レナ×ナッシュ 著者:17様

あの陰険眼鏡ギツネめ……。
 俺の今置かれている状況は最悪だった。
 懐かしの我が家に戻ってきたと思ったら横領で親戚に騙し討ちの形でとっ捕まり、即座に石牢に放り込まれて明日には死刑らしい。おまけに飯は食えないときた。
 至れり尽くせりのお膳立てしてくれた死に損ないのザジには涙を流して感謝するだろう。……もっともこの俺、ナッシュ=ラトキエが死にたがっていたらの話だが。
 勿論俺は大人しく獄中で空腹のまま端座して夜明けのコケコッコーを待ちながら辞世の句を作るつもりなんか毛頭無い。
 だが、脱出したくとも身ぐるみ全部剥がされて、道具も金も全くない。見張りは俺の知らない兵ばかり。せめて半年前俺がこのカレリアにいた頃なら顔見知りもいてなんとかなったって言うのに。
 俺が落胆の溜息をついた時、誰かが降りてきた。……ん?この声は……
「……これは、スフィーナ様」
「ご苦労。囚人との会見をしたい。できるか?」
 きぃんと金属がぶつかる音がした。
「これはこれは……しかし、短時間だけですよ」
 兵の声が喜色に帯びている。どうやら御代官様から鼻薬を受け取ったらしい。これだから賄賂政治を無下には否定できない。
「手間はとらせないさ」
 そう言ってレナは牢の中に入ってきた。だが、かちゃりとご丁寧にも外から鍵がかけられる。そこまではさすがに甘くはしないか。
 頼む、あんたこそが俺の蜘蛛の糸なんだ。いまの状況がわかっているなら俺を助けてくれ。そう願いながら俺は減らず口を叩いた。
「……何だよ、俺を笑いにきたのか」
俺を見下ろしているレナの表情は冷たかった。……あれ、何でおまえ生足で来ているんだよ?
「もうすぐ死ぬんだって、ナッシュ?あんたの馬鹿面見納めておこうと思ってね」
 は!?あんたは本当に俺を笑いに来やがったのかっ!!
 俺は正直唖然とした。こんな血も涙もない奴が俺の叔母さんだなんて…なんて不幸なんだ。
「それと、最後の晩餐を味わうこともできないんだって? 親戚のよしみだ」
「食い物くれるのか!!」
 間髪入れずに俺は叫んだ。レナは俺を睨みつける。しょうがないだろう、俺は腹が減っているんだから。
「違うよ」
 ふっと意地の悪い笑みをレナは浮かべた。昔、俺が子供の頃に何度も見てきたあの顔。
……嫌な予感がした。物凄く。

「ぬぅわわわわわわわわぁぁっ!!あ……あ、あんた、何しやがるんだ!!」
 レナが服を脱ぎ出したのだ。そして、あろうことか俺を押し倒した。
「何ってどうせ明日には死ぬのだろう。夕飯ももらえないおまえにせめて快楽でも味わってもらおうと思ってね」
 何言い出しやがる、この女は!!
「あんたわかってんのか!?俺はあんたの甥なんだぞ!」
「わかっているとも。まぁおまえは家出したんだし関係はないが」
「あるだろが!!」
 ラトキエ家を出ても、俺とレナは血で繋がっている甥と叔母だ。勿論3親等以内は結婚禁止。近親相姦ももってのほか。
「どうした!!」
 俺の叫び声を聞きつけて兵ががちゃりと鍵を開けた。
 おお、神様! 変態叔母から俺を救いに来てくださったのですね!!
 ところが、俺の救世主様達は目の前の押し倒されている俺と、服をはだけて胸を露出しているレナを見て鼻の下を伸ばし下卑た笑みを浮かべた。
「何だよ。二人きりでお楽しみとは囚人の癖にずるいじゃねぇか。俺達も混ぜてくれよ」
 てめぇらなぁ!!
 俺の立場ってものわかってる?俺は実の叔母に犯されそうになってんだよ?……それを下半身の欲望に負けてどうするんだ!それでいいのか男として!!……この役立たず!!
「……ああ構わない。入ってきな」
 レ〜ナ〜!! このまま乱交パーティーだなんて嫌だ!!俺もおまえも一応貴族なんだぞ!!いや、俺はだったというべきか。
 兵達は相好を崩し、ずかずかと入ってきて一人がレナの腰に触れた。その時だった。レナの青い目が光ったのは。

