最近,ボーナスゲームの当選パターンや当選成立確率にヴァリエーションが出てきている。そこで,それぞれのパターンにおいて平均獲得枚数にどの程度の差が現れるか求めてみよう。
cをJACに当選したときの純増枚数とし(たいていの機種は払い出し枚数-1となる),fを最高当選回数,mを終了ゲーム数とする。
ボーナス(JAC)ゲーム1セット当たりの平均獲得枚数 g(c) |
---|
g(c) = Σskuk(c) (ΣのパラメータkはJACの外れの回数で0からmまで) |
ここで,skは発生確率を表し,pjcをJACの成立確率とし sk = (f/(f+k)) f+kCk pjcf (1 - pjc)k ( 0 ≦ k ≦ m-f ) sk = mCk pjcm-k (1 - pjc)k ( m-f+1 ≦ k ≦ m ) とする。uk(c)は純増枚数を表し, uk(c) = fc - k ( 0 ≦ k ≦ m-f ) uk(c) = (m - k)c - k ( m-f+1 ≦ k ≦ m ) とする。 |
*参考 nCr - n-1Cr-1 = ((n-r)/n) nCr |
さて,実際に計算して求めてみよう。
JACの成立確率は雑誌にもほとんど出てないのでよく分からないが,ニューパルサー(山佐)を例にしてpjc=1/1.1111 = 14746/16384で計算する。多少違っても獲得枚数に影響は出にくいと思う。
ニューパルサーは1セット12回中最高8回当選して終了なので,m=12,f=8となる。JAC1回の払い出しは15枚なのでc=14。
k | sk | uk(14) | skuk(14) |
---|---|---|---|
0 | 0.4305606 | 112 | 48.22279 |
1 | 0.3443644 | 111 | 38.22445 |
2 | 0.1549262 | 110 | 17.04188 |
3 | 0.0516294 | 109 | 5.627609 |
4 | 0.0141946 | 108 | 1.533020 |
5 | 3.78421×10-3 | 93 | 0.351931 |
6 | 4.90412×10-4 | 78 | 0.038252 |
7 | 4.66933×10-5 | 63 | 2.94168×10-3 |
8 | 3.24171×10-6 | 48 | 1.55602×10-4 |
9 | 1.60041×10-7 | 33 | 5.28135×10-6 |
10 | 5.33325×10-9 | 18 | 9.59985×10-8 |
11 | 1.07713×10-10 | 3 | 3.23140×10-10 |
12 | 9.97074×10-13 | -12 | -1.19649×10-11 |
Σskuk(14) = 111.0430339となり,ニューパルサーのボーナス(JAC)ゲーム1セット当たりの平均獲得枚数は111.043枚となる。12回中最高8回当選して終了するパターンのほとんどがこの獲得枚数になるだろう。また,同じJACの成立確率で払い出しが14枚(c=13)だった場合には,平均獲得枚数は103.048枚となる。
次に,アレックス(アルゼ)を計算してみよう。pjc=1/1.101005 = 16221/16384で計算する。m=8,f=8。
k | sk | uk(14) | skuk(14) |
---|---|---|---|
0 | 0.9231270 | 112 | 103.39023 |
1 | 0.0742098 | 97 | 7.1983537 |
2 | 2.60999×10-3 | 82 | 0.2140195 |
3 | 5.24541×10-5 | 67 | 3.51443×10-3 |
4 | 6.58870×10-7 | 52 | 3.42612×10-5 |
5 | 5.29663×10-9 | 37 | 1.95975×10-7 |
6 | 2.66121×10-11 | 22 | 5.85467×10-10 |
7 | 7.64049×10-14 | 7 | 5.34834×10-13 |
8 | 9.59713×10-17 | -8 | -7.67770×10-17 |
Σskuk(14) = 110.8061523となり,ニューパルサーの平均獲得枚数よりも0.237枚少ない結果となった。アレックスは,8回中最高8回当選して終了するので1回でも外れると大きく獲得枚数が減るので第一感,従来の12回中8回のほうが良かった感じがする。しかし,その分JAC成立確率が高いので感触での比較は難しかったが,やっぱり損みたいだ。
同じ8回中最高8回当選して終了するタイプでも「ツインクルステージ」ではpjc=1/1.1000061 = 16383/16384なので,平均獲得枚数は111.993枚となる。
マックスボンバーやボーナスラッシュ(ともにサミー)のように異なるJACフラグを持つ機種はどうすればよいか。それは,また今度ということで・・・って,今度はありません。
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