フランツ×イク 著者:4_39様

「じゃあ、イク、行ってくるからな。」
「行ってらっしゃい。」

ビュッデヒュッケ城を離れていくフランツを見送る。
今日も彼はヒューゴさんたちに連れられて、戦いに赴く。
私は、この城で彼の帰りを待つことしか出来ない…。

料理はメイミさんがしてくれている。
掃除はアヒルさんたちがしてくれている…。

何もできない自分が何だか嫌だ。
噴水の前で腰掛けてそんなことを考えていた。
そのとき。

「何ため息ついてんのさ、イク。」
横からクイーンさんが声をかけてきた。
端正な顔立ちで、スタイルも良くてサバサバしててカッコよくて…。
「どうした?私の顔に何かついてるかい?」
「い、いえ…。」
同じ女性なのに、どうしてこうまで違うんだろう…。
比較しているうちに、自分が物凄くみすぼらしく思えてしまって、
涙があふれてきてしまった。
「え、あ、イク?あたし何かマズいこと言った?」
「いえ、あの、その…ひっく。」
何も答えることの出来ない私を彼女は困った顔をして見つめている。
「…まいったな。あ、あたしの部屋来なよ。ここじゃみんなに見られて困るだろ。」

「ほら、ここ座って。」
椅子に座らされ、頭をくしゃくしゃに撫でられた。
「どうして泣いてるのさ。話してごらんよ。」
「クイーンさん…。」

私は、クイーンさんに不安なことをすべて話した。
どうしてかはわからない。
ただ、クイーンさんなら…話してもいいと思った。
頼れるお姉さんといった感じなんだろうか。

「そうか、フランツの役に立てないってのが嫌なんだね?」
「はい…。」
私はうなずくことしか出来なかった。
「フランツはあんたが居ることで随分救われてるとも思うけどね…
でも、あんたは役に立ちたい、と。」
「はい。」

クイーンさんはそうか、とため息をつくと、戸棚の上にあった
瓶を私に手渡してきた。
小さな白い瓶。
中には水か何かが入っているようだ。
「あんたたち、セックスはしてる?」

――――――――――――――――!!!

その質問を聞いたとたんに、私の顔が熱くなる。
したことは…一度だけあるけれど。
何故そんなことを急に聞くのか。

「まぁ、したかしてないはプライバシーだ。聞かないでおくよ。
それより、男には精気を抜いてやるのも大事なのさ。」
「ぬ、抜いてやる、って…する、ってことですか……?」
真っ赤になりながらも、私は必死で聞き返した。

「そうだよ。これも大事な仕事。あんたはフランツの役に立つんだよ。」

…そのあと、クイーンさんに色々なものを手渡された。
そして、今日の夜使うんだよ、と約束までさせられたのだ…。

でも、フランツの役に立つというのなら。

月の明かりが窓から差し込む頃。
そっとドアを開け、部屋に忍び込む。
フランツは戦いの疲労からか、ぐっすりと眠っていた。

ブランケットに潜り込み、ズボンの上をゆっくりと撫でる。
それに反応してフランツのモノは大きくなってゆく。

(精気を抜くことで、無茶はしなくなる…ってクイーンさんが言ってたけど…)

フランツは無茶ばかりする。
そして怪我をして帰ってくることが多い…。
それが無くなるのならば。

気づかれないようにズボンを下ろし、モノを探り出す。
いつのまにかモノは膨張して、勃起するようになっていた。
(クイーンさんに言われたとおり…やってみるしかない…)

ちゅるっ。

フランツのものを口に含み、舌で丹念に愛撫する。
「う……。」
反応しているのか、フランツの息も段々と荒くなってきた。
卑猥な音が部屋に鳴り響いている。
「っく……ん?」
急にフランツが起き上がってきた。
「んー――――――――――――――!!!!」
そのせいで口に含んでいたものが喉の奥まで突き刺さってきたのだ。

けほっ。
思い切りむせこんでしまった私はベッドから降りて床に座り込んだ。
「わ、悪い!イク!じゃない、何してるんだよ!」
「フランツ…。」
「どうしたんだよ、本当に…。」

涙目になりながら、私は彼にすべてを話した。

「ごめんなさい…でも、少しでもあなたの力になりたかったんです…。」
「それで、俺のところに夜這いに来たのか…クイーンさんめ…。」
呆れながらも、フランツは私を力強く抱きしめてきた。
「俺は、別に性欲の捌け口なんて望んでないぞ。俺は…い、イクだから……」

そう言うと、彼は真っ赤になって俯いてしまった。

「だ、だからこんなことしなくていいんだ、イク。」

フランツの言葉に、心が温かくなった。
「私は、あなたの支えになってる…?」
「当たり前だろ!?」
真っ赤な顔をして、私のほうをじっと見つめる。
「…イクが俺の支えなんだよ。お前が居るから頑張れるんだ。」

ぎゅっ。

フランツの腕が私の身体を強く抱きしめる。
私の中は、幸せでいっぱいだった。
けれど。
「ねぇ、フランツ…。」
「ん?」
「……それ、あたって気になるの…。」

「!!!!!!!!!!!!!!!」

そう。
フランツのモノは膨張したままだったのだ。(寧ろ大きくなっているのでは?)
慌てて私から離れてそこを抑える。
その仕草が可愛くて、いとおしく思えた。
「イクがそんなことするからだろう!!!!!」
「ごっ、ごめんなさい…。」
「責任…取れよ。」
「…はい。」