「……なんて言うと思ったのか。この邪魔者どもが」
 レナの右手が光る。
「うわあああああああっ」
 雷撃がレナの背後に落ち、兵達がばたりと倒れ、ぴくぴくと痙攣していた。ご愁傷様。
「雷の紋章か。手袋をしていたから見えなかったけど……レナ、俺のためにこんな身体張った演技してくれるなんて思わなかった!感謝する!!俺はおまえのことを誤解していた!」

 牢は開きっぱなし。見張りも戦闘不能。八方塞がりだったのにこれで脱出できるってもんだ。
さっきとは打って変わったウキウキ気分で俺は起き上がろうとした。  んが。
「そう、それは良かった。では続きをしようか」
ごん。
 再び俺はレナに押し倒された。
「は!?」
 困惑している俺の身に纏っている囚人服が情けない悲鳴をあげて引き裂かれた。
「だ―――――――――っ!!ちょっと待て!!おまえ、今のは演技だろうが!!俺を逃がすための」
「誰がそんなこと言った?」
「実の甥を手篭めにしようだなんて冗談じゃねぇぞ!!」
「まぁ、これはついでのサービスだ。こんな美人に抱かれるだなんて普通こんないい思いなんてしないぞ。喜べ」
「自分で美人言うな―――――!!おまえ、はなから俺の言う事無視しているだろ!!」
 そういえばこの旅ってろくなことなかったよな。
 厚顔不遜の妖怪オババには散々こき使われたのに電撃おとされるわ血吸われるわ。
ミューズの宿では超絶料理は食わされるわ、狂皇子やクルガン・シード、獣はともかくとしてエルザにまで殺されかけるわ。
脇道に逃げ込めたとか思ったら、何かヘンなの見ちまったし……都市同盟から逃げ出せたとおもったら、ナイフ投げの的にされるし……
 ……やめよう。思い出したくもない。

とにかく、この旅での最大のピンチは今だ。シチュエーション的には嬉しいものがあるが、相手が問題過ぎる。さすがに血縁者とはできない。
 逃げようにも足には鉄球付の枷がついている。ずりずりとせめてもの抵抗に俺は腕だけでも動かしてレナから離れるように努力した。でも、足が動けない以上、意味なし。
どんどんレナは半裸のまま迫ってくるし。指の先に石の感触が突き当たる。……壁だよ!
「逃げても無駄だよ、ナッシュ」
 切れ長のレナの目が怖い。そして彼女は口の端を上げたまま俺のズボンまで脱がしやがった。大事な部分まで外気に晒されて竦みあがる。
 ……うわ、俺男なのにレイプされてショック受ける女の気持ちわかってしまった。
これはすんごく怖いし、嫌だ!!
「なんだい、縮みあがっているじゃないか、情けない」
「当たり前だろが!!」
 あんたがしでかしていることを冷静に考えてくれ。
「せっかくこんな美女がやらしい姿になっているというのに、失礼極まりないよ」
 そう言ってレナは俺とは反対方向に向きを変えた。諦めて帰ってくれるか!?
だが、俺の祈りは天に届かなかったらしい。

じゅぶ……ぴちゃ……

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
 何でそこでしゃぶるかなぁぁっ。ご丁寧にもカリや裏筋を舌で舐めるだけでなく玉のほうまで手を使って愛撫してくれている。 そんなことしてくれると……
「おや、勃ってきたようじゃないか」
 口に俺のモノを咥えて言っているから、その振動も刺激として伝わってきて、より堅くなってくるのがわかった。
 ……ああ、俺の阿呆。というか男の本能って理性とは関係がないのね……やっぱり。
しかも俺の口先にぷっくりと膨らんだ花弁が押しつけられる。きらきらとそこは濡れていた。……ってなんでおまえノーパンで来ているんだよ? 確信犯か、こん畜生!!

