2主人公総攻 著者:6_30様

広大な敷地。荘厳な造り。
同盟軍と王国軍の最後の戦いの舞台になったこのルルノイエも、今は静かなものだ。
あの後同盟軍による修復がなされ、管理も行き届いた。
沢山の兵士が詰めているはずだが、今は俺と、隣を歩く国王となった少年の足跡しか響いていない。
俺たちの本拠地とはまったく違う雰囲気。主が代わろうと、「皇都」は変わらないということか。

「リオウ殿、これで大体ルルノイエの機能については説明を終えました。」
俺が告げると、隣を歩く主は立ち止まる。
「うん。それで、これからこの城をどう使うかについても説明して欲しいんだけど。」
これから説明しようとしていたことではあったが、リオウが先にそれを聞いてきたのはうれしいことだ。
もうすでに国王であるということを意識している。
「はい。この城はハイランドの直接統治をするために利用することになります。
同盟であった各市は一国として統一されることに対して反感は少ないでしょう。
しかし、ハイランドにはまだ支配に納得していない分子がいるはず。
そこでしばらくはハイランドは「県」とし、この場所から目を配っていかなければなりません。」
「なるほど。僕はここに留まって、直接命令を出すってことだよね?」
飲み込みも早くなった。
「はい。あなたにはジョウストンとルルノイエを行き来してもらうことになりますね。」

「うん。よくわかった。それでね、シュウ。この城に関して、もう一つ聞きたいことがあるんだ…。」
「は…」
リオウがこれまでよりも真剣な顔になって話しかけてきた。
聞きたいこと。これはやはりリオウのかつての親友、ジョウイのことか。
親友の命を奪ったことをもう受け止めているとは思うが、なるべく話題に出さないようにしてきた。
この城にはジョウイの痕跡も残っているだろう。それも説明せねばなるまい。

俺は頭の中でリオウがしてくるだろう質問の内容と、それに対する答えを組み立てた。
しかし、リオウの次の言葉は俺が組み立てた内容とまったく異なるものだった。

「この城ってさ、後宮ってあるよね?」
「…は?」

「やだなー、シュウ。とぼけないでよー。
後宮だよ、こうきゅう。王様の奥さんがいっぱい住んでるってところだよ。」
「ああ、言葉の意味は分かるが。」
突然予想外のことを言い出され、流石の俺も当たり前の答えしか返せない。
「僕が城の主になるってことはさ。その女の人たちも僕のものってことだよね?
ああ、楽しみだなー。静かな城の中で清楚な暮らしをしてて、
毎晩王様のお誘いが来るのを楽しみにしてる女の人たち。そそるよね!?」
王様。確かに今のこいつは王だ。さっき俺もそれを心の中で認めた。
しかし俺が言っていたのはそういう意味ではなく。
「おい、リオウ」

「あ、同盟の女の子たちももちろんよかったんだよ?
開放的な雰囲気の中でいろんなタイプの女の子がよりどりみどり!
僕への恋心を隠してるアイリをどうやって誘い受けさせるか工夫してみたり、
アンネリーに歌を歌うときとは違う夜の声を聞かせてももらったり、
アニタにおねいさんとしてやりながら色々教えてもらったり、
ああ、カレンの通常時と踊り子時の2タイプ交互に楽しませてもらったし。
ミリーとボナパルトを探しにいくっていう目的でそのまま森に連れ込んじゃったり、
シーナがアップルさんを堕とすのに協力するついでに楽しませてもらったりね。
クモ切りをかいくぐってテレーズさんの下の金髪に到達したのは最高だったな!」
「お前そんなことを…。」
「で、今度はこの城で国王プレイを楽しめるわけですよ。
毎晩毎晩違う子を苦労なしにこっちが呼べちゃうってすごいよね!
いつ僕が呼んでくれるのかを心待ちにしている貴族出身の女の子たち。
中にはジョウイのことを忘れられない女の子もいちゃったりして、
僕がそれをジョウイ以上のテクニックで忘れさせてあげたりね。
で、本拠地に帰ればまた開放的な女の子たちが待っている!
ああ、楽しみー!早く案内してねー。」

そう言うと、リオウは廊下の先にスタスタと歩いていった。
俺は、痛む頭の中でこれから先のことを考えていた。
この国は大統領制にすべきだな。その後俺は引退しよう…。うん。

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