」
と、ミリーエントは一言前置きしてから、
「ミカエル様はね・・・こっちにもフィネンス軍に対抗できる兵器があってね、それを女でも運転してるって見せたいのよ。」
「それだったら・・・ミラさんやリオさんがいるじゃないですか。ルーシャンは貴族の娘だから社交場にも慣れているでしょうし、アリノスさんだったら喜んで引き受けるはずですよ・・・。
なんで僕が・・・。」
「でも、アイロスを追い詰めたセラのミストのミストランナーはあなただけよ。相手もあなたを女性と思っているらしいから、渡りに舟でしょ?」
「それはそうですが・・・。」
「じゃあ、なぜ断らなかったの?嫌なんでしょう?」
「バランスを取らなければ、イーラが一方的に負けてしまうようなことになるんでしょう?」
「たぶんね。」
「じゃあ、やりますよ。」
かなり諦めたような顔で、ヒューズは部屋にあるドレスを物色し始める。
「なら、パーティの日まで、レディとしての立ち振る舞いのレッスンをしましょ。」
「えっ・・・レッスンですか?」
「そう。」
ミリーエントはニッコリと微笑む。
その笑顔とは裏腹に、ヒューズの地獄の一週間は始まったのである・・・。
アイロス軍旗艦「イレイザー」のMG格納庫の一隅に、アイロス・シュナイダーは立っていた。隣にはサンザードが何かアイロスに向って話している。
そんな彼等の前には・・・巨大な・・・マグナギートに匹敵するほど巨大な・・・MGアーマーが静かに出撃の時を待っていた。
セラエンジェルMK‐IIとの戦いにおいて、アイロスはフォル・マーログの限界を感じていた。その折、サンザードから、新たなるMG「メジヴァ・マーログMK‐II」の完成の報告を受けたのである。
「・・・足がないようだが・・・MGアーマーか・・・?」
アイロスはその巨大さに少し無言になる。
「空を飛ぶMGに、足など飾りでございます。他の者達にはそれがわかっていないのです。」
「しかし・・・メジヴァ・マーログの後継機といえども・・・少し大きすぎるのではないか?」
「それは大丈夫です。通常のプロテクションの他にも、歪曲フィールド・ジェネレーターが搭載されていますので防御に何の支障もないかと・・・。」
「とはいえ、私は元々ミストランナーであり、現在はMGランナーだ。自分の機体に弾が当たる感覚は、あまり好きではない・・・。」
『大丈夫です。』
静かな格納庫は、甲高い少年の声に包まれる。
『僕がいる限り、メジヴァMK−IIにキズ一つつけさせはしない・・・。』
メジヴァMK‐IIのコックピットが無音で開き、14〜5歳の蒼い髪の美少年が顔をだす。アイロスは一瞬目を疑う。その顔は、まるで少年時代の自分そのものであったからだ。
『初めまして、アイロス。僕の名はレミエル。よろしくお願いしますね、マスター・・・。』
「サンザード・・・。」
アイロスの鋭い眼光を、サンザードは億尾も無く受け止める。
「私はアイロス様に、最も相性のよいMGとアーテイを用意しただけです・・・。レミエルはアイロス様と同じ遺伝子を持ったオペレーティング・システム。どんなアーテイよりも早くアイロス様の思考を予測、判断し、実行できます。さらにレミエル自身、人柱の種族でもあります。メジヴァのマナ供給と制御に、彼以外の人材はいないはず・・・。」
「・・・消えろ。」
アイロスはまだ何か言いたそうなサンザードに背を向け、格納庫を去っていった。
「ククク・・・。」
アイロスのいなくなった格納庫で、サンザードは軽薄な笑みを浮かべた。
「身内のことになるとさすがに顔色が変わりますか・・・。非情になりきれない男など、グラキア様の人形にも劣る存在・・・。やはり私こそがグラキア様の身体の代わりとなるべきであろうな・・・。」
「これは・・・いったい・・・。」
ブレイクは驚きを隠せない。彼の腕の中からMGブレイカー「星霜の杖」が霧となって消えてしまったからだ。
「あら・・・?」
リファはリーベライの寝ているベッドの中で、不思議な光を見た。
それこそが、リーベライの大事にしている弓、「ストーム・バインド」が消滅した光であった。
