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友引高校大合戦(後編)
UFO内部
カチ、カチ、カチ、カチ…ピンポン♪
ラム:「よし、時間になったっちゃv学校に戻るっちゃv」
ラムは今、自分のUFOにいた。とってもご機嫌らしく鼻歌を歌いながら何か用意をしている。
ラム:「ルンチャッチャ〜ルンチャッチャ〜、ダーリン待っててねv」
友引高校正門前
温泉マーク:「全員捕獲しろー!」
メガネ:「不要物回収率60%!俺たちの希望の光を取り返せー!」
温泉マーク:「不要物ごとき何が希望の光だ、返り討ちしてしまえ!」
ワァーギャーウギャー!ボカ!バキ!ベコ!…
校庭では男子生徒と私設軍隊の激しい攻防戦が続いていた。そこに一人の少女が現れた。
ラム:「みんな、何してるっちゃ?」
ラムはとても不思議そうに聞いた。どうやら彼女は持ち物検査があることを知らなかったらしい。
ラムの質問にメガネが答える。
メガネ:「ラムさん、実はですね…ハアアアアアアアアアァァァァ!!!」
話の途中でメガネが人間とは思えない声で絶叫した。この声に戦っていた男子全員がメガネとラムの方向を見る。
男子達:「どうしたんだメガネ…ハアアアアアアアアアァ
ァァァ!!!」
男子全員がラムの服装を見てびっくり!なんとウエディングドレスを着ているではないか!
メガネ:「ラ…ラムさんその格好はいったい…」
メガネの話の途中にラムが声高らかに宣言した。
ラム:「うち今日、ダーリンと結婚するっちゃ!」
男子全員:「なんですと〜!!」
メガネは心臓発作で倒れた。他の男子達も灰になったり、骨がバラバラになったりした。
そんなのを無視してラムはあたるを発信機で探し出し、飛んでいってしまった。
メガネ:「そ、そんなラムさんはやまったことを…えーぃこんな事をしている場合ではない!
一刻も早くこの結婚を阻止するのだぁー!!」
男子全員:「おおー!!」
そういって2−4男子達は全員ラムの後を追っていった。
何があったのか分からず、硬直した温泉マークと兵士達は取り残された。
温泉マーク&兵士:「あの〜、俺たちは?」
時計塔の中
あたる:「ここならば誰もこんだろう。」
あたるはみんなを放した後、一人ここに隠れていた。
ブレスレットを眺めながら安心したあたるの背後から一筋の刃が襲いかかる。
ジャキーン!
面堂:「やはりここにいたか諸星、いまこの面堂終太郎の不要物である貴様をこの世から抹消してやる!!」
あたる:「何すんだ面堂!もう少しで本当に死ぬところだったぞ!」
あたるは気を抜いていた為、ハンマーを出す暇がなかった。目が据わった面堂が一歩一歩と間合いを近づける。
あたる:「終ちゃ〜ん、そんなに怒らないでまぁまぁ…」
あたるの話など聞かず、追いつめた面堂が刀を頭上に振り上げる。
面堂:「ようやくこのときが来た。死ねぇ、諸星!!」
もうダメかと思ったその時!
ババババババババババババババ…
面堂:「ぎゃああああああぁぁぁぁ…」
ばた!
振り下ろされる手前でラムが電撃を放った。むなしく床に果てる面堂。
あたる:「ラム、助かった、……えぇ?!ラム、その姿はなんだ!」
恥ずかしがったそぶりを見せながらあたるに詰め寄り、抱きついた。
ラム:「今からうちら、結婚するっちゃv」
あたる:「はあ?」
何がなにやら分からないあたる。そして目の前でなんだか分からないスイッチを押そうとするラム。
あたる:「そんなものするわけなかろう!いったい何を…」
ラム:「装置、作動だっちゃv」
ポチ…
バババババババババババババ…
あたる:「アギャー、あべし、どぅわあああああぁぁぁ…」
ばた!
ブレスレットから電撃が発生し、あたるは床に倒れた。倒れたあたるに向かって嬉しそうにほほえむラム。
するとあたるが立ち上がり、ラムに近づいていく。
しかし、そのあたるの目は以上にきらめいている。
あたる:「ラム、君は何て美しいんだ!こんな美しい人を野放しにして…。」
ラム:「ダーリン、結婚してくれるっちゃ?」
あたる:「ああ、いいとも。君のような美しい人と永遠に結ばれるなら…。」
ラム:「ダーリン…。」
二人は優しく抱き合った。二人の唇がしぜんと近づいていく…。
面堂:「ん、どうしたんだ?諸星を斬ろうとして…。」
どどどどどど!
