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1.終太郎がラムに惚れた理由
終太郎は登場して間もない頃からずっとラムに惚れていた。アニメでは特にそれが顕著である。いったいラムの何がそ
こまで終太郎の心を捕らえて離さなかったのだろうか。
大きな理由としては、ラムが非常に美人であったこと、そして彼女が自分ではなく諸星あたるに夢中であり、
どんなに求愛しても自分を見てくれないということがあげられるだろう。
もしもラムがあたるに対する行為と同じことを終太郎にしたら、案外終太郎のラムに対する気持ちは冷めてしまうかもし
れない。
面堂財閥の御曹司である終太郎は、今まで望めばなんだって容易く手に入れる事ができたのだろう。
そんな彼にとって、どうしても手に入れることができないラムという女性は極めて魅力的な存在だったに違いない。
また、終太郎は普通の女の子ではないラムに、他の多くの女性にはない何かを見出したのではないか。
多くの女性は、終太郎が面堂財閥の次期頭首であり、頭脳明晰でスポーツ万能の美男子であるところに憧れる。
しのぶを始めとするクラスの女の子たちがそのいい例だ。しかし、ラムだけははじめから違っていた。
ラムだけは、終太郎の地位にも財力にも美貌にもまるで興味を示さないのだ。
それが逆に終太郎の心を惹きつけたのではないだろうか。
ラムは、自分を面堂家次期頭首の面堂終太郎としてではなく面堂終太郎個人として見てくれる初めての女性であり、
彼女なら面堂家の跡取として自分が背負っているざまざまなことを忘れさせてくれる気がしたのではないか。
普段さまざまな面で強がっているぶん、恋愛に関しては純粋にやすらぎを求めていたのかもしれない。
登場して間もないころの終太郎がなにげなく口にした、
「世俗を超越したぼくと違って・・・・・・凡人の彼は、普通の女の子が好きなのでしょうね」
というこの言葉が、以上のすべてを象徴しているようにも思える。
2.ラムが終太郎ではなくあたるを選んだ理由
終太郎から顔と財力をとったら諸星あたるになり、2人が同レベルのアホであるというのは科学の力によって証明され
ている。
確かに2人のさまざまな行動パターンを見るにつけ、あたると終太郎はそっくりだ。
しかし、ラムは終太郎ではなくあたるを選んだ。相性占いでは一番相性が合うのは面堂終太郎とまででていたのにであ
る。
それはなぜなのだろう。ラムにとって、あたると終太郎では一体何が違ったのだろうか。
・愛情表現の違い
あたると終太郎の最大の違い、それはラムに対する愛情表現の違いだ。
あたるも終太郎も女性に対して非常に親切である。終太郎の場合、その優しさはもちろんラムに対しても変わらない。
一方、あたるはラムに対してだけは他の女の子に対する態度と違う。それがラムを惹きつけたのではないか。
ラムもまた終太郎と同じく、今まで手に入らないものなどあまりなかったに違いない。
それなのに、他の女の子には優しいあたるが自分にだけそっけないのだから、それはもう気になって仕方がないだろ
う。
そういった意味で、終太郎とラムはどこか似ている。悲しい共通点である。
・いざという時の対応
普段はラムに冷たいあたるだが、しかし、いざというときの彼の行動力はすごい。
9巻「見合いコワし」や、21巻の「ラムちゃん、ウシになる」、そして最終回の「ボーイミーツガール」などなど、
ラムを助けようとする時のあたるの行動力は本当に見るものを感動させるものがある。
ラムのためなら宇宙にだってとんでいくし、ウシ小屋だって作るし、命がけで走り続けるのだ。
自分のためにここまでやってくれたら、ラムじゃなくても惚れるだろう。それにくらべ、いざというとき終太郎は無力だ。
助けたいという気持ちはあっても、ここぞというところで腹を決めることができない。
ここ一番というときの行動力、これはラムがあたるを選んだ大きな理由だと思う。
3.終太郎の恋人にはだれが適任か(謎発見者:日和さん)
うる星やつらのメインキャラクターはっきりした恋の相手が最後まで現れなかったのは、終太郎ぐらいではないだろう
か。
終太郎の恋人にはいったいだれが一番適任なのだろうか?
