フレッド×リコ 著者:3_375様

そこは、イクセの村の入り口だった。
農家が軒を連ねるこの村の、柵に寄りかかり息をはずませる少女と、その前で立ち止まる青年。
一見すると兄妹かなにかに見えるが、少女の背負う荷物から、主従の関係を想像させる。

「はあ、はあ。フレッドさまあ〜、き、今日は、この辺で休みましょうよ〜」
「そうか!では、今日はこの街で宿をとることにするぞ!」
フレッドと呼ばれた青年は振り向くと正面に見える街を指差した。辺りはすでに薄暗く、明かりの
漏れるうちがぽつぽつと出始めたところだ。
「そうと決まれば早速宿の調達だ!リコ、頼んだぞ!」
「は、はああいっ!」息切れと重い荷物をものともせずダッシュで消える少女。走りゆく背に目を
向け、一瞬フレッドは思案顔になったが、またもとの表情に戻り村へと入っていった。

疲労と空腹が顕著になった体に、美味な食べ物や飲み物は文字通りしみわたった。
「はあ、もうおなかいっぱいです〜」リコと呼ばれるその少女は、自分が作った夕飯でいっぱいに
なったお腹をさすった。しばらくの間人里離れた辺境で旅を続けていたせいで、美味な食材で夕飯
のメニューが満たさせることは稀だった。
「リコ!食事が終わって少ししたら、風呂に入るぞ!」
「は、はい!お風呂の支度ですね〜」すこし胃が落ち着いたリコが、風呂の支度をしようとするの
を、フレッドが制した。
「ああ、支度を頼む。…が、今日はおまえと一緒に風呂に入ろうと思う!教えたいこともあるからな」
「はい!…って…はいぃ!?一緒に…」あたりまえのようにフレッドの口からでた、まったく予想
していなかった言葉に、リコは思わず頓狂な声をあげたが、その声も彼に一喝され途切れた。
「二度とは言わないぞ!さっさと支度をしろ!!」
「はっ、はいっ!!」すっとんで風呂に向かうリコ。

だが、なんのことはない。
「ん〜、湯を浴びるのも数日ぶりだな!体がすっきりするぞ!」
「フレッドさま、お湯加減はどうですか?力加減は大丈夫ですか〜?」
「うん、いいぞ!丁度いいな」フレッドはリコに背中を洗わせて言った。農村の宿にはおよそ似つか
わしくない、平らな石を敷きつめてあるかなり豪奢な大浴場は、今日は宿泊客が誰もいないのか貸切
状態となっている。
胴にタオルを巻いたリコは、フレッドの背中の泡を手桶の湯でながした。そこに彼女が狼狽したよう
な妖しい雰囲気はなく、ただの湯浴みであった。…フレッドのその一言が出るまでは。

「リコ!我らマクシミリアン騎士団は、どんな目的で諸国を旅しているのだ?」
「はい!世界の悪の芽をつむためです!」リコは、威勢良く答えた。
「その通りだ。…だが、これまでリコは悪の芽をつんだ、という実感の元に行動をしたことがあるか?」
「え…」質問されてみると、リコは返答に窮した。考えてみれば、これまで結果が目に見える行動ば
かりを実行してきたわけではない。
「そ、それはですね…」
「回答に詰まるということは、まだそれまでのことをしていないと言う事だ!まだまだ、騎士団員と
しては半人前だな!」半人前といわれ、リコはしょぼんとした。これまでだって、一所懸命がんばっ
てきたのだから、それを無にすることを言われるのは切ない。
「……」
「そこで、今日は悪の芽のつみ方を、おまえに伝授したいと思う!リコ、心して聞くんだぞ」
「は、はい」悪の芽のつみ方など、こんにちまで教わったことがない。心せよと言われずとも、リコ
の興味はすでにそこにしかなかった。

「リコ、悪の芽を見たことはあるか?」フレッドは、話している間も彼の背中を洗うリコの手を止め
て、問い掛けた。そしてリコには、悪の芽が目に見えるものとは想像もついていなかった。
「あ…悪の芽って、見えるものなんですか?」
「ああ、いま、その一つを見せてやる。…見ろ、リコ。これが「悪の芽」だ」体をひねって、振り向
いたフレッドは、背中にはりついているリコに自分の股間にあるものを指し示した。なるほど、そこ
は黒く毛で覆われており、そそり立つその形状は、悪の芽と呼ぶに相応しい。
「フ…フレッドさま、これが悪の芽ですか?…でもなぜ世界の悪を根絶すべく戦うフレッドさまにも
悪の芽が…?」
「それは愚問だな。人にはすべからく善なる面と悪なる面が備わっている。この俺にも悪の面は当然
あるわけだ。…少し前に共に戦った108の星の仲間の中にも、たいそうな悪の芽をもっていたものが
いたな。ナッシュ殿やらパーシヴァル殿やら、エース殿…」
「フ、フレッドさま…?」こんなところに悪の芽がひそんでいようとは、リコにも想像がつかなか
った。ただただ呆然として、その芽とやらを見つめる。