そんな内心あたふたしている俺に構わずにレナは口と手を動かし続けていた。やめてくれ、これ以上やられると出る!!
「頼むからもうフェラするのはやめてくれ!!どんなことでもするから!!」
ぴたっとレナの動きが止まった。肉棒から温かな感触が無くなる。た、助かった……。
「……本当に何でもするんだね?」
「ああ。一度言ったからには撤回禁止。昔おまえが口を酸っぱくして言ってたことだろ」
 昔何度もこの叔母に殴られて叩きこまれた教訓を口にした。レナがまだ覚えていたようだね、と呟いた。
「そう……それならば」
くるりと彼女は俺のほうを向いた。腰を浮かせたと思ったら、俺の肉棒を掴んでその上に乗るようにした。そのまま重力に逆らわないようにレナが腰を下ろす。
う、嘘だろ―――――――――――――――っ!!

「なっ!!れ、レナっ!?」
思いがけないことをされ、冗談じゃないと起き上がろうとした。が、レナに頭を石床に押し付けられる。……痛い。あんたここが石牢ってことわかってんの。
「ナッシュ、どんなことでもするっていったのはおまえの方だよ」
 どんなことでもするって、俺は実家に戻るとか皿洗いとか南京玉簾とかそんなものをする覚悟だったんだけど。
 普通挿入れるなんて思わないだろうが!!何を考えているんだ、この変態叔母は!!
 しかも、腰は動かしてくるし、目の前の服をはだけたままの白くてデカイ胸は揺れてなんかプリンのようだし、俺のモノは締めつけられて……いや、確かに気持ちはいいんだけど……そんなことされるとマジでやばいんだけど。
「だからって、中に挿入れることはないだろが!!あんた、近親ソーカンって言葉知っているのか!?腰を動かすなって!!このままだったら出るだろが!!」
「さっき、言っただろう?『どんなことでもする』って。だったら……膣中に出しな。これは命令だよ」
 俺は即答した。
「嫌だ!」

レナの目がきつくなる。俺の腹の上に置かれていた手が青白く光りだした……ま、まさか。
 弱い電撃が俺の身体を貫いた。
 妖怪オババの電撃程ではなかったが、それでも俺の身体が痺れて動けない。
「……ぅ……レ、ナ」
「反抗するからだよ」
再び俺の上に乗ったレナが腰を上下に動かし始めた。
 嗚呼。神様、せっかくこの俺を人殺しの罪から救っていただきましたが(そのせいでクリスタルバレーに戻る羽目になったけど)、今度は実の叔母に犯されて近親相姦の罪を負うことになりそうです。……一体俺が何をあなたにしましたか!?
なんで俺はこんな羽目に陥るんだよ。
 俺の上では、レナが荒い息をつきながら腰を動かしているし。
ぐちゃくちゃと俺がレナに犯されている音が牢の中で反響している。
ただ、入れるだけじゃなく捻り込むようにも動くから、あいつだけじゃなく俺にも快感は伝えてくる。しかも、俺のモノを容赦なく締めつけてくる。きつすぎだ、おまえ!!
……あ゛ぁ゛!?今度こそヤバイ!!
「ゃ……、ゃめ、ろ……!!」
なのにレナは構わずに腰を動かす。
一瞬、収縮するのがわかった。思わず、血の気が引く。
出る!!
一気に膨張して暴発してしまった。レナの中で。
どぷっ……どぷ……

……ああ、やってしまった。
満足したような笑みを浮かべてレナは俺から引き抜いた。
とろとろと俺の腹の上に白濁した液が零れ落ちる。
「いっぱい出たようだね」
レナ……あんたってやつは……
茫然自失の俺の腕をレナは引っ張った。
「……ビックリしたのはわかったから、そろそろ立ちな。このアホどもが気がつく頃だよ」
服を身に纏いながら、気絶している見張りどもを顔で指し示した。
「……あんた、なんでこんなことをしたんだよ」
「……言ったろ。サービスだと。おまえは女にもてそうにないからね。死ぬ前に一度はさせてあげようと思ったまでだよ」
「悪かったな!!」
確かに俺は女運がないことが判明したよ。
「ほら、ナッシュ。とっとと着替える……それじゃ、私は行くから」
そう言ってレナは牢から出た。
かつ、かつ、かつ……と足音が遠くなっていく。ふと足音が止まった。
「ナッシュ……あんたが隠している真実。いつかは私達に話してくれ」
「………」
俺は何も言えなかった。
「ん……」
足元にいた見張りの手がぴくんと動いた。
ヤバイ!!
俺は脱兎の如く逃げ出した。………が、牢を出て気がついた。

しまった!!俺、裸じゃん!!

<了>

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