終太郎はラムに惚れていたが、ラムはあたるにしか興味がないためその恋は報われなかった。
同時に終太郎はしのぶに恋をされていたが徐々に呆れられてしまい、因幡クンの登場でしのぶの心は因幡クンへと移
ってしまった。
また、終太郎には水乃小路飛鳥という許婚がいる。ただ、飛鳥は男嫌いの上に終太郎を兄だと思い込んで慕ってい
る。
ラム・しのぶ・飛鳥、どの女性も問題ありだ。しかし、この中で一番考えられるのは、やはり唯一他に相手の男性がいな
い飛鳥かもしれない。
では、飛鳥が終太郎の恋人に適任だと思う理由をいくつか挙げてみる。
理由1、「飛鳥ちゃんは男をあまり知らない」
飛鳥の場合は、見た目で面堂を選ぶという事はないのではないか。
面堂は顔でちやほやされるあまり、上辺だけでみられる事が多いと思う。
しかし、飛鳥なら面堂の内面・・・優しさとか生真面目さとか、そういう所をみれるのではないだろうか。
理由2、「飛鳥ちゃんもお金持ち」
飛鳥自身が金持ちなので、飛鳥なら財産目的ではなく、終太郎という人格そのものをみつめてくれるだろう。
その点しのぶは、結局面堂の顔と金の魅力ばかり強調しすぎてる所があった
・・・そういう女性ならいくらでも周りにいるので、恋愛のパートナーともなると役不足になってしまうかもしれない。
また、面堂がラムに惚れたのもそういった(顔にも金にも拘らずあたるを愛する)ラムの一面なのではないか。
理由3、「飛鳥が怪力というか、もうサイボーグとしかいえない」
面堂も決して弱くない、むしろ強くてたくましい・・・が、面堂など及びもつかない飛鳥のあのサイボーグぶり。
抱きあえば肋骨粉砕、茶をたてれば茶碗は粉に、、、ムード以前の問題だ。
キザで金にも困らないような面堂にはこの位天然で恐ろしいデートのほうがファイトがでていいのでは!?
理由4、「女好きの男と男嫌いの女のギャップ」
これはラムとあたるにも言えることだが、全く逆の性格どうしというのは意外と上手くいくのではないだろうか。
純粋なのに大胆な飛鳥と、下心みえみえだけど意外と純粋な面堂というのは、なかなかいいと思う。
以上のことを考えると、やはり終太郎の恋人には飛鳥が一番適任だと思う。
女性にはどこまでも優しい終太郎なら、男嫌いな飛鳥のことを幸せにすることができるだろう。
4.終太郎とラン(謎発見者:ラミーさん)
原作、アニメをいくら見ても、終太郎が蘭ちゃんを口説くシーンが皆無に等しい。
一体、あの面堂がランちゃんのような超美少女にアプローチしないのは何故なのか!?
ここでカギを握るのが、ランちゃんの愛する、ラムの元カレの美男子レイ。
男は顔だと言っていた終太郎はこのレイに、敗北感を味わされることとなった。
そしてこのことが、面堂が蘭ちゃんに迫らない原因となっているのではないだろうか・・・。
仮説1 「レイが怖い?」
男は顔という考えの終太郎にとって、自分に振り返ることのないラムも、
自分以上のいい男であるレイには心を動かされるかもしれないと焦り、
ラムのことをあきらめられるようにランとくっついて欲しいと思っている。
仮説2 「ランが怖い?」
ランの性格の変貌ぶりを目撃してしまい、恐れ入ってしまった。
仮説3 「潔く負けを認めた?」
蘭の愛する相手が、自分よりいい男であるなら、きっとランを幸せにできると思い、潔く身を引いている。
仮説4 「きっかけがなかった」
ランのことも可愛いと思ってはいるが、接点が少ない為なかなか口説ける雰囲気が作れなかった。
仮説1の理由でランを口説いていないのだとしたら、終太郎はかなり計算高い男だ。仮説2と仮説4の可能性はきわめ
て低い。終太郎は女子バレー部キャプテンの変貌振りを目撃したときひくどころか気に入っていたし、原作22巻飛鳥登 場の話で、花嫁たちが花婿である終太郎を奪い合うという彼のアホな夢の中に、ちゃんとランもいた。仮説3はどうだろ う。あたるに委員長の座を奪われたときには、負けを認めて切腹を試みるなど、たまに潔い面のある(?)面堂、あん が自分よりいい男であるレイならきっとランを幸せにできると思い、身をひいたのかも知れない。だとしたらなんとも紳 士的だ。しかし、仮説4もかなり有力だろう。なぜなら中身はあたる同じなのだから・・・
5.終太郎が女好きの原因(謎発見者:響屋さん、うっひゃめさん)
面堂終太郎は諸星あたるに負けず劣らず女好きである。いったいこの原因はなんなのだろうか。
終太郎は、幼い頃から両親を「母上」「父上」と呼び、敬語を用いて凛とした態度で対話していた。
面堂家の次期当主として、両親の前でも威厳を保っていなければならなかったのだろう。
すぐに妹の了子が生まれたこともあり、両親に十分に甘えられずに育った事が容易に想像できる。
このことが終太郎の女好きへと繋がったのではないだろうか。所謂マザーコンプレックスである。
