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祭囃子が繰り返し、縁日で賑わう境内を盛り立てる。
ことしもこの町に、夏祭りがやってきた。
緑も多く残るこの新興住宅地では、もともとの土地のものと、
他の地方から新しく一軒家を構えるためにやってきたものとは
文化も意識も風習もまるで異なる。
そんな人々が皆楽しみにし、古きも新しきも違和感なく溶け込み合う夏祭りは、
他まだまだイベントの少ないこの場所では大きな意味を持つ。
表から聞こえる祭囃子に誘われるように、
マサミも真新しい、卸したての浴衣に身を包むと、夕暮れの空の下、神社へと向かった。
夏休みも半ば以上がすぎた。
故郷を他の土地に持つ家族たちも、ぼちぼち帰省先から帰ってくるころだ。
いつも会う友だちは別にして、クラスのほかの人や他のクラス、
それに・・・気になるおとこのこたちも夏祭りには顔を出してくる。
学年でもちょっと可愛いといわれるマサミだけど、
きょうの浴衣姿はいつもよりなかなかいいかも、と少し自信がある。
いつも長く伸ばしたままの髪をアップにして、うなじをすこし多めに見せてみる。
おとこのこは、おんなのこのふだん見せない姿に弱いのよ、っておかあさんも言っていたっけ。
みんなどんな顔するかな。
すこし特定のひとの顔を、主に思い浮かべながら、
いつのまにかマサミは小走りになっていた。
いつもは、といえば、いつもはすこし自分で短く仕立て直した
制服のスカートで元気に走り回るマサミだから、
この、浴衣ならではの「おしとやかに走る」というのが
どうにも、なかなかじれったい。
そうこうするうちに、浴衣が着崩れしてきた。
母親が出かけていたため本を見ながら自分でやったから、まあ、無理はできないということだろう。
浴衣にも、晴れ着ほどではないが和装ならではのコツがある。
慣れた人に手をかけてもらうと、かなりしっかりした着応えになって安心できる。
(やっぱりだあ。ああ、急ぐんじゃなかった。どっかで直していこう・・・)
マサミは辺りを見渡した。
あいにく公園のトイレなどは近くにないが、
まだまだ建設中の住宅が多いとはいえ、緑豊かな地方だから林や森が、
分譲地の縁にかかるようにぽつぽつと残っている。
近くにもそんな木々の固まりがあった。
ともすればはだけそうな裾や襟元を押さえて、
マサミは木々の陰に入っていった。
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「これでよしっ、と」
マサミは帯を折り込むと、ざっと目視で着付け具合を点検した。
とはいえ、通りから着替えを見られないように、すこし森の奥まで来てしまった。
月もまだまだ昇りきらない時間、あまりよく見えているとは言い難い。
(もっと明るいところに出たら、ちゃんとチェックしなくちゃ)
さっきは焦ってきたけれど、落ち着いて見渡せば緑は深い。
そして・・・とてつもなく静かなことにマサミは気がついた。
学校から家に帰るときの近道にも、森のなかの小道がある。
クラブで遅くなったときだってなんどもこんなところを通った。
だけど、へんだ。なんで虫の音すらしないのだろう?
まるで・・・まるで・・・
(息を潜めて、なにかが起こるのを待っているような・・・)
自分が思いついた事柄の不気味さにマサミはぞっとした。
はやく人気のあるところに戻ろう、
来た道に踵を返したその時、藪から湧きあがるように、
無数の触手がマサミに襲いかかった。
その生物は、マサミを口から犯しはじめた。
まず目についたのか、それとも悲鳴を封じるためにか。
マサミの小さくふっくらした唇から、醜い瘤だらけの触手が出入りする。
唾液と、触手そのものから分泌する濃度の高いべとべとした粘液が、
口からあふれ、白い喉を伝い、胸元へと降りていく。
地面に身体を伸ばすように身を横たえると、生物は触手で絡め取った獲物を
自らの上に四つん這いにさせて載せた。
浴衣の胸元が苦もなく押し開かれ、露わになった白い乳房を
不気味な触手がいとおしいものを扱うように揉み上げる。
(な、なにこれ、あたしどうなるの、食べられちゃうの、たすけて、たすけて)
悲鳴を上げることすら叶わないマサミは、
心の中で繰り返し助けを呼ぶしかなかった。
びりびりびりっ
浴衣の裾がまくり上げられ、音を立ててショーツが引きちぎられた。尻が剥き出しになる。
秘部や尻の蕾を撫で回す不気味な感触に
ようやくマサミは、自分がなにをされるのか悟った。
(まさか・・・これ・・・セックス・・・?)
まだまだ未熟な性知識ではその程度のものでも、
自分が陵辱されようとしていることだけは、わかった。
「んんー!んんんんん!んんんんっ!!」
四肢を拘束され、口を封じられながらも、マサミは身をもだえて抵抗する。
生物の生殖器が、マサミの秘裂にあてがわれた。
身体を固定されているマサミからは見えないが、
醜い瘤に覆われた極太の一本が。
(やだっやだっ、こんなのやだっ!あたし処女なのに!はじめてなのに!たすけて!たすけて!)
だが。
めりっ
ごりごりとした先端が、固い扉を押し開く。
(いたいいたいやめてやめていたいいたい、いたいよお)
めりっめりっ・・・ずぶっずぶっ
抗うことのできない力が、少女の下腹部を貫いていく。
マサミの奥底まで達すると、その狭い膣壁に擦り込むように、
極太の生殖器はピストン運動をはじめた。
奥まで突き、入口近くまで引き、そしてまた奥まで突く。
処女の証とべとべととした粘液が混ざり合い、
ときおりぼたっぼたっ、と音を立てて滴る。
「んっんっんっんっ・・・」
口と膣を同時に犯されるマサミはなすすべもなく、
深く突き入れられるたび、嗚咽とともに涙をただ流す。