注意!:これらのSSは人様に不快感を与える可能性が在ります。     これらは元となった童話を見るとさらにヤバい感じです。     これらはキャラの性格も毀れすぎてている可能性も在ります。     てーか原作無視しまくってます(をい     志貴が受けです(爆)     メガネッ漢は「めがねっこ」と読みます。後に「萌えー」とつけるとより効果的です(何がだ     以上のことに対し覚悟完了した方は下にお進みください。
月姫「迷」作劇場 かいちゃったおばか:しゅら 第1話:桃志貴 第2話:シキデレラ 第3話:あんばー鶴の恩返し 第4話:志貴雪姫 第5話:かぐや志貴 第6話:裸の志貴 第7話:走れアリヒコ 第8話:あんばーずきんちゃん 第9話:北風と台風 第10話:星の銀貨
桃志貴  昔々あるところに琥珀というおばあさ(ざすっ) 「あはー、私がおばあさんとはいい度胸してやがりますねー」  な、ナタは酷いんじゃないカナ? 「ホレホレとっとと言い直すですー」  え、えと、……おねえさん(どくしゅ) 「なんですってー? 聞こえませーん」  ……綺麗なお姉さん。 「やだー綺麗だなんてそんな本当のことー」  ……話を続けます。  昔々あるところに琥珀と言う綺麗なお姉さんと翡翠と言うお……ああいや、美人のお姉さんがすんでました。  これでいいでしょ? だからそのマシンガン下げてください……。  さて、琥珀さんが山に薬草取りに、翡翠さんは川に洗濯にゆきました。  翡翠さんが川で洗濯をしていると大きな桃が(中略)を家に持ち帰りました。 「姉さん、これ食べられますか?」 「んー、どうでしょうねー。ここの近辺に原子力の研究所とかでで来た異常生物じゃなければ食べてもいいかもしれないけど……」 「とりあえずどうします?」 「斬ってみましょー」  琥珀さんはそう言って愛用のナタ「ムラマサマークV」を大上段に構え……る前に桃が十七分割されました。 「はえ?」 「あら……」  中から出てきたのは可愛い美少年でした。  桃から出てきた割にはなぜかメガネ付です。 「やーんかわいぃぃぃ〜」  琥珀さん大喜び。 「姉さん、私にも……」  翡翠さんも大喜び。  美少年は志貴と名づけられヒスコハにしっぽりと育てられましたとさ。 「あはっ、出しちゃえー」 「あ……すごい、まだ元気……」 「あ、あの……俺もう限界なんですけど……」 「「だーめっ」」 「そんなぁ……うう、腰が痛い」  さてさて、そんな生活に嫌気がさしてきたのか志貴は街のお触れにあった鬼退治をやることになりました。 「と、ゆー訳でいってきます!!」 「あ、志貴さんまってー」 「志貴さま……」  志貴は振り返らずさっさか行ってしまったとさ。  振り返ったら地獄確定。  さてさて、何の装備も与えられず、黍団子も無いもんだから仲間も出来ず、しかたないのでそのまま鬼ヶ島に直行することにしました。  ……あっさりと掴まったのは言うまでもなく。  志貴は三匹の鬼と対面することになりました。 「ねー志貴、私のモノになるっているならほどいてあげるよ」 「何を言っているんですか。兄さんは私のモノです」 「いいえ、遠野君は私とパン屋を経営するんですっ!」  三匹の鬼は互いに仲が悪かったのです。  三匹がぎゃあぎゃあ言っている間に志貴のヒモが解かれました。 「……こっち」  女の子たちが手招きしています。  志貴は迷わずそちらに向かいました。  女の子たちは鬼の部下の猫と狐と馬でした。  が、いいかげん嫌気がさしたので鬼たちをどうにかして欲しいとのことです。 「わかったよ。じゃあちょっと待ってて」  志貴は鬼が島の死の点を付くと……地盤沈下が起こり、三人の鬼も巻き添えをくらいました。  その後、志貴は少女たちとどこか遠い場所で暮らしたそうです。 「……精、おいしい」 「わ、すごい……おっきい、です……ぁん」 「馬並ですねぇ……」  やっぱり志貴が尻に敷かれているのはまあ、当然というかなんというか。 「しくしくしく」  めでたしめでたくもなし  追記  この後、三匹の鬼と双子の姉妹が押しかけてくるのを彼らはまだ知らない……  それでも志貴は尻にしかれていたとか。 どっとはらい 戻る シキデレラ  あるところにシキデレラというメガネっ娘が住んでいました。 「……あの、なんで俺がこの役なんですか?」  受けですから。  さて、彼女は毎日いぢわるな継母とその娘たちに 「兄さ……じゃなかったシキデレラ」 「おわっ、秋葉? ……さま」 「……まあ、いいでしょう。そこの掃除はもう良いから……お願いね」 「……は、はあ」 「う、ああっああ……」 「……ああっ、にっ、兄さんっ、ぁぁあんっっ!!」  毎日―― 「志〜貴〜……じゃなかったシキデレラ〜」 「あ、……なんですかアルクェイドさま」 「そんなとこ掃除しなくていいから、私の部屋いこ、ね?」 「……はいはい」 「んっ……、ねぇ…しき…もっ…と…もっと強く…ぅ…あああっ んっああっ」 「あ、俺……もう……」  毎日―― 「志貴君……じゃない、シキデレラ」 「……もう好きにしてくださいシエルさま」 「張り合いが無いですが……ま、手っ取り早くていいでしょう」 「ふっふっふっ……こっちも気持ちよくなるようにしてあげますね志貴君?」 「や、やだっ! やめっ、…ぎゃ――   あああああっ―――」  いぢめられてました。 「うう……腰が痛い……ていうか死ぬ……」  毎日毎日搾り取られ(時々掘られて)シキデレラは既にボロボロでした。 「俺が一体何をしたって言うんだよう……しくしく」  本編参照のことです。  んなこたどーでもいいとして。  さて、とある日、城で「舞踏会」のお触れが国中に出回りました。  継母達は出たいとは思っていませんでしたが出ておかないと何かと不都合が出るのでしぶしぶ出ることになりました。  大人の世界ってのは色々とあるものなのです。 「……なあ、もしかして俺も出るの?」 「なんてこと言うんですか兄さんっ!」 「そうですよ志貴君! 志貴君は可愛いんですから他の人に取られちゃったらどうする気ですか!!」  というわけでシキデレラはお留守番です。 「ていうかこの牢屋は一体なんなんだよ」 「逃げられては困りますもの」  ご丁寧に足には鉄球が鎖でつながれてます。 ***  月の光が牢屋の窓から差し込みます。  そろそろ舞踏会が始まる頃です。 