渡せなかったチョコ 3

学校から帰るときいつもならラムとあたるは二人で変えるのだが
今日はラムが一人で先に帰っていた。
ラムの靴が無いのに気づいた。
あたる   (ラムのやつ先に帰ったのか)

一人で帰る道はなんとなく寂しく思えた。やはりあたるには、
ラムと言う存在が必要なのがあたるにも少し分かった。
あたる   (今日くらい素直に答えてやるか)
玄関前であたるは思った。

         『ガチャ バタン』
あたる   「母さん。ただいま。」
靴を脱ぎ捨て2階へあがっていった。
部屋に入るとニコニコ顔のラムと美味しそうにチョコを食べてるテンがいた
ラム    「ダーリン。おかえりだっチャ!今日は何の日か分かるっチャ?」
あたる   「バカにしとんのか!お前は。バレンタインデーに決まってるわ!」
いつもと変わらない言葉を言っているが心の中は違った。
ラム    「あたりだっチャ!はい。うちの手作りチョコだ
っチャ」
テン    「残したらラムちゃんの変わりに怒るかんな!」
綺麗に包装された箱を受け取った。玄関に誓ったとおりあたるは素直に
あたる   「ありがとう」
ラム    「!!!!!!!」
ラムが少し驚いていた。そしていつもの2倍の笑顔で
ラム    「どういたしましてだっチャ☆」

次の瞬間から幸せが悲しみに摩り替わっていく−

あたる   「!!!!!!」
なんの形かも分からないチョコが入っていた。
テンのチョコは綺麗に小さいハート型をしているのにあたるのチョコは・・・

あたるは無性に腹が立ってきた。さっき言った言葉がバカみたいに思えた。
そしてラムが考えてない言葉と行動が返ってきた。
あたるはラムにチョコが入った箱を投げ返し
あたる   「こんなもの食えるか!」
そして階段を駆け下りた。

まさに天国から地獄に突き落とされた瞬間−

箱に入っていたのは失敗したチョコだった。
ラムの美しい瞳が曇った。あれほどまで透き通っていた瞳がこれほどまで曇るなんてことはこれまでにはない。
力がすべて抜け感情も無くなった。
いつもならば悲しくて涙をこぼすのだがそれすら忘れてしまうほどの絶望的空間にラムはいた・・・・・


暗闇の中を一人で歩いている−

あたるは『ラムと同じ空間にいたくない』と言う思いから家を飛び出してがむしゃらに歩いていた。
まだ少し腹が立っていたがさっきよりかは良かった。
あたるはなぜあのような行動をとったのかが今になったら分からなくなった

           −ラムが俺を嫌うはずが無い−

心では誰よりもラムのことを分かっていた。
ラムが鈍感なことも優しいことも他人思いなことも・・・
そして誰よりも俺のことを愛していることもすべて分かっている。
なのに体が拒絶している・・・ 怖くなったのか?
何かの間違いなのに俺はあの時気づかなかった・・・・
俺が一番愛している人を、俺を一番愛してくれている人を俺はズタズタに引き裂いてしまった。何をしたら許される?
ラム・・・・・・・

−その夜あたるは独りベンチに座り込んでいた
               自分の犯してしまった罪に後悔しながら−


ランはバレンタインの夜はレイとは会わなかった。
チョコが無かったからだ。
ランは今朝になって初めてラムがあたるへ作ったとわかった。
その理由はチョコペンで
         『あたるLOVE』
と書いてあったからだった。
ランはラムのチョコをほったらかしにしていた。

ランの思い違いで始まったこの騒動
あたるとラムの仲を戻すにはランがすべてを二人の前で言うしか道は無い

ラン    「ラムがレイさんに上げるんじゃないならこんなチョコわしが持ってたって意味無いわ。」
ランはブツブツしゃべっていた。
ラン    「待てよ。もしラムがチョコが入れ替わってるのに気づいたらわしだと思われて、ラムが怒るかもしれん
       ここは一先ず返すか。」
いきなり包装紙を探しだした。
まだランは郵便の使い方が分からないから自力で届けに行くようだ。

そして、諸星家の上で宇宙船を停車した。
ランが屋根上から2階の部屋に入ろうとしたらもう9:00だと言うのにあたるが独りだけで座っていた。
ラムとテンの姿はどこにも無い。独りだけでいた
ラン    (あら!あたる君だわ。どうしているのかしら?)
あたるもまたラムのように目が曇り、力が抜けていた。
どこを見ているかも分からないような目でラムの写真を見つめていた。
ラン    (これじゃ返せないわ。ランちゃんどうしたら良いの?)
明日を狙ってランは帰っていった。

ラムとテンは宇宙船の中にいた。
お互いに沈黙していた・・・・。


この二人の悲しみはどうしたら癒される?
それはお互いの『愛』の気持ちを忘れずにいればいつかまた幸せの神様が幸せをくれるから・・・・・・


あとがき
読み返すとしまりの無い小説だとよくよく分かりました。
こんな小説しか書けない自分が虚しい。
幸せの神様がいつどのように舞い降りてくるかは次で!

                    著作者:ミーナ

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