さて、大仏さんのリクエストによる地獄の階層………これを見たとき、私は三秒ほど停止しました。 なぜなら、資料が少ないから。 とゆーわけで、地獄の階層ではなく、「地獄」全体を考察することにしました。 そもそも、地獄というのは、罪を犯した人間が落ち、罪を償う場所である。 というのが、一般的な認識だろう。 少なくとも、「地獄へ落ちろ、ベイベー」などというセリフ自体、ヒトが落ちることを前提とした物だ。 しかし、地獄にはヒトなどよりも先に暮らしている者たちがいることを忘れてはいけない。 それは、悪魔。 神に反逆した者たち、つまり、神の敵対者がいるのだ。 「ちょっと待て、いくら罪を犯したからって、悪魔のいる場所に落とすか普通!?」 「Answer、落とします」 「なぜなら、神様はとても慈悲深い方なので、ヒトも悪魔も差別したりしないんです」 てな感じなのだろうか? しかし、地獄には地獄の宮廷というものがある。 支配者と被支配者に別れる世界だ。 そのヒエラルヒー(ヒエラルキー)において、ヒトは最下級に位置することだろう。 「ちょっと待て、それは差別的思想じゃないのかっ!?」 「Answer、差別じゃありません」 「なぜなら、神様はとても慈悲深い方なので、自主性を重んじる方なのです」 という風に、地獄に落ちた人間は、間違いなく、更生することはないだろう。 つーか、普通は悪化する。 まあ、それはともかく、地獄とはそんな場所である。 おそらく、これをご覧になっている多くの人は、パンデモニウムという名前を聞いたことぐらいはあるだろう。 ギリシャ語で「悪魔の全て」を意味するパンデモニウムは、地獄の都市であるらしい。 エデンに都市があるという話は聞いたことがないので、地獄は天国よりもいくらか文化的な世界と言えるだろう。 さて、だらだらと地獄について書いてきたわけだが、やはり資料がない。 つーか、キリスト教徒は、地獄の設定をキッチリ作ってるんだろうか? 世界観をキッチリ作ってくれないと、ツッコめないじゃないか。 というのは冗談だが、どうやら過去にもそう思った人間がいるらしい。 それが、ダンテだ。 ダンテ・アリギェーリ、彼はイタリアの詩人で饗宴、新生、神曲という三部作を持っている人物だ。 三部作のうち、神曲は地獄編・煉獄編・天国編からなる長編詩で、要約すると、 「もう中年に達していたダンテはある日散策の途中でいつの間にか変な場所に迷い込んでしまいました。帰る道が分からず困っていると、導く者があいました。ここは生者の国ではない。しかしあなたはまだ死んでいない。帰してやりたいがいったん地獄・煉獄・天国を通過しないと、現世には戻れない」 という、お約束の展開の後、 「ダンテは導く者とともに地獄・煉獄の各階層、そして天国までも見ることになるのです。地獄・煉獄で彼を導いてくれたのはローマの詩人ウェルギリウスでした。そして天国で彼を待っていたのは、ダンテの初恋の人ベアトリーチェでした」 というお約束のエンディングなお話です。 私個人は、学生時代に図書館で神曲を読み始め、10ページも読まないうちに飽きた人間なので、実は詳しい内容を知りません。 ただ、ダンテという人間は、妻を持ちながらも、いつまで経っても初恋の人ベアトリーチェを忘れることのできない、いわゆる粘着気質の人間らしく、彼の詩の多くはベアトリーチェへの気持ちらしい... う〜ん………なんとも言えない人間だなぁ。 まあ、それはともかく。 そのダンテによれば、地獄は漏斗状の多層構造を持つ世界で、地獄の門を過ぎ嘆きの河(アケロン)を渡ってから下方に向かって「無信仰地獄」「邪淫地獄」「美食地獄」「貪婪乱費地獄」「憤怒地獄」「異端地獄」「暴虐地獄」「欺瞞地獄」「反逆地獄」の全九圏から成っているということだ。 第一層・無信仰地獄、おそらく、私のような人間の落ちる場所だろう。