悲哀歌 |
ぼくの気持ちが、君に見えたらいいと。 それは、かつてのぼくが時に思ったことだけど、今はそうは思わない。 君が返してくれる愛情が、決してぼくを上回ることがないように、 叶わないことである方が幸せなんだと、今なら解るから。 別れを告げた直後から、君の瞳がこれ以上ないほど揺れていて。 押し寄せる悲しみは今までの比なんかじゃなかったけれど。 君を守りたかったから それだけは、譲れない砦だったから ぼくの我が儘で君を不幸へと誘うわけにはいかないんだ 「どうして───?」 泣かないで 「いやよ ルーン」 君の笑顔が好きだったんだ 「幸せに…」 君の幸せだけを心から願う それだけがぼくのたったひとつの真実。 別れを告げる小さな痛み。 この先再び君に逢えることがなくたって 君がぼくの太陽だったことにはかわりがないから。 今も、そうであることに。 これ以上の辛さはないとわかっているのに もう二度と彼女に別れを告げたくはないと ぼくの心が泣いていた。 |
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2001/02/02