シュウ×ナナミ 著者:17様

用がある。
そう言ってシュウは本拠地を出た。
ロックアックス陥落後のごたついた最中のことである。
これからいよいよハイランドとの最終決戦に臨む為に皆が駈けずりまわっているのに
正軍師であるシュウが忙しくはないはずはなかった。
突然の彼の行動を何か今度の作戦に必要なのだろうと皆は判断し、何も言わずに彼を見送った。
彼が馬を潰して向かった先はラダトのかつてシュウが住んでいた屋敷だった。
そして、彼はおもむろに扉をノックする。
―誰もいないその屋敷の扉を。
ややあって、その扉が内側から開かれた。
中から現れたのは小柄な少女。

ナナミだった。

「待たせたか?」
「全然。あたしもさっき着いたばかりだったから」
そうか、と彼は呟き、そのまますたすたと中に入っていく。
ナナミは玄関の扉をそっと閉めた。

「傷は?」
埃がうっすらと積もった執務机の上に脱いだ上着を無造作に置き、シュウは彼女の腹部を見た。
「ホウアンさんのおかげでそんなに痛まないみたい。でも、どうしてラダトの屋敷に…?」
「ここのほうが話しやすいと思うが?あいつらにバレては困るだろう、おまえが」
ロックアックスでナナミは義弟を、そして敵対する立場の幼馴染を庇って矢を受けた。
手当てをするために急遽本拠地へ引き返し、ホウアンが長い時間をかけて処置を施したが、手はないとホウアンは首を横に振った。
ナナミがキバに続いて死んでしまった。この軍を活気づけていた少女の死は軍に大きなダメージを与えた。
その時、シュウはホウアンに話があると診療所に呼び出されたのだが、中に入るとそこには死んだはずのナナミが起きあがっていた。
ナナミは軍を離脱し、キャロの街で隠れ住むことをシュウに宣言したのだ。
しかし、その時シュウはじっくりと話す時間が欲しいと言って、ナナミをラダトの屋敷に来るように言ったのだ。
「そう、だね…それで、シュウさん、話ってのは?」
「その前に……身体が冷えたんでな、酒でも一緒に飲まないか?」
「お酒?」
「ゼクセンの幻の酒、だ。……交易商の時に手に入れたものがある」
そう言って、書棚の横にあったサイドテーブルの下から琥珀色の液体が入ったガラスの瓶を取り出す。とろりと中で酒が揺れる。ナナミはかぶりを振った。
「あたしは、そういうのはちょっと…」
「そうか、残念だ」
ナナミに歩み寄りながら、シュウはハンカチで瓶をきれいに拭く。曇っていたガラスが輝きを取り戻した。
「甘口らしいんだがな」
「あー、ダメダメ。昔ゲンカクじいちゃんのドブロクを飲んで暴れたことがあるらしくて、あたしは以来、禁止されてるから」
シュウはナナミを見下ろす。
「…なるほど、ありえないことではないな」
「なんで納得するんですかっ!?シュウさん見たことないくせに」
膨れっ面でナナミはシュウを見上げる。
「それでは試してみるか」

ガラスの蓋を取り、そのまま直にシュウは琥珀色の酒を口に含み、そしてナナミに口接けた。ナナミの顔が真っ赤になる。
「む…むぅっ……!」
とろりとした甘い液体が咽喉を滑りおちる。咽喉が烙けるようだ。
そしてそのままシュウはナナミを絨毯の上に押し倒した。ナナミの脚の間に割って入り、腰の帯を解き始める。
ナナミはそれに驚いてシュウの顔を押しのけた。ようやく呼吸を取り戻す。
「しゅ、シュウさんっ!何をするんれすかっ」
既に呂律が回っていない。
「なるほど。確かに酒に弱い様だな」
そう言ってナナミの服の襟元を掴みそのまま引き裂いた。
「な……っ、なに、する…のシュウさ…」
「……男女が二人きりで何をするもないだろう」
曝け出された白い肌を隠そうとナナミが自分自身を掻き抱こうとした。それをシュウが腕を引き剥がし、そのまま左腕一本だけで押さえつける。
「や、やだよ…シュウさ、」
ナナミはシュウの目をみつめる。
シュウの目の中には怯えた表情のナナミがいた。