辺獄とも言うみたいだけど。 続いて第二層・邪淫地獄。 言葉から察するに、見るだけなら見てみたい世界だが、ハードSMなのだろうか? そして、第三層・美食地獄。 言うまでもなく、海○雄山の落ちる場所だ。でも、美食は悪徳ではないと思うんだが………少なくとも、キリストのようなパンとワインの生活よりも健全な匂いがするし。 んで、第四層・貪婪乱費地獄だが………読めん。なんと呼べばいいんだろうか? 多分、浪費家が落ちるんだろうけどさ、分かりやすい翻訳してくれよ。 第五層・憤怒地獄、怒りっぽいくらいで地獄行きです。 第六層・異端地獄、これは当然、魔女狩りで死んだ人間の行く場所だろう。 第七層・暴虐地獄………ジャイアン? などと思ってしまったが、多分、イスラム過激派とかのテロリストだろうな。 第八層・欺瞞地獄、嘘つきは泥棒の始まりというが、テロよりも重罪だったとは………知らなかった(笑) 最後、第九層・反逆地獄。 おそらく、ここが悪魔の落とされた場所だろう。 別名・絶対地獄「氷地獄(コキュートス)」とも言われ、「カイーナ」「アンティノラ」「トロメア」「ジュデッカ」の四つに分けられるらしい。 特にジュデッカは、最終地獄とも言われ、完全無欠の地獄の底である。 こうやって、書いてみると、一番重い罪は、神様に反逆することらしい。 そういえば、キリスト教には七つの大罪というのがあるが、 1・ルシファーの驕り 2・マモンの強欲 3・サタンの憤怒 4・アスモデウスの好色 5・ベルゼブブの暴食 6・レヴィヤタンの嫉妬 7・ベルフェゴールの怠惰 これが一覧だ。 これを、地獄の階層と紐付けしていくと、 ○驕り=反逆地獄。 多分、この紐付けだろう。ルシフェルだし(理由になってない) ○強欲=暴虐地獄。 貪婪乱費地獄でもいいかも知れないが、基本的に強欲な人間は暴虐だと思ってるんで、この紐付け。 ○憤怒=憤怒地獄。 そのまんまだな。 ○好色=邪淫地獄。 これもそのまんま、「英雄色好む」というから、英雄は地獄行き〜。ついでにセクハラオヤジも地獄行き〜。 ○暴食=美食地獄。 違う………か? しかし、これしかないしなぁ。でも暴食と美食は明らかに違うしなぁ。こんなことじゃ、海原○山に怒られちゃうよ(笑) ○嫉妬=異端地獄。 欺瞞地獄でもいいけど、これは適当。つーか、ジェラシーくらいで罪だと言われたら、人間みんな地獄行きじゃないか? ○怠惰=無信仰地獄。 多分、この紐付け。だって、私って怠惰な人間なんだもん(笑) とまあ、こんな感じである。 結局、ダンテは、1200〜1300年代の人間なので、おそらく異教の考え方が混ざっていると思われる。 有名どころで言うと、仏教は上とほぼ似たような地獄を階層化しているのだ。 そもそも、キリスト教の源流であるユダヤ教は、天国や地獄については言及していなかった気がするし、多くの宗教の源流における教えは、死後の世界よりも今生きてる世界をより過ごしやすくするものであり、道徳的なものだ。 キリスト教・イスラム教のような、異教徒は神罰下りやがれ的なものは、教祖が効率よく信者を扇動するための常套文句で、特にイスラム教のジ・ハード(聖戦)などは、教祖が砂漠で追いはぎする時に使っていた言葉のはずだ。 今、こうして書いているのは、地獄とは完膚なきまでに無関係だが、疲れているせいか、気の聞いたセリフが浮かばない。 てゆーか、大仏さん、ごめんなさい。 なんかもう、私には無理です。 今回に関しては、資料を集め、余裕のある時に、手直しいていこうと思います。 期待してた方、申し訳ありません。 では次回は当然『未定』です。 ………疲れた。 やはり、地獄そのものは規模がでか過ぎたのか………。 暇を作っては書いてたので、繋がりが変だし………。 そんなわけで、リクエストは募集しますが、答えられるかどうか資料と体力次第です。 それでは、4月頃にまた。 |