裏道


 

 

 入り込んだ裏道は日もとうに落ち、誰の姿も見えない。
 街灯も無い細い路地が夜に沈んでゆく。
 ぽつりぽつりと交わす言葉も闇に吸い込まれ
 やがて互いに口を閉じた。

 

 足音すら響かない、膜で覆われたようなこの空間。
 何処にも辿り着く事は出来ないような。

 

 すぐ隣に居る筈の相手の輪郭ももう朧で、繋いだ手の感触だけが
 僅かな温もりを伝えている。
 ふとこみ上げた心許なさに手を握り直すと、相手が歩みを止めた。
「――?」
 怪訝な思いで顔らしいあたりを見上げる。
 繋いだ手が強く引かれ、抱きしめられた。
 伸びてきた手が確かめるように頬に、唇に触れる。
「……ここに、居るよな」
「――闇に呑まれたかも、って?」
 手の後を追う唇の囁きに冗談混じりで返し目を閉じた。
 どちらにせよ、たいして変わりは無いのだけれど。
 接触がふつり途切れ、目を開く。
 朧だった彼の輪郭が目の前にくっきりと浮かび上がった。
「はっとり」
「お前こそ――」
 苦い笑いを含む声。
「――始めて見たように呼ぶなや」
 闇を抜けた、彼の声。

 

 彼の背後の半天には、" "

 

 

 

 

 


end.

home


 

SS「裏道」のラスト"***moon"の***部分を英半角小文字で記入しmoonを押してください。
正しければ裏への道に繋がります。
つまりはどれかの月齢の呼び名を入れればいつかは繋がるという訳で。

 

諸注意(1)裏とはいえ「表に置くには自分的にためらいが」という意味も含みますので期待する程のものではないやもしれません。それどころかダメージを受けてしまうかもしれません。そのあたりご了承頂きつつ、自己責任の上ご観覧下さい。

諸注意(2)JavaScriptを利用しておりますので、お手数ですが裏に辿り着くまでの間ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてください。

 

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