「……お腹すいたなぁ」  シキデレラがため息ついているとそこに怪しい人が現れました。 「あはー」 「すいません訪問販売は帰って貰えませんでしょうか?」 「ちがいますよー」 「じゃあ泥棒ですか」 「もっと違いますよー」 「じゃあ変態」 「志貴さーん。怪しい薬は好きですかー?」 「ごめんなさい。で、結局あんた誰?」 「よくぞ聞いてくれました―」  怪しい人(仮)は怪しげなポーズを取りました。 「天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶー!! 悪のらぶりぃ魔法使い『まぢかるあんばぁ』とは私のことですー。いえー」  ……やっぱり怪しい人でした。 「……はあ。それで何しに来たの?」 「泥棒にー」 「をい」 「と言うのは建前でしてー」  じゃあその背中に背負った唐草模様のふくらんだ風呂敷きは一体なんだ。  なんか高そうな時計がはみ出てるし。 「舞踏会に行きたいんですよねー?」 「うんにゃ」
「舞踏会に行きたいんですよねー?」 「……あれ? さっき俺答えなかったっけ?」 「行きたいんですよねー?」 「だから、行きたくないって」
「舞踏会に行きたいんですよねー?」 「……どー足掻いても行かなきゃダメなのね」 「覚悟決めましょうー」 「……はぁ」 「じゃあその前にちょっとエネルギー分けてもらいますねー」 「へ?」 「あはっ、出しちゃえ」 「ぷはー。元気も出たところで魔法と行きますかー」  まぢかるあんばぁは肌をつやつやとさせて魔法を始めました。 「しくしく……」 「あ、そうそう、馬車の材料として猫とパイルバンカーと同人誌持ってきてくださいー」  そんなものがこの家に……ありました。どうしてかは謎です。 「ではー、オンキリキリバサラウンバッタオンキリキリバサラウンバッタ……」  ぼんっ、と音をたてるとそこには見事に………  同人誌で構築された馬車と、  蹄がついた女の子と、  御者の格好をした女の子二人が出てきました。  一人は猫っぽくてもう一人は狐っぽいです。 「ささ、乗って行ってくださいー」 「はぁ……」  シキデレラが乗ると馬車は一目さんに走っていきました。 「……あら?」  城とは逆の方向に。 「……知ーらないッと」  あんばぁさんはそのままどこかに消えていきました。  その後、シキデレラは―― 「あ、今度は私ですよぅ。……ん、カタイ」 「むぅ……早く……」 「あ、次は私ですからね」  幸せっぽく暮らしたとか何とか。 「って、オチまたこれかいっ!!!」  人生そんなもんです。 どっとはらい 「あの……私が出てないのですが?」  ……あ、出すの忘れた。
戻る あんばー鶴の恩返し  あるところに志貴という平凡なメガネっ漢がいました。 「うっうっ……良かった。今回はまともな役だ……」  ……くす。 「……なに今のくすって」  話を進ませます。 「おいちょっと……」  志貴は山で山菜を取ったりして細々と暮らしていました。  そんなある日、 「あはー、志貴さん助けてくださいー」  鶴が罠に引っかかっていました。 「……助けないと駄目ですか?」 「そんな事言ったらめー、ですっ! 早くしないと後で志貴さんの部屋に怪しいクスリ焚きますよー」  仕方無しに志貴は罠を外しました。  そのまま鶴は飛びたっていきました。 「……よし、このまま国外逃亡しよう。そうすれば何も起こらない……」  志貴はそのまま家に帰りました。 「……なんで?」  読者のニーズです。 「……それ、ミもフタもないぞ」  志貴が部屋に入ると―― 「あ、お帰りなさいませーあ・な・た♪」 「誰か警察呼んでー」  いえ、この場合は黄色い救急車です。 「それもそうか」 「志貴さーん?」 「……ていうか、あなた誰ですか?」 「あ、これは失礼いたしましたー」  女性は琥珀と名乗り、道に迷ってしまったので一晩泊めて貰えないか。と志貴に頼みました。 「まあ、いいですけど……」 「あ、ありがとうございますー。お礼にご飯作っておきましたー」  その日の夕食は見事なものでした。 「ふぅ、ごちそうさま。おいしかったよ」 「ありがとうございますー」 「? あれ……?」 「どうかなさいましたー?」(ニヤリ) 「こ、こはく、さん? なかに、な、にか……」 あおおおおおおおおおおおおおおおおんん!!!  志貴は突然ケダモノになりました。 「あはっ、出しちゃえー」 ――次の日 「……責任、取ってくださいね」(ぽっ) 「なにやってんだ俺ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」  こうして、志貴と琥珀は一緒に暮すことになりました。 「あ、志貴さん。倉庫使ってよろしいですかー?」 「いいけど、なんに使うの?」 「秘密ですよー。覗いちゃ駄目です」 「はぁ……」  その晩から倉庫では怪しげな音が響きました。 ねるねるねるねるねるねるねる ぎゅぃーーーーーーーーーーん べちゃべちゃべちゃべちゃべちゃ へ、へるぷ! へるぷみーーーー!! おぅしぃーーーーっと!! オンキリキリバサラウンバッタ…… ……坊やだからさ。 エゴだよ、それは! 「………聞こえない聞こえない」  志貴は毎日布団かぶって聞こえないふりをしていました。  そしてお昼になると 「あはっ、だしちゃえー」 「お願い……寝かせて……」  不眠症の日々が続きました。  そして数日後―― 「あ、志貴さーん。これ街でうっぱらってきてくれませんかー?」 「……これ、なに?」  志貴は琥珀から白いクスリを受け渡されました。 「街に行けば分かりますよー」  その言葉通り、志貴がそれを持って町に行くとグラサンかけたおにーさんからいきなり声を掛けられました。 「……アンバーの使いのものですか?」 「へ? は、はい?」 「……上出来ですね。これであのこにくったらしいナルバレックを……くくく……」 「あ、あの……」 「ああ、代金ですね。はい」  白いクスリは大金に替わってしまいました。 「………いいの、かなあ?」  駄目っぽいです。  次の日も―― 「ふふふ、これであのシエルも……」  次の日も―― 「こ、これを使えば私もヒロインに……」 (……どんなクスリだ?)  次の日も―― 「あの……ウチのバカなマスターに付けるクスリってありませんか?」 「ごめんなさい。ないです」  次の日も―― 「すみません。うちの姉さんの性格をどうにか出来ませんでしょうか?」 