臙脂の桎梏


 天井の水面から光の差し込む珊瑚礁の一角で、肉塊と形容出来そうなほど醜悪な触手が少女の四岐を拘束し、その自由を奪う。

 タコでありながら雌は半ば人間の姿を持つ種族、獣の尻尾の如くお尻から八本の小さな触手を生やした少女は、今、同類の手によって堕とされようとしていた。

 ぬちゃっ、ねちゃっ、ぐちゅぐちょっ

 小柄な体に巻きついた触手は、まるで己の所有物だと主張するように少女の肌を余すとこなく撫でまわす。

 「いやあっ、やめてぇぇっ!」

 全身を使って抵抗する少女に、発情したタコは容赦なくその八本の触手で少女を嬲り始める。半熟の乳房に巻き付いた触手は執拗に揉みほぐし、時には乱暴に少女の胸を圧迫する。吸盤を使い下腹部に密着した触手は小刻みに振動し、少女に愛液の排出を促す。粘膜に覆われた敏感な突起を見つけ出した触手はその先端部分を器用に動かして少女の淫核を刺激する。つまみ、ひねり、引き伸ばしては押しつぶす…上下に、左右に、前後に、成すがままに弄びながら少女に愉悦を与えていく。

 「うあぁっ!なんでっ!なんでぇぇっ!」

 少女はこれから行われる行為を直感的に感じ取っていた、すなわち交尾だと。

 性的刺激によって硬化した陰茎を雌の胎内に差し込み、雄が絶頂感に伴う射精によって放たれる精子を生理によって排出される卵子と結合させる。好意を抱く二人が互いの愛を確認し一つになる時。しかし少女が陥っている状況は明らかに違った。一方的に愛を与える…いや、少女を支配するためだけの交尾だった。

 少女は自らの触手を使って必死に抵抗するが、凶悪なまでの太さを持つ魔手の前にそのか細い触手は非力過ぎて、むしろタコの体表を摩擦する奉仕にすぎなかった。そんな彼女をあざ笑うかのように淫虐行為がエスカレートしていく。

 少女の膣から湧き出る淫らな液体をタコは触手の先端ですくい取り少女の体に塗りたくる。自らの体液で汚される少女の体に噛み付き、苦痛と共に歯形を付け陵辱の証を刻み込んでゆく。そうして過敏になる全身の痛覚の中で最も過敏なクリトリスも口で犯していく。唾液で濡らし、舌で舐めまわし、唇が覆い被さる様に吸い、歯を突きたてて少女に苦悶の表情を浮かばせる。

 ぬちゅっ、ぬちゅっ、じゅるっ、じゅくっ、ずずずっ、がぶっ

 「ふああっ!んあっ!いっ…やあぁっ!」

 いつしか少女は泣いていた。 醜い触手に犯されるだけで心の奥まで覗かれた様な恥ずかしさ。その体格差から力ずくで完膚なきまでに屈服させられる屈辱感。これから起きる何かによって今までの自分が壊されてしまう恐怖。それとも…それでも感じてしまう自分の情けなさか。

 「いやっ!もう…だめぇ…壊れ…ちゃうっ」

 いっそこのまま壊れてしまえばいい。そうすれば快楽に溺れることができる。そう思い始めた時、突然タコはその愛撫の手を止めた。一時的に訪れた休息で思考が落ち着いてきた彼女の目に飛び込んできたのは、己の秘所に向かってそそり立つ、タコの九本目の触手だった。

 「ま、まさか…」

 それは少女が知っているものとは大きく異なっていた。想像していたものよりも遥かに大きく、その先端部分はいびつに捻じ曲がっている…肉の凶器が少女の膣口に押し付けられた。

 「ダメッ!お願い!そんなの挿れないでえっ!!」

 快感が一気に冷めて行く。タコが少女を見下ろして笑った…様な気がした。

 じゅぷっ、ぐちゅ、じゅぷぷっ

 「うああっっ!裂けちゃうっ!裂けちゃうよおっ!!」

 赤黒い凶器が愛液に飲まれるように少女の蜜壷に埋没して行く。

 ぐちゅっ、ぐっ、ぶちっ、ぶちぶちぐちゅぐちゃっ

 「ふああっ!痛いっ!痛いよぉっ!!」

 元々タコに少女を感じさせる義務はなかった。己の欲望を発散させんがため少女の体を馴らしておいただけに過ぎない。そして本来の目的を果たそうとするタコの侵食行為に優しさなどはかけらほども無かった。

 ぐちゅっ、じゅるるっ、ぐにゅっ、ぐにゅにゅっ

 「はっ…入ってくるっ!入ってくるぅぅっ!!」

 少女の許容量を超える肉棒を子宮の奥まで無理矢理ねじ込み亀頭部分を胎内に埋めたまま触手を伸縮させて膣内の襞の感触を貪る。

 ぐちゅっ、じゅぽっ、じゅぷっ、ぬちょっ

 「ぁはっ、壊れちゃうぅ!壊れちゃうぅっ!!」

 今まで何十匹もの同族がこの触手で壊されて来たのだろう。少女の理性は、腹部を変形させるほど暴れ狂う触手によって蝕まれる。お腹の中に別の生き物を宿したような感覚と共に拷問にも似たピストン運動が徐々にペースを上げていく。

 「んあっ!くっ!ひいいっ!」

 少女の叫び声によほど興奮したのか、体を拘束していた触手が少女をもっと苦しめようと彼女の腕を、足を、腰を、胸を、ギリギリと締め上げる。

 「!!!はぅっ…死んじゃうっ!死んじゃうぅっっっ!!」

 内と外から同時に圧迫され悶える少女、その最深部を侵略し限界まで膨れあがった触手が一瞬硬直する。溜めに溜めた欲望が体外に排出されるまでのタイムラグ。

 「いやあっ!!いやあああ〜〜〜〜〜〜っ!!」

 ドクドクと脈打ちながら吐き出される残虐なザーメンが、わずかな隙間を伝って少女の膣内を満たして行く。それでも精を吐き続ける男根が栓となり少女の膣口を塞いでいるため、行き場を失ったスペルマが少女のお腹を妊婦のように膨らます。

 「はっ…ぁぁっ…おなかが…いっぱい…」

 それでも収まりきらないのか、秘唇から抜かれた触手が少女の体に乳白色の液体を浴びせかける。少女の体躯に放たれた精子が自らの収まる場所を求めて毛穴や細胞の隙間に押し寄せて行く。

 「…しろい…のが…たくさ…ん…」

 蜜壷から溢れ出す大量の淫液、自失呆然としながら自らの犯された痕跡を眺める少女の目に光は無かった。しかしこれで終わったわけではない。タコは、たとえ少女が壊れても生かし続け、少女が己の子を孕み産み落とすまで犯し続けるつもりだ。

 だが、それも未来の話。すでに復活した男根がしきりに少女の秘裂を欲している。陵辱を再会すべく少女の秘裂に触手があてがわれた。


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