「おいおい・・・どうなってるんだ!?」
「どうしたオッドアイ?」
突然上げた素っ頓狂な声に、ダースの方が驚いてしまう。
「俺のライトニングブリンガーが・・・。」
そういえば、彼がいつも持っていた楽器が見当たらない。
「お前もそうか・・・。」
「リンチュウ・・・?」
「お前に見てもらいたいものがある。こっちに来い。」
リンチュウはオッドアイをレィリィの眠る寝室へと連れて行く。ダースも興味に惹かれ追って部屋に入る。
「なっ・・・ミスティ・レィリィが消えたっ!」
ベッドにはまだ14〜5歳の少女が寝息を立てているだけ。途惑うオッドアイの横で、何かを感じたダースはリンチュウに尋ねる。
「これは・・・MGブレイカーの魔力が途切れたのか?」
そう。ベッドに寝ているのは、MGブレイカー「ムジカ・マキーナ」の副作用が無くなった「普通の」レィリィである。もちろんこの姿が本当の彼女の姿であるとは、オッドアイは知らないのであるが。
「いや、ブレイカー自身がなくなってしまった・・・というべきであろう。私もそうだった。」
「リンチュウもか・・・。」
「姉さん・・・何をしたんだ!?」
−フフッ・・・あなたにも分かってきたみたいね・・・。あなたの精神を、その身体に封印させてもらったわ。これからは一介のミストマイスター、ウインター・フォールとして生きなさい。その方が幸せよ・・・。−
笑い声と共にグラキアの声が小さくなっていく。
「あれ、ウインター・・・こんなとこで何してんの・・・?」
その直後、テラスに入ってきたのがアリノスである。アリノスは、ウインターがなぜだか何時もと違うような気がして彼を周りからジロジロと見つめる。
「・・・うむ・・・少なくとも私を知っている方ぐらいには、手助けしてもらいたいましょうかね・・・。」
「?」
ウインターは今、自分がどういう事態かをアリノスに説明する。と、彼女はいきなり彼の首を両手で締め始めた。
「な・・・何するんだ!」
「ふむふむ・・・と、すると、こうやって首締めれば、いくらへーかといえども死んじゃうのかぁ・・・。」
「だからって実験するんじゃないっ!」
強引にアリノスの手をふり解くと、ゼイゼイと息継ぎをするウインター。
「でも・・・だとしたら大変よね。へーかが普通の人間になってしまったのなら、MGブレイカーもなくなっちゃうってことでしょ?アイロス軍といくら停戦合意したとしても、こっちの切り札がなくなっちゃうのは辛いわよねぇ・・・。」
「ああ。アイロスは姉さんの意思のままに動いている。混沌を望む姉さんが、このままの平穏を続けさせはしないだろう・・・。」
ウインターは、天井を見上げながら誰かを呼ぶ。
「アークランド!そこで盗み聞きをしているのはわかっているんだ。出て来い。」
「ありゃりゃ、バレてたんだ・・・。」
ウインターの見つめていた天井が微妙に歪み、そこから天使の姿をした青年(?)が姿を見せる。幻影のアークランド。天帝ロークに仕える何百もの天使の一人である。
「君の愛娘の状態はどうだい?」
「ダメだねー。まだ眠ってる。時々僕が身体の中に入って運動させたりはしてるけど。」
「そうそう、最近レィリィの言葉遣いが悪くなったってみんな言ってるわよ。」
「えー、僕はバッチリ演技してると思ったんだけどなー。」
「それよりも・・・。」
ウインターは話を元に戻す。
「さっきの話を聞いてもらったのなら話は早い。私の代わりに、天界に行って“ヒュー”に逢ってきてもらえないか?」
ヒューとは、天界でロークの次の地位に位置する三人の主天使のひとりである。基本的に遊びまくっているロークの代わりに、天界、人間界の安定に努めている苦労の女性である。
「別に構わないけど・・・グラキア姐さんの呪いは、いくらヒュー姐さんでも解除は無理かと思うよー。」
「わかっている。私のことはどうでもいいんだ。姉さんがこんな手段を使ってくるのなら、私ももう少しこの戦いに干渉させてもらうよ。」
「ん?」
ウインターの目には、何か覚悟を決めたような光が宿っていた。
「使わせてもらいますよ・・・『神の武具』を・・・。」
to be continued・・・.
