小間使い、流されて拾われる。 著者:5_846様

 オベルにて群南諸国連合が発足したころ、海上に浮かぶ小船の上で昼寝をかます少年がいた。罰の紋章を持つ彼は戦争の終了と共に解雇通告をされ、仲間のほとんどが気付かぬ内に海に流されたのだ。
―いくら自分が流されやすい性格だからってこれはないだろ―
 彼が島流しにあうのはラズリルに引き続きこれで二度目。幼少のみぎりよりパシリ人生を突っ走ってきた彼が初めて人の上に立ち、いいようにこき使われた感もあるが仲間からも信頼された彼のばら色の日々も、今や昔のことになってしまった。そんな彼がふて腐れて惰眠をむさぼっていると、船をコンコン叩く音がした。こんな所でそんな音がしてたまるかと思いつつ振り向くとそこには女の生首が! うぎ「やっぱりフォーさんか。こんなところで、なにしてる?」ゃーと叫ぶ前にそれが見知った顔であるのに気付いた。人魚の少女、リーリンだ。
久しぶりにあった仲間の顔に思わず抱きつき往復ビンタのお返しをもらった彼は、船に平行して泳ぐリーリンに切々とこれまでの経緯を語った。30分後に彼が話し終わると彼女は「そうか、よくわからない」と言った。もっと早く言えよ! 落胆する彼に「いくところないのかフォーさん。ならわたしたちのしま、くるといい」と言ったリーリンは片言なしゃべりで他の4人がばらばらになった仲間を探しに行ってしまったと話した。
―仲間のいないもの同士一緒に暮らすのも悪くない―
 そう思い彼は無人島に行くことを伝えると、彼女は喜びこう言った。
「よかった。しまのおとこがいなくなってどうなるかとおもってた。フォーさんなら、みんなもよろこぶ」

 数年後、無人島では昔のように多くの人魚が見られるようになったとさ。

小間使い、楽園にて人魚ハーレム。 著者:5_908様

島の男がいないという中、彼は無人島に着いた。
男一人…楽園の生活が待っている。
仲間を探しにでたというリーリンの姉妹達はリーリンからの連絡を受け先に島で彼を向かえる準備をしていたようだ。
彼女達はそれぞれの持つ美しい顔をほころばせ、彼を迎えた。
彼はこれからのバラ色の、太陽は黄色になるであろう生活への期待に胸を弾ませた。
耳の奥でリフレインが掛っている単語がよりいっそう近くで聞こえた気がした。
「しまのおとこがいなくなって」
「みんなもフォーさんならよろこぶ」
抑えきれぬ衝動を抱えながら最後の理性を振り絞り夜を待つ事にした。
―5人姉妹だ、今後大変だからな。無駄打ちはしない…―
無駄打ちはしなくとも若い彼の心の中はみだらな妄想でいっぱいであった。

日も落ち、夜のとばりが下りた頃、リーリンはおもむろに言った。
「フォーさん、子どもほしくないか?」
もう少しオブラートに包んで欲しい所だが、今はそんな事を言ってる場合ではない。
素直に頷き、そっとリーリンの肩に手をかけた。
「良かった、じゃぁこれ」
―これとは何だ―
―…これは、何だ…―
リーリンの手のひらの上に、イクラ…イクラよりもよほど大きいが、紛れも無く魚介類の卵と思われる物体がたくさん乗っていた。
「ちょっとちいさいのがリーランの、オレンジっぽいのがリールンの、ムラサキっぽいのが…」
解説半ばにして意識が遠のいていった。
「フォーさん、かけてくれるな」
「フォーさん、わたしの卵はこれだ」
「フォーさん、どうした?」
「フォーさん、嫌じゃないといった」
それぞれが口を挟んでくるが
―これは違うだろ、これは、これは…―
彼は思ったがもう時は遅し。

終わり。

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