「……セイカクハンテンダケならあるんですけどね」 「……うぷ(想像したらしい)……ごめんなさい、やっぱりいいです」  次の日も―― 「あ、あの……豊胸剤……」 「……秋葉……お前」 「うそっ、なんで兄さんが……いやぁぁぁぁぁぁ!!!」  クスリは毎日?大金に替わりました。  そして、ある日―― 「ああ、……疲れた……」  連日のクスリ売りと琥珀とのにゃんにゃんで志貴は既に限界でした。  足取りがおぼつかきません。  つい誤まって倉庫の扉に激突してしまいました。  べりん、と建て付けが悪かったのか扉は簡単に壊れてしまいました。  そこには――! 「あ、あはー、見てしまいましたねー」  ご禁制の薬物を精製していた琥珀がそこに居ました。 「見られてしまっては仕方ありません」 「そ、そんな……」  志貴君なぜかほっとしてます。 「志貴さんを改造しちゃいますー」 「なんでぇぇぇぇぇっ!!!」 ――こうして、志貴は琥珀に絶対服従するように改造され幸せに暮らしましたとさ―― 「――ところで、鶴の関連性は?」 おしまい 「あ、ひでぇ」 志貴雪姫  あるところに…… 「あのすみません……」  なんですか志貴雪姫。 「……何で俺が『姫』なんですか?」  市場のニーズです。 「何処の市場ッ!!」  まあ、裏志貴祀、なんて企画が出回っているぐらいですし。 「いやだぁぁぁぁぁ………」  では、改めて本番行きまーす。  3,2,1、Q!  あるところに美しく、しかし性格の悪い上胸も薄い女王様が住んでいました。 「鏡よ鏡よ……世界でもっとも美しいのは誰?」  しかも鏡に話し掛けるなどと言うまごうことなき変人でした。 「あはーそれはですねー萌え萌えめがねっ漢こと志貴雪姫ですよー」  それを聞いたとたん女王様の腕が鏡につっこまれ、中から人が引っ張り出されました。 じるじるじるじるじるじるじるじるじるじるじる 「はうー」 「狩人! 狩人はいずこや!」  オハダつやつやになった女王様は狩人を呼び付けます。 「ここに」  メガネかけた狩人が蒼の騎士こと「ベルゼルガ」(パイルバンカー装備)に乗ってやってきました。  おかげで床がグチャグチャです。  時代考証なんてなんのそのです。つかいいのか。腕に無理矢理くくりつけられてるパイルバンカーが泣いているぞっ! 「こんな扱い嫌ですー」  うわマジ泣いてるし。それはともかく。 「来たわね。……狩人、志貴雪姫を拉致監禁しなさい」  女王様これくらいじゃあ動じねぇ。  それどころか涎たらたら。 「ふふふ……今度こそ兄さんを調教――じゃなくって教育しまくってさしあげますわ……ふふふ……」 「あの……」 「なんです?」 「報酬なのですが……私にも調教の手伝いをさせてもらって良いでしょうか? 特に後の方なんか……これで、なんてどうです?」  メガネ狩人はベルゼルガのパイルバンカーを掲げます。 「あまり壊し過ぎないように、……それならいいですわ」 「感謝の」 ジャコッン! 「極みっ! ………ふふふ、遠野君待っていなさいね本編の恨みいまこそ……ふふふふふ」  一しきり笑った後、ベルセルガの敬礼のポーズを外し外に向かいます。  エモノをホる為に……!  さて、その頃の志貴雪姫は――。  逃げてました。 「逃げなきゃ……逃げないと……またヤられる……」  どうやら前回ので嫌気がさしたのでしょう、力の限り走ってます。  と、後から砂埃が舞い上がります! 「な、なんだ? ……でぇぇぇぇえ!!!」  それは青いAT「ベルゼルガ」でした。こちらに向かって疾走してきます。 「んな無茶苦茶なぁぁぁぁぁぁ!!!」 「待ちやがりなさい遠野君、いやさ志貴雪姫っ!! 今私が掘ってあげますからっ!!!」 「ひぃぃぃぃぃぃ!!!!」  古来より待てと言われて待ったバカはいません。  血走ったメガネが乗ったATに追っかけられてはなおさらのこと。  志貴雪姫、森の中へ。  森の中なら早々追いついて来れないと踏んだのでしょう。  しかし―― 「甘いですよ……全弾発射っ!!」  ベルゼルガに搭載された全ての火器が一斉に火を吹きますっ!! 「うどわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」  森が一瞬にして焼かれていきますっ!! 「ほーっほほほほほ! みんな燃えてしまいなさいっ!」  メガネさんトランス状態。やべぇ。  結局森は全て焼き払われ、後に残ったのは正気に戻ったメガネ狩人だけでした。 「……はっ! 私はどこっ! ここはだれっ!」  記憶喪失者のお約束ボケをやって責任逃れをしようとしますが誰もいないのでむなしいだけでした。 ――そのころの志貴雪姫 「も……死なせて……」  しぶとく生き残ってました。  業火の中を滅茶苦茶に走ってきたのでどこかどこやらまるで分かりません。 「あ……」  ついに志貴雪姫はぶっ倒れました。 「……ああ、コレでこの話終りだ」  すっげぇ安堵した顔で気絶しやがりました。  しかし、そう簡単に幸せに死なせないのがこのお話でして。 「……あれ? ……つんつん。……ねー蒼ちゃん蒼ちゃん。誰か倒れてるよー」 「なんだって?」 *** 「知らない、天井だ……」  お約束のボケです。 「――地獄って結構庶民的なんだな」  ちょっとした希望を胸に抱いて志貴雪姫が目をさましました。 「いや、あんたまだ生きてるよ」 「そんなぁ……」  思いっきり落胆します。 「あ、目が醒めたんだー」 「……ここ、どこ?」 「設定上は小人の家、らしいが」 「これから私たち秋葉さんのお兄さんと暮らすんだよねー」  これこれ話の裏を言っちゃ駄目です。 「あ、ごめんなさーい」  まあそれはとりあえず「浅上」という小人たちの家で志貴雪姫は暮らすことになりました。 「ねーねーお兄さん、秋葉ちゃんの事聞かせてー」 「ああ、いいけど……」 …… 「ほうほう、そんな事やっていたのかあいつが……」 「うーん、そんな先輩想像つかないです。それ本当ですか? 志貴さん」 「俺は逆に浅上で秋葉がなにやっているのか聞きたくなったよ……」 「聞きたいか?」  だからあんたら、話に関係ないことするんじゃありません。 「「「「ごめんなさい」」」」 ――さて、こちら女王様 「鏡よ(以下略)」 「それは(以下略)」 (以下略) じるじ(以下略) 「は(以下略)」 ――毎度のことをやっていました。 