「…やめて!シュウひゃ…やめっ!」
シュウの下でナナミが必死にもがくが、シュウも大の男なので押しつけられる腕の力はまったく衰えない。
シュウは無言で首筋に鎖骨に赤い烙印をつけていく。
小ぶりの乳房を口に含み、乳首を舌先でころがすように刺激する。
「はぁっ!」
ナナミがびくんっと背中を反らす。
「効いてきた様だな」
「なにぃ、を…?」
涙目でナナミはシュウを見る。
「さっき飲ませた、酒。ゼクセンの幻の媚薬酒が効いてきたと言っているんだ」
ナナミのズボンを右手だけで引き摺り下ろす。
腹部の包帯と白いショーツ1枚だけしかナナミは身に纏っていなかったが、秘部が濡れて花弁の形も叢もありありと見えていた。
「みないで…や、やだっ」
「いい感じに濡れてきたようだな」
シュウは再び胸元に顔を埋め、淫猥な音を立てる。秘部をまさぐっている手は一層淫らな動きをする。
(やだよ…こわいよ……たすけて)
弟の名前をナナミは呼ぶ。うわごとにのように。
身体の火照りは収まりはしない。一層高まっていく。
肌に息がかかるほどの距離でシュウは冷ややかな声を出す。
「あの方の名を呼ぶか……名を呼んでも無駄だ……おまえはあの方を欺いて、離れるのを決意したんだろう?」
「……っ!」
包帯が解けてきて腹部の矢傷が露になる。まだ完全にはふざがっていないその傷をシュウは舐めた。
「あああああぁっ!」

それは痛みなのか、快感なのかもはやナナミにはわからなかった。
「や……シュウさ…こんなこと、ひどぃ」
「嫌だというわりには、おまえはしっかり感じているようだが」
ナナミが息も絶え絶えなのにシュウは冷静そのものだ。
「ぁ…、はぁ……ぅんっ!そんな、こと」
「そうか」
シュウはナナミのショーツのクロッチ部分をずらして秘裂に指を挿入した。
ナナミが顔を強張らせる。
「なんだ、おまえは処女だったのか」
ナナミの目から流れる涙は止まらない。
身体の中に入っている異物が抜き差しされて圧迫感がおしよせてくる。
「だが、おまえは淫乱だな。音を立てて俺の指を中へ中へと咥えこんでいく」
「……そんな、わけ……っいっっ!」
膣の中に2本目の指が入り、圧迫感が余計増した。
「ふ…、ぁ……っ!」
ぐちゃぐちゃと指で膣内をシュウは掻きまわす。
(そろそろ、頃合いか……)
ナナミは掠れた喘ぎ声を漏らしながら、天井を茫然と見ている。
シュウが指を抜き差しするごとに愛蜜が溢れ出てくる。それはもうナナミの太腿まで伝わってきていた。
シュウはズボンだけ脱いで、いきり立った怒張をだし、ナナミの秘部を貫いた。

ナナミの内側から何かが裂ける音がした。
その痛みにナナミが覚醒する。
「ひっ………!!痛いよっ!!…や、やだっっ!」
シュウはそれにかまわず、腰を振り始める。
太くて堅いものが傷ついたナナミの中を翻弄し始める。
ナナミの目からは乾くことのない涙がながれ続けた。
愛する者同士が営むこの行為もナナミにとっては苦痛でしかない。
身体からの快感は感じるが、気持ちが追いついていかない。
ぱん、ぱん、ぱん…
シュウがナナミの右足を高く持ち上げてシュウの肩の上に載せる。
そして、また突き刺した。
「ああああぁぁっっっ!」
子宮の奥まで挿しこまれ、ナナミが悲鳴をあげる。
「奥まで当たって感じているのか?処女なのにな……このおまえの姿をあの方が見たらどう思うだろうな?」
シュウは耳の裏を舐る。右手で陰核を玩んだ。
ナナミの身体がびくんっと反応した。シュウが栓をしている秘部がひくひくと痙攣する。
「…あ、なた、なんかっ……!!」
「死んでしまえばいいか?そうしたら、我が軍の勝機はないさ。おまえの弟だって殺されるだろうな、そうなれば。………そろそろ、飽きたな」
終わらせるか。そう言ってシュウは腰の動きを早める。
「やだ、やだよっ!……おねがいだから、出さないでっ」
「それは無理な話だな」
ナナミの中でそれがぐぐっと膨張する。
ナナミは真っ赤になった目を大きく見開いた。
「いやぁ――――――――――――――ッ!」
どぷっどぷっどぷっ……
熱いものが彼女の中を溢れさせる。
シュウは自分自身をナナミの中から引きぬいた。
とたんに赤と白の混ざり合った液体が溢れ出て絨毯を汚す。
ナナミは涙を流しながら、力なく横たわっていた。

それから2時間後。
シュウはナナミを置いてラダトの屋敷を後にした。
彼の服装の乱れは微塵もみられない。
(これで、もう会うこともあるまい)
ナナミのことだ。弟が心配になり戻ってきかねない。
そうなればせっかく死んだことにしたことがすべて無駄になってしまう。
精神的に傷つければ、本拠地にはもう戻ってこないだろう。
彼女の弟の側には常に彼女を犯したシュウがいるのだから。
「俺はこの戦争を終わらせる……だから、弟が戻ってくるのを待っていろ」
遠く離れた育った町で。

約束、したからな。

<了>

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