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クスリをかがされ、ぐったりしたままの少女が連れ込まれたのは、薄暗い洞窟であった。
岩壁に穿たれた杭に少女の手首を拘束した鎖を吊すと、男たちは静かにそこを出て行っこうとする。
「ど、どうして・・・?」
いまだ意識がはっきりせず、力なく尋ねる少女に、男のひとりが一瞬足を止め、振り向きもせずに答えた。
「・・・すまねえ・・・ゆるしてくれよ・・・」
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男たちの足跡が遠ざかると入れ替わりに、洞窟の奥からなにか蠢く気配が伝わってくる。
薄暗い向こうを不安そうに少女は見透かそうとする。
その目の前に、ぬっ、と得体の知れない触手が伸びて、少女の細い身体に絡みつく。
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いやあああああ!やめて!やめて!いたいいたいいたい!!!
少女の泣き叫ぶ声が洞窟の外まで響く。だがそこに近づくものは誰ひとりなかった・・・。
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