「5121カラオケ小隊」/ゆきるver.



「5121カラオケ小隊」

「ゆきる」さんから戴きモノ

 5121小隊は特別休暇中です。
 連絡不可。以上、よろしく。
 そのうち戻ります。



『みんなでカラオケ』 ゆきるver.



「じゃあののみ、俺と一緒に『愛が生まれた日』唄おうか」
「えー、でもののみ、ねこさんとうたうのー」

『黒ねこのタンゴ』/皆川おさむ

「♪ぼくのこいびーとはくろいねこー」
「♪ニャー」

絢爛舞踏、猫に完敗。



「でもね、たかちゃんのためにおうたいれてあげたの。
たかちゃんのすきな、あいのうたなのよ」
「ののみ・・・」

『アイアイ』/童謡

「♪おさ〜るさ〜んだよ〜」

瀬戸口の目尻が、光っているように見えた。
がんばれ、瀬戸口。



『本能』/椎名林檎

「♪もっと中まで入って〜あたしの衝動を突き動かしてよ〜」

潤んだ目でねちっこく唄いあげる原。
「さて、次は辺見マリ『経験』いっちゃおうかしら。あら、みんなどうしたの?」

若宮他数名の男子がそそくさと席を外していく。何故かみんな前かがみだ。



「そんな、うち、唄うの下手やし・・・」
「もー、モリリンもマッキーも、こーゆーのは唄ったもん勝ちなのっ。
いい?みんな一緒なら唄えるよねっ」

『年下の男の子』/キャンディーズ

「♪あーいつはあいつは可愛い〜年下の男の子〜」

「ななななな何やのんこの唄っ」
いきなりうろたえる森。もちろん新井木の陰謀である。

しかし、当の茜本人も、唄本を見るのに夢中でこのことにちっとも気づいちゃいない。



「よし、決めた」
茜は、コードを入力すると、満足そうに唄本を閉じた。

『シェリーにくちづけ』/ミシェル・ポルナレフ

「♪tout tout pour ma cherie ma cherie〜」

ちょっぴり得意そうに全編フランス語の歌詞を唄いきる。もちろん意味は茜以外は全員解らない。
「ふええ。だいちゃんすごいねえ。えいごのおうたもうたえるんだねえ」

茜はこけた。



『ロード』/THE虎舞竜

「♪何でもない夜のこ〜と二度とは戻れない夜〜」

「・・・・かぁーっ、しみるぜぇ」
堂々と唄い終わった田代が、満足したように目を閉じる。
そして再び流れる同じイントロ。

第13章まで続けて入っていることに、みんなまだ気づいていない。



派手なシンセのイントロが流れる。
「フフフ、この曲が来るのを待っていましたッ。さぁみんな、私をご覧なさいッ!」
岩田はステージに躍り上がり、上着を一気に脱ぎ捨てた。

『HOT LIMIT』/T.M.Revolution

「♪ナマ足魅惑のマァメイドォッ!」

例のコスプレだけでなく、踊りも完璧である。日頃の腰振りの成果であろうか。



棒立ちになり、マイクを壊れるくらい握りしめる芝村。
「この唄は父が唯一教えてくれた唄だ。お前が真に愛する者の前でのみ唄うがよい、といつも言っていた。とても、思い入れのある唄なのだ。そなたの前で唄おうぞ」