ベッドで二人、向かい合って座り込む。
お互いの唇を甘噛みしながら、身体を弄る。
フランツの手が、私の胸を揉みしだく。
「んっ…フランツ、や…。」
やめて、と言おうとするがフランツにキスで口を塞がれてしまった。
服の上から丹念に乳首を愛撫され、頭がおかしくなりそうになる。
やっと口を離してくれたと思えば、今度は耳朶を優しく舐め上げてきた。
「フランツッ…!!」
「イク…前のときより感じやすいみたいだな。」
耳朶から首筋、そして鎖骨と段々フランツの舌が降りてくる。
ざらざらした感触に何故か感じてしまう。
「前は痛がってたからな…今度は、痛くないようにするからな…?」
優しい言葉。けれど、既に私の耳には届いていない。
ただ目の前の快楽に翻弄されるだけだった。
「イクの胸は柔らかいな…。」
手と唇で、私の胸をもてあそぶ。
「だめ、フランツ…そんなにしたら…。」
「そんなにしたら?」
意地悪な笑みを浮かべて、私に聞き返してくる。
「…変になっちゃう…。」
もう、それしか言い返しようが無かった。
フランツがこういう意地悪な笑みを浮かべるときが一番怖い。
昔からそうだった。
何か企んでいる顔。
「変になっても構わない。俺しか見てないからな。」
どさっ。
押し倒され、急に足を開かされた。
「きゃあっ!」
ズボンを脱がされ、下着だけにされてしまった。

「……………………………。」

フランツが声を失った。
月明かりとはいえ、結構明るいのでわかってしまったのだろう。
クイーンさんが貸してくれた、ちょっとエッチな下着。
白の総レースのTバック。しかも、横は紐になっている。
ちょっと前も後ろも透けてしまのが難点だけど…。
「ふ、フランツ…。」
「……………いい……。」
フランツが呆然としながらも呟く。
「もう我慢出来んっ!イクっ!!!!」
がばっ。
上着も脱がされ、私はあっという間に下着だけにされてしまった。
「もう濡れてる。イクはいやらしいな。」
下着越しに唇を近づけてくる。
「んっ……あ……。」
何度も吸われたり、舌で転がされているうちに染みができてしまうほどになってしまった。
「ビショビショだ。可愛い、イク…。」
ショーツの横から指を入れられ、中を弄られる。
秘部にそってなぞられるだけでイッてしまいそうだ。
だが。
ぐるん、と急に身体を持ち上げられた。
「フランツ?」
私はフランツに馬乗りしているような状態だ。
「イク…このまま逆向いて、俺のを舐めてくれないか…?」
もう、太ももに当たる彼のモノからは蜜が溢れ出している。
「ん…。」
逆を向いて、というのがよくわからなかったが、私はとにかくフランツのを
口に含むことにした。

そっと口にした瞬間。
しゅる、っと下着を解かれてしまった。
「ちょっ…!!!」
「こうしたほうがいい眺めだな。」
そう言いながらも、フランツは私の秘部に指を入れてくる。
「前は緊張してて、よく見てなかったからな。」
「見なくていいのっ!!!」
「ほら、こんなに濡れてる。手の甲まで流れてきた。」
「フランツ…やめてよぉ…。」
泣きそうになった私の声に気づいて、フランツは指を出してくれた。
解放された私は、力尽きてベッドに倒れてしまった。
「嫌だったか…?」
優しく上からかぶさってくる。
私は、横に首を振った。
「嫌なんじゃなくて…恥ずかしかったの。」
そう言うと、フランツは私に思い切り抱きついてきた。

「入れるぞ…?」
足を開かれて、その中にフランツが入ってきた。
抱え込まれて秘部にモノを近づけられる。
「痛かったら、言っていいんだからな。」
「はい…。」
ゆっくりと、フランツが入ってくるのがわかった。
熱く、逞しい。
「んっ…。」
背中を抱えこまれて、奥まで貫かれる。

「痛くないか?」
「大丈夫…。」
痛みも少々あるが、それより繋がった幸せで掻き消されてしまう。
「フランツ、動いて。」
「ああ。」
ずん、と身体の中に響いてくる。
フランツとひとつになっているという快楽。
そして、快感。
内壁を擦りあげるかのように動かされるたび、波が来る。
甘い痛み。
幸せな痛み。
「イク…気持ちいいか…?」
「んっ、フランツ…もう、イッちゃいそう…。」
ガクガクと足が悲鳴をあげている。
「そうか…じゃあ、一緒にイこう、な。」
次の瞬間、彼は思い切り身体を打ちつけてきた。
「い、イク…そんなに締めたら…あぁぁっ!」
「フランツ、も、もう駄目っ!」
大きな波が私を襲ってきた。
そして、身体の中に熱い飛沫が飛び散るのも解った…。

翌日。
「じゃあ…行ってくる…。」
「行ってらっしゃい♪」

今日もフランツはビュッデヒュッケ城を出発していった。
だけど、いつものような血の気の多さは無い。
寧ろ血の気が無いように見える。
見送り終わって部屋に帰ろうとした時、噴水の前で、クイーンさんが待っていた。

「どうやらうまく行ったみたいだね。」
「はい。あれから小瓶も使わせてもらったんです。」
「そうかい。あれ塗ると何回でも出来るからねぇ。また血の気多くなってるようなら使いなよ。」

…つまりは。
限界まで抜かれて血の気を引かせたという話。
でも愛だから良いよね?

ルビ「ブィ〜〜〜〜〜〜〜〜ン(良くないよ)」

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