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1.面堂終太郎と諸星あたる
・2人がいがみ合う理由
1、恋敵
面堂終太郎にとって諸星あたるは恋敵である。ラムが自分ではなくあたるに惚れているということは、プライドの高い終
太郎にとって非常に屈辱的であり認めたくない事実だったはずだから、彼があたるに対して敵対心を持つのも無理な い。一方あたるはどうかというと、自分の次にラムに近い存在である面堂に対して多少ライバル意識はあるかもしれな いが、そこまで強くはないようである。特に原作では、そういった意味であたるが終太郎をライバル視しているという描 写はほとんど見当たらない。しかし、おそらくラムを一番手渡したくない相手ではあるだろう。
2、妬み
財力・権力・美貌・知力・体力すべてを兼ね備え、その力で女性の人気まで得ている終太郎の存在は、ごく庶民的な家
庭に生まれ、日々地道にガールハントに精を出すあたるにとって非常に腹立たしいことであったに違いない。これは、 あたるが何かと終太郎を目の敵にしていた大きな理由の1つだろう。
3、近親憎悪
面堂終太郎と諸星あたるは同レベルのアホであり、終太郎から財力と美貌をとったらあたるになることは有名な事実で
ある。
これが、近親憎悪に繋がったのではないだろうか。
4、終太郎の反応がおもしろいから
終太郎はプライドが非常に高く、同時に少し幼い部分がある。ちょっとでも自分の気に障ることを言われると黙っていら
れないのだ。例えばあたるが「タコ!」と一言ののしれば「無礼者!」と刀を抜く。電気を消せばたちまち「暗いよせまい よ怖いよ」とわめきだす。あたるにとって彼ほど刺激的でかまい甲斐がある人物もいなかったのではないだろうか。そし て同時に、あたるほど終太郎のそういった本質を引き出す事ができる人間もいないだろう。
2人がいがみ合っている場面を読み返してみると、終太郎のほうは常に本気なのだが、あたるは遊び半分からかい半
分、という感じのことが多い。あたるは嫌悪感から終太郎にちょっかいをだしていたのではなく、むしろ自分を退屈させ ない彼の反応を楽しんでいるのだろう。そして終太郎はそうとも知らずコケにされるたびに全力であたるに歯向かうの で、ますますあたるは調子にのるという悪循環ができてしまったのではないだろうか。
・2人が共に行動する理由
先にも述べた通り、終太郎とあたるは中身が一緒である。あまりに彼らの行動パターンや言動も似ているため、周りか
ら呆れられるほどだ。なんだかんだといがみ合いながらも彼らは基本的に考える事が同じため、いつも自然と一緒に行 動しているのだろう。他の人間では、いろんな意味で彼らのテンポには付いていけないのではないだろうか。
・互いの存在意義
終太郎にとってあたるはなくてはならぬ存在である。財力・権力・美貌・知力・体力すべてを兼ね備え女性にもてる終太
郎は、男子生徒の妬みの的だったに違いない。もしこれであたるが終太郎に負けているようでは、終太郎は本当にた だの嫌な奴でしかなくなってしまう。あたるがいつも終太郎をこれでもかというほどコケにして負かすおかげで、男子生 徒諸君らの終太郎に対する妬みは随分和らぎ、終太郎は完全な悪キャラとして嫌われずにすんだのだ。
同時に、あたるにとっても終太郎の存在はかなり彼の魅力を引き出すのに重要な役目を果たしている。中身は同レベ
ルのアホであり、終太郎から顔と財力をとればあたるになると科学の力が証明しても、なおラムはあたるのことが好き きだった。この事実は、終太郎にはない理屈を越えた魅力があたるにはあることをも証明してしまったのだ。その後の さまざまな話でも、終太郎という男が存在したおかげであたるの魅力が引き出されたということはよくあると思う。あたる と終太郎、ケンカしながら実は知らず知らずのうちに互いに助け合っていたのだ。
以上のことを総合して考えてみると、二人はいがみ合いコケにしあいながらも一緒にいて居心地の悪い相手ではない
のだろう。
腐れ縁といってしまえばそれまでだが・・・。
2.終太郎にとって竜之介とは?(謎発見者:三ヶ月さん 情報提供者:日和さん、脳天鬼さん)
藤波竜之介、彼女は幼い頃から父親に男として育てられてきた女性である。それゆえ着ている服や行動はまるで男な
のだが、それでもあたるを始めクラスの男子生徒はみな彼女をちゃんと女性として扱っている。終太郎もまた、普段の 生活では竜之介を女性としていたわり、時にはモーションをかけて殴られる事もあった。
しかし、いくつかのエピソードにおいて、終太郎が竜之介を女性として見ていないととれる場面もあるのだ。
その1つとして、原作17巻『埋没教室!!』があげられる。この話で暗くてせまい教室に終太郎が閉じ込められた時、
女性の竜之介がその場にいたにも関わらず彼は「わーん!暗いよーせまいよー怖いよー!」と思い切り泣いていた。 「おれは女だぞ!」と竜之介が主張してもなお泣きつづけていたのだ。これは、終太郎がが本能的に竜之介を完全に は女性としてみていないことを表しているのではないだろうか。
原作22巻『水乃小路家の娘』でもそういった終太郎の潜在意識を知ることができる。終太郎の夢の中で、ラム・しの
ぶ・ラン・サクラなどの女性たちが終太郎に結婚を迫るシーンがある。しかし、その女性陣の中に竜之介はいない。次 のページを見てみると、そこにはヨロイ娘(飛鳥)と終太郎の結婚を祝福するあたる・温泉マーク・コースケなどの男性 陣が描かれており、そしてその中に竜之介もいるのである。夢は深層心理をうつすという。終太郎が心の奥底で竜之 介を男として見ていたということがこのことからも推測できる。また、女性陣のなかにおユキはいたのに弁天はいなかっ た。終太郎は男っぽい女性よりも女の子らしい女性のほうが好みだったのかもしれない。その点諸星あたるはすごい。 彼が思い描くハーレムには、ちゃんと竜之介や弁天も存在する。やはり、女好きで諸星あたるの右に出るものはいない らしい。
このほかのエピソードでも、終太郎が女である竜之介にラブレターの数やバレンタインチョコで負け、本気で落ち込んで
いたことがあった。終太郎は他の男子生徒らにくらべて世間知らずで少し幼い部分があるため、人をまだ外見や表面 的な性格で判断しがちなところがあると思う。そんな彼にとって、言動や表面的な性格が完全に男である竜之介を、心 の底から女として認めるのは少し難しい事だったのかも知れない。それに対して、あたるが思い描くハーレムにはちゃ んと竜之介も存在している。よって、終太郎は竜之介を美しい女性として見ている反面、自分以上に女性に人気がある 竜之介を、心のどこかで男としてライバル視もしていたのだろう。
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