虚勢を張りながらも、無意識のうちに母親の愛に変わる愛情を求めていたのだろう。
6.面堂終太郎と三宅しのぶ(協力者:日和さん)
面堂終太郎が登場後一番はじめに口説いた女性は三宅しのぶだ。その後しのぶは速攻で面堂に惚れる。
一方面堂のほうは、口説いておきながら結局最後までしのぶに対し特別な感情を抱くことはなかった。
いったいしのぶにとって面堂終太郎とは、なんだったのだろう。
・しのぶの心の動き
恋には順序というものがある。しのぶにもやはり、それなりの経過があったに違いない。
よって、しのぶの心の動きをいくつかの段階にわけて考えてみる。
情熱期
コミック3巻『トラブルは舞い降りた!!』からだいたい10巻までの間にしのぶの心はあたるから終太郎へと移り変わっ
ていき、それ以降竜之介登場の15巻では間違いなく終太郎に好意を抱いている。たとえば、11巻『薬口害』ではほれ 薬(実際にはほら薬だったが)を飲まそうと考えていたし、12巻『テンからの贈り物』ではトラブルキャッチボールに終太 郎が映ったサクラに対してヤキモチを妬いていた。また、14巻『クラマ再び!!』や、『三人サクラ浮気の構図』などでも終 太郎が他の女性に手をだそうとしているとヤキモチを妬いていたりする。
安定期
コミック15巻から飛鳥登場までの22巻にかけては、それまでに比べ多少そういった描写が減っている感がある。しか
しだからといってしのぶの心が終太郎から離れたというわけではないようだ。17巻『みじめっこ終太郎』では幼少時代 の終太郎に「そちを妻にする」と言われて喜んでいたし、20巻『魔境!戦慄の密林』では松千代を探しだして面堂に結 婚申し込む自分の姿を思い描いていた。
激動期
問題は22巻である。この22巻でふたつの衝撃的事件が起こるのだ。
そのひとつは『水乃小路家の娘』、水乃小路飛鳥の登場である。面堂家と並んで金持ちである水之小路家の娘と終太
郎がお見合いをするということ、これはしのぶにとって、終太郎は面堂家の次期当主であり、庶民の自分とは違う世界 の人間であるということを思い知らされる出来事だったのではないだろうか。
そしてもうひとつの事件は『秘密の花園』、リューゲンビレアの悲劇だ。「実は今朝・・・“寝小便したっちゃ”」を聞いたと
きのあのしのぶのリアクションはすごかった。相当ショックだったに違いない。あのショックの受けようから察する限り、 この衝撃的な出来事によって百年の恋も冷めてしまったという可能性も否定できない。
ふたつめの出来事はともかくとして、飛鳥の存在がしのぶの心に及ぼした影響は大きいだろう。
衰退期
22巻以降、しのぶが終太郎に対して好意を抱いているような描写はめっきり消えていく。それに変わるように総番や純
情キツネといったしのぶに対して行為を抱く人物(動物)が頻繁に登場してくるようになる。面堂としのぶの関係は中の よいクラスメートといった感じに描写され、そうした中で因幡クンが登場し、しのぶは彼と恋に落ちる。こうして面堂としの ぶの間から恋愛という言葉が完全に消えた。
ここまで考えてみて、不思議に思うことがある。
あたるから面堂へ、そして面堂から因幡クンへと心が移り変わっていったしのぶだが、
ではあたるや面堂への気持ちは、いったいなんだったのか?
しのぶの性格で初期の頃から最後まで変わらないのは、幸せな結婚や恋愛への強い願望だ。
しのぶの心があたるから面堂へ、そして面堂から因幡クンへとうつっていったのも、この願望に正直だったからだろう。
面堂に惚れたのはやはりルックスや財力の面が大きいだろうが、しかしもうひとつ大きな要因として、あたるとの関係が
上手くいかない寂しさということもあったのではないか。面堂登場まで、しのぶはラムとあたるの間で何度となく辛い思 いをしている。そんななかで面堂が現れ、こんな関係を続けて苦しむより新しい恋に生き幸せになりたいという前向きな 気持ちが自然と生まれたのかもしれない。
しかし結局あたるにも、そして面堂にもその思いを適えてもらうことはできなかった。オマケに変態に好かれまくって、後
期のしのぶは少々男性不信に陥っていたかもしれない。そういう愛に満たされない状態で因幡クンのような愛情の深い 人間がいてくれれば、この人と幸せになりたいと思うのはごく自然なことだ。
よって、しのぶのあたるや面堂への想いは決して偽りや思い込みではなかったと思う。多くの女性がそうであるのと同じ
ように、幸せになりたいという思いこそがしのぶの恋の原点であり、目標なのだ。その思いに正直だったからこそ、結果 として3人の男性を愛することになったのだろう。
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