テンガアール×フリック 著者:腐れSS書き様

「うー、やっぱり少し太っちゃったかなぁ。」
一人の少女が浴槽で呟く。
むにっと自分の腹部をつまみ、何度も溜息をついていた。

少女の名は、テンガアール。
戦士の村の出身で、ヒックスの恋人…と言うべきなのだろうか?
幼馴染である彼とは微妙な関係だ。

「最近運動してないもんなぁ。戦いにも出てないし。」
ぶつくさと独り言を放ちながら、浴槽から上がる。
「腕もふにふにしてきたなぁ…これってヤバイ?」
むにゅ、と二の腕の脂肪を掴んで確かめていた瞬間。

ガラ。

引き戸が開け放たれた。
急激に雪崩れ込んできた冷気に反応し、湯煙が立ち込める。
「あー、誰?ちょっと待って。ボク、直ぐ出るつもりだから。」
「その声は…テンガアール?」

消えてゆく湯煙の中。
現れたのは、一糸纏わぬ青雷のフリックだった。
バラバラと彼の腕から落ちてゆくアヒルちゃんたち。
ただその音だけが浴室に響き渡っていた………。

鍛え抜かれた筋肉。
程よくついた筋肉。
ヒックスとは比べ物にならないくらい逞しい筋肉。
上腕二等筋なんてムチムチのプリプリ。
やはり、戦士の村の男たるもの、こうでなきゃ。
それに…大きい?
いや、何が大きいとか言わないけどさ。
ヒックスの通常の三倍はあるんじゃない?
あ、勃ってるからかもしれないけど。
…青雷のフリックでも女の子のハダカにこーふんするのか…ほぅほぅ。

…あっと、いけない。
そんなこと考えている場合じゃなかった。
何でフリックさんが此処に居るかってことだよね。
ボクが居るのは女湯だしさ!
ってことは、フリックさん痴漢!?
誠実そーな顔して、実はムッツリスケベだったりするの!?

「…おい、テンガアール。」
「あぁぁ!ボク襲われちゃうの!?」
「どうやってその結論に至るんだ!!!」

怒鳴り声がエコーしている。
「あ、声に出てた?」

「まったく。何を考えてたんだお前は。」
「女湯に居るから痴漢だと思ったんだよ。」
暫く間を置いて、フリックが溜息をついた。

「此処は男湯だ。男湯を掃除するから、女湯は0時までって書いてあったろう?」
「よく見てなかった…。」
「全く、お前と言う奴は…。」
ぶちぶちと言うフリックを尻目に、テンガアールは一点を見つめたままだ。
フリックが手で隠す、唯一の場所。
「…見るな。」
「だって、大きいんだもん。ヒックスの三倍はある。」
「知るか。」
「なんで勃ってるの?」

………。

……………。

…………………。

沈黙が浴室を包む。
そして、小さくフリックが呟いた。
「…女の裸なんてオデッサ以来なんだよ…。」

オデッサ。
前に聞いたことあるけど、フリックの想い人。
もう、この世には居ないけれど。

「…オデッサさん以外は見てないの?」
「悪いかよ。」
「純情なんだね、意外に。」
テンガアールがじりじり、とフリックに近寄ってきた。
「何なんだよ、お前は!その前に自分の身体を隠せ!」
「だって、今更じゃないか。見たんでしょ?ボクは見ちゃったよ、フリックさんの。」

「おっきいね。ボクの口に入るかなあ…あ、手どかしてみて?」
無理矢理フリックの手を剥ぎ取り、性器を露にさせる。
「テンガ!!!!!」
しゃがみこみ、正面に見据えたものを一気に口に含みこんだ。
「うっ…。」
生温かい感触がフリックを包み込む。
「あむぅ…やっぱ大きいね、フリックさんの。」
「て、テンガ…やめ…。」
しかし、テンガアールはやめることなく口から白い糸を引きながら見上げる。
「大きくしちゃってるのつらいでしょ?ボクが小さくしてあげる。」
「駄目だ、やめろ…テンガアール!!!」

口内に含み、舌で先をくすぐる。
そのたびにフリックは甘い声を上げていた。
いつもは憧れの青雷のフリックが、自分の前で悶えている。
声を押さえ込もうとして耐えている姿が、また可愛くて。
もっと見たいと思うようになってきた。

何度も手で擦り上げ、ピストンさせる。
「や、やめ…。」
既に否定の言葉も途切れ途切れになってきていた。
限界が近いのだろう。
じゅぽじゅぽ、と口のピストンも激しくしてゆく。
「だ、だめだ…イッちまう…!!」

白い飛沫が口内に一気に広がった。
「あれ、早いねフリックさん…。」
とろとろ、と口から零れる精液が顎を伝ってゆく。
テンガアールは満足そうに微笑んだ。

達成感と、優越感に浸りながら。

その後、シャワーを浴びて二人は浴室の外へ出た。

「なぁ…テンガアール、何でこんなことしたんだ?」
フルーツ牛乳を飲みながらフリックが語りかけた。
「ボクを見て勃起しちゃったんでしょ?だから責任とらなきゃ。それに…。」
「それに?」
暫く考え込んでから、テンガアールが答えた。
「純情青年フリックさんを辱めてみたかったから。」
「……………………ヒックスは?」
「毎晩してるよ?でも、ほら!戦士の村の習性ってやつ?より強いモノを屈させるのが幸せ、みたいな。」
あははー!と明るく笑うテンガアールの姿を見て、フリックは密かに涙を流した。

…オデッサ……戦士は…戦士は…大変です。

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