--罰ゲーム--



「乾先輩って…もう部活来てます?」
「ぅんにゃ〜?まだ乾は来てないにゃ〜。もうマムたんも愛されちゃって大変ね〜。
 オレんとこのおチビちゃんベットの中でしか甘えてこないからね〜ってもう居ないじゃん〜!」
海堂は先輩である英二の言葉を最後まで聞くこともなくダッシュで部室へと走って行った。
(やった…まだ乾先輩来てないじゃん!とりあえず練習してよ)
海堂は部室からラケットを取りコートへと向かった。コートには誰も居なかった。
バシッーーバシッーー・・・・・・・
イイ感じでサーブも決まり乾のことも忘れかけていたその時。
「か〜〜〜お〜〜〜る〜〜〜!!!!!!!!!!!」
「げっ・・・」
海堂の後ろから抱き付いてきた者。それは乾だった。
「いやぁ〜、海堂。寂しい思いをさせてごめんよ。ちょっと学級の仕事が残っていてね。」
いやいや、さみしくなんてなかったぜ。口で言わずに顔で言う。
「やめてくださいよ。乾先輩。」
「ハハハハ!今日は海堂に拒否権はないよね?」
「・・・・。」
確かに今日の海堂はおかしい。
いつもなら部活に抱きつこうものならブーメランスネイクで鍛えた右腕で乾を殴っているはずだか
今日はそんな様子もなく弱弱しい抵抗しか起こさない。
やっぱりこれには理由があったのだ。



「今日は・・・罰ゲームありの練習をしようと思う。」
前日の部活の日、乾はそう言った。
「ねぇ、乾。罰ゲームってなんなの?もしかして乾汁?ペナル茶?」
不二が乾に聞いた。乾は良くぞ聞いてくれましたといわんばかりに答えた。
「それはだな・・・どちらでもない!正解は・・・個人によって違うのだ!」
「にゃ〜〜????なんだよぅ。それ。んで、じゃあオレの場合はなんなの?」
菊丸が身を乗り出して聞いてきた。
「菊丸は・・・1日越前にお触り禁止令。」
「うっそ〜〜!そんなのいやだよ〜。ねっ?乾〜〜。」
「だめ。で、その越前は一週間毎朝牛乳を飲むこと。」
「げっ・・・。」
「不二は一週間黒魔術禁止ね。」
「そんなこと…。だって僕黒魔術なんてかけないってばvv」
「手塚は笑顔を見せること。1回で許すから。」
「…。無理だ。」
「で、海堂は…1週間俺の事を受け入れる!部活中にね。」
「はぁぁ〜??!!」
「タカさんは…   」
海堂のすっとんきょうな返事も無視し乾は次々に罰ゲームを言って行った。
レギュラー陣は乾に反論の声をあげることはなく練習は始まった。
誰もが乾の練習メニューには異論はなかったから。決して悪いことにはならないと分かっていたから。
・・・・・・・・・・・・・
「よし。じゃあ罰ゲーム実施者は海堂!きみ一人だ!」
おいおい乾さん。都合がよすぎる結果じゃありませんか?
そう。それも当然。海堂の苦手コースのみを狙った練習だったから。
「っつーか乾〜。海堂のことを独占したかっただけでしょ?も〜私情を練習にいれるにゃ〜!」
菊丸が乾へと反発した、が。内心絶対笑っているのだろう…。

「さあ!海堂!練習を始めようか!」
「・・・ハイ。」
海堂の苦労は今始まったばかりなのだ。

★END★



---後記----------------------------
乾がすき。
ヘタレな乾がすき。
(後記になってない)

 ・悠来摩琴・
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