次回予告
ミリーエント「へっぴり腰はダメと言ったでしょう。」
ヒューズ「ちょ、ちょっと・・・。」
ミリーエント「はいはいはい、そこで回って。
はーい、そんなに動き回らなくったって、相手が動いてくれまーす。
はい、もう一度まわる。パートナーには優しく。」
ヒューズ「そんなこといったって・・・。」
ミリーエント「レディはお相手に文句はいわなーい。はいいちにさーん。にーにっさん。」
リーベライお姉さん「みんなー、なぜなにミストラルージュがはっじまるよぉ。」
リファうさ「・・・。」
リーベライお姉さん「ほ、ほらぁ、リファうささんも笑顔、笑顔で・・・ね?」
ティエラ「艦長さん・・・可哀想・・・。」
バティック「せっかく艦長がまぬけを演じてるんだ。
その間に、やることはやっとかないとな。」
ティエラ「やること?」
バティック「ここをどこだと思っている?ライツァ商会の総本店だろ?
久々にパレオにでも会ってみるかな・・・。」
アイロス「どなたか一曲、私と踊っていただけませんか。」
ミューズ「こんばんは・・・。」
アイロス「おや、あなたは・・・。」
ミューズ「先ほどは失礼しました・・・。」
アイロス「お手をどうぞ、ミューズ姫。」
ミューズ「よ、よろしくお願いします・・・。」
リン「ブレイクっ!」
ベオウルフ「これは・・・私への決闘状と思って構いませんね・・・?」
ブレイク「ああ。あなたに・・・決闘を申し込むっ!」
シリル「そんな・・・。空が・・・都市が堕ちてくる・・・。」
ジオス「次元を越える・・・か。これほどの質量を次元移動させるとは・・・。
これがパワーナインの力なのか・・・。」
次回、霧幻想ミストブレイカーズ2
−MGブレイカーズ−
第伍話「ダナリア奪回戦」
君の心は武器になる!
NEXT M.G.
MGT09−PR「ウィザースプーン」
登場人物
(☆PC/★NPC)
レイフィールド
(ファーレン軍第13独立部隊)
★ウインター・フォール(26)男・・・優秀なミストマイスター。
★ヒューズ・メタル(15)男・・・「アバター・シュート」のミストランナー。
★レーニ(?)女・・・ダーファン・レジスタンスのリーダー。アバターのアーテイ
☆アリノス・ファナルキア(23)女・・・「ブリンク・スピリット」のミストランナー。(ミルカット様)
☆ゲオルグ・フォン・リヒター(33)男・・・戦艦「アニムンサクシス」艦長。(板東太郎様)
☆ジオス・クーガ(33)男・・・異様な仮面の男。(ぶち様)
☆シルエスティア・オブデロード(14)女・・・ジオスの弟子。(ぶち様)
☆シュウスイ・ロケイト(32)男・・・「御旗楯無」のミストランナー。(淡路守様)
☆ティエラ・スペクター(16)女・・・「スプリンター・ダッシュ」のミストランナー。(新井しーな様)
☆バティック・ライツァ(29)男・・・「龍喰いのルタ」(デルタEz−8)のミストランナー。(新井しーな様)
☆ブレイク・ベルウッド(28)男・・・ローク教の神官。MGブレイカーズ。(ミルカット様)
☆ミラ・カタロニア(21)女・・・「ターヒール」のミストランナー。(中野くろすけ様)
☆リオ・サージェル(25)女・・・「トワイライト」のミストランナー。(久生らい子様)
☆リファ・アルフォリア(20)女・・・戦艦「アニムンサクシス」のコントローラー。(あさかゆうみ様)
