乗馬訓練 ロイは思い悩んでいた・・・ 眉間に皺を寄せて先程から唸っている。 ロイ:「うーん、うーーーん。うーーーーーーーん。」 マーカス:「ロイ様、朝のお通じがよくなかったようですな。」 ロイ:「・・・・違うよ! ホント、マーカスの頭ん中ってシモ系ばっかだよね・・・他に言うことないの?」 マーカス:「水は低きに流れると言います・・・人間も長く生きるとシモに走るのは自然の摂理かと。」 ロイ:「・・・・スッゴいもっともらしく言ってるけど嘘ばっかだよ、それって・・・・。」 マーカス:「いえいえ、長く生きた人間の言葉には何かしらの真実が宿るというもの。けっして嘘ばかりではございませんぞ? 」 ロイ:「あー、もういいよ! 今僕は忙しいんだ。 そんなことで、さらに頭を使わせてくれるなよ! 」 マーカス:「何を御悩みでいらっしゃるのですか? 」 ロイ:「・・・・・うん、実はね・・・ララムが『白馬の王子様』に憧れてるんだよ。考えたら普通、王子様って馬に乗ってるのが相場じゃないか! なのに僕は馬に乗ることさえ出来ないんだよ! あんなボケーっとしてるトレックや、電波入ってるスーでも乗れるのに・・・この僕が、僕が・・・。おかしいよ? おかしいと思うよね? マーカス・・・・・・(考えたら、このボケ老人でも乗れるんだ! 馬っ!! ) 」 マーカス:「乗せてもらったら済むことではないんですかのぉ?」 ロイ:「ダメだよ、ダメ! そんなの格好よくないじゃない! あーーー、どうして、この僕が馬に乗れないんだろー! 今から教習所に通おうかなぁ? でも時間ないし、合宿コースでとるべきかなぁ? お金はどーしよー、マリナス騙して出させるしかないかなぁ? 」 マーカス:「・・・・・・・。」 ロイ:「というわけでぇー! 今週は僕の乗馬訓練月間にするんでヨロシク!」 マーカス:「・・・でしたら丁度退役軍人に知り合いがおります故、ご紹介しますか。」 ロイ:「助かるよ。誰それ? 」 マーカス:「こう見えて儂も交友関係は広ぉございます。(メモ帖出してペラペラ・・・) えーっと、今ですと『木登りジェイガン』 『ほら吹きオイゲン』 『物忘れバヌトゥ』などなど・・・。 このうち乗馬の訓練と言いますと、ジェイガンが御勧めですぞ! 彼はトゲトゲの鎧を着ていることを除けば存外いい奴ですからなぁ。 」 ロイ:「・・・・・なんかロクな友達いないんだね・・・マーカス・・・。まぁ、いいや。じゃ、そのジェイガンって人にお願いしてくれない? 」 マーカス:「・・・ジェイガン・・・ジェイガン・・・っと(携帯ピポパポ!) あ! ロイ様申し訳ございません。どうやらジェイガンは圏外・・・って言うか大気圏外です! どうやらロンド・ベル隊の任務で忙殺されてるみたいですなぁ。」 ロイ:「・・・・・・それ、ジェイガンじゃなくてジェガンだよ・・・。それにアレは肩にトゲ無いじゃん・・・。」 マーカス:「(うるさいガキじゃのぉ!) 申し訳ございませぬ。 ・・・仕方ございませんな。このマーカスめがロイ様に御指導させていただきましょうぞ! 」 ロイ:「え!? マ、マ、マーカスがっ!?」 数時間後・・・・・・ ロイ:「・・・マ、マ、マーカス・・・・・・う、う、馬はもういいよ・・・。」 マーカス:「何を申されます、ロイ様! それでも次期フェレ家の御当主ですか! マーカスは情けのぉございますぞ! 」 ロイ:「・・・・・今、思ったんだけどさ・・・『波乗りマーカス』って名前・・・『からくりサーカス』に似てるよね・・・・? (ガクッ!) 」 マーカス:「・・・・・・ロイ様、まだ余裕があるみたいですな。」 ボケ老人マーカスの誤りまくった指導の成果の末、ロイは終生「お馬に乗れない病」にかかってしまった。この病は「金欠病」と並び称される不治の病である! 哀れロイの明日はどっちだ!? その頃、遥か彼方の地・・・ ジェイガン:「ウーン。儂よりも先にアランが死んでしまうとは・・・人生わからんもんじゃのぉ。ま、騎士は数余ってるから、今後戦争があったとしても大差ないじゃろうけどな。カッカッカッカッカ! 」 マルス:「・・・・・・アランよりも使えないヤツが残ってしまった・・・はぁ〜・・・ただでさえ僕の周りにはロクな兵がいないっていうのに・・・こうなったら何が何でも平和を維持せねばっ!」 かくてアリティアの平和はマルスによって守られたのであった。 マルス:「・・・・・・そう言えば僕の名前って一字変えるとバカ兄貴だよ・・・・。」 〜〜〜後書き〜〜〜 お題は『木登りジェイガン』だったのですが…。なんとなくマーカスが出したかったので、こんな無理矢理な内容になってしまいました。しかも珍しく非エロ!(す、す、凄いよ!) いや、って言うかマーカス爺さんをメインに据えてしまうと全然そういう話にならないことを再認識させられました(笑 又御感想など聞かせて下さい(^−^) |