「こら、リコ!我らマクシミリアン騎士団の存在意義は!?」
「は、はい!ですから、悪の芽をつむことです!」
「ならば早いところ、ここにある悪の芽もしずめなければなるまいな?今日は初めてだろうから、
俺が一通り説明してやる。まず、それを握ってみるんだ」言われるまま、おそるおそるリコはその
ものを手にした。紅潮し、脈打つ様は悪そのものに見える。
「いいか、俺たち男にはこんな「悪の芽」がある!おまえたち女にはこれはあるか?」それを触ら
れることで刺激させるのか、フレッドはその端正な顔をわずかに歪めつつ、リコに訊いた。
彼女はかぶりを振った。

「いえ…?ないです。では、フレッドさま、女の人には悪は芽生えないわけですか?」
「いや、それは違う!リコ、ためしに自分の脚の間を触ってみろ。何がある?」
「…あ…フレッドさま、なにか、よくわからないですが、裂け目…みたいなところがあります…」
リコは自分の脚の間を指で探ってみた。触ったこともないそこは、彼女にとって自分の身体の中でも
未知の領域だった。
「いいか、黒く茂っていて鬼の口のように湿っているだろう、女はそこに「地獄」をもっているんだ!」
「え…地獄があるんですか!?私だけじゃなくて、女の人はみんなに…?」うっすらと茂っている
自分の地獄と呼ばれたその部分をおずおずと触れるリコ。
「無論だ!おまえが美人と言うクリス殿も、アルマ・キナンの女達も、皆同じだ!」フレッドは胸を
張って言った。「さて、悪の何たるかがわかったところで、本題に入る!」
「フレッドさま…あまりに良くわからないことがありすぎて、わたしには何が何だか…」
「悪の芽は、一旦地獄に堕としてしまうのが一番手っ取り早い方法だ!今からその方法を伝授する
から、俺の言う通りにするんだ。まずその地獄をよく見せるんだ」
「はい…っ、でも…な、何だかとても恥ずかしい気持ちになって…あっ」リコが身体に持っている
地獄と呼ばれたそこをフレッドはじっと見つめていたが、そこに手を伸ばしたと思うと、茂みの内側を
指で刺激した。
「うんっ…な、何をして…いるんですか!?はあっ…」これまで味わったことのない奇妙な感覚が
彼女の脳を襲う。
「こうして刺激をすると、おまえのここは悪の芽を欲して蜜を流すのだ。これこそが地獄たる所以
だな…いや、おまえはたいした地獄を持っているな」
「そう…言われましても、わたしには分かりません…と、とにかく、恥ずかしくて、わたし…死に
そう…です…」

「大丈夫だ!リコは死なせないぞ!…ああ、ここも準備ができたようだな。リコ、これから悪の芽を
地獄に落とすから、力を抜くんだぞ!」
「え、な、何ですか…悪の芽を、…?…ん、やああああぁっ!!」蜜で潤ったと思われるその
裂け目に、フレッドはいきりたった自分のものを埋めようと、体重をかけた。リコは今まで感じた
ことのない異物感に下腹部を占領された。力を抜けといわれても力が抜けるはずはなく、そこはかなり
きつく感じられた。
「い、い痛いです、フレッドさま…こんなことは…ッはあっ」リコは悲鳴のような声を出した。
「んっ…これも世界の平和のためだ!痛みは耐えろ!…くっ…」フレッドも激しい締め付けに顔を
しかめながら腰を動かした。そのうち、痛み以外の感覚が二人に訪れる。
「ふ、フレッドさま…あっ」
「リコ…おまえのここは、かなり…その、強いようだな…も、もう、果てそうだ…っ…」
「あ…んっっ…」最後のいっそう強い引き締めに、フレッドの「悪の芽」はその精気を地獄に吸い
込まれ、果てた。

息を整えた彼が、リコの中にあったそれを引き抜くと、リコが初めに見たものとは似ても似つかな
い柔らかいものがするりと現れた。
「フレッドさま、精気を抜かれると、悪の芽はこんなにかわいくなってしまうんですね!」その萎え
たものを不思議そうに触れるリコに、彼は慌ててたしなめた。
「だめだぞ、リコ!浜の真砂の尽きるとも世に悪の芽の尽きることなし、だ。油断してそんな風に
触っていると、ほらみろ、また鎌首をもたげてきたぞ」
「あ、ああっ…!」
「忠告を聞かなかった罰として今度はおまえが一人で悪の芽を抑えるんだ、わかったな!」
「は、はいぃっ!」

かくして、翌朝二人は完全に湯冷めして風邪を召してしまったとか。

Fin

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