???×サイアリーズ・ラン・リオン・ルクレティア・ルセリナ 著者:10_304様

何がいけなかったのか。
ファルーシュはそれを思い続けていた。
何が。
ナニガ…ナニガ…
しかし、一つだけ確かなこと。
自分が何かをしくじり、信じてくれた人たちを、どん底に叩き落したと言うだけだ。
レインウォール、バロウズの屋敷。
最近まで、対ゴドウィンに対して抵抗を続けたバロウズの本拠。
そこは、最早本拠としての役目を果たしていなかった。
ファルーシュの部屋。
つかっていたイス。そこに、ファルーシュは座っていた。
後ろ手に拘束され、イスの足と、己の足をつながれて。
ファルーシュの視界には。三つの色がある。
金。黒。そして茶色。
そして周囲には、男、が複数存在していた。
ファルーシュに聞こえるのは、女たちの声だ。
まず、リオン。
本来手だれであるリオンがつかまった理由。それは…ファルーシュが先につかまったゆえ。と言うのがある。
そして、戦争で敗北した女の末路に準じて、その体を捧げることを受け入れた。
ファルーシュの、無事と引きかえに。
「王子、王子、ごめんなさい…ごめんなさい…んんぁあっ!!!」
ずっと、ずっと。
リオンは謝り続けていた。守れなかったことを。
しかしその謝罪の言葉は、ファルーシュの思考を犯していく。
右腕側。肩にすがるかのようにリオンの感触がファルーシュに残っているからだ。
そして感触は。右だけではない。
左側。其方には茶色
ラフトフリートの女がかぶる帽子。それを脱ぎ捨てられ、ずたずたに衣服を切り裂かれたランだ。
帽子の中ではそれなりに長さがあったらしい髪の毛。それを振り乱すかのようにしながら。
ランは左腕の側から、首の向こう側、右側の首筋に掌をあて、ファルーシュの左腕に、胸を押し付けるようにしていた。
「王子様あっ!あたし…あたしいぃ…」
背を綺麗にしならせ、尻を後ろの男に向けているのは同じ。足の間からは、確かに純潔の証であったと思われる後がある。
しかし、それは半ば薄れて。
男の液によって。ぬぐわれていっているのだ。
ファルーシュの左からは、ランによって。
そして正面には…ルセリナがいた。
ドレス。そうであったはずのものは、部屋の隅に投げ捨てられている。
ルセリナが身につけているのは、ガーターベルト。正面からファルーシュの首筋に。腕を回してすがりつくようにしながら
そして、ファルーシュの視界を、己の髪で埋めるかのようにしながら。
「ン…殿下…でんか…ふぁるーしゅ…さま…んンう…」
緩やかに、ルセリナは後ろから犯されていく。足をひらいているのも、足の間に赤い跡があるのも、ランと同じ。
ルセリナがいる理由は、ある意味ではわかりやすい。
責任を取ったのだ。バロウズ。そして。今はもういない、サルムの。
敗戦の報が入ったとき、まだ逃げられたのだから。
やがて…変わっていく。
「王子様…謝らせて…あやま…ンアッ…謝らせてくれ…はぁあ…王子様に、恩返せない…それより先に…こいつらに…返さなきゃ…
 私を…女にしてくれた恩を…こんなに…っはっ!…こんなに…気持ちよくしてくれた恩を…」
「王子…リムスレーア様に…皆様に、謝罪を…御願いします…リオンは…リオンは…皆様に会えなくなったことより…
 この人たちに、犯されなくなるほうが…いやになってしまったと…」
「殿下…私は…私は…あなたに好意を抱いていたんだと思います…しかし…こんなに汚されてしまった今…
 いえ…こんなに、清めてくださった今…殿下の下に…身をおくことはできません…ンッ!!…」
『だから。さよならです。ファルーシュ』
そこまでを、ドアの外で聞いていた男は扉を閉めた。
三人同時の甲高い声を聞いたような気がする。どうでもいい。
「ユーラム・バロウズ。」
名を呼ばれ、男、ユーラムは振り返る、そこには…ジダンがいた。
アーメスの隊長。父が、招きいれた男。
「褒美だ。」
そういって、ルクレティアの腰を抱いた男が引き出すのは…猿轡に首輪。そして、目を蕩けさせた…サイアリーズの姿だった。

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