「ええいどいつもこいつも役に立たないわねっ! かくなる上はっ!!」  女王様は単身小人の家に乗り込みました。無謀極まりありません。 「兄さんっ!!」 「あ、秋葉、おまえ(ぴーーーーー)だっただなんて……お兄ちゃんは悲しいぞ」  志貴雪姫は女王様の悪行を切々と語り始めました。 「いやーーーーーーーーー!!!!」  一発で女王様が帰っていきました。  つかそれ反則技。  まあ、こうして志貴雪姫は幸せに暮らしたっぽいです。 おしまい 「……ちっとまてこら」  おや、有彦王子さん、どうしたんで? 「俺の出番はどうしたっ!!」  いやー、作者も男同士のちっすしーんを書く勇気はまだ持ち合わせてないようです。 「……いや、俺も嫌だが」  そうですか。 「でもせめて出番ぐらいさぁ」  あ、時間ですのでこれにて 「おいこらちと…… ぶつっ ざーーーーーー 戻る かぐや志貴  あるところに有彦という赤い毛をした毛唐天夷な… 「今の若いもんがそんな言葉分かるわけねえだろ」  ……まあ、それはともかく。 「をいをい」  おじいさんが独りで暮らしていました。 「ちょっと待て! こういう話の場合おばあさんが……」  おばあさん役誰も嫌がりまして。 「……ひでー」  まあこのままだと話が進まないのでちゃっちゃと進めちゃってください。 「あーはいはい」  さて、とある日、おじいさんは竹やぶに竹を刈りに行きました。 「ん?」  適当に竹を刈っている最中、おじいさんは竹林の奥に何か光るものを見かけました。 「おおっ、金目のモノか?!」  おじいさんが目を光らせて奥に向かうと……なんと竹の節の一つが光っていました。 「……なんだこりゃ?」  おじいさんはとりあえず斬ってみることにしてみました。  しぱーんと竹を叩き割ると中からメガネが出てきました。 「…………は?」  見たところ何の変哲のなさそうなメガネです。 「……まあ、売れそうちゅうたら売れそうだけどよ」  はあ…、とため息をつくとふと奥に光っているものが見えました。 「またか…」  おじいさんは奥に向かいその竹を叩き割りました。 「あん?」  今度は赤んぼうが入ってました。 「ち、違う! 俺の子じゃないぞ!」  ……なにかやましい事でもやっていたのでしょうかこのジジイは。  おじいさんは気を取り直して手とか足とかを丹念に眺めて居ます。 「……うし、まっ平らじゃねえな。ちゃんとした人間の手だな」  …何を確かめているのでしょうかこのジジイ。 「……俺の子じゃない、てことで。俺には何も関係は無いんだよな……」  いきなり赤んぼうが喚き出しました。 「………ああーーーー五月蝿いっ! わぁーったわぁーった! 持って帰ってやっから泣くな! ったく……」  こうしておじいさんは赤んぼうと一緒に暮らすことになりました。  赤んぼうは志貴と名づけられすくすくと萌えなメガネっ漢に育っていきました。  その萌えーは都にまで広まり、17になったときには毎日求婚の催促が届きました。 「有彦さ〜ん、認知してください〜」  ……中には何か違うのも混じっているっぽいですが。 「うーし、志貴。お前売られてこい!」 「ええっ! 嫌だよそんなの!」 「キサマーッ! 何のために今までお前を生かしておいたと思っているんだ!!」 「……俺、あんな危なそうな人たちに売られていくために生きていたの?」 「とーぜん」 「しくしくしく……」  というわけで志貴は六人の求婚者の前に出ました。 「……あれ? 他の人は?」 「え? 消したわよ。それがなにか?」  求婚者の一人のこの中で一番年増っぽい赤い髪の女がにっこりと笑います。 (こ、怖いよぅ…) 「え、えと、ですね。俺と結婚するにはそのげぶふっ」  突然おじいさんが志貴に天龍チョップを食らわせます。 「えー、はい。もっとも結婚資金が多かったものと結婚するそうです!」 「ち、ちが……」  五人の求婚者は一目散に金を用意しに行きました。 「有彦っ! なんであんなことを……」 「許せ。作者がここらへんの部分すぽーんと忘れてるもんだからさっさか次に進ませたいんだとよ」  ぎく。 「……なー、泣いていいか?」 「泣いてもなんいもならんがな」 「しくしくしくしく……」  そして一ヶ月。  なぜか六人とも計ったように同じ金額を出し続けけ勝敗は付きません。  ある夜。  志貴が嬉し涙を流してました。 「……なに笑いながら泣いてんだよ気色わりぃな」 「お前にはワカラナイだろうよ。もうすぐ月からお迎えがやってきてこんなばかげた事から開放される俺の気持ちだなんて」  次の日にはおじいさんの家は軍隊でがっちり警護されてしまいました。 「……早い」 「兄さん! 兄さんは私が守ってあげます! そして終わった後に……ああ……」 「志貴ー、これ終わったら結婚しようねー」 「遠野君、披露宴はカレー尽くしですよ」 「あはー、志貴さんハダエプは好きですかー?」 「あ、あの志貴さま……初夜は和風が良いですか? 洋風が良いですか?」 「志貴、……子供は何人欲しいかしら? ……きゃっ」  欲望にぎらつく六人の求婚者。 「……がんばれ」 「……頼むから勝ってくれよ月の使者……ってこれ誰が役やってるんだ?」 「さあ?」  と、そのときです!  空から月の使者が…… 「空想具現化!」 「檻髪!」 「黒鍵!!」 「暗黒舞踏・一の奥義! 蓮華!」 「ヒロポンインストール!!」 「霊○ン!!」  あっさりと消滅しました。 「弱っ!」  そりゃこの人外ズにかなうものだなんて普通はいません。 「さ、というわけで……」 「「「「「「(兄さん)志貴(君)(さん)(さま)は私が!!!」」」」」」  既にいません。 「早っ」 「「「「「「まぁてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」」」」」」  追っかける人外ズ。 「おー、掴まりやがったか……あー引っ張られてる引っ張られてる。お? なんだ、急に大人しくなったな……ありゃ、全員でどっか行っちまった……まあいいか」  おじいさんはその後家に置きっぱなしの結婚資金を使って幸せな老後を過ごしました。 「認知してください〜」  風の噂によると、志貴は六人の求婚者にかわるがわる可愛がられて生きているそうです。  めでたしめでたし。 「俺はめでたくないぃぃぃぃぃ!!!!」 