ヤキモチ。



次の日になっても、は苛立っていた。
いつもなら今の時間はヤム・クーに逢いにいってる頃だが、今は酒場でヤケ酒。
カウンターに腰掛けて、グラスを拭いているレオナの動きをなんとなしに見つめる。
「どうした?今日はえらく不機嫌だな」
隣にいたフリックがウィスキーに口をつけながら話し掛けてきた。
はむすっと頬杖して、自分のグラスの中身を一気飲みする。

「なんかわかんないけど腹立つ!」
がんっ!とグラスをカウンターに叩きつけた。
、頼むから割らないでおくれよ」
レオナがため息交じりにそう言ったが、は眉を寄せるだけ。
酒のおかわりを頼んだフリックが、不思議そうに見つめる。
「それに、今日はヤム・クーの所いかなくていいのか?」
その台詞には一瞬動きを止めたが、すぐに隣を睨みつけた。
「あんな奴の名前出さないでくれる?」
不機嫌の頂点を越えたような声。
フリックは意外そうにグラスを持っていた手を止めた。
「なんだ、ケンカでもしたのか?」
「・・別に、あっちが勝手に怒ってただけだよ」
ふんっと鼻息荒いに、笑いそうになったフリックだが、なんとか口元に手を当てて押さえる。
本人には悪いが、表情豊かでとても見ている側はおもしろい。

「それしてもあんた達もケンカするんだねぇ」
酒のお代わりをの前に置きながら、レオナが言う。

そういえば・・・。

「・・・はじめてだよ、ケンカしたの」
息を深く吐いて、は少し落ち着いた様子だ。
フリックがグラスを傾ければ、からん、と氷が音をたてる。
「いつもどれだけが怒っても、ヤム・クーがそれを受け流してたって感じだったしな」
「でも、今日はなんか最初っからヤム怒ってたし」
あの時、ヤム・クーから視線を外したのだ。
それも、とても不機嫌そうに。
「お前がなにかしたんじゃないか?」
「別に何もしてないって。・・・多分」


はその時の様子を簡単に話し始めた。
最初は二人ともまじめな顔で聞いていたが、最後の方になっては、苦笑いで。


「ちょっと、なんで笑うのさ」
むっと気に障ったように唇を尖らせる。
フリックとレオナは向き合って笑った。

「俺がいうのもなんだけどな、
「なによ」
「ヤム・クーと逢った時、お前シーナに抱きつかれてたんだろ?」
「あっちが勝手にね」
「お前がそうでも、あいつにとってはむかついただろ」
「は?なんで」
にぶいに、フリックは一口酒を口に含む。
そのグラスを持ってる手で、指差してきた。
「お前だってアンネリーとヤム・クーが一緒にいて腹たったんじゃないか?」
「・・・というか、なんでアンネリーと一緒にいるかを教えてくんなかったから、腹が立ったんだけど」
「それも一緒のことだって」
口元が笑っているフリックに、の機嫌はまた悪くなってくる。
「だから!それがなんだっつーの!!」
腰を椅子から浮かせて、フリックに詰め寄った。
フリックは両手をあげて、レオナに視線でタッチする。
レオナは苦笑して、拭いていたグラスを棚に置いた。




。そういうのを、ヤキモチっていうんだよ」





・・・・・・・。







「はい?」









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私にとってはこの話って甘いです。
なにより女の子してますがな。
私ってどうして酒場とかをよく書くんだろう。
謎だ・・・。
次はヤム君サイドです。彼も怒ってます(笑)


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