男子達「ラームちゃーん!!」
その時面堂が目を覚まし、ラムをおってきた男子達が現れた。
面堂:「イタタタタ…。ん、貴様等なぜここにいるのだ?」
メガネ:「ラムさんがウエディングドレスを着て学校に来たんだよ。それで…………ぁ。」
ピシッ!バラバラバラバラ…
メガネが石化し、音を立てて崩れていく。
面堂&男子全員:「どうしたんだメガネ…あ、あああ、あああああああああああぁぁぁ!!」
その場にいた男子が見た視線の先には暑く抱擁したあたるとラムの姿だった。
こちらには気づいておらず、二人の世界に浸っている。
面堂&男子全員:「コノヤロ〜諸星!(あたる!)貴様わー!」
男子達が猛然とあたるに殴る、蹴る、叩くの攻撃を加える。
ラム:「ダーリンに何するっちゃ!」
面堂:「ラムさん、かわいそうに…。こんな奴に無理矢理抱かれて…許さん!!」
メガネ:「この日本の不要物め!コノヤロ、コノヤロ!」
ラム:「いい加減にするっちゃ〜!!」
あたる&面堂&男子全員「うぎゃあああああああぁぁぁぁ…」
ビリビリ、バン!ドカーン…
あたるを助ける為に放ったラムの電撃であたるがはめていたブレスレットが爆発した。
ラム:「しまったっちゃ!」
煙がはれてきた。そこにはとても異様な光景があった。
あたる(面堂):「諸星!貴様たたッ斬ってやる。」
カクガリ(パーマ):「馬鹿!俺はパーマだ。」
チビ(メガネ):「あたる!貴様の行動全て特別裁判を…」
面堂(あたる):「ラム!これはいったいどういう事だ!」
それぞれ性格がバラバラになっているではないか!面堂(あたる)の言葉にラムが説明した。
ラム:「ダーリンに朝あげたのは性格改造ブレスレットだっちゃ。
改造したい人にブレスレットを着けて貰って精神データを読み込んで、スイッチひとつで人格が改造できるっちゃ。
だからさっきはダーリンがうちにメロメロになるようにしたっちゃ。」
面堂(あたる):「お前はなんちゅー事を!でもそれだけでなんでこうなるのだ。」
ラム:「うちが放電したときにブレスレットが壊れてダーリンの近くのみんなの性格が入れかわってしまったっちゃ!」
一同:「なに〜!!!」
突然の事態に全員が混乱する。
あたる(面堂):「ラムさん、早く元に直して下さいよ。」
あたる(面堂)の言葉にラムが言いづらそうに言う。
ラム:「それが…、この効果は自然に切れるけど一ヶ月かかるっちゃ。」
一同:「一ヶ月!!!」
さらに全員混乱した。そしてあたる(面堂)がどこからか刀を取り出して面堂(あたる)に斬りかかる!
あたる(面堂):「諸星!貴様の責任だろーが!どうにかせんか!」
面堂(あたる):「俺ではなく、壊したラムとお前等の責任だろ〜が!」
あたる(面堂):「うるさい!何が悲しゅうて貴様のような汚い体におらねばならんのだ!」
面堂(あたる):「だから俺の責任ではないっちゅーに!」
みんなが混乱しているその時、温泉マーク率いる軍隊が現れた。
温泉マーク:「諸星!貴様覚悟しろよ!」
あたる(面堂):「先生!僕は面堂…」
温泉マーク:「この期に及んででまかせを言うな!全員捕獲しろー!!」
わーわーわー…
生徒と温泉マーク軍の戦いが始まった。それを見たラム。
ラム:「わぁ、大変だっちゃ。うちにげ…」
面堂(あたる):「逃がすか!責任とれ!」
ラム:「無理だっちゃ!」
…かくして友引大合戦は一ヶ月に及び行われた。これにより校舎は全壊したことは言うまでもない。
温泉マーク:「…次こそ、次こそ成功させてやる!」
一同:「せんでえぇわ!!」 …完…
〜一言感想〜
うる星やつらのハチャメチャぶりがみごとに現れた作品だと思いました!
特にアニメ版うる星やつらの雰囲気がすごく感じられます。キャラがとてもよくたっていて、
ストーリーにもさまざまなエッセンスが含まれていたので、読んでいて次はどうなるのだろうと本当にわくわくしました。
楽しい小説、ありがとうございました!
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