ここでは私が感銘を受けた本、好きな本をとりあげて紹介したいと思います。
完全に個人の趣味の世界です。完全に独断と偏見の世界です。
それでも、もしも少しでも他の方の読書の世界が広がることに貢献でき、
共感を呼ぶことができたら幸いです。


朝練 管楽器の呼吸法  呼吸法・喉とアンブシュアの関連性
藤井 完 氏著   全音楽譜出版社刊   定価:1000円

管楽器を演奏する上で、呼吸法や発声という視点から吹奏方法を考察した本。
私にとっては(自らの演奏技術はさておき)非常に革命的な内容でした。
今の自分の実力が大した物では無いことは承知の上ですが、
この本に会わなければここまでくることすら出来なかったでしょう。
というか絶対できなかった。

一般に言われる呼吸法とは一体何なのか?  身体に何が起きているのか。
その定義や結果として身体に現れる現象の明確化がされています。
言葉の一人歩き、感覚を表現した用語の一人歩きが多い(と私は感じる)中で、
はっきりと身体の仕組みや現れる現象について記されたこの本は、
本当に素晴らしいと思います。
「地声モードとベル・カントモード」
「母音の位置」や「息を回す」、「ヴォイジング」、「呼吸筋の交差点」と言った考え方
は、
それを知らない私には本当に革新的でした。

そもそも楽器が上手くなることとは身体が開拓されることですが、
「どうすれば身体が開拓される吹き方、成長する吹奏ができるのか」ということが
理屈の面から記されていて凄いです。
(例えば感覚に訴える物としては「良い音をイメージして吹く」というのがありますね。)

ただし、この本の内容が正しいとは限らないので、信じるも信じないも人それぞれ。
しかし、私は信じて今の自分があると思っているのでこの本の信者です。

最後に、もちろんこの本だけが私を育ててくれたわけではありません。
沢山の方のお世話になっています。


東野圭吾氏の作品全般
東野 圭吾 氏作  出版社色々

別に紹介したい書籍のタイトルが「東野圭吾氏の作品全般」という訳ではないです。
私がこの人の作品全般が好きですよ〜って言いたいだけのことです。
初めて読んだのは何時だったかな〜、高校生の頃かな?? あの頃は若かった・・・(遠い目)
は、さておき、面白いです。この人の本。俺は。

結構作品数が多いので辺りはずれが無いことは無いのですが、全作を通じて「意外性」を
追求していることと、全作品に一貫して通ずる作者の作風、信念みたいなものが好感触です。
文章も読みやすくわかりやすいです。
是非一度読んで見てください。


海上護衛戦
大井 篤 氏著  学研M文庫   定価:本体780円(税別)

 日本が敗北した太平洋戦争を海上護衛の視点から見た書籍。
著者も文頭で述べているが、素人にもわかるよう優しく噛み砕いて説明してあるので読みやすい。
自分の無知をさらすようだが、私はこの本を読むまで海上護衛総司令部という存在すら知らなかった。

 果たして太平洋戦争は国家による総力戦であったにも関らず、
戦争の長期化を予期しなかった人は殆ど居なかったにも関らず、
目前の「戦果」だけを求め、シーレーン(海上交通線)の確保に
あまりにも無頓着であった当時の軍事指導部とそれを許した国家体制に
読んでいるだけでイライラし、悲しくなってくる素晴らしい名著。
 内容は初版から半世紀を経ても全く色あせない。
寧ろ随所に散りばめられた組織や日本国というものへの観点は、
今尚最先端を行っていると言っても過言ではないと私は感じた。

 軍事面に関して、日本軍が兵站(軍隊を維持する一切の機能の総称)を軽視したということは
こういうことなんだなあ、と思わせる。
っていうか日本の船、輸送中に沈み過ぎだよ。
日本軍が仮に局地的に作戦的に勝ったとしても、最終的に
「絶対に勝てなかった」ということを実感として感じさせる。
物的人的両資源に乏しい日本が、それを大切にできないでどうするんだ・・・
(どうするもこうするも無く、結局負けるわけですが。)

 理不尽な組織、無理が通って道理が引っ込む組織、
大東亜共栄の思想どころか、民族存続繁栄という国家的民族的エゴすら無視した
どうしようもない当時の日本の戦争指導部。
この本を読むと、もはや何の為に戦争したのかすらわからなくなる。
軍隊のプライド為だろうか? 指導者自らの保身の為だろうか?

 「国をあげての戦争に、水上部隊の伝統が何だ、水上部隊の栄光が何だ、馬鹿野郎。」
海上特攻への訓示に対する著者の言葉。
名言であり、余りにも重い。



日本兵捕虜は何をしゃべったか
山本 武利 著  文春新書  定価:680円

「捕虜になるくらいなら死ね。」とは教えられたものの、
捕虜になった場合どうすれば良いのか全く教えられていなかった日本軍兵士。
尋問に対し機密をあっさり話してしまう兵士達、戦死後戦地に残された戦死者の作戦書や日記。
この本を読むとこれらがアメリカをどれだけ優位にし、日本を窮地に追い込んだかが良くわかる。

カバーに「情報戦争ですでに日本は負けていたのだ」と書かれている。
私は今まで戦地で得られる情報とは、部分的戦闘における有利不利を左右する条件と考えていた。
[捕虜」という視点で情報戦を考えた時でさえ、捕虜を尋問し情報を得ることや、
死体から情報を得るなどと言うことは、現場の裁量任せであろうと考えた。
しかしアメリカという国は、それを完全な「システム」にしてしまい、
戦略レベルで効果的かつ効率的な情報収集法、利用法を体系づけていたのである。半世紀以上前に。

日本軍の暗号がアメリカ軍に解読されていたことは有名である。
その時点で既に情報戦はどうしようもなく完敗なのに、それに飽き足らずまだまだ負けていたと言うことが良くわかる。
これが「合理化」であり、「敵を知り、己を知る」ということなのだと思わされる。

現在のアメリカによる対日政策を考える上でも、非常に勉強になる一冊。
アメリカと言う国の凄さをまざまざと感じることが出来る。
情報に対しても無頓着であった、日本軍と言う組織のあり方を見ることができる。




名将 宮崎繁三郎
豊田 穣 著  光人社NF文庫  定価:750円

日本陸軍きっての名将、宮崎繁三郎氏の生涯を描いた著作。
宮崎将軍は、ノモンハンやインパールと言った日本史上に残る負け戦、
陸軍上層部の無能の極みの表れであるこれらの作戦に参加し、局地ながら勝利を収め、
結局一度も負けることなく終戦を迎えた。

一体どうやって圧倒的火力の前に「負けない戦」を遂行できたのか。
戦闘での采配はもちろん、「ノモンハンの石」のような天才としか言いようの無いエピソードから、
負傷兵を見捨てることが無かった等、日常の思想や人間論など学ぶことの多い名著。


伝記本ながら、著者が将軍への批判的な意見も感じるままに書いている。
一方的に褒めちぎってはおらず、そういう面でも私は読みやすかった。

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