「有彦さん認知してくださいってば〜〜〜」 どっとはらひ 戻る 裸の志貴  あるところに志貴というメガネっ漢な王様が住んでいました。 「志貴ーダメだよ逃げちゃー」 「こ、こら離せアルクェイド! 秋葉! 先輩も!! こんなときばかり共謀して!」 「ダメですよ遠野君。主役が逃げちゃ話になりませんから」 「なりたくない! ちゅーかならなくていい!!」 「兄さん、覚悟決めなさい」 「涎垂らしながら言うんじゃない! よけい怖いっ!! はーなーせーーーーーー!!」  無理でした。 「ちくしょーーーー……」  それはさておき。  ある日、とある旅商人がやってきて、王様に色々と妖しい物を売りつけようとしました。 「すみませーん、うちは訪問販売の類は遠慮してもらっていますので」 「まーまーいい掘り出し物在るんですよー主役になれなくなる道具とかー」 「本当ですか!」  王様は一も二も無く飛びつきました。  本気でイヤなんでしょうねこの話。確かに問題ありまくりなんですけどこのシリーズ。 「商品ナンバー40ー」  そう言って旅商人は何もない空間を引っ張りあげました。 「バカには見えない服ですよー」  旅商人は見た目きらびやかな服を持っていましたええそうですとも。ちゃんと見えますともええ。 「あー俺見えなくていいですからそれ引っ込めていいです」  王様はそれを買おうとしません。漢らしい判断です。もしかしたらこのシリーズ初めてかもしれません。 「翡翠ちゃーん」 「はい」  キィィィイン…… 「ハイ、ソレカイマス」  王様は人が変わったようにそれを買ってしまいました。 「それじゃあ早速着てみましょうー」(じゅる) 「手伝います」(じゅる)  なにか旅商人たちの喉元から水っぽい音が聞こえたのは気のせいでしょうか? *** 「はふー」 「ほぅ…」  更衣室から頬をつやつやにした旅商人とまだ目の焦点が定まってない王様が出てきました。  王様はマント1枚……あ、いや、きらびやかな服着てます。光ってます。 「さ、それではお披露目に行きますよー」  王様は虚ろなまま外に連れ出されました。 ***  王様は虚ろな顔をしたまま一人で町を練り歩いてます。  人々から刺さる視線。  視線  視線  視線  視線。 (ああ、兄さん。あれは誘ってるの……誘ってるのね!!) (遠野君……素敵ですよ……ふふふふふ……) (ど、どうしたんだ。なんで俺が遠野の奴にドキドキしてるんだろう……) (ああ、いいです! いいですよーそれでこそ志貴さんですー)  皆一様に萌えてます。  ―――ふと、王様の目が醒めました。 「あ、あれ……俺、何してたんだっけ? ……え? 何でここに……、……!!!」  そこで王様は自分の身体をマントで隠してしゃがみこみます。  ふぅわりと、マントが跳ねてまっちろなお尻が見えました。  ぷちっ♪  人々の理性はそこでぷち切れました。  王様はマワされるだけマワされました……。  その後、王様は国民からかわるがわる可愛がられて暮らしましたとさ。 めでたしめでたし(本当か) 「……あ、あはは………ちょうちょ……とんでく……ああー、えへ」 毀れたようです。 戻る 走れアリヒコ  在る処にアリヒコと言う少年が、 「くそー! 離せ離しやがれー!!」  掴まっていました。  罪状は政治批判とか何とか。  この国の王さまはコハクといい、危ない女王様でした。  どう危ないかって……まーそれは色々です。 「死刑ー」  あっさりと死刑判決。  この当たりが危ないと言われるゆえんです。 「ちくしょー! せめて故郷の姉貴を祝ってからにー!」 「ダメに決まってますよー」 「俺が戻らなかったら心友の志貴を自由にして良いぞー!」 「ちょっとマテ有彦っ! なんで俺がっ……」 「了承ー」 「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「そいじゃあ心友! そういうことだっ!」  アリヒコはレイズナーもかくやというスピードで駆け抜けてゆきました。 「それじゃあ志貴さーんしっぽりと可愛がってあげますよー」 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! またこれかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「……よし、ここまでくれば大丈夫か。許せよ心友。幸せに生きろよー」  荒野で王都のある方向にむかって祈るアリヒコ。  その手にはしっかりと金貨の入った袋が。  しっかりと買収されてたよ―ですね。  うあさいてー。 「るせ」 ――  うってかわって城の地下室。  シキは一番深い部屋に監禁――いや十字架に磔にされていました。  蝋燭でこうこうと照らす灯りにぼんやりと磔になった志貴の姿が映し出されます。  目隠しとボールギャグをされた痛々しい姿です。  光も分らず。  時間も分らず。  食料は僅かに。  最初の数日こそ暴れていた志貴ですが、今ではもうそんなそぶりすら――いや、そ もそも意思ですら消えているのでしょう。  もう、ピクリとも動きません。  ただ、身体を生かすために呼吸をしている、くらいなもの。 「ふふ……」  女王様が地下室に入りました。 「大丈夫ですよ志貴さん……今度目覚めた時は私のモノになっているんですからぁ… だから、全部」  毀れたように女王様は呟いて、志貴に近づきます。 「全部、毀れちゃっていいんですよぉ……ふふふふふ」  そのまま志貴の足に舌を這わせ、ぺろり、と美味しそうに舐め上げました。  志貴は、少しも反応することはありませんでした。 「ふふ……ふふふふ……」  地下室に狂った笑い声が響きました。 ――  その頃のアリヒコは―― 「がははははは! おーい、もっと食い物もってこーい!」  豪遊してました。 「おい、愚弟」  アリヒコの姉のイチコさんがやってきました。 「おー、姉貴。×度目の就職おめでとー」 「有間はどうした?」 「あーあいつ? アイツなら今ごろ……」  アリヒコはこれまでの経緯を話しました。 「なるほど……」 「まー普通に暮らすよりゃマシだろうよ。今ごろあいつは可愛がられてんじゃないの?」 「……バカめ」 「は?」 「バカめ、と逝ったんだ! 今すぐ取り返してこいっ!」  おねーさん激昂。  実はひそかにシキを狙ってたりしてたのだこの人。 「い、いや、取替えしてこいったって……」 「安心しろ」 「は? 何を……?」  