風紋2


僕は呪われた存在だった

自然の理を無視し生まれた、

異形のもの・・・・・

そのせいか僕には、感情というものが欠けていたんだと思う

だって、心はいつも空虚だったから――――

 

そんな僕を変えた出会いはレックナート様に連れられ
仕方なく参加した2回目の戦い・・・


正直うんざりしていた


人は同じことの繰り返しだったから・・・
紋章の運命に翻弄され、大切な者を失う・・・・・


今度の天魅星もそうなるんだろうと、半ば同情的な目で
今回の天魅星を背負う少年を見た。


「ッ―――・・・」


惹かれた・・・・

見た瞬間に・・・

なぜかは分からなかったけど彼から目が離せなくなった。

こんな気持ちになったのは初めてのことだ―――



そして、その想いは一緒に過ごしていく内に更に強いものへとなっていく。
オウリの存在が、僕にとってはかけがえのないものへと変わっていくのと同時に・・・・

「ルックの側って落ち着くよね・・・」

僕の横でポツリと呟くのはオウリだ。
年が近いせいか彼はよく僕の側にいた。

「どこが・・・?」

今まで言われた事のない言葉に、僕は眉をしかめオウリを見る。

「落ち着くよ・・・・。
だってルックは僕を『オウリ』として見てくれる。
リーダーとしては見てないでしょ?」

軽く小首をかしげ僕を見上げるオウリの瞳。
純粋な・・・澄んだ色をした瞳・・・・
あどけない瞳・・・・
そう・・・、彼はまだ子供だ・・・
でも、彼はその身に真の紋章という呪いを受け
同盟軍リーダーとしての肩書きに捕らわれている・・・・


僕が彼をリーダ−として決して見てないわけではない


だが彼がそれを感じていないのは、
きっとそれよりも勝る感情が僕の中に息づいているからだ・・・


体が・・・動いた・・・


僕はそれが自然な行為のようにオウリへと覆い被さる・・・

 

唇が触れ合った―――――。

 

 

 

どれくらい長い間、口づけを交し合ったのか・・・
いや・・、長く感じただけで本当はとても短いものだったのかもしれない。

オウリは抵抗しなかった

それどころか、そのまま僕に身を任す・・・・

「どうして・・・?」

体を離し、僕はオウリに聞く。

「ルックのことが好きだから、いいんだ」

オウリは赤く染まった頬と笑顔で僕を見る。
その笑顔をまぶしいと思うと同時に今までハッキリとは分からなかった
感情の意味が理解できた気がした。

 

「僕も・・・好きだよ・・・・・・」

 

それは、初めて感じることが出来た感情だった

 

 

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