☆リーベライ・ルート(19)女・・・同、オペレーター。MGブレイカーズ。(あさかゆうみ様)
☆リンチュウ・モウ(?)男・・・MGブレイカーズ。リンの師匠。(ぶち様)
☆リン・シャオメイ(26)女・・・MGブレイカーズ。現在幽閉中。(ぶち様)
☆ルーシャン・ウィルヴィール(15)女・・・「ヴィスペルタル」のミストランナー。(海松屋いさぎ様)
☆レミィ=リジーナ・フォン・リヒター(15)女・・・MGブレイカーズ。現在熟睡中。(板東太郎様)
皇都ファーレン
★ミカエル・ファナルキア(25)男・・・ファーレン皇太子。
★リンネ・ファナルキア(25)女・・・ファーレン皇女。
★マニ・ファナルキア(3)女・・・ダースとリンネの娘。
★アルルマータ(29)女・・・ファーレンの摂政。
中立(フリー)
☆ゲルハルト・ミュンツァー(29)男・・・「イミテーション・アーク」のミストランナー。
アイロス(フィネンス)軍
☆アイロス・シュナイダー(29)男・・・最強最後の敵。「フォル・マーログ」のMGランナー。(隊長様)
☆“大黒天”シスフィーネ・エルーリンク(19)女・・・「マグナギート」のMGランナー。(隊長様)
☆“死黒天”ザンサード・ロイエイル(30)男・・・「ナツァーグラド」のMGランナー。(隊長様)
☆“機黒天”アグリアス・ローレイズ(25)女・・・「B.A.ライオネス=H」のMGランナー。(ぶち様)
☆“妖黒天”ダース・ルッセ(23)男・・・オッドアイの友達。(卯月様)
★“慟黒天”オッド・アイ(25)男・・・歌を愛するミストブレイカーズ。
★“剣黒天”ベオウルフ・バースト(27)男・・・「アムネジア」のMGランナー。
★“牙黒天”アシュレイ・アルカード(25)女・・・「ヴァンパイア・ロード」のMGランナー。
★“魔黒天”ステラ・パラケルスス(28)女・・・戦艦「WIZ−DOM」艦長。
★マイセン・ルアンス(67)男・・・ドールマスター。
★ジェイラム・ジェイムデー(26)男・・・「堕ちたるアスカーリ」のミストランナー。
★“蒼黒天”ライナス・コントラルド(23)男・・・復活したアイロスの片腕。
マスターより
こんにちは。何とか、年末までに第四話を書き終えることができました。
来年より新展開(?)です。気分も新たに頑張りましょう。
次回から、MGランナーはレア機に。ミストランナーはネイ・ミスト(ミストレス)にそれぞれ機体更新されます。新しい機体の設定をお送りください。なければ、今までの機体のパワーアップ版として書かせてもらいます。
また、MGブレイカーズ、及びブレイカーズでもランナーでもない方には天帝の使徒よりイーラ世界最強のアーティファクト「神の武具」が授けられます。
ミストからミストレスへ、MGブレイカーから神の武具へメイン武器が変わり、
「題名の名前のものが、もう無いじゃないか!」
というツッコミは無視します(笑)。
「ビルバイン」がメインでも、タイトルが「聖戦士ダンバイン」と同じようなものです。たぶん。
次回のアクションの締め切りは2002年01/20となります。
もちろんこの日から書き始めるという意味なので、それ以降でもオッケーです。
また、「霧幻館の殺人」執筆の為、リアが遅れる可能性があります。ご了承ください。
では次回、また会えることを願って。
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