おねーさんはアリヒコの服の袖を掴み…… 「大雪山おろし……二段返しぃっ!」  アリヒコを思いっきりふっ飛ばしました。 「あーーーーーーーーれーーーーーーーー………」  アリヒコは星になりました。 ――  そして、数日後――  城では女王様が四つん這いになったシキを引っ張って来ました。 「ふふふ……この首輪を付けて、目隠しを取れば、調教は完了ですよー」  女王様は志貴に首輪をつけ、そして目隠しを…… 「………あーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」  そこにアリヒコと言う名の流れ星が落ちてきました。 ぐしゃ  流れ星は女王様を押しつぶしてしまいました。  なんか女王様即死っぽいです。 「あてててて……いつもながら無茶すんぜあの姉貴は……っと、ここぁ何処だ?」  辺りを見回すと……彼は衛兵に囲まれてました。 「はい?」 「どけ!」 「は、はい!」  アリヒコはさっさとどき、衛兵は女王様を調べます。 「……死んでます」 「え?」  ……てことは俺殺されるんですか? 「君」 「わああああすんません! あれは事故! そう事故だったんです!」 「よくやってくれた!」 「……は?」 「俺たちもうあの女王様の元で働くのやだったんだよ」 「でもうかつに言ったら殺されるし……」  どうやら女王様。人望はまるでなかったようです。 「はぁ……」 「ともかく、君のおかげでわれわれは開放された! ありがとう!」 「あぁいやいやー、それほどでもあるかなーなんて」 「あうー」  何かがアリヒコの袖を引っ張ります。 「あん?」  そこにはシキの姿が。 「ん? 何やってんだお前四つんばいで……ってここは城じゃねぇか!」  ようやく気がついたようです。 「あ、君は一週間前に死刑宣告された……」 「……なんと、本当に戻ってきたのか」 「素晴らしい……」 「だが……彼はもう……」  衛兵たちは口々にアリヒコを讃えます。 「あー……」 「うわっ、おいおい、ひっつくなひっつくな」 「あう…」 「っだーーー! そんな顔すんじゃねぇよ……あーもう…何がどうなってんだよ……」  衛兵がアリヒコに説明したところ、志貴は女王様に調教されて自我を無くしてしまっ たとのことです。 「ありゃまあ……」 「多分、心が毀れて最初に見たモノが君だったからなついてるんじゃないかな? ほら、 俗に言う刷りこみという奴……」 「……じょーだんじゃねーぞ!」 「あーうー……」  そんなことはお構い無しとでも言うようにシキはアリヒコに寄りかかります。 「あーあーあー涎垂らすんじゃねぇまったく……」  なんだかんだと言いながらしっかりと世話してます。 「……結構お似合いかも」 「マテェェェェ!!!!!」  その後、二人はまあ、幸せに暮らしたとかなんとか。 「だからマテェェェェェェェ!!!」 どっとはらい 次回予告 晴れて?二人で暮らすことになったシキとアリヒコ。 だがしかし、一度死んだはずのコハクが魔王として黄泉帰る! 「ふふふふー…志貴さんを帰してもらいますよー」 追い詰められた二人! 二人に安息の地は戻るのか?! ……いや、書きませんってー 戻る あんばーずきんちゃん  あるところに琥珀と言う少女が妹と二人で暮らしていました。 「♪〜」  今日も琥珀はごりごりとすり鉢で薬を精製してます。  琥珀は森一番の薬剤師として知られていました。  今日も村外れの豪邸に住む秋葉おばあさ(ずきゅんどさり)  ピンポンパンポーン  えー番組の途中ですが司会Aが謎の重症を負ってしまったので以下司会Bが進行を 勤めさせて頂きます。ご了承ください。  では、どうぞ――  パンポンピンポーン  今日も村外れの豪邸に住む秋葉お……姉さんの元へ琥珀は問診に出かけました。 「それじゃあ翡翠ちゃん行ってきますねー」 「行ってらっしゃい。姉さん」 「今日こそは秋葉さまの財産を合法的に取ってきますからねー」 「がんばって。姉さん」  鬼かこの姉妹。 *** 「♪〜今日はお祝いですねー♪秋葉さまには〜どんなクスリがお似合いでしょう〜♪」  琥珀は不穏なことを謳いながら森の中をスキップしていました。  その森の中で小さく笑う陰…… 「ふっふっふ…………ふふふふふふふふふ……やったよ……俺……とうとうマシっぽ い役につけたよ!」  森のメガネ狼の志貴でした。 「思えばこのシリーズ毎回毎回俺主役なのに酷い目ばっかりあっていたもんなぁ…… ああ…でもそれで終りだ! 今回何とかこなせばもう俺が受けになる事だなんて……!!」  ……幸せな夢見ちゃってますネェ。はふぅー。  そんなこと絶対在るはず無いのにー。 「……今何か不吉な事が聞こえたような。……考えるな考えるな。さっさと話を進め よう」  狼は何か悪い予感にとらわれながらも琥珀より先回りして村外れの豪邸に到着しま した。 *** 「ふぅー……ふぅー……ふぅー……」  ベッドの中で秋葉お姉さんは苦しげに唸っています。  それもそのはず、琥珀が問診中に与えていた薬は強い中毒症状があったのです。  それも回を重ねる事に効果は薄くなっていきます。  典型的なジャンキーの末路ですね。  おまけにどうやら何かしらの衝動を引き起こすようです。 「……っと、し、失礼します。琥珀です」  狼は琥珀の声色を使って秋葉お姉さんの部屋を叩きました。 「こ……は……く……」  秋葉お姉さんはずりずりと身体を引きずってドアを開けてしまいました。  危うし! 「引っかかったな…あ…?」 「こはくーーーーーーーーーーーーーーーー」  じるじるじるじるじるじるじるじるじるじるじるじるじるじるじるじるじるじる  哀れ、狼は琥珀と間違われてたっぷりと血を吸われてしまいました。  どうやら吸血衝動を引き起こしていたようです。 「……げーぷ。ふぅ……何時もより増して美味しかったわね琥珀……あら? に、兄 さん?! どうして……はっ! まさか私に夜這い?! そんな、こんなまどろっこ しい真似しなくてもよかったのに……それじゃあ兄さん……優しくしてくださいね♪」  秋葉お姉さんは失血で気絶している狼をベッドの中に引きずりこみました。 「………ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」  狼の悲鳴が響きわたるのはそれから間もない頃でした。 あん えぴろーぐ 「え?」  