『ひと夏の経験』/山口百恵

「♪あ〜なた〜が望むなら私〜何を〜されてもいいわ〜」

舞パパ、絶対娘で遊んでるよな、とみんなが思っていた。



「演歌はニホン人の心デース。ニホン人の美しい心、良ク表れてマース」
いかにも演歌なイントロに、ヨーコはうっとりと目を細める。

『天城越え』/石川さゆり

「♪あなたトォ〜越えタイ〜、アマギィィィィ、ゴォエェェ〜」

ある意味、原より怖いと思った。




『木綿のハンカチーフ』/太田裕美

誰が入れたんだ?といぶかしむ声が方々から上がる中、照れくさそうに速水がマイクを握った。

「♪恋人よ〜、ぼくは旅立つゥ〜(裏声)」

「変かなぁ?ぼく、この唄大好きなんだけど」
太田裕美の唄って、男に唄われることが多い。何故。



マイクを握る来須に、誰もが驚きと期待の視線を向けていた。
寡黙なのだが軍楽3との噂のあるこの男が、何を唄うのか。

『とんぼ』/長渕剛

男は黙って長渕剛。文句をはさむ余地なし。



続いて若宮が。
「よし、俺も実力を見せてやろう」

『ff』/ハウンドドッグ

「♪あーいがぁっ、すべぇてさぁっ〜」

みなさん熱いです。



「実はカラオケは生まれて初めてなんですよ」
遠坂が照れくさそうにマイクを握る。
「でも見ていて下さい。この日のために練習してきたんです」

『抱きしめてTONIGHT』/田原俊彦

「♪片手で〜抱き寄せて〜きみのこと〜、守りた〜い〜」

ちゃーちゃーちゃらっちゃちゃら。
間奏に入り、狭いステージの上でくるっと1回転しようとして・・・見事にすっ転んだ。

田辺の不幸が、だいぶ彼にも影響してきたようである。



「なっちゃんなっちゃん、一緒に唄わへん?」
提案しつつ、既に入力している加藤。狩谷に拒否権は存在しない。

『浪速恋しぐれ』/岡千秋&都はるみ

「♪芸のためなら〜女房も泣かす〜」

「女房、やってー!やーん、うち照れるわぁー!」
ばしばしばしばし。
歌詞にいちいち反応する加藤。狩谷の車椅子は、崩壊寸前だ。
「次は『ふたりの愛ランド』行くでー!」



「参りましたね・・・唄は得意ではないんですが。仕方ない、私も励むことにしますか」
なかなかマイクを取らない善行だったが、周囲の勧めに負けて、リモコンを取った。
何故か唄本も見ずに手慣れた様子でコードを入力する。

『勝手にシンドバッド』/サザンオールスターズ

「♪すぅなまぁじりぃのちぃがさき〜」

歌詞も見ないで唄ってるのに、何故か一言一句も違わない。しかも桑田圭祐の声マネで。

サザンを唄う男って、どうしてみんなこうなのか。




「唄は・・・嫌い・・・音痴だから・・・・」

周囲がいくら勧めても、萌はまったく唄おうとしない。

それでも、中島みゆきのページに指がはさまってるあたり、もう一押しであろう。




『部屋とYシャツと私』/平松愛理

「♪お願いがある〜のよ〜、貴方の名字になる私〜」

「わたくし、こういう純粋な唄は大好きです」
壬生屋が頬を染めながら言う。

「なになに、部屋でYシャツだけの私ー?」

若宮の何気ない聞き違いに、壬生屋の表情が一気に赤くなる。

「ふ、不潔ですっ!」



中村が、「キチー」と言いながら『雨上がりの夜空に』を唄っている。かなり上手い。

滝川が、ノリノリで『バンバンジーのテーマ』を唄っている。誰も聞いちゃいない。

たのしい時間は、まだまだ続きそうである。



一方そのころ。

「くぉらー坂上っ!いつまでも演歌ばっかり入れてんじゃねぇっ!オレにも入れさせろっ!」

「本田先生だって、ヘビだかワニだかわからない五月蠅い音楽ばかり唄ってるじゃないですか。いいですか?演歌の心とは・・・」

「すいませーん、水割り3杯追加お願いしまーす・・・」

小隊22名の居るパーティルームの隣でも、教員たちがカラオケに興じていましたとさ。

★ ★ ★

おしまい。

★ ★ ★

あとがき
構想2日。執筆1日。これだけキャラ立ってると考えるの楽しいですねぇ。全員はキツかったが。
曲が一部古いのは、作者がレーザーカラオケ世代ということで・・・・
選曲についても異論反論あると思いますが、その点はゆきるver.ということでご容赦下さい。
個人的に気に入ったのはイワッチと速水。本当に見てみたい・・・

ゆきる( yukiru.s@anet.ne.jp )

ありがとうございました>ゆきるねーさん
私も同じ1970年代生まれなので楽しく読みましたよー。ただ、若い人には分かんないかもコレ;(苦笑)
(今回は「カラオケ」ということで曲名の部分を強調&色替担当→ナナシノ)

2001/12/25/委員長権限

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