うしお
潮の如く 幾度も押し寄せし この思い
繰り返し 繰り返し 幾年重ねしも 変わらぬままに
かわき
我を浸しゆく 濡れた乾
とき
待ち詫びしはあの瞬間 遥か過去の記憶にも
絶えず現れし 粘着の揺藍
我は鮮血の経帷子に包まれゆく
さながら一瞥の如く 我の眼球より
流れ出る 溶解の真珠よ
おまえはいつ知るぞ その勝敗の経緯をば
とき
やがて瞬間は訪れる
幻覚と呼ぶに相応しき白色の霧
しばし前から 世界と化した我の周囲に
とき
瞬間の訪れを告げる無音の鐘
やがて我は招かれゆく
緩やかに 白き霧が我を抱き やがて夢の訪れが
幾筋もの流れよ 我の伴侶よ なを感じながら
我は眠りゆく 永遠の予兆に凝固されながら
静まりかえった空間は 西日の射し込みを赦し
その光を乱反射させる
流れゆく血潮に祝福を捧げる為
その流れをさらに赤く 黄金の輝きと共に彩る為に
やがて羽搏くものがある
双の硝子の眼球に見詰められながら