琥珀が秋葉お姉さんの所に到着した時、秋葉お姉さんは頬をつやつやにしていました。 「というわけで、兄さんがいればもう大丈夫だから薬はもう要らないわ。今まであり がとう」  秋葉お姉さんはじゃらりと狼に括りつけられた鎖を弄びながら言いました。 (そ、そんなー後一歩のところでー) 「ふふ……兄さん、ずぅっと可愛がってあげますからね……ふふふ……」 「………」  狼は反応がありません。  搾り尽くされるだけ搾り尽くされたので生きているのかどうかも怪しいです。 (しかも志貴さんまで先に奪われているだなんてーこのあんばー、一生の不覚ですー) 「あ、そういえば琥珀。あなた警察から呼び出しくだってたわよ」 「へ?」  と、いきなり警察が乗り込んできました。 「そこにいたか琥珀! ご禁制の薬物を取り扱った件でちょっと来てもらうぞ!」 「へ? へ? へ?」  哀れ、琥珀は警官に両腕を引っ張られて連れていかれました。  数年は出てこれないでしょう。  めでたしめでたし 「そんなーーーーー!!!!」 「姉さん……遅いなぁ」  翡翠は只一人、帰ってこない姉を料理作りながら待ち続けていたとか何とか。  一週間後にその料理から流れ出た毒素で森が破壊されたのは言うまでもありません。 どっとはらい 戻る 北風と太陽  ……の、はずでしたが。 「あ? どうして殆どの奴がいねえんだよ?」  ああ、有彦くん。答えは単純だよ。  度重なるヤられ役に耐え切れなくなったのか志貴くんがヒッキーになってしまって。  ほら、そこで暗く体育座りして居るのがそう。 「………」  んでもって他の参加者は「志貴がいないなら出ない」ってーんでみんな帰っちゃって。 「……」  せっかく今回は「北風」の役を回したんだけどねー。  今回はちゃあんと攻め役だったんだけどね。今までの鬱憤晴らせる位に。 「………うそだ。どうせどっかに「受け」が入ってるんだ……」  ……疑り深いですね。まーそんな事言うのは台本見てからにしなさいって。 「……やだ」 「どれどれ……、お、こりゃ本当だ。今回はちゃんとした役だ」  でしょう? 「……でも、どうせどこからか暴走する……」  暴走するようなメンバーは全員帰っちゃいましたよ? 「……」 「まーまー、今からでもやるべ」 「……俺、襲うような奴居ない?」 「いないいない。てゆーかオンナッ気何処にもねぇんだ! どーすんだよこれ!」 「……じゃあやっても大丈夫かな?」 「おめーがやらねーとはじまらねーんだ! ほれとっととしろ!」 「……うん」  ……仲いいなあんたがふっ 「よけーな事言うもんじゃねぇ」  殴るこたないでしょ。  さて、ではお待たせしました。 月姫迷作劇場「北風と太陽」 「なあー北風ー」  有彦太陽は北風志貴に話し掛けます。 「なに?」 「次にさー、下の道に旅人が着たらさー脱がしッこやんねぇか?」  その言葉に北風目を光らせます。 「ふ、ふふふふふ……」 「き、北風……?(お、おい、怖いぞ! 次のセリフ早く言え!)」 「あ、ああすまない。久しぶりにエモノが来たと思うと嬉しくてもう……」 「………(なあ、司会よー。やっぱこいつ一生受け役の方が良いんじゃねぇのか?)」  ……ええ、私もそう思ってたところです。、まあ、一回ぐらいなら良いでしょう。 「……(それもそだな) んで? やるん……だよな……涎垂らすなよ」 「あ、すまない。……まだか……まだか……」 「……(誰かコイツ止めろ)」  ……(無理ですので諦めてください) 「……(をいをい…)」 ――そして一時間後、ようやくエモノが来ました。 「ってコート1枚じゃないか! しかも下は何も着てない! 変質者かよ!!」  今は北風の方が変質者そのものです。 「お、落ち着け遠野!(……何でこいつの親友やってんだろな俺)」 「もっと脱がし甲斐のある服着ている奴は居ないのか! えー?!」  今までの鬱憤が積もりまくっているからでしょうか。すでに七夜モードなのです。  そうこうしているうちにエモノは去っていきました。 「ちっ、逃げられたか…」 「…(誰かタスケテクダサイ)」  太陽は神に祈ります。無駄っぽいですが。 ――それから五時間後、日が沈む前にようやくもう一人の旅人がやってきました。 「……まあ、マシか」  今度は全身に包帯巻いたヤクやってそうな男でした。 「……(頼む、さっさか逃げてくれよ)」  太陽はまたも祈ります。が、その数秒後  旅人は170分割されました。 「速っ!」  一瞬でコマ切れになった旅人を見てびびる太陽。  これならステーシーも十分再殺できますね。 「ふぅー」  対してこちら北風。  なんともすがすがしい笑顔です。 「をーい、脱がすだけじゃなかったのか?」 「あ、ついやっちゃった」  いけないいけない、とばりに頭を書く北風。  太陽は、なにか遠くを見るような目つきです。 「……(ああもう、こいつは俺の知らないやつになっちまったんだな)」 「な、有彦」 「……なんだ?」 「もう一人、来たな」 「……まだ、やるのか?」 「ああ」  北風はにっこりと笑います。 「……(頼む誰かこいつ止めてくれ)」  三度目の正直、とでも言いましょうか。 「ん? なんだあの砂嵐は」  それは、来ました。 「え……?」  砂埃をあげて走ってきたのは……! 「志貴〜!」 (以下略) 『なんですかそれっ!』  ヒロインたちだった! 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………!!!」  北風、トラウマを引き起こし逃亡。が、あっさりと掴まりました。  あとは、まあ、お約束として。 「あはっ、オシオキですよー」  毀れるまでオシオキされましたとさ。 「……なんかやっぱりあそこまでやられると可哀想に思えてくるな」  じゃあ、変わる? 「ヤダね。第一ありゃ遠野しかできねぇよ」 「俺はやりたくないのにっ!」  えー。 どっとはらい 戻る  さーて、次は…… 「なあ……」  あら? どうしました志貴君? 「……このシリーズ、もう、嫌なんだけど……」  いや、意外と人気あるっぽいのよこれ。  「君が受けじゃないとダメ」という意見だってあるし……。 「…………」  ……ふぅ、仕方ないなぁ。  今回、上手くこなせたらもう二度とこのシリーズには出なくて良いから。 「……本当?」  本当本当。……上手くこなせたら、ね。 「よし、わかった!」  ……あらら、せっかちだこと。  ……とゆーわけで皆さん。今回も気張って行きましょうねー! 『オウヨっ』  んー気合十分。それではいってみましょう。 月姫迷作劇場 「星の銀貨」  とあるところに、志貴というメガネっ漢がいました。  しかし、志貴には身寄りもなく、一日働いて与えられる僅かな食事を糧に生き延びて いました。  それでも、志貴は毎日一生懸命生きてました。  先に言っておきますが、まっとうな職場ですよ? 誰ですか男娼とか考えている人は? 「ふぅ……今日もなんとかご飯に在りつけたな……」  志貴は手に食料の握り飯を持って森へ帰ろうとしていました。  もう、日も暗いです。 「ひくひく……」  と、目の前に泣いている女の子が居ました。  なぜか手が蹄です。 「……どうしたの?」  志貴は恐る恐る声をかけます。 「ウチのバカマスターに「カレーに使う米が無くなった? だったら取ってきなさい!」 って外にほおりだされて……しくしく……もう何処もお店空いてないのに……」 「ちょっと待ってて……」  志貴は袋の中から握り飯を取り出しました。 「このご飯じゃダメかな?」 「……え? いいんですか! ありがとうございます!」 「どういたしまして」 「それじゃあ……早く帰らないとマスターが怒り狂いますから……」  女の子は何度も頭を下げながら帰っていきました。 「ふぅ……まあ、ご飯はそこらの草でも取って食べればいいか……」  なかなかに苦い生き様です。  と、目の前にまた女の子が現れました。 「志貴ー寒いよー」  上に何も着てません。 「……このバカ女っ!! 下着ぐらいつけてろっ!!」 「むー、いいじゃない。……志貴には見られてもいいし」 「……あ、いや、その……と、とりあえず上着着ろ!」  志貴は女の子に上着を渡しました。 「ありがとー。……わー、志貴の匂いだー……えへへー」  なんかトリップしている女の子を尻目に志貴は歩き去っていきました。 「まったく……ううさむ」  上半身生肌ではいくら春先とは言え寒いのです。  と、今度はコート(のみ)一丁の男がやってきました。 「少年、ズボンを頂きたい……こう、言えば良いのか?」 「……はい」  少年は泣く泣くズボンを渡しました。 (……マジメに終わらせて、もうこんな世界から逃げ出してやる……!)  少年はそう硬く誓ってました。  所詮儚い願いなのになぁ…… 「ふむ……ズボンも、なかなかに悪くない。礼を言う」 「……どういたしまして」  志貴は泣きながら答えました。  その格好は……  ……てゆーか今時ブリーフは無いと思うぞ。 「五月蝿いっ!!」  さて、ブリーフと靴だけになった志貴君の前に、今度はボロ着の女の子二人が現れま した。 「あはー……おめぐみをー」 「……おなか……すいた」  一人はショートカットに大きなリボン。  もう一人は、さっきの子よりずっと小さいロングの猫のような子です。 「……すんません、俺ももうなにも与えられる物が無いんです。てゆーかむしろこっち が欲しいぐらいで……」 「え? あるじゃないですか……」 「ん………」 「は?」 「あはっ、出しちゃえ」 「……精、美味しい……」 「……」 「はふー、ご馳走さまでしたー」 「……元気、いっぱい」  少女たちは吸い尽くされた少年に別れを告げてどっかに行ってしまいました。  手にしっかりと志貴のブリーフを握ったままです。  千切れているところなんかが哀愁を誘うというかなんと言うか……。 「しくしくしく……」  一人捨てられた少年はただ動くことも出来ずに泣いていました。 「……うーん、うーん、原稿が出来ない……」  と、今度は悩む少女が出てきました。 (もう、どうでもいいや……)  身も心も搾り取られた少年は、すでに諦めの境地でした。 「……うーん、うーん……ん? は! そ、そこの貴方っ!!」 「……?」 (助けて……くれるの……?) 「そこでじっとしててください! 動いちゃダメですよ!」  志貴の儚い望みは一瞬にして潰れました。 「メガネですっぱだかで陵辱後だなんて素晴らしい絵の材料なんてそうそうありませんっ」  女の子はどこからかペンと紙を取り出すと猛烈なスピードで何かを描き始めました。 「ありがとうございました! いい勉強になりました! あ、これ、少ないですけど……」  女の子は志貴の前に銀貨を1枚置いてその場から去りました。 (………)  志貴はその銀貨をじっと見つめていました。  手を伸ばして、その銀貨を取り、かじります。 「………おいひくない」  それでも志貴はそれに泣きながらしゃぶってました。 あん えぴろーぐ  それから数日後。  志貴はかなりピンチでした。  なにせ服が無いから森の中でひっそりと暮らしているのです。  人に会ったら逃げられることまちがいなし。  その上、ここ最近エモノに在り付けなくて何も食べておらず、とうとう倒れてしまい ました。 「……てゆうかさ、元から悪あがきせずにぶっ倒れてりゃ終わってたんじゃ……」  それは言わないお約束です。  と、そこに。 「あ、いたいた」  あのとき、銀貨をくれた少女がそこにいました。 「あのときはありがとうございます。絵のモデルになってくれて」  そんなつもりはまったく無かったのですが、少女は話を勝手に進めます。 「……それで、あのとき刷った本が大ヒットしまして……で、その、ウチのサークルの 専属のモデルになってくれませんか? ちゃんと三食御給料付ですよ?」  彼は一も二も無くそれに飛びつきました。  その後――志貴は少女――晶嬢のサークルのモデルとして生きていく事となった。 「さ、志貴さん。次ちょっと牛乳顔にかけますね」 「ちょ、ちょっと待って…ぁっ」  ……まあ、幸せなようで。 どっとはらい 「……なあ、この終り方は流石に酷いぞ?」  ごめん原作忘れた。←最悪 「……まあいいや。ともかくコレで俺はこのシリーズから晴れて開放……」  うんにゃ。 「は?」  ちゃんと終わらなかったしねー。 「……そんなの、あり?」  ありです。 「…………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん………」  はっはっは。次回作もお楽しみにー(誰が望むことやら)

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