ナナミちゃん奮闘気
私の弟はとにかく、よくモテる。
同盟軍では裏で写真が出回る程に・・・。
まぁ、その写真の発生源は私なんだけど、男女問わず売れるオウリの写真・・・。
予想はしてたけど改めてオウリの人気の高さを知る。
でも、本人は全然気づいてる様子はないのよね・・、
だって、今もほら――・・・
「ねぇ、オウリ。グレッグミスターの僕の家へ泊まりに来ない?
グレミオの特製シチューおいしいよ」
「オウリにそんな暇あるわけないだろう」
前方に見えた光景・・・。先の英雄ティル・マクドールさんと魔法の腕も口の悪さも超一流のルック。
そして、その間にいるのは我が弟のオウリ。
今日もオウリをかけて男の戦いが始まろうとしているのね!
とりあえずカメラを構える。
シャッターチャンスは見逃さないわ☆
「ルック・・・。どうして毎回、僕の邪魔ばかりするんだい?」
あわわ、マクドールさん。笑顔は爽やかですけど後ろのオーラがどす黒いですよ・・・(汗)
「邪魔?それは、こっちのセリフなんだけど?」
ルックも負けじと言い返す。
わァ―・・、周りの人達が何かを感じ取り、どんどん離れて行ってます・・・。
オウリは相変わらず2人の間で、のほほんとしてるけど・・・、この2人の争いの原因が自分に
あるなんて、全然気づいてなさそうだわ・・・。
う〜ん・・・天然もここまで極めりゃ武器になるかもね・・・。
「あ、オウリ発見――vv」
ひときわ騒がしい声
みんな一斉に声の方を見る
そこには、オウリに向かって駆けて来るシーナの姿・・。
でも、オウリの横にはあの2人が―――。
「ルック・・・」
「仕方ないね・・・・」
どこで、そんな連帯感が沸いてくるんだか知らないけど、今までの争いは一時休戦。
2人してシーナに向き直る。
ちなみにマクドールさんの背後からは、さっきの倍のどす黒いオーラ。ルックはすでに魔法がいつでも発動
出来る段階にスタンバッテるし・・・。
あ、シーナもさすがに、その事に気づいて足を止めたわ。
「あ〜、シーナ!」
でも、そう言って駆け出したのはオウリ。
2人のもとを離れシーナの側へ・・・
あとで、恐ろしい事になるとは分かってるんだろうけど、それでもシーナは嬉しいらしい。
これをチャンスとばかりにオウリを抱きしめる。
はい、シャッターチャンス!!
うふふ、いい写真が撮れたわv
シーナには悪いけど、もう少し犠牲になってもらおうかしら・・・。
そう思い私は、更にどす黒いオーラをまとった2人に気づかれないように、シーナとオウリの背後へと周り
そして、シーナの背中を思いっきり・・・・
押す!!!!!!
「わっ・・・と!」
シーナはそのままオウリを組み敷いた形で床へと倒れる。
これをチャンスとばかりに、私は写真をとりまくる。
幸いにも、私の行動は前にいる2人にはバレていないわ
だって・・・・・・
2人の目線はシーナとオウリに注がれているんだもん☆
付け加えると2人共もう、シーナをただでは済まさない!!って感じで睨みつけてるし・・
ご愁傷様!
ちなみに今、私が撮ったよな写真はお姉様たちによく売れるのよね♪
「シーナ・・」
あら、とうとうマクドールさんが我慢できなくなったのか行動を開始しだしました!
って・・・、私に何か合図をおくってるけど・・・
あぁ、なるほど。さっきの私の行動はすっかりバレていたわけね。
今日は大目にみるという意味で、私にシーナからオウリを引き離せと・・・。
しょうがないわね、私まだ命は欲しいし・・・
「オウリ!あっちでね、シュウさん達が呼んでたよ!」
「え!ほんと?!」
そう言って慌ててシーナから離れるオウリ
「早く早く!!」
オウリの先を走りながらチラリと後ろを見る
そこには、がっしりとマクドールさんとルックに捕まったシーナの姿
後日談としては、
シーナが3日間も行方不明になり、ボロボロになり帰って来たんだけど・・・
何があったかは聞かない方が身のためだと思う・・・。
*あとがき*
はい、何でしょうこの話。
出る人出る人黒いですv
ていうか、